
更新日:2023/01/29
【つみたてNISA】月1万円では意味がない?10年後の利益はどれくらい?

つみたてNISAを始めるにあたって、少額投資でも十分メリットがある理由を解説します。また、つみたてNISA対象の投資信託の選び方、少額でもしっかりと運用して利益を出すためのコツについても詳しく解説します。運用方針を決める際には、FPへの相談もお勧めします。
つみたてNISAで毎月1万円の積立だと意味ないと思っていませんか。
10年の積立でも元本120万円になるので、十分意味がある金額ですし運用次第でより成果を期待することができます。
内容をまとめると
- つみたてNISAは少額投資の人こそ有効活用できる制度。
- 毎月1万円でつみたてを始めたとしても、長期投資効果によりリターンは十分大きい。
- 資産運用のシミュレーションができるサイトもある。
- つみたてNISAで選べる投資信託はインデックスファンドがおすすめ!
- つみたてNISAを運用する上で少額でも投資を成功させるためのコツを紹介!
- つみたてNISAでお悩みの方はマネーキャリアの資産運用相談がおすすめです!
- つみたてNISAの制度だけでなく、実際の活用方法について詳しく知りたい人
- 始めてみたいが、投資できる額が少なくて不安な人
- どうすれば賢く運用できるのか、コツを知りたい人
- 実際に資産運用によりどれくらいのお金ができるのかイメージを作りたい人
目次を使って気になるところから読みましょう!
月1万円では意味がない?3つのポイントに分けて徹底解説!
最近、「資産運用」や「つみたてNISA」という単語を目にする機会が増えてきましたね。
将来のお金のために、資産運用を始めてみたいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際につみたてNISAで資産運用を始めるとなると、自分の大切な貯金を運用に回すことになり、初めてでは特に悩ましいですよね。
ここでは、つみたてNISAで資産運用する上での考え方のポイントを3つ解説します。
- 投資資金は多い方が非課税メリットも多くなる
- 年間非課税枠の40万円を使い切らなくてもよい
- つみたてNISAは少額投資にも向いている
ポイント①投資資金は多い方が非課税メリットも多くなる
まず前提として、投資額が多い方が非課税メリットも多くなります。
つみたてNISAてはない一般の口座で資産運用を行って利益が出た場合、その利益に対して20.315%もの額が課税されて徴収されます。
しかしつみたてNISA口座であれば、年間40間年までの投資額にはこの税金がかかりません。
この非課税のメリットは長期投資をする上では非常に大きなものです。
同じ期間、同じ商品を積み立てるとして、「つみたてNISA」への投資額が多いほど、非課税になる額も増えます。
ですから利益が出た場合、それに対して課税されないメリットは、額が大きいほど大きくなります。
非課税枠を使い切ることは、つみたてNISAという制度を活用してお得に資産運用するために大事なポイントです。
ポイント②年間非課税枠の40万円を使い切らなくてもよい
しかし、だからといって年間非課税枠の40万円を使い切らなければいけないわけではありません。
そもそもみなさんが資産運用を始める目的は、将来の生活を豊かにすることのはずです。
つみたてNISAは確かにお得な制度ですが、それに振り回されて現在の生活がおろそかになるほど投資に資金を回しては本末転倒です。
投資額を無理に増やすなら、それよりも先に家計の見直しを行い、毎月安定して投資に回せる額を作ることを優先しましょう。
また、40万円の上限ピッタリまで投資するには、ボーナス設定(後程詳しく説明します)を利用して特定のタイミングで増額投資する必要があります。
しかしそれを設定すると、「毎月定額を投資する」という原則が崩れてしまいます。
毎月の定額投資によって、購入証券の価格変動リスクを抑え、買い付け価格を抑えることが、つみたてNISAのメリットの一つだったはずです。
40万円という枠にとらわれすぎてしまうと、別のメリットを失ってしまう可能性があることに注意してください。
ポイント③つみたてNISAは少額投資にも向いている
最後のポイントは、つみたてNISAという制度は少額投資のために設計された制度であるという点です。
1万円未満といった少額で投資をしたい人はもちろん、長期間かけてじっくり投資をしたい人のために、投資を始めやすいようにつくられた制度です。
実際、多くの証券会社では毎月100円、1,000円といった少額から積み立てを行うことができます。
また、やや混同しやすい制度でiDeCoという制度があることをご存じでしょうか。
iDeCoとつみたてNISAを比較して、異なるポイントは以下になります。
つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|
お金として引き出せるタイミング | ◎いつでも可能 | ×原則60歳以降 |
節税効果 | △一定までの運用額からの利益が非課税 | ◎毎月の投資額すべてが所得控除の対象 |
このように、老後資金をためるという目的ではiDeCoのほうがメリットが大きいです。
しかし、生活にあわせて柔軟に長期投資をはじめることができるという意味では、つみたてNISAのほうが有利になります。
たとえば月々1万円など、金額を決めて同じ投資信託を継続的に購入するのがつみたてNISAのイメージになります。
毎月一定額を投資に充てるなら、月々数千円から4万円弱くらいまでであれば、比較的チャレンジしやすいのではないでしょうか。
継続して積み立てることに意味があります。
つみたてNISAで、自分の生活を考えつつ、無理のない範囲の投資額を選びましょう。
月1万円でつみたてを続けるとどうなる?
