更新日:2023/12/29
お金がない親の面倒をみるためには?老後資金を確保するために
「老後2000万円問題」が話題になっています。しかし、自分の親に老後資金の貯金がないことが判明したらどうしたらいいのでしょうか。この記事では貯金のない親をサポートするためのポイントを解説しています。老後資金を確保するためのコツも紹介しるので参考にしてください。
内容をまとめると
- 親の貯金がないときは、家計の収入と支出・親の全財産・負債の有無を子どもが確認すべき
- 家計の管理で親をサポートすることもできる
- 困ったときに使える公的制度は生活保護制度以外にもたくさんある
- 老後資金がなくても持ち家がある場合は、現金を確保する方法がある
- 親の老後資金が足りない事態を防ぐには、資産運用の重要性や家計の見直しを進めることが重要
- 老後に貯金がない高齢者は珍しくないため早めの対策が吉
- 親の老後資金がないならFPに相談して適切なサポートを提案してもらうのもおすすめ
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 子どもはお金がない親の面倒をみる義務がある?:放棄はむずかしい
- 親の貯金がないときに子どもができること5ステップ
- ステップ①家計の収入と支出を把握する
- ステップ②親が持っている全資産を把握する
- ステップ③負債がないか確認する
- ステップ④家計の見直しをする
- ステップ⑤負担を減らすために利用できる制度がないか確認する
- 親の貯金がない場合に利用できる5つの公的制度
- 公的制度①:生活福祉資金貸付制度
- 公的制度②:生活保護制度
- 公的制度③:高額療養費制度
- 公的制度④:高額介護サービス費制度
- 公的制度⑤:高額医療・高額介護合算療養費制度
- 親の老後資金がなくても持ち家があれば大丈夫:現金を確保する方法2選
- 現金を確保する方法①:リバースモーゲージ
- 現金を確保する方法②:リースバック
- 親の老後資金が足りなくならないようにする5つのポイント
- ポイント①:資産運用の重要性を伝える
- ポイント②:定期的に家計の見直しを勧める
- ポイント③:親の資産をできる限り把握しておく
- ポイント④:親が健康で働いているうちに老後の対策を立てる
- ポイント⑤:年金受給年齢の繰り下げも検討する
- 親が老後を迎える前に知っておきたい高齢世帯の現状
- 老後に貯金がない高齢者が2割程度いる
- 年金のある世帯でも老後の家計収支は赤字になる
- まとめ:親の貯金がないときは適切なサポートで対処しよう
目次
子どもはお金がない親の面倒をみる義務がある?:放棄はむずかしい
親の面倒を完全に放棄することはむずかしいです。というのも、民法877条1項は「直系血族および兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定めており、お金がない親の子どもは、自分の生活が可能な範囲で、親の面倒をみる必要があります。
親の貯金がないときに子どもができること5ステップ
この5ステップでまずは現状の確認と改善を行いましょう
①家計の収入と支出を把握する
②親が持っている全資産を把握する
③負債がないか確認する
④家計の見直しをする
⑤負担を減らすために利用できる制度がないか確認する
自分の親に貯金がなく、老後資金が不安な場合はどうしたらいいのでしょうか。この記事では、貯金がなく老後資金が不安な親を、子どもがどのようにサポートしていくか解説します。
まず親の貯金がないことが判明した時に、子どもがするべきことはこちらの5つです。
- 家計の収入と支出を把握する
- 親が持っている全資産を把握する
- 負債がないか確認する
- 家計の見直しをする
- 負担を減らすために利用できる制度がないか確認する
老後資金の問題をサポートするには、現状を把握し、改善することが何よりも大切です。また、負担を減らすための公的な制度もあります。どれが利用出来てどれくらい負担を軽減できるのか確認しましょう。
ステップ①家計の収入と支出を把握する
まず、家計の収入と支出を把握しましょう。
まだ働いている親であれば給与や事業所得がありますし、リタイアしている場合は年金が主な収入源になります。
給与や事業所得を把握するには、給与明細書や源泉徴収票、確定申告書を見ると確実です。他にも銀行口座に把握していない入金が無いか、通帳も確認しましょう。年金収入を把握する場合は、ねんきん定期便やねんきんネットを利用しましょう。
また、収入だけではなく支出を把握することも大切です。無駄に使いすぎているお金は無いか確認しましょう。支出は家計簿をつけてもらったり、レシートや領収書、請求書をまとめといてもらうだけでも把握ができます。この場合も不明な支出が無いか、通帳を確認しましょう。
ステップ②親が持っている全資産を把握する
