更新日:2023/01/18
つみたてNISAの40万円って何?非課税枠を使い切る方法を解説!
つみたてNISAの「40万円」は非課税枠の上限額です。この記事ではせっかくの非課税枠を最大限使い切るための増額等を利用した設定方法や40万円の非課税枠の将来的な見通しを詳しく解説していきます。
- つみたてNISAの非課税枠をきれいに使い切りたい人
- つみたてNISAの積立設定をどうすればいいか分からない人
- つみたてNISAの金融機関の選び方を悩んでいる人
内容をまとめると
- つみたてNISAの「40万円」は非課税枠の上限額のこと
- 積立設定の一ヶ月あたりの上限額は約33,333円
- 積立設定だけでは40万円を使い切ることができない
- 40万円の非課税枠を使い切るには増額設定を利用しよう
- つみたてNISAの不安や疑問はマネーキャリアへ!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- つみたてNISAで重要な数字「40万円」って何のこと?
- 1年あたりに積み立てられる上限額のこと
- ひと月あたりの上限額は約33,333円
- 年間40万円の非課税枠を超える金額の設定はできる?
- 原則1年で40万円を超える金額は設定できない
- そもそも上限額40万円を使い切るべきか?
- 投資資金は多い方が非課税メリットも多くなる
- 必ずしも枠を使い切らなくてもよい
- 1年で上限額40万円を上手く使い切る方法
- 方法① 積立金額を1円単位で設定できるところを探す
- 方法② 特定の月に追加で投資をする
- 積立を1円単位で行った場合、生じる問題と解決方法は?
- 問題点:月33,333円積み立てても、年間限度上限額まで4円余ってしまう
- 解決方法:各証券会社で増額設定を行う
- 【難易度別】4円を無駄にしない増額方法!3つの証券会社を例に解説
- 方法①【簡単】楽天証券(口座引き落とし):ネットから増額設定
- 方法②【普通】楽天証券(楽天カード決済):証券口座引き落としを利用
- 方法③【普通】SBI証券:ボーナス月コースを利用
- 方法④【難】松井証券:月ごとに積立額の解除・再設定を繰り返す
- 年の途中からでも40万円の非課税枠を使い切るポイント3つ
- ポイント①9月以降の月に増額設定をする
- ポイント②増額したい前月の12日までに増額設定をする
- ポイント③12月頭までには申し込みを済ませる
- 参考:年間40万円の上限額は、将来引き上げられる?
- 年間40万円以上投資したい人は一般NISAを選ぶ
- 当面現行の制度(40万円)のまま
- まとめ:つみたてNISAの不安や疑問はマネーキャリアへ!
目次
つみたてNISAで重要な数字「40万円」って何のこと?
マイナス金利が導入され、銀行預金の金利がとても低くなっている現在、投資に興味を持っている人も多いと思います。「iDeCoやNISAが色々お得」と聞いて、気になっている人も多いのではないでしょうか。
1年あたりに積み立てられる上限額のこと
つみたてNISAの「40万円」とは、1年あたりに非課税で積み立てられる上限額のことです。
そもそもつみたてNISAは、通常の投資であれば利益に対して約20%課せられる税金が、非課税で投資をできる税制優遇制度です。「40万円」は1年あたりに非課税で投資できる金額になります。
毎年40万円を20年間、最大800万円まで非課税で運用できます。つみたてNISAで買い付けた投資信託等から得た分配金や譲渡益は非課税になるので、一般口座での投資と比較すると運用益が手元に多く残ります。
つみたてNISAでは、対象となっている長期・積立・分散投資に適した商品のみに投資することができ、定期的に一定額を買い付けます。設定をすれば自動で定期的に買い付けをしてくれるので、投資のタイミングに迷うこともなく投資初心者におすすめの制度です。
ひと月あたりの上限額は約33,333円
つみたてNISAを活用して、非課税で積み立てられる金額は年間40万円までになります。これを一か月あたりにすると、
年間40万円÷12ヵ月≒3万3,333円
となります。つみたてNISAを上限ギリギリまで使おうと考えている場合、毎月の積立額の目安は約3万3,000円と覚えておきましょう。
NISA口座を開く金融機関は自分で選ぶことが出来ます。多くの銀行は「1000円以上1000円単位」で積み立てをするところが多く、毎月3万3,000円までの積み立て設定になります。しかし、SBI証券や楽天証券といったネット証券の場合、「100円以上1円単位」で積み立てができるところもあり、そのような金融機関の場合は毎月3万3,333円とギリギリまで投資ができます。
つみたてNISAを始めてみたいけど、どんな金融機関を選ぶのが自分に向いているのか?と悩んでいる方はFPに相談することをおすすめします。お金のプロであるFPに相談すると、つみたてNISAや一般NISAのメリットデメリットや、どちらの制度があなたに合っているかなど詳しく相談に乗ってくれます。是非FPに相談してみましょう。
年間40万円の非課税枠を超える金額の設定はできる?