実際に月1万円でつみたてを続けた場合、最終的にどれほどの将来資産になるのでしょうか。
1万円という額なら目標額としてキリがよく、そこまで高額でもないことから、つみたてNISAを始めた後の生活のイメージがしやすいのではないでしょうか。
自分の大切なお金が将来どこまで増えるのか、気になる方も多いと思います。
- 10年間積み立てしたとき
- 20年間積み立てしたとき
2つの地点でどうなっているか、具体的かつ現実的な例を紹介しますので、自分なりのイメージを描いてみましょう!
ケース①10年間積み立てしたとき
まず1つ目のケースとして、10年間積み立てをした場合、スタート地点からどれくらいお金が増えているかを考えてみましょう。
まず、この時点で積み立てた金額の合計は、
1万円 × 12カ月 × 10年 = 120万円
となります。しかし、実際には証券を購入してリターンを得ることになりますので、毎年の投資額に対して一年あたりの利回りをかけた値が最終的な資産額になります。
毎年3%のリターン(利回り)があったとしましょう。
この場合、最終的な資産額は139万7,919円となります。
利益にあたる部分は19万7,919円であり、つみたてNISAで運用しますので、この部分に対して税金はかかりません。
また利回りを年5%とした場合は、最終的な資産額は154万9,920円となります。
利益にあたる部分は34万9,920円であり、これも非課税となります。
利回りについて正確な予測をすることはできませんが、これらの数値は現実的な範囲内だと思います。
ケース②20年間積み立てしたとき
続いて、つみたてNISAの非課税対象の最長期間である20年間のつみたてを継続した場合を考えてみましょう。
20年後の自分がどんな生活をしているかをイメージしながら読んでいただけると、つみたてNISAをつかった長期投資がより手になじんだものに感じられると思います。
この時点で積み立てた金額の合計は、
1万円 × 12カ月 × 20年 = 240万円
となります。まずは、毎年3%のリターン(利回り)で考えてみましょう。
この場合、最終的な資産額は327万6,605円となります。
利益にあたる部分は87万6,605円であり、当然この部分はつみたてNISAの対象内ですから税金はかかりません。
また、利回りを年5%とした場合でも考えてみましょう。
最終的な資産額は、なんと407万4,577円にもなります。
利益にあたる部分は167万4,577円であり、こちらも当然非課税です。
複利で運用することになりますので、投資期間が長ければ長いほど、その恩恵は加速的に増加していくのです。
あなたの投資額だと将来いくらになる?シュミレーションしてみよう
さて、具体的な積み立て金額と将来の資産額の例を紹介したことで、「自分がやったらどうなるだろう?」とお考えの方が多いのではないでしょうか。
将来設計を考えるうえで、具体的な投資額とそのリターンを設定することはとても大切です。
しかし、先ほどの計算に「複利」という言葉が出てきたように、将来の資産額を計算するために必要な計算は少々複雑になります。
でも、慌てなくても大丈夫です。
資産運用シミュレーションを無料で提供しているサイトがありますので、一緒に見ていきましょう。
方法①金融庁「資産運用シミュレーション」
まず紹介いたしますのは、金融庁の「資産運用シミュレーション」です。
こちらでは、自分の資産運用を考えるにあたって、計算が必要な「目標金額」「毎月の積み立て額」「積み立て期間」などを逆算してくれます。
例えば、以下の数値を設定することで、将来の資産額を計算することができます。
- 毎月の積立金額
- 想定利回り(年率)
- 積立期間
- 将来いくらになる?
