更新日:2022/04/25
資産運用する際の預貯金と投資の割合を解説|年代別・余剰資金別
資産運用はコロナショック以降、若い世代を中心に注目を集めています。その中で、資産のうちどれくらいの割合を運用に回せばよいか気になる人もいるでしょう。この記事では資産割合の平均や、基本となる考え方など資産運用に役立つ情報を徹底解説します。
内容をまとめると
- 日本人は海外と比較して預貯金の割合が高く、資産の伸び率が低い
- 低金利や老後に備えた資産運用をしていく必要がある
- 年代が上がると、資産は増加していく
- 預貯金と資産運用の割合は「100-年齢」の法則などがあるが、最終的には自分で決める
- 資産運用は生活資金や緊急時のお金を確保してから行う
- 余剰資金の額によって運用方法は変わってくる
- 資産運用の割合に迷ったら、マネーキャリアで無料FP相談
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 預貯金と資産運用の比率を海外と比較
- 比較①日本は現金比率が高い
- 比較②米国では20年で金融資産の伸びが3倍以上
- 日本人が資産運用するべき2つの理由
- 理由①預貯金金利が低く預けたままでは資産が増えない
- 理由②年金だけでは老後資金が不足する
- 年代ごとの資産運用平均額と割合
- ①単身世帯
- ②2人以上世帯
- ③2人以上世帯のうち世帯主が20代
- ④2人以上世帯のうち世帯主が30代
- ⑤2人以上世帯のうち世帯主が40代
- ⑥2人以上世帯のうち世帯主が50代
- ⑦2人以上世帯のうち世帯主が60代
- ⑧2人以上世帯のうち世帯主が70代
- 資産運用と預貯金との割合を考えるための5原則
- 原則①資産運用の目的を明確にする
- 原則②資産運用可能な金額を計算する
- 原則③許容できるリスクを把握する
- 原則④決まった割合はない
- 原則⑤「100-年齢」の法則を参考にする
- 手持ち資金の基本的な分類
- 分類①生活に必要なお金
- 分類②緊急時に必要な備え
- 分類③余裕資金
- 余剰資金額に合わせたおすすめ資産運用法4選
- 運用法①余剰資金30万円以内
- 運用法②余剰資金30万~100万円
- 運用法③余剰資金100万~1000万円
- 運用法④余剰資金1000万円以上
- 資産運用に回す割合で迷ったらプロに相談
- 資産運用と預貯金の割合についてのまとめ
目次
預貯金と資産運用の比率を海外と比較
ここでは日本と海外で預貯金や保険、株式・投資信託といった資産運用の比率を比較します。資産運用をしたいと思っている人の中には、ほかの人の運用を参考にしたい人もいるでしょう。
日本と海外の資産運用には、以下の傾向が見て取れます。
- 日本は現金比率が高くリスク性資産を避ける傾向がある
- 海外の中でも米国は、金融資産が20年で3倍以上に伸びている
比較①日本は現金比率が高い
日本と海外の資産がそれぞれどれくらいの割合で運用されているかは、日本銀行調査統計局の「資金循環の日米欧比較」で確認できます。
この統計によると日本、アメリカ、ユーロ圏の保有資産における運用方法の割合は以下の通りです。
国・地域/資産(%) | 預貯金 | 株式等 | 投資信託 | 保険・年金・定型保証 | その他 |
---|---|---|---|---|---|
日本 | 54.3 | 10.0 | 4.3 | 27.4 | 4.1 |
アメリカ | 13.3 | 37.8 | 13.2 | 29.0 | 6.7 |
ユーロ圏 | 34.3 | 18.2 | 9.6 | 33.8 | 4.1 |
比較②米国では20年で金融資産の伸びが3倍以上
金融庁の「平成28事務年度 金融レポート」では、日本・アメリカ・イギリスで金融資産が1995年から2016年までに何倍になったかを示しています。統計によれば、以下の倍率です。
- 日本…1.54倍
- アメリカ…3.32倍
- イギリス…2.46倍
日本人が資産運用するべき2つの理由
ここまで日本人が資産運用に消極的であることをデータをもとに解説しました。そこからは、日本人の資産が海外より増えない理由の一つに資産のうち投資に回している割合が低いことがわかります。