次に、親が持っている全資産を把握しましょう。親が持っている資産をすべて把握しているお子さんは少ないと思います。今後、認知症になったり、相続が発生した時に困らないためにも、親と話し合いながら一緒に確認しましょう。
貯金がないと思い込んでいても、実際は他に銀行口座があることを忘れていたり、預貯金以外に積立の保険や金融商品を持っていることもあります。また、不動産を持っている可能性もあります。いざという時に現金化できる資産がどれくらいあるのか把握しましょう。
保険や金融商品は、どのような保障でいくら貯まるのかなど、内容が素人では分かりにくいことがあります。把握するのが難しい場合はお金のプロであるFPに相談すると、分かりやすく解説して加入状況をまとめてくれるのでおすすめです、
ステップ③負債がないか確認する
資産の次は負債が無いか確認しましょう。意外な借金やローンが隠れているケースも少なくありません。
もし親に借金やローンがあれば、利息がかかってしまうので最優先で完済するようにしましょう。
年金しか収入がない中で返済を続けるのは、生活を圧迫します。支出を減らして余裕ができた分は老後資金のために貯蓄するよりも先に、返済に充てましょう。
収支や資産を確認し、資金計画を立てた上でどうしても返済できないようであれば、任意整理や個人再生等債務整理をするという手もあります。状況次第では選択肢に入れましょう。
ステップ④家計の見直しをする
収支を把握した上で、マイナスになっているようであればプラスになるように改善しましょう。収支を改善するためには、収入を増やすのと支出を減らすの2つの方法があります。両方とも行うのが理想ですが、可能な方から取り掛かりましょう。
収入を増やすには、働いて給与を得たり、財産を処分して手元に資金を得る方法があります。状況によって難しいかもしれませんが、定年後、再雇用で働いて勤労収入を得ることも視野に入れておきましょう。
支出を減らす場合は、固定費を見直すのが効果的です。保険や通信費などは昔のまま継続していると、高い費用を払っている可能性があります。不要な保障やオプションは外し、過不足無いように見直しましょう。
収入を増やすのは難しいですが、支出を減らしていくことは努力次第で可能です。お金のプロであるFPに相談すると、支出を減らすためのコツをアドバイスしてくれます。
ステップ⑤負担を減らすために利用できる制度がないか確認する
収支、資産、負債を確認し、家計を見直ししてもまだプラスにならないのであれば、ほかの方法を検討しなければいけません。
社会には、生活に困窮している人をサポートする制度があります。どのような制度があり、どのような使えるのかを知っておくだけでも、不安は軽減されます。
そのようなサポート制度は自治体やインターネットで情報を手に入れることができます。インターネットで調べる際は、子どもがサポートしてあげましょう。自治体のサイトでは高齢者向けのサービスを整理してまとめているものもあります。一緒に確認するといいですね。
高齢者向けサービスの例をいくつか紹介します。
- 緊急通報システムの設置:緊急時にボタンを押すことで民間事業者に通報できる。月500円程度の自己負担あり。
- 食事券の販売:1,000円で2,500円分の食券が買えるなど
- 配食サービス:お弁当の宅配(有料)
自治体によってサービス内容や自己負担額が変わるので、親の住んでいる自治体の情報を確認しましょう。また、自治体に直接話を聞きに行くのもいいでしょう。自分たちでは把握しきれなかった、現状に合ったサービスを教えてもらえるかもしれません。
親の貯金がない場合に利用できる5つの公的制度
はい、主に5つの公的制度があります。
①生活福祉資金貸付制度
②生活保護制度
③高額療養費制度
④高額介護サービス費制度
⑤高額医療・高額介護合算療養費制度
親の貯金がなく生活に困窮する場合、利用できる5つの公的制度があります。
- 生活福祉資金貸付制度
- 生活保護制度
- 高額療養費制度
- 高額介護サービス費制度
- 高額医療・高額介護合算療養費制度
まだ余裕がある方も、こういった制度があると覚えておくだけでも不安が解消されます。それぞれどのような時にどのようにサポートしてくれるのか解説していきます。
公的制度①:生活福祉資金貸付制度
- 必要な資金を他から借りることが困難な「低所得者世帯」
- 障害者手帳などの交付を受けた人が属する「障害者世帯」
- 65歳以上の高齢者が属する「高齢者世帯」
- 総合支援金(生活支援金、住宅入居費、一時生活再建費)
- 福祉資金(福祉費、緊急小口資金)
- 教育支援金(教育支援費、就学支度費)
- 不動産担保型生活資金(不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金)
公的制度②:生活保護制度
生活保護制度は最低の生活の保障と自立の助長を目的に、困窮の程度に応じて必要な保護を行う制度です。
生活保護には8種類の扶助があり、目的に応じて支給を受けられます。