毎月3万3,000円の投資では物足りない、と思う方もいると思います。そんな方は「年間40万円の非課税枠を超える金額の設定はできる?」と気になっているのではないでしょうか。
結論から言うと、原則1年で40万円を超える金額は設定できません。
つみたてNISAは長期的に資産形成をするために税制優遇されている制度です。その分、非課税枠が低く設定されています。
原則1年で40万円を超える金額は設定できない
つみたてNISAは毎月の積立額を設定し、定期的に設定額を自動買い付けします。
セゾン投信の場合、つみたてNISAでは「毎月の引落額」+「増額月の引落額」の12か月換算額が40万円を超える金額の設定はできません。毎月の投資額は3万3,000円以下にする必要があります。
もし毎月3万4,000円以上の積立を希望する場合、「つみたてNISA」と「課税口座(特定口座 / 一般口座)」での積立の併用を検討しましょう。つみたてNISAの上限額を超えた分は課税口座で買い付けがされます。この課税口座で買い付けた分は課税の対象になるので注意しましょう。
また、分配金を再投資する設定にしている場合も注意が必要です。上限額ギリギリの金額を設定している中、分配金が再投資されて上限額を超えた場合も課税口座での買い付けとなります。設定をする時に気を付けましょう。
年間40万円の非課税枠ですが、毎月3万3,000円までしか設定できないため、年の途中から始めると非課税枠を使い切るのが難しくなります。非課税枠は翌年に持ち越せないのでもったいないと感じる方も多いでしょう。
金融機関によって、年の途中から始める方への対応も行っています。セゾン投信は増額月を設定して非課税枠ギリギリまで使う手続きをします。自分が使う金融機関ではどのような対応をしているのか確認しましょう。
そもそも上限額40万円を使い切るべきか?
上限額40万円を使い切るという話が出ましたが、そもそも上限額40万円を使い切るべきなのでしょうか。前提として「必ずしも非課税枠いっぱいまで投資することが正しいわけではない」ということを確認しておきましょう。
ここでは上限額40万円を使い切るべきかどうか、2つのポイントを解説します。
- 投資資金は多い方が非課税メリットも多くなる
- 必ずしも枠を使い切らなくてもよい
投資資金は多い方が非課税メリットも多くなる
上限額40万円を使い切るメリットとして、投資金額が多い方が非課税メリットも多くなることが挙げられます。
同じ期間、同じ商品を積み立てて運用益が出た場合、投資金額が5倍、10倍となればそこから得られる利益も5倍、10倍となります。つまり、非課税になる金額が増えるといえます。
例えば、毎月1000円、毎月5000円、毎月1万円ずつ、20年間投資を続け、年利4%の利益が得られた場合、
毎月1,000円 | 毎月5,000円 | 毎月1万円 | |
---|---|---|---|
投資金額 | 24万円 | 120万円 | 240万円 |
利益 | 12万6,775円 | 63万3,873円 | 126万7,746円 |
資産合計 | 36万6,775円 | 183万3,873円 | 366万7,746円 |
それぞれの投資金額、利益、資産合計はこのようになります。つみたてNISAは本来運用益に対して課税される約20%(厳密には、20.315%)の税金が非課税になるので、
- 毎月1000円の場合⇒非課税になる税金額2万5,754円
- 毎月5000円の場合⇒非課税になる税金額12万8,771円
- 毎月1万円の場合⇒非課税になる税金額25万7,542円
これだけの非課税メリットがあります。投資額が多ければ多いほど、非課税の恩恵を受けることが出来るのです。この制度をうまく使い、非課税で手元に残った分をさらに運用に回して、資産を増やしている方も多くいます。
必ずしも枠を使い切らなくてもよい