ここからはそういった状況を打開するために資産運用をすべき2つの理由を解説します。その理由は以下の通りです。
- 低金利が続いており、預貯金ではほとんど金利がつかない
- 老後2000万円不足問題など、老後資金の確保に早期から取り組む必要がある
理由①預貯金金利が低く預けたままでは資産が増えない
現在の預貯金の金利は高くても0.1%程度です。この金利は、仮に100万円を1年間預けていても1000円しか金利を得られない計算になります。
利息を再投資することで、複利効果により資産は効率良く増えていきますが、金利が低すぎると意味がほとんどありません。
一方で投資信託や株式投資では、最大で10%程度の利回りを実現できる可能性があります。預貯金と違い、元本保証がないためマイナス運用になる年もあるかもしれませんが、長期的には大きくプラスになる可能性が高いです。
預貯金の低金利は今後も長期的に続くと見られ、ただお金を銀行に預けていても資産はほとんど増えません。それだけに株式や投資信託による資産運用をしていく必要があるのです。
理由②年金だけでは老後資金が不足する
過去に「老後2000万円問題」で話題になったように、今の若い世代は年金だけをあてにしていると老後資金が不足する可能性が高いです。
十分な老後資金を用意するためには、できるだけ早く貯蓄や資産運用をする必要があります。早期の対策があれば、余裕を持った運用をできるからです。
現在、老後基礎年金の給付額は月6万円弱であり、生活を送るには不十分でしょう。仮に厚生年金に加入していたとしても15万円程度です。
この金額では多くの人が生活費を賄いきれません。それを支えるのが、現役時代に積み上げた資産です。この資産は運用することで効率良く増やせますし、老後も配当金を受け取ることで生活費にも回せます。
このように今や年金だけでは、ゆとりのある老後を送ることはできません。それだけに資産運用は重要性を増しています。
年代ごとの資産運用平均額と割合
資産運用はどんな人でもしておいた方が、将来の生活が楽になります。老後資金が足りなくなると、生涯にわたって働き続けるしか選択肢がなくなってしまいます。この状況を避けるためにも、早期の資産運用が重要です。
ここからは、そういった状況の中で年代ごとにどのような資産運用が行われているのか、平均額と割合を紹介します。年代ごとの資産運用平均額と割合は以下の通りです。
- 単身世帯は約250万円、資産の4割弱を運用に回している
- 2人以上世帯では約300万円、資産の2割程を運用に回している
- 2人以上世帯のうち世帯主が20代の世帯では、約30万円、資産の1割程を運用に回している
- 2人以上世帯のうち世帯主が30代の世帯では、約100万円、資産の2割程を運用に回している
- 2人以上世帯のうち世帯主が40代の世帯では、約140万円、資産の1割強を運用に回している
- 2人以上世帯のうち世帯主が50代の世帯では、約400万円、資産の4分の1程を運用に回している
- 2人以上世帯のうち世帯主が60代の世帯では、約300万円、資産の2割弱を運用に回している
- 2人以上世帯のうち世帯主が70代の世帯では、約400万円、資産の4分の1弱を運用に回している
①単身世帯
単身世帯での資産の平均的な内訳は以下の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 276 | 42.3 |
有価証券 | 244 | 37.4 |
保険 | 112 | 17.2 |
その他 | 24 | 3.2 |
合計 | 653 | 100.0 |
単身世帯の特徴として、2人以上世帯より有価証券の割合が高いことがあげられます。これは単身世帯の方が、2人以上世帯よりも必要な生活費が少ないことが理由と思われます。
単身の場合、急な出費が必要になってもその金額は大きくありません。また、もし資産運用に失敗して損失を出しても、他人に迷惑をかけるわけでもないですよね。
このような理由から、単身世帯の人は積極的にリスクのある資産にも投資できるものと思われます。
②2人以上世帯