扶助の種類 | 内容 |
---|---|
生活扶助 | 日常生活に必要な費用 |
住宅扶助 | アパートなどの家賃 |
教育扶助 | 義務教育を受けるために必要な費用 (学用品、給食費など) |
医療扶助 | 医療サービスの費用 |
介護扶助 | 介護サービスの費用 |
出産扶助 | 出産にかかわる費用 |
生業扶助 | 就労に必要な技能の修得などにかかる費用 |
葬祭扶助 | 葬儀のための費用 |
生活保護では生活費として生活扶助を受給できる他、家賃の支払いに利用できる住宅扶助があります。医療扶助や介護扶助は医療機関・介護事業者へ直接支払われるので、生活保護受給者の手元には入らず、本人負担なしで医療・介護のサービスが受けられる形になります。
それ以外にも急な出費で資金が必要になった場合は、一時的な扶助を受けることができます。
例えば、災害に遭った際の修繕費などは、毎月の生活保護と別に基準額の範囲内で保護費を受給できます。
生活保護には受給するための条件が定められていて、なかなかハードルが高いともいわれています。しかし、生活保護の申請は国民の権利として定められているので、生活保護が必要な状態であると思った時はためらわずに自治体へ相談しましょう。
※参考文献:厚生労働省
公的制度③:高額療養費制度
高額療養費制度は医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヶ月あたりの上限額を超えた場合、その超えた額を支給する制度です。
上限額は年齢や所得に応じて定められています。
70歳以上の方は
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) | |
---|---|---|
現役並み | 年収約1,160万円~ | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
現役並み | 年収約770万円~約1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
現役並み | 年収約370万円~約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
一般 | 年収156万~約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税等 | Ⅱ 住民税非課税世帯 | 24,600円 |
住民税非課税等 | Ⅰ 住民税非課税世帯 (年金収入80万円以下など) | 15,000円 |
このように区分分けされています。一般と住民税非課税等の区分は世帯ごとの上限額のほかに個人ごとの外来での上限も設けられているので負担が軽くなります。
69歳以下の方は
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
---|---|
年収約1,160万円~ | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
年収約770~約1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
年収約370~約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
~年収約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
このように区分分けされています。例えば夫婦ともに67歳の世帯で、医療費が1ヶ月で3割負担で15万円(医療費総額:50万円)かかったとします。この場合、上限額は
80,100円+(500,000円-267,000円)×1%=82,430円
となります。15万円支払いをしているので、高額療養費制度から差額の67,570円の給付が受けられます。事後申請の場合は先に支払いをし、あとから給付額が支払われます。
事前に高額な医療費がかかる予定がわかっている場合は「限度額適用認定証」を入手し、医療費の支払時に窓口で健康保険証と一緒に提示することで、支払いが自己負担限度額までで済みます。70歳以上の住民税課税世帯であれば、限度額適用認定証を入手しなくとも健康保険証と高齢受給者証を一緒に提示するだけで利用ができるので、覚えておきましょう。
※参考文献:厚生労働省
公的制度④:高額介護サービス費制度
高額介護サービス費制度は1ヶ月に支払った利用者負担の合計が負担限度額を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。
課税所得に応じて負担の上限額が決められています。
区分 | 負担の上限額(月額) |
---|---|
課税所得690万円~ | 【世帯】 140,100円 |