- 毎月いくら積立てる?
- 何年間積み立てる?
方法②auカブコム証券「つみたてかんたんシュミレーション」
また、auカブコム証券「つみたてかんたんシュミレーション」というサイトもあります。
こちらでは、
- 毎月の積立額
- 積立期間
- プラン(リスクを踏まえた利回りの想定)
月1万円つみたてるならどの商品を選ぶ?
ここまで、毎月の積み立て額と、その結果期待できる将来の資産について考えてきました。
しかし、実際につみたてNISAを始めるには、積み立て額を使ってどの商品を買うか、という選択をする必要があります。
商品を選ぶということは、リスクとリターンのバランスを選ぶということです。
実際、つみたてNISAを始めようと商品選択画面を開くと、選ぶことができる商品の種類の多さにびっくりすると思います。
そこで、たくさんの選択肢に惑わされないように、商品を選ぶ際のポイントを紹介します。
手数料が安く、分散投資ができる「インデックスファンド」がおすすめ
まず、多くの方に自信をもってお勧めできるのは、手数料が安く、分散投資ができる「インデックスファンド」です。
つみたてNISAで購入することができるのは、特定の投資信託のみであり、3種類に分けることができます。
- インデックス型投信 173本
- アクティブ型投信 19本
- ETF 7本
そして、投資信託を理解するにあたっては、2つののポイントがあります。
- あるポリシーをもって選ばれた株や物件などの資産の「束」であること
- 購入時と年度ごとに一定の「手数料」が発生する
- 手数料(信託報酬)が安いこと
- 複数国へ分散投資できていること
- 購入・売却する際に手数料が掛からない
- 世界中の企業の株式に投資できる
月1万円でも上手く投資できる人になるコツ3つ
月々の積み立て額、目標額、購入商品について目星がつき、資産運用のイメージができてきたのではないでしょうか。
しかし、わかっていらっしゃる方も多いと思いますが、証券を保有して資産運用で利益を得るということは、簡単なことではありません。
先ほどは利回りを仮置きして将来資金を考えましたが、利回りは当然一定ではなく、一時的にマイナスになる場合もあります。
ここからは、月1万円の小額投資でも、「上手に」投資できる人になるためのコツを3つ紹介します。
- 「価格の下がり」に許容がある人になる
- 若い時はハイリスク・ハイリターンを選ぶ
- 「ターゲットイヤーファンド」を上手く活用する
コツ①「価格の下がり」に許容がある人になる
一つ目のコツとして、「価格の下がり」に許容がある人になるというポイントがあります。
貯金ではなく、資産を選んで「投資」をする以上、資産価格は変動しますから、その変動に合わせてあなたの資産額も上下します。
前年と比べてマイナスになっている時期も当然あります。
しかし、それを見ても「焦らない」ことが大切です。
つみたてNISAのポイントは「長期投資」でしたよね。
株価は、短期的に下落が続く場面があっても、経済が成長を続けている限り、上下に揺れ動きながら上昇していきます。
つみたてNISAを始める人は、短期投資家ではないのですから、短い期間の上下を読み切って利益を得るのではなく、長期投資による、その期間分の経済が成長した果実を受け取ることが目的のはずです。
あくまで投資の答え合わせは10年後、20年後です。
それまでの上下は許容して、毎月、淡々と積み立て続けることが大事なのです。
コツ②若い時はハイリスク・ハイリターンを選ぶ
投資方法はその人のライフスタイルによりますから、1つの正解というものは存在しません。
しかし、確実にできるアドバイスとして、若い時はハイリスク・ハイリターンを選ぶというポイントがあります。
具体的にはまず、年齢が若いときは、投資資産の中で、比較的リターン・リスクが高い株式の比率を高めます。
そして年齢を重ねる中で、徐々にその比率を下げる代わりに、リスク・リターンが低い債券の比率を上げていく ということです。
リスク面、リターン面からその理由について解説します。
まず、リスクの面から説明します。
年齢が若いうちは、労働による定期的な収入を稼げる期間が長いため、資産運用で多少の損失が出ても耐えることができ、リスク許容度が高いのです。