単身世帯と比べて、収入の馬力が2倍になる2人以上世帯は資産額の平均は高い傾向にあります。具体的な内訳は表の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 678 | 47.2 |
有価証券 | 293 | 20.4 |
保険 | 415 | 28.9 |
その他 | 49 | 3.4 |
合計 | 1436 | 100.0 |
2人以上世帯と単身世帯を比較すると、まず資産の平均額は2倍以上の差があります。そのうち預貯金の割合は変わりませんが、有価証券の割合が大幅に減少し、代わりに保険の割合が高まっています。
これは家族ができたことにより、リスクの低い資産を中心に運用したいと考える人が多いからと考えられるでしょう。
③2人以上世帯のうち世帯主が20代
ここからは各年代ごとの平均的な資産額や運用の割合を紹介します。全世代の平均は1436万円でしたが、年代ごとに見ると、この金額と大きな差があるのでしっかり確認しましょう。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 165 | 56.5 |
有価証券 | 35 | 12.0 |
保険 | 82 | 28.0 |
その他 | 17 | 3.5 |
合計 | 292 | 100.0 |
世帯主が20代の世帯の資産は、ほかの年代に比べて平均額が少ない傾向にあります。
これはまだ社会に出てからの時間が短いため、十分な資産形成をする時間がなかったからと考えられます。
また資産が少ないがゆえに、十分な預貯金を準備すると、必然的に株式や投資信託に投資する資産が残っていないことが多いです。そのため資産に対する投資の割合も少なくなっています。
④2人以上世帯のうち世帯主が30代
30代が世帯主になると、20代と比較すると平均資産額は高いです。このことからも資産運用は時間をかけることで資産が育っていくことがわかります。平均資産額の詳細は以下の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 261 | 44.2 |
有価証券 | 102 | 17.3 |
保険 | 184 | 31.1 |
その他 | 43 | 7.4 |
合計 | 591 | 100.0 |
30代になると、勤めている企業や業界によっては大きく給料が伸びる人もいます。そういった人は資産額も大きく伸びるため、平均資産に貢献します。
20代に比べて300万円も平均資産が上がるのは、この要因が考えられるでしょう。また、資産の増加に伴って、より多くの資産を運用できるようになり、結果として有価証券や保険にかけるお金も増えています。
⑤2人以上世帯のうち世帯主が40代
世帯主が40代になると、30代から資産をさらに積み上げることができます。20代から資産運用を開始していれば、20年の資産運用をしていることになりますので、一つの節目です。
40代の資産平均額は以下の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 473 | 46.7 |
有価証券 | 137 | 13.5 |
保険 | 348 | 34.4 |
その他 | 54 | 5.4 |
合計 | 1012 | 100.0 |
30代から40代にかけて、資産の割合に大きな変化は見られません。全体的にほぼ同じ割合で資産が増加しています。
このことから、30代から40代にかけて資産運用のポートフォリオを組み替える人はそれほど多くないと考えられます。
⑥2人以上世帯のうち世帯主が50代
50代になると、給料はさらにアップし、収入がピークに達する人も多いです。そのため、資産の増加率は40代から50代にかけてが一番高いと言えます。
50代の資産の平均は以下の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 633 | 37.6 |
有価証券 | 416 | 24.7 |
保険 | 540 | 32.1 |
その他 | 96 | 5.6 |
合計 | 1684 | 100.0 |
50代になると、有価証券と保険の保有割合が40代までと比較して大きく増えています。
これは退職を見据えて、老後資金を蓄えておこうと資産運用に積極的になっていると見られます。