しかし、非課税メリットが大きいからと言っても、収入状況や家族の状況などいろんな要因で積立額を上限まで増やすのが難しい方もいます。
それでは自分に合わせた積立額は、どのように決めればいいのでしょうか。
まず、大前提として現在貯金が全くないという人は、家計を見直し、いざという時のための資金を貯蓄することが大切です。つみたてNISAは一般的な投資と比較すると堅実な投資だと言われていますが、それでも世界情勢によっては元本が減る局面もあります。
何か不測の事態があって収入が途絶えても、数か月は生活できる資金(=生活防衛資金)を預金などで貯めた上でスタートすることをおすすめします。不測の事態があったときにつみたてNISAの資産が元本を割って足りなくなってしまったら、生活が立ち行かなくなってしまうからです。
家計を整え、いざという時の資金を貯めた上でつみたてNISAはスタートしましょう。
また、非課税枠を使い切ることにこだわりすぎる必要はありません。毎月の積立設定では非課税枠を使い切れずボーナス設定をする方もいますが、ボーナス設定をすると時間分散メリットが薄くなります。つみたてNISAは非課税枠も魅力的ですが、毎月定額投資をすることで買い付け金額を平準化し、利益が出やすくなるという大きなメリットがあるからです。
非課税枠を使い切ることにこだわらず、時間分散のメリットを使いながら、無理なく積み立てられる範囲で始めていきましょう。
1年で上限額40万円を上手く使い切る方法
とは言っても、「どうしても年間の上限額40万円をうまく使い切りたい!」という方もいるでしょう。
ここでは1年で上限額40万円を上手く使い切る方法を2つ紹介します。
- 積立金額を1円単位で設定できるところを探す
- 特定の月に追加で投資をする
つみたてNISAの設定の参考にしてください。
方法① 積立金額を1円単位で設定できるところを探す
上記でもお伝えした通り、多くの銀行では積み立ての設定額を「1000円以上1000円単位」としています。しかし、ネット証券であれば「100円以上1円単位」という細かい金額を設定できる金融機関があります。
上限額40万円を使い切りたいと思っていると思っている方は、設定できる金額が細かい金融機関を選びましょう。
1円単位で設定できるところであれば、
毎月3万3,333円×12か月=年間39万9,996円
と、上限ギリギリまで積み立てをすることが出来ます。ギリギリまで積み立てたいわけではない方でも、小さい単位で積立額を設定できるネット証券は少額から投資を始められるというメリットがあります。設定可能金額も金融機関を選ぶ際のポイントにしましょう。
方法② 特定の月に追加で投資をする
つみたてNISAでは毎月の積立額を設定して自動買い付けを行います。
それ以外に、特定の月に追加で投資をする「増額月」を設けている金融機関があります。主にボーナスの時期などに増額する人が多いため、ボーナス設定とも言われています。
例えば毎月2万円を積み立て、1月と7月にボーナス設定で8万円ずつ追加で積み立てる場合、
毎月2万円×12か月+8万円×2か月(1月・7月)=40万円
となり、非課税枠の40万円を使い切ることが出来ます。ボーナス月など自分の状況に合わせて設定できるので、非課税枠を使い切りたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
ボーナス設定の回数や設定方法は、金融機関によって異なりますので確認してみましょう。
積立を1円単位で行った場合、生じる問題と解決方法は?
せっかく非課税枠があるのであれば、それをギリギリまで最大限活用したい人も多いと思います。そのためには1円単位で積立をして、40万円ちょうどまで積み立てたいですよね。
それでは積立を1円単位で行った場合、何か問題は生じるのでしょうか?