課税所得380万円~課税所得690万円未満 | 【世帯】 93,000円 |
住民税課税~課税所得380万円未満 | 【世帯】 44,400円 |
住民税非課税など | 【世帯】 24,600円 |
住民税非課税のうち 合計所得金額と課税年金収入の合計が 年間80万円以下の人など | 【個人】 15,000円 |
生活保護を受給している人など | 【個人】 15,000円 【世帯】 15,000円 |
こちらの制度は一度申請するとその後の申請は不要になり、高額介護サービス費が発生した月は、申請時に指定した口座に自動的に振り込まれます。
ただし、施設入所中の食費・居住費および日常生活費等の利用料は含まれないので注意しましょう。
※参考文献:厚生労働省
公的制度⑤:高額医療・高額介護合算療養費制度
高額医療・高額介護合算療養費制度は、1年間(8月1日~翌7月31)に支払った医療費と介護サービス費の自己負担合計額が高額になった場合に、自己負担額を軽減する制度です。
限度額は年額56万円を基本とし、医療保険各制度や被保険者の所得・年齢区分ごとの自己負担限度額を踏まえてきめ細かく設定されています。
後期高齢者医療制度 +介護保険 | 被用者保険又は国保 +介護保険 (70歳~74歳がいる世帯) | 被用者保険又は国保 +介護保険 (70歳未満がいる世帯) | |
---|---|---|---|
現役並み | 67万円 | 67万円 | 126万円 |
一般 | 56万円 | 62万円 | 67万円 |
低所得者Ⅱ | 31万円 | 31万円 | 34万円 |
低所得者Ⅰ | 19万円 | 19万円 | 34万円 |
医療費や介護サービス費の負担は大きくなりがちなので、公的制度を利用して負担を軽くできると安心ですね。
一年間の負担額が限度額を超えそうな場合、申請手続きや具体的な支給額などについては加入している医療保険(健康保険組合や自治体など)や介護保険の窓口に相談してみましょう。
※参考文献:厚生労働省
親の老後資金がなくても持ち家があれば大丈夫:現金を確保する方法2選
老後資金がなくても持ち家がある場合は、まとまった現金を確保できる方法があります。
- リバースモーゲージ
- リースバック
どちらも最近話題になっている、資金を確保する手段です。
持ち家がある方がそのまま住みながら、まとまった老後資金を確保できる2つの方法を紹介します。
現金を確保する方法①:リバースモーゲージ
リバースモーゲージは自宅を担保にしてお金を借りるサービスです。
自宅を担保に生活資金を借入し、持ち家に継続して住み続け、利用者が死亡したら担保になっていた不動産を処分し、借入金を一括返済する仕組みです。自宅を手放すことなく老後資金の借り入れができるというメリットがあります。返済の負担も少なく、いわゆる高齢者向けの貸付制度と言えるでしょう。
各都道府県の社会福祉協議会や金融機関が取扱いをしていて、借り入れる機関によって借入金の使途や貸付限度額、対象となる物件が異なります。検討する場合は使途の条件や対象物件をしっかり確認しましょう。
しかし、リバースモーゲージにもデメリットがあります。それは「長生きリスク」「土地下落リスク」「金利上昇リスク」と3つのリスクがあることです。
リバースモーゲージは契約期間を設けますが、その契約期間が終了すると元金と利息を一括返済しなくてはなりません。長生きして契約期間が終了してしまうと家を失ってしまうというリスクがあります。
また、担保になる不動産は定期的に担保評価を見直します。その際に融資した金額よりも評価額が下がってしまった場合、融資額と評価額の差額を返済しなければいけません。契約者が亡くなって不動産を売却して借入金を一括返済する際に、不動産の売却額が借入金を下回ってしまったらその差額を相続人が返金しなければいけません。
リバースモーゲージは変動金利商品が多いため、金利が上昇した場合は毎月の利息の支払いが増えてしまうこともあるので注意が必要です。
様々なリスクはありますが、老後資金が足りないけど持ち家を売却したら住むところがない…という場合には有効な手段でもあるので、持ち家がある場合は検討してみましょう。
現金を確保する方法②:リースバック
リースバックは不動産を売却して現金化し、同時に賃貸契約を結んで家賃を払いながらそのまま住むことができるプランです。
リースバックのメリットはこちらです。
- まとまった資金を調達できる
- 引っ越す必要がなく、そのまま住み続けることができる
- 固定資産税などの維持費が不要
- 将来的に再購入できるプランもある
不動産を売却するのでまとまった資金を一括で受け取れ、老後の生活資金を確保することができます。任意売却であれば売却後は住み替えが必要なので、引っ越し費用や手続きの手間が必要になりますが、リースバックでは賃貸物件として住み続けることができるので、その費用が不要になります。また、所有者は買取会社になるので、固定資産税などの維持費が不要になります。