⑦2人以上世帯のうち世帯主が60代
60代になると、中には退職をする人もいます。退職後は年金を中心とした生活を送ります。そのため資産運用による利益を生活費にあてることが多く、資産は増加しにくくなるのです。
このような状況が多い60代の資産の平均は以下の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 959 | 55.0 |
有価証券 | 290 | 16.6 |
保険 | 459 | 26.3 |
その他 | 38 | 2.1 |
合計 | 1745 | 100.0 |
60代の資産平均は50代と比較して、預貯金の比率が高いです。これは老後の生活費や急な出費への備えとして、多めに保有していると考えられます。
その反対に、リスク資産である有価証券の保有割合は下がる傾向です。また、資産の総額は退職金をもらえる人の影響もあり微増していますが、ペースは落ちています。
⑧2人以上世帯のうち世帯主が70代
世帯主が70代になると、現役を退いてからそれなりに時間がたっています。老後資金の問題が叫ばれている状況では、平均資産額は減少していると思う人もいるかもしれません。
そんな世帯主が70代の世帯の資産の平均額は以下の通りです。
資産の種類 | 平均金額(単位:万円) | 資産に対する割合(%) |
---|---|---|
預貯金 | 921 | 51.6 |
有価証券 | 394 | 22.1 |
保険 | 447 | 25.0 |
その他 | 23 | 1.3 |
合計 | 1786 | 100.0 |
60代と70代の資産額の平均に大きな差はありません。老後にポートフォリオを大きく組み替える人が少ないことが要因と考えられます。
もし70代まで、およそ平均の資産額を維持できれば老後資金の不足は起きないでしょう。
資産運用と預貯金との割合を考えるための5原則
資産額の平均は年代ごとに違います。その違いは保有額のみではなく、資産の割合にもあらわれています。しかし平均額を見ただけでは、自分の資産運用と預貯金の割合を決められない人も多いでしょう。
そこでここからは、その割合を考えるために以下の5原則を紹介します。
- 老後資金、教育資金の確保など目的を明確にする
- 資産運用に回せる金額と生活費に回す金額を計算する
- 資産運用によるリスクをどれだけ許容できるか把握する
- 資産運用と預貯金の割合は人それぞれで正解はない
- 「100-年齢」の法則は目安になる
原則①資産運用の目的を明確にする
資産運用の目的は人それぞれですが、代表例として以下のものがあります。
- 子どもの教育資金を用意したい
- 老後資金を準備したい
- 早期の経済的自立を果たしたい
原則②資産運用可能な金額を計算する
資産運用でより大きな利益を得たいからと、資産の全額を運用に回してしまう人もいます。しかしこれは、日々の生活費や急な出費が必要になったときにお金を用意できなくなってしまうリスクがあるのです。
この状況を避けるためにも、資産運用をする際は自分の資産のうち、何割を運用に回せるのか金額を計算しましょう。
たとえば生活費の半年分は常に預貯金として確保するとすれば、急に現金が必要になっても対応できるでしょう。
このように、自分に必要な預貯金は常に確保できるような割合で資産運用を進めていくことが重要です。
原則③許容できるリスクを把握する
資産運用で投資できる金融商品の中には、株式や投資信託といった元本保証されないものがあります。
これらの商品は経済ショックや不況に陥った際、大きく価格が下がるリスクがあるので注意が必要です。
仮に長期的には価格が回復し、最終的には利益を得られるとわかっていても、価格変動のリスクを許容できない人もいるでしょう。
こういった人は保険や債券など、比較的リスクの低い商品の割合を高めるのがおすすめです。
また、運用期間の終了間際に大暴落があると、資産が目減りして目標金額を達成できない可能性があります。このように商品のリスクを把握したうえで、割合を決めましょう。
原則④決まった割合はない
ここまで記事を読んできた人の中には「資産運用の理想的な割合ってどれくらいなの?」と思う人もいるでしょう。