積立を1円単位で行った場合、「月33,333円積み立てても、年間限度上限額まで4円余ってしまう」という問題点があります。
この項目ではこの問題点と解決方法について解説します。
問題点:月33,333円積み立てても、年間限度上限額まで4円余ってしまう
つみたてNISAの年間投資上限額は40万円です。これを1か月あたりにすると、月の限度額3万3,333円ということになります。
多くの銀行では積み立ての設定額が「1000円以上1000円単位」となっていて月3万3,000円までしか設定できませんが、ネット証券の場合、設定額を「100円以上1円単位」と小さい単位で設けているところもあり、積立額を細かく設定することが出来ます。
しかし、ネット証券を利用して月の限度額3万3,333円を毎月積み立てた場合でも、1年間で投資できる金額は39万9,996円になります。年間限度上限額まであと4円分あります。
つまり、毎月の設定では非課税枠をピッタリ使うことはできません。それではどうすればいいのでしょうか。どうしても非課税枠を使い切りたい場合、増額設定を行うことをおすすめします。
解決方法:各証券会社で増額設定を行う
前項で解説した通り、毎月の設定では非課税枠をピッタリ使うことはできません。
そのため、どうしても非課税枠を使い切りたい場合は、各証券会社で増額設定を行いましょう。増額設定は任意の月に多く積み立てをする設定のことです。ボーナス月に合わせて設定する方が多いので、証券会社によっては「ボーナス設定」と言われる場合もあります。
増額設定を利用すると、例えば毎月2万円を積み立て、1月と7月にボーナス設定で8万円ずつ追加で積み立てる場合、
毎月2万円×12か月+8万円×2か月(1月・7月)=40万円
と、40万円をきれいに使い切ることが出来ます。増額月や設定方法は各証券会社ごとに違うので、確認してみましょう。
【難易度別】4円を無駄にしない増額方法!3つの証券会社を例に解説
月3万3,333円の積立設定をしても、1年間で積み立てられる額は39万9,996円になり、4円の余りが出てしまいます。
この4円を無駄にしない増額方法を、3つの証券会社を例に難易度別に解説します。
- 【簡単】楽天証券(口座引き落とし):ネットから増額設定【最新版】
- 【普通】楽天証券(楽天カード決済):証券口座引き落としを利用【最新版】
- 【普通】SBI証券:ボーナス月コースを利用
- 【難】松井証券:月ごとに積立額の解除・再設定を繰り返す
各証券会社ごとに増額設定の方法は違います。それぞれ難易度があるので、自分に合った方法を検討してください。
方法①【簡単】楽天証券(口座引き落とし):ネットから増額設定
ネット証券第2位と人気のある楽天証券では、2021年にサイトがリニューアルしたため、入力回数が減り、より簡単に増額設定を行えるようになりました。
リニューアルした点はこちらの2点です。
- 積立金額入力:複数の銘柄を選択している場合でも、まとめて金額入力ができます。
- 年間積立プラン:月ごとの積立金額を確認できます。右にスクロールをすれば、来年以降のつみたて金額も確認可能。
まず、毎月積み立てたい積立金額を入力します。これは複数の銘柄を選んでいる場合でも、それぞれの銘柄の積立金額ではなく、合計の金額を入力します。銘柄が増えるとそれぞれの金額を計算して考えなければいけないので楽になりますね。
その後、増額設定を入力します。最大で設定できる金額も入力欄の下に表示されているので、漏れなく増額を設定することが出来ます。ここで入力した情報は年間積立プランとして、グラフが表示されるのでとても分かりやすくなりました。
積立金額と増額金額を入力したら、銘柄ごとに積立金の配分を決めます。これもスライドバーで入力できます。
口座引き落としの増額設定はとても簡単なので、初めてのつみたてNISAで非課税枠をどうやって使い切ればいいかわからない方にはおすすめの方法です。
方法②【普通】楽天証券(楽天カード決済):証券口座引き落としを利用
楽天証券では楽天カード決済で積立設定をすることが出来ます。カード決済での投資信託購入可能額は毎月5万円です。
、カード決済の積立設定は増額分もカード決済になります。毎月3万3,333円の設定に増額分を設定しようと思うと、5万円の上限額があるため月1万6,667円までしか設定できず、設定する月によっては40万円を使い切れないことがありました。
そのため、カード決済の積立で増額設定をして40万円を使い切ろうとする場合は、一度積立設定を解除して口座引き落としで増額分を買い、またカード決済で設定する必要があり、手間と時間がかかっていました。
これが2021年のリニューアルで、口座引き落としとカード決済の積立の同時設定が可能になったため、カード決済時の増額設定がとても簡単になりました。