リースバックのデメリットはこちらです。
- 所有する資産ではなくなる
- 売却価格が一般相場より安くなる恐れがある
- 家賃が発生する
- 将来ずっと住み続けられるとは限らない
売却をして所有者が買取会社になるので、所有する資産ではなくなります。そのためお子さんに相続しようと思っている方は相続できなくなるため、家族でよく相談してからリースバックを検討しましょう。
リースバックを利用した売却は、売却価格が一般相場よりも安くなる傾向があります。相場の7~8割程度になることが多いようです。売却後は家賃が発生します。家賃は住宅の築年数や立地などの条件にもよりますが、一般的には売却価格を基準に、その地域の家賃相場から期待される利回りで決まります。新所有者との交渉次第では一般相場より家賃が高くなってしまうこともあるので、売却前の交渉は慎重にしましょう。
リースバックを活用して賃貸契約を結ぶ際に、当初住み続けられる期間が定められることがあります。この定められた期間が満了すると、貸主が再契約を認めない限り、退去しなければならなくなります。長く住み続けたい場合は賃貸借契約期間が更新できる「普通賃貸借契約」でリースバックできる事業者を探しましょう。
親の老後資金が足りなくならないようにする5つのポイント
親の老後資金が足りなくならないようにするための、5つのポイントはこちらです。
- 資産運用の重要性を伝える
- 定期的に家計の見直しを勧める
- 親の資産をできる限り把握しておく
- 親が健康で働いているうちに老後の対策を立てる
- 年金受給年齢の繰り下げも検討する
こちらのポイントに注意して、親の老後資金について適切なサポートをしていきましょう。
ポイント①:資産運用の重要性を伝える
親の老後資金が足らなくならないようにするためには、まず資産運用の重要性を伝えることが大切です。
最近はNISAやiDeCoが普及し、資産運用に対するイメージも昔ほど悪いものでは無くなってきています。しかし、親世代には「運用は怖いものだ」というイメージを持っている人が多いのも事実です。
現在は老後生活を年金だけで生活することはほぼ不可能な時代になっています。日本の人口が減少している実態を考えても、これから先、年金制度の運用が厳しくなっていくことは間違いありません。また、自分で老後資金を貯めようと思っても、バブル期と違って低金利の現代では銀行預金で貯めていくのも厳しくなっています。
資産運用と一言で言っても、安定的な値動きをするもの、積極的な値動きをするもの、リスクの高い危ないものと様々な種類があります。それぞれのメリットデメリットを把握し、自分の状況にあった商品を選ぶことで、リスクを抑えながら資産を増やしていくことができます。
「運用は怖いものだ」と親が言っているようであれば、現状では厳しいことと運用の重要性を伝えていきましょう。子どもの意見だと話を聞いてもらえない場合は、第三者としてFPに相談することをおすすめします。FPはお金のプロなので、金融商品ごとのメリットやデメリットなど、詳しく話を聞くことができるのでおすすめです。
ポイント②:定期的に家計の見直しを勧める
老後資金に備えるためには、一度だけではなく定期的に家計の見直しを勧めましょう。
老後に収入を増やすのは難しいですが、支出を減らすことはできます。定期的に家計を見直すことで、無駄な支出を抑えていきましょう。
一度家計を見直しても、数年経てば状況は変わります。何か病気をして医療費の負担が増える場合もありますし、車に乗らなくなって車の維持費が不要になるかもしれません。家計の収支は変化していくので、その時々に合わせた見直しを行いましょう。
支出を抑えるためには固定費の削減が効果的です。通信費や保険料等、毎月費用が掛かるものは定期的に見直しましょう。いろんな選択肢があってよく分からない、という方にはマネーキャリアの無料FP相談がおすすめです。
お金のプロであるFPは過不足の無い、現状に合わせた保険を提案してくれる他、家計の節約術についてもアドバイスをしてくれます。何度も無料で相談できるマネーキャリアのFP相談で、納得いくまでプロの手を借りて家計を見直しましょう。
ポイント③:親の資産をできる限り把握しておく
親の老後資金が足りなくならないようにするためには、親の資産をできる限り把握しておきましょう。
老後資金を試算するためには、資産状況を正確に把握しておく必要があります。他にも、親が認知症になってしまい、資産状況が分からなくなり、子ども達が困っている例が多くあります。相続時にも資産状況を把握していないと分割協議に差し支えるので、先々のことを思うと資産状況を把握しておくことが大切です。
老後のライフプランを考えるときに、資産状況を一覧にして共有できると安心ですね。
ポイント④:親が健康で働いているうちに老後の対策を立てる
老後の資金について対策を立てるのであれば、親が健康で働いているうちに動きましょう。