実際のところ、預貯金と資産運用の割合について決まったものはありません。それぞれが、自分の資産状況やリスクの許容度など、さまざまな面から総合的に判断する必要があります。
ほかの人の資産運用がどのように行われているか参考にするのも一つの方法です。しかし、最終的には自分に合った方法で運用しなければならないと覚えましょう。
原則⑤「100-年齢」の法則を参考にする
資産運用には決まった割合はありませんが、それでも参考になる考え方がいくつかあります。その一つが「100-年齢」の法則です。
「100-年齢」の法則とは、自分の年齢を100から差し引いた数字の割合だけ資産運用に回す考え方を指します。
たとえば年齢30歳の人が資産のうち、運用に回す割合は「100-30=70%」と算出します。このように自分の年齢から、運用の割合を決められるので悩む必要がありません。
また、「100-年齢」の法則は年齢が上がれば上がる程、運用の割合が下がっていきます。これによって老後の年金を中心とした生活でも、リスクを抑えつつ運用を行えます。ぜひ参考にしてみてください。
手持ち資金の基本的な分類
ここからは資産運用を行う際に、自分の資産をどのように分類すればよいのか解説します。資産は主に以下の分類が可能です。
- 生活資金
- 緊急時のためのお金
- 急に必要ではない余剰資金
分類①生活に必要なお金
生活に必要なお金は、毎月どれくらいの支出があるかを確認したうえで用意します。具体的には生活費半年分を用意すると安全です。
生活資金は「すぐに使うお金」ですので、いつでも引き出せる預貯金の状態で保有しておきましょう。
また、生活費を半年分と言ったのはもしものときに備えるためです。たとえば運用している資産の評価額が不況などにより暴落しても、生活費が十分に用意されていれば、すぐにお金に困ることはありません。
逆に生活の資金が十分に用意されていないと、いざというときに支払いができないなどのトラブルが起こる可能性があります。
資産運用を始める前に、まずはある程度の生活資金を確保しましょう。
分類②緊急時に必要な備え
日々生活をしていると、急にお金が必要になる場面があるかもしれません。また、時期によってはライフイベントも発生します。生活資金の次には、このような緊急時のためのお金を準備しましょう。
緊急時のお金はある程度、まとまったお金を準備しておくのがおすすめです。具体的には50万~100万円程度が良いでしょう。
これだけの金額があれば、急にまとまったお金が必要になった場合でも心配ありません。また、緊急時のためのお金は生活費にあてることもできます。困ったときにさまざまな用途に使えるのでリスク管理の面からも確保してください。
分類③余裕資金
余裕資金は、極端に言えば「あってもなくても困らないお金」です。すぐに必要になる可能性が低いお金は余裕資金に含めてかまいません。
余裕資金は自分の欲しいものを購入する娯楽にも使えます。しかし使う予定がないのであれば、資産運用に回しましょう。
資産運用に回すお金が増えれば、その分だけ利益も大きくなります。目標金額を早く達成できますので、余裕資金については可能な限り運用に回すのがおすすめです。
余剰資金額に合わせたおすすめ資産運用法4選
資産運用は余剰資金で行うべきと前述しました。ここからは具体的に余剰資金がごとのおすすめ資産運用法を解説します。金額ごとのおすすめ資産運用法は以下の通りです。
- 余剰資金30万円以内なら投資信託
- 余剰資金30~100万円ならETF(上場投資信託)で分配金をねらう
- 余剰資金100~1000万円なら株式投資
- 余剰資金1000万円以上なら分散投資でリスクを抑えられる
運用法①余剰資金30万円以内
余剰資金が30万円以内の場合、少額なこともあって運用方法は限られてきます。そんな中でおすすめなのが投資信託です。
投資信託は投資のプロに自分のお金の運用を委託します。すると、プロはさまざまな株式や債券などに集めた資金を分散投資するのです。
投資信託のメリットは100円から購入できるものもあり、少額投資で分散が可能な点にあります。値動きが小さくリスクを抑えやすいので、初心者におすすめです。