例えば8月から積立を始める場合、5か月で40万円を使い切るには毎月8万円の積立が必要です。今までは毎月3万3,333円の設定に月1万6,667円の増額分で5万円しか積立できず、残りの3万円の設定が出来ませんでした。
これがリニューアルによって、毎月3万3,333円の設定に増額分を口座引き落としで4万6,667円の積立設定ができるようになったため、5か月間で40万円の非課税枠をきれいに使い切れるようになりました。
この増額設定も1回の手続きでできるようになったため、カード決済でポイントを貯めながら、40万円を使い切りたいと思っている方におすすめの方法です。
方法③【普通】SBI証券:ボーナス月コースを利用
SBI証券で40万円を使い切る場合は、ボーナス月コースとNISA枠ぎりぎり注文を活用しましょう。
ボーナス月コースでは選んだファンド毎に年2回まで増額の設定が出来ます。うまく活用することで40万円を使い切ることが出来ます。
SBI証券独自のNISA枠ぎりぎり注文はうまく活用すると、無駄なく40万円の枠使い切ることが出来ます。
例えば、今年はすでに37万円の積立をしていて、あと3万円の枠が残っているとします。分配金を再投資する設定やボーナス月設定をしていて、次の積立注文の3万3,333円を積み立てると40万円を超えてしまうということがあります。
NISA枠ぎりぎり注文を設定していない場合、上限を超えてしまう注文は全額が積立中止されてしまいます。このまま年末を迎えると3万円の枠を残してしまうことになりますね。
これが、NISA枠ぎりぎり注文を設定していると、3万3,333円で上限を超えてしまう場合は3万円のみ積立をし、上限を超える3,333円部分のみ積立中止されます。うまく活用することで非課税枠をギリギリまで使い切れるのでおすすめの設定です。
しかし、このボーナス月コースとNISA枠ぎりぎり注文はクレジットカード決済が行えないので、その点は注意が必要です。
方法④【難】松井証券:月ごとに積立額の解除・再設定を繰り返す
最後に難易度の高い方法ですが、松井証券の月ごとに積立額の解除・再設定を繰り返す方法をお伝えします。
つみたてNISAの積立設定は40万円を12か月で割った、3万3,333円が上限になります。この積立設定を、当月の購入が完了した後に解除し、改めて同月内で別の日程で積立設定をするという方法です。
例えば、7月からつみたてNISAで取引開始し、当年中に投資枠を使い切るため1か月66,666円の積立をする場合、
- 「積立日:毎月5日」で、3万3,333円の積立設定を行う
- 6日以降に積立設定を解除し、新たに「積立日:毎月15日」で3万3,333円の積立設定をする
- 16日以降、翌月5日までに積立設定を解除し、「積立日:毎月5日」の積立を再設定する
- 12月まで上記の設定を繰り返す
3万3,3333円の積立を1か月に2回行うことで、月6万6,666円の積立が出来ることになります。
1月から始める場合は
- 1月の最初の積立設定を400円する
- 1回目の積立が完了した後、2回目の積立を3万3,330円に設定する
- 2月以降の積立を3万3,330円で12月まで積み立てる
この設定で、1回目の400円と2回目以降の3万3,330円×12回=39万9,600円を合わせて40万円をきれいに使い切ることが出来ます。
1か月に2回積立をする方法は、ファンド休日の関係で取引成立日がずれたり締め日が厳密に決まっているので、しっかりと把握してこまめに設定できる人向けの方法になります。
年の途中からでも40万円の非課税枠を使い切るポイント3つ
つみたてNISAを始めたいと思っても、手続きがよく分からなかったり、口座開設に時間がかかったりと始めるタイミングが年の途中になってしまうことはよくあります。残ってしまった非課税枠は翌年に持ち越すことが出来ないので、年の途中から始めるのは損じゃないか?と思う人も多いはずです。
例えば、11月につみたてNISAを始めた場合、毎月の積立設定上限額は3万3,333円なので、11月、12月の2か月間で6万6,666円まで非課税枠を使えます。しかしこれでは約33万円の非課税枠が残ってしまいもったいないですよね。
ここでは年の途中からつみたてNISAを始めても、40万円の非課税枠を使い切るポイントを3つ紹介します。
つみたてNISAは「年の途中から始めてももったいないし…」と始めるのを遅らせるより、早く始めた方がお得です。年の途中からでもうまく非課税枠を使い切りましょう。
ポイント①9月以降の月に増額設定をする
他の項目でもお伝えした通り、増額設定をうまく活用して非課税枠を使い切りましょう。しかし、ここで注意が必要なのは増額設定をするタイミングです。