逆に年齢を重ねていくと、労働収入を得られる時間に終わりが見えてくるため、資金的にリスクある選択は取りづらくなります。
続いてリターンの面についてです。
一般的に、リスクが高いほど得られるリターンの期待値も高いです。
上下の振れ幅は大きいですが、長く期間をとることで平均化できます。
運用期間がまだ多く残っているうちにハイリスク・ハイリターンをとっておくことで、長期的なリターンだけに目を向けることができるのです。
コツ③「ターゲットイヤーファンド」を上手く活用する
さて、年齢に応じた投資戦略を紹介しましたが、実際に自分で運用するにあたって、日々の生活が忙しくて選ぶ余裕がなかったり、忘れてそのままになってしまうことを不安に感じる方も多いと思います。
そこで、最後に「自分で投資している資産の比率を変更していくのが大変だ」という人のための「ターゲットイヤーファンド」という投資信託を紹介します。
ターゲットイヤーファンドは、自分がリタイアする年に向けて、自動的に資産配分を調整してくれる投資信託です。
これを利用することにより、時間のかかる選択を投資会社に一任しつつ、戦略的な資産運用を行うことができます。
参考:皆いくら積み立てている?つみたてNISAの投資金額ランキング
さて、実際につみたてNISAを運用している人はどれくらいの額を投資に回しているのでしょうか。
いくら「自分に合わせた投資計画を!」とはいえ、ほかの人の動きは気になるものですよね。
ここでは、金融庁が公表しているデータをもとに、つみたてNISAを運用している人の毎月の投資額のランキングを紹介します。
これから始める方はぜひ参考にしてください!
【1位】3万円以上
最も多い割合だったのは、毎月の投資額が「3万円以上」というグループでした。
毎月3万円以上ということは、年間の非課税限度額である40万円ギリギリまで積み立てていることになります。
やはり、「非課税のメリットを最大限に生かしたい」という考えが強い人が多いです。
ただし、このランキングはつみたてNISAをすでに運用している人を対象にしており、つみたてNISAを始めたての人はこの中では少数派です。
はじめから3万円以上でつみたてNISAをスタートしている人が多いというわけではないことに注意してください。
【2位】1万円以下
続いで多かったのが、「1万円以下」という層です。
このグループの方は「生活に支障のない範囲で、少額からつみたてNISAを始めてみた」という方々にあたります。
先ほど紹介したように、少額投資でもつみたてNISAは十分なメリットを得ることができます。
また、このグループに現在所属している人でも、今後お金に余裕ができてきたら積み立て額を増やしていくことも考えられます。
【3位】2万円以下
最後に、最も少なかったのが「2万円以下」という層です。
この層が少なかったということは、非課税のメリットを最大化するか、現在の生活を優先するかのどちらか一方に戦略を絞っている人が多いということだと考えられます。
しかし、投資の正解は人それぞれ異なりますから、「どっちつかずの考えでは非効率だから中途半端な額を投資している人は少ない」というわけではありません。
自分の現在の生活と将来必要な額についてよく考えながら、賢くつみたてNISAを活用していきましょう。
まとめ:つみたてNISAの相談はマネーキャリアへ!
つみたてNISAを有効活用するための戦略について解説しました。
ここまで読んだ人なら、つみたてNISAで実際に運用を始めるために必要な知識が身についたかと思います。
月ごとの積み立て額、リスク戦略、商品の選択など、考えるべきポイントは紹介しましたが、それでも一人ですべて決めきることは大変ですよね。
マネーキャリアでは、つみたてNISAについてファイナンシャルプランナーが無料相談を行っております。
大切なお金の問題ですから、一人で抱え込む前に、プロに相談してみるのも戦一つの作戦です。
マネーキャリアのホームページを確認し、ぜひ活用してみてください。
本記事で1万円積立の運用シミュレーションや運用のコツについて解説していくので、ぜひご覧下さい。
つみたてNISAをやめたほうがいい理由については「つみたてNISAをやらないほうがいい理由とは?」で解説しているため詳細を見たい人は参考にしてください。