ただし、投資信託は商品によって信託報酬など手数料が発生します。種類によっては手数料が高く、利益が負けてしまう可能性もあるので購入前に確認が必要です。
運用法②余剰資金30万~100万円
余剰資金が30~100万円であれば、ETF(上場投資信託)での運用がおすすめです。ETFは投資信託でありながら、株式市場に上場しており、1口あたりそのときに決められた価格で購入できます。
ETFは定期的に分配金が発生するので、安定したキャッシュフローを得られます。中には購入価格に対して3%以上の分配金がでる高配当のものもあります。
またETFも投資信託と同じく、株式などさまざまな商品に分散投資しているので、値動きのリスクを抑えやすいです。
ただし分配金が発生するので、税金をそのたびに支払わなければなりません。場合によっては分配金のない投資信託の方が税引き後の利益は大きくなる可能性もあります。
資産運用をする際は税金まで計算に入れて、運用方法を選ぶようにしましょう。
運用法③余剰資金100万~1000万円
余剰資金が100万円以上あれば、株式投資で分散投資することが可能です。国内株式の場合、100株単位の購入となりますので、最低でも1銘柄あたり数万円が必要になります。
また経営が安定している大企業であれば、1株数千円から数万円の株価がついています。そのため、購入には数十万円から数百万円の資金が必要です。
このように株式投資は大きな資金が必要なだけでなく、投資信託と比較して値動きが大きい傾向があります。そのため一点集中の投資はリスクが大きく、複数の銘柄へ投資するために資金が必要なのです。
一方で、株式投資は投資信託よりもリターンが高くなる可能性があります。中には上場以降、株価を10倍にした企業もあるほどです。
余剰資金が大きくなれば、分散投資もしやすくなるので、リスクを取れるようになります。ある程度資金に余裕が出てきたら株式投資にもチャレンジしてみましょう。
運用法④余剰資金1000万円以上
余剰資金が1000万円を超えたら、自分だけのポートフォリオを作ってみてください。具体的には投資信託、ETF、株式とこれまでに紹介した商品を組み合わせて分散投資します。
投資では先読みが難しいため、一点集中で投資するより分散した方が長期的に成績が安定します。そのため、余剰資金が多いのならその分だけ複数の銘柄に投資するのがおすすめです。
一点集中の投資は大きな利益をもたらしてくれる可能性もありますが、その確率は決して高くありません。また損失を出してしまったときに取り返しがつかなくなります。
余剰資金が多いからこそ、欲を出しすぎず、手堅く利益を得られる分散投資を心がけるようにしましょう。
資産運用に回す割合で迷ったらプロに相談
ここまで資産運用の割合について解説してきました。預貯金と運用の割合は必ずこうしなければならない、というものではなく個々人が自分で決めるものです。
しかし中には、どれくらいの割合を運用に回せばよいか迷ってしまう人もいるでしょう。そんな人にはマネーキャリアでの無料FP相談がおすすめです。
マネーキャリアにはお金のプロであるFPが多数在籍しています。資産運用の割合など、お金に関する悩みを全国どこからでも、オンラインで相談できるのでおすすめです。
また、回数制限もないので悩みが解消されるまで、何度でも相談可能です。ぜひご利用してみてください。
資産運用と預貯金の割合についてのまとめ
資産運用と預貯金の割合について解説してきました。資産運用は生活費や緊急時用のお金など、最低限のお金を確保したうえで、余剰資金を利用して行うようにしましょう。
また、資産運用の割合は決まったものはありません。最終的には自分で決めなければなりませんが、迷っているのならば、お金のプロに相談してみるのがおすすめです。
この記事では以下のことを中心に解説しました。
- 日本人の資産運用は海外に比べて割合が低く、資産の伸びが小さい
- 将来に備えて、早くから資産運用を始めるのが重要
- 資産運用する際は目的やリスク許容度を事前に把握しておく
- 資産運用は生活費や緊急時のお金を確保して、余剰資金で行う
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