毎月3万3,333円の積立を行うと、1年間の積立額は39万9,996円となり、4円の余りが出てしまいます。増額設定をすると年末まで設定が反映されるので、この4円を増額設定で消化するには9月以降の積立設定に増額設定をする必要があります。
増額設定のパターンは4パターンです。
- 9月、10月、11月、12月に1円増額する(1円×4か月=4円)
- 10月、11月は1円、12月に2円増額する(1円×2か月+2円×1か月=4円)
- 11月、12月に2円ずつ増額する(2円×2か月=4円)
- 12月に4円増額する(4円×1か月=4円)
9月以降にしか設定できないとなると忘れてしまいそうですが、思い出したタイミングでその時に合った増額設定をするといいですね。
ポイント②増額したい前月の12日までに増額設定をする
増額の設定には締め日があります。設定の締め日は、増額したい月の前月の12日になります。9月の積立から増額したい場合は8月12日までに設定を行う必要があるので注意が必要です。
締め日より早すぎても設定が出来ない場合もあります。設定できる期間をしっかり確認して、余裕をもって設定するようにしましょう。
ポイント③12月頭までには申し込みを済ませる
つみたてNISAを始めるには証券口座を開設する必要があります。
ネット証券の場合、口座開設から取引できるまでには最短で翌日、長くて1週間程度の時間がかかります。しかし、つみたてNISAの場合はさらにつみたてNISA口座を開設しなければいけません。つみたてNISA口座を開設するには、税務署の審査が必要なので1~2週間ほどかかります。
つみたてNISAを始める場合は口座開設完了から大体2~3週間かかるので、12月頭までには申し込みを済ませておくようにしましょう。
つみたてNISAについて分からないことがあれば、お金のプロであるFPに相談しましょう。つみたてNISAを行うときのポイントや注意点を丁寧に教えてくれます。マネーキャリアの無料FP相談では優秀なFPに無料で何度でも相談できるので、ぜひ申し込みましょう。
参考:年間40万円の上限額は、将来引き上げられる?
つみたてNISAの上限額が年間40万円では少ないと思っている方も多いと思います。また、40万円と12か月で割り切れない数字であることから、せめて12で割り切れる金額にしてほしいという要望もあります。
2021年秋、岸田新首相が金融所得課税強化を掲げ、2024年には一般NISAがリニューアルすることが決まっていて、つみたてNISAも拡充が期待されています。
しかし、現在のつみたてNISAの利用状況を考えると、年間の買付額の引き上げは必要ないようにも見えます。2020年、買い付けがあったNISA口座の平均買付額は22.5万円でした。上限の40万円から大きく下回っています。現在の利用状況からは、年間40万円で足りないどころか持て余している人の方が多いと考えられます。
年間40万円以上投資したい人は一般NISAを選ぶ
NISA制度には、つみたてNISAと併用不可の一般NISAもあります。こちらは年間120万円まで買付が出来る制度で、年間40万円以上の投資をしたい投資家の多くは一般NISAを選択していると推測されます。
NISAを活用して投資をする場合、自分が投資したい額に合わせて一般NISAとつみたてNISAを選択しましょう。
当面現行の制度(40万円)のまま
つみたてNISAの見直しが行われる際には、一般NISAと併せて検討される可能性が高いです。
一般NISAは2024年から新制度へリニューアルされることが決定しています。このリニューアルで、現在の非課税枠が年間120万円から年間122万円に拡大します。122万円の非課税枠は2階建てになっていて、1階部分の20万円はつみたてNISAの商品から選びます。2階部分の102万円は今までの一般NISAと同じです。
つみたてNISAが一般NISAに組み込まれ、つみたてNISAの制度変更が公表されていません。一般NISAの新制度移行前や以降直後につみたてNISAの大きな制度変更がされるとは考えにくいので、つみたてNISAの非課税枠の変更はしばらくないと考えられるでしょう。
まとめ:つみたてNISAの不安や疑問はマネーキャリアへ!
この記事ではつみたてNISAの非課税枠40万円に焦点を当てて解説しました。
40万円をしっかり使い切りたい方は増額設定やボーナス設定を使い、計画的に積み立てを行っていきましょう。もし40万円以上の投資をしたい場合は、一般NISAを活用するのもひとつの手段です。ぜひ検討してみてください。
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