老後生活に入ってから老後資金の対策を立てようと思っても、すでに収入が減っている状況では取れる対策が少なくなってしまいます。健康で働いているうちであれば、収支を見直して老後資金のための貯蓄に回すこともできます。
また、働けなくなって収入が途絶えると、一気に家計は苦しくなります。働けなくなった理由が病気やけがの場合は、収入が減った上に医療費や介護費の負担が重くなることも考えられます。
老後資金もリスク対策も、健康で働いているうちに早めに対策を立てることで、様々な手段をとることができます。少しでも早くから備えを始めましょう。
ポイント⑤:年金受給年齢の繰り下げも検討する
老後の収入が心もとないと思う時は、年金受給年齢を繰り下げるという方法もあります。
年金の受給は原則65歳からですが、その受給開始年齢を66歳~75歳の間へずらすことで受給額を増やすことができます。増額率は最大84%で、増額した年金額は一生同じ額で受け取ることができます。
年金受給年齢を繰り下げるということは、繰り下げている間は収入がありません。その間の収入は、定年退職後も働いて稼働所得を得るか、個人年金保険等で備えた資金を受け取る等の対策が必要です。
年金受給年齢の繰り下げは、老後の生活資金を増やすためには有効な手段です。しかし、いつまで健康で働き続けられるかは誰にもわかりません。年金受給年齢の繰り下げを検討すると同時に、働けなくなった時のことも考えながら対策を練りましょう。
親が老後を迎える前に知っておきたい高齢世帯の現状
親が老後を迎える前に、高齢世帯の現状を把握しておきましょう。
- 老後に貯金がない高齢者が2割程度いる
- 年金のある世帯でも老後の家計収支は赤字になる
年金のある世帯でも家計収支は赤字になり、老後資金を切り崩していくことになります。しかし、その老後資金がない高齢者が2割以上いるのも事実です。
自分の親が穏やかに老後を暮らせるよう、現状を把握して対策を練りましょう。
老後に貯金がない高齢者が2割程度いる
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」(2020年)によると、二人以上世帯で世帯主年齢70歳以上の金融資産有無の調査では、金融資産無が18.6%という結果が出ています。
つまり70歳以上の高齢者で貯金が無い人が2割程度いるということです。
老後資金を準備できなかった人もいますが、70代以上では老後生活で貯蓄を切り崩しているケースもあるでしょう。平均寿命が年々延びている現在、貯蓄無しで長い老後生活を送るのはとても厳しい状況です。
長寿化に向けて、さらなる備えが必要になるでしょう。
年金のある世帯でも老後の家計収支は赤字になる
総務省の「家計調査年報」によると、夫婦共に65歳以上の高齢無職世帯の1ヶ月の支出は、25万5550円でした。65歳以上の単身無職世帯においては14万4687円となります。
収入の方は、厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、令和2年度末時点での国民年金の受給者の年金額の平均は約5万6000円、厚生年金受給者の平均額は約14万6000円でした。
厚生年金の夫と国民年金の妻の場合、受給額は二人で約20万2000円になります。年金がある世帯でも、この例であれば約5万3550円赤字になります。
年金がある世帯でも家計収支は赤字になる可能性が高いので、現役時代のうちから老後資金はしっかりと準備する必要があります。
まとめ:親の貯金がないときは適切なサポートで対処しよう
こちらの記事では、親の老後資金が足りないときにどのようにサポートしていくかを解説しました。
ポイントはこちらの5つです。
- 家計の収支、資産、負債をしっかりと把握する
- 家計の見直しをする
- いざという時、使える公的制度を把握しておく
- 持ち家の場合、まとまった資金を確保できる方法があるのを知っておく
- 老後対策は現役のうちに始める
老後資金の話は、お金の話や介護や相続なども関わってくるので、なかなか話しづらいと思います。しかし、老後生活で困らないためにも、少しずつでいいので親と話をし、適切な距離感でサポートしていきましょう。
老後資金の話で困った時は、プロの手を借りることをおすすめします。お金のプロであるFPは老後資金やリスク対策の方法をアドバイスをしてくれます。また、親子間で話しづらいことも第三者のFPが入ることで上手く進むこともあります。
マネーキャリアの無料FP相談は、何度も無料でFPに相談することができます。老後資金の話は一回の相談でサクッと終わるようなものではないので、何度でも無料で納得いくまで相談できるのは安心ですね。
ほけんROOMでは老後資金やリスク対策など、お金に関するコラムが多数掲載されています。興味のある方は是非ご覧ください。
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