資産運用にいくら回すべき?適切な現金比率の考え方と注意点を解説

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資産運用にいくらあればいい?現金比率はどのくらいあれば大丈夫?その疑問に家計の現状を解説しながら、資産運用のポイントをわかりやすく紹介します。この記事では、運用に回すお金の比率と考え方がカンタンに理解できます。また、注意点も紹介しています。参考にしてください。




▼この記事を読んでほしい人

  • 資産運用をはじめる方
  • 運用資金と現金比率について知りたい方
  • 資産運用のポイントについて知りたい方

▼この記事を読んでわかること

  • 資産運用と現金比率に関する日本の現状
  • 運用に回せるお金の比率について
  • 資産運用に回せるお金と現金比率のポイントと注意点

内容をまとめると

  • 日本では金融資産の構成割合が過半数以上で運用には消極的
  • 超低金利時代のこれからは資産運用が必要!その理由とは?
  • 資産運用に回すお金と現金比率のポイントと注意点を理解して運用方法を決める
  • 資産運用は専門家に相談すると具体的なポートフォリオが決められておすすめ!
  • 資産運用の悩みや疑問はスマホで簡単にオンライン無料相談!

資産運用と現金比率に関する日本の現状

この記事では、資産運用の日本の現状について紹介します。


日本銀行調査当局「家計の金融資産構成」では、日本家庭の金融資産合計の占める割合を見ると、現金・預金はなんと51.5%あるそうです。


今回の記事では、資産運用と現金比率に関する日本の現状について紹介していきます。

この章でわかることはこちらです。

  • 資産運用に消極的な日本では現金比率が高い
  • 現預金が保有金融資産の半分近くを占めている
  • 日本の金融資産は海外より増加していない
この記事を最後まで読んでいただき、参考にしていただければ幸いです。

資産運用に消極的な日本では現金比率が高い

日本銀行調査当局「家計の金融資産構成」で発表されている通り、日本の現預金比率は50%以上を占めています。


一方、米国での現預金比率は13%ほど、欧米では35%ほどであることから、比較すると日本の現預金比率が高いことがわかります。


参考:日本銀行調査当局「家計の金融資産構成」

現預金が保有金融資産の半分近くの割合を占めている

日本家計の保有している金融資産の割合を調べてみました。

金融広報中央委員会の調査をもとに、平均保有額の全資産に占める割合を表にまとめたのがこちらです。


家計の金融行動に関する世論調査「二人以上世帯調査」(令和2年)より

          金融資産          保有額(万円) 割合
総額1,770100%
預貯金(定期預金含む)1,01357.2%
生命保険(個人年金・損害保険含む)41523.4%
債券392.2%
株式1528.6%
投資信託965.4%
財形貯蓄412.3%
その他金融商品140.8%

参照:知るぽると金融広報中央委員会


この調査により、預貯金(定期預金含む)57.2%が、全資産の半分以上を占めています。したがって、日本の家計では預貯金が占める割合が高いと言えます。

日本の金融資産は海外より増加していない

日本人の多くは、「万一の備えには貯金する」との考え方で、資産運用に対しては消極的です。しかし、超低金利の現代において、その考え方は必ずしも賢い行動なのか疑問におもえます。


その理由として、金融資産の増加率が過去20年間で日本は1.54倍、これに対して米国は3.32倍大差がついていることです。

参照:金融庁「平成28年事務年度金融レポート」


調査結果の内容からはわかることは、金融資産の構成比率が、株式や投資信託などの運用資産に差がある事です。


米国では、金融資産を株や投資信託を多く保有しながら、財産所得を増やしていく方法を積極的に取り入れており、勤労所得・財産所得の両者で金融資産を増やしている傾向です。


一方で日本の金融資産は、消極的な考え方で勤労所得・財産所得はほぼ横ばい、あるいは減少傾向にあります。

日本の現金比率の高さと投資割合の低さは安全志向が要因

なぜ、日本の金融資産の保有比率の中で、現預金が高い割合なのか調べてみました。

日本証券業協会個人調査報告の、「金融商品の重視点」(複数回答)をまとめたのがこちらです。


          重点項目          割合
いつでも出し入れができる47.5%
元金が安全40.1%
利回りが良い24.5%
各種料金の自動引落に利用できる11.4%
値上がりが期待できる9.5%
特に重視していることは無い23.5%



次に、証券投資の必要性について、「必要だと思わない」との回答が74.6%ありました。

その理由として、「損する可能性がある」43.7%「投資の知識が無い」33.7%と圧倒的に多い回答です。


以上の事から、日本の金融資産の、現金比率の高さと投資割合の低さは、安全志向が要因と結論できます。

預金の金利は低いため資産運用が重要

日本は今、「超低金利時代」で預けたお金の利息だけでは、資産を増やすことは困難です。これは政府が目標としている、インフレ率2%をめざす金融緩和政策による影響でもあります。


日本は10年前に比べ、物価は約1.2倍~1.8倍に上昇しています。これはデフレ脱却の金融政策によるインフレ現象によるものです。


インフレ率2%をめざす政策は、これから先も続く前提で考えると、資産は目減りしていきます。


今の経済では、給与水準も上がらず、賞与や退職金も減少傾向にあります。将来のために

、この先金融資産を増やしていくには、「資産を運用して増やしていくことが重要」ということになります。

資産運用に回すべきお金は年齢によって異なる!適切な現金比率の目安

資産運用に回すお金の目安は、年齢によっても変わります。また、収入状況や家族構成によっても変わり、このくらいが適切と言うのは個人差があって当然です。


目安としては、リスク許容度の公式「100-年齢」=投資比率とする考え方があります。

この公式では、30歳なら70%、40歳では60%を投資に回しても良いとなるわけです。

しかし、公式はあくまでも参考です。個人の状況にあてはめて応用しなくてはいけません。


この公式を目安にして、資産を運用するには、まずは生活費と別に現預金を確保しておく必要があります。それは、自由なお金を準備するということです。

例えば、30歳では100-30=70万円が自由に使える現預金となります。


資産運用では、生活に影響を与える運用はNGです。したがって、自身に見合った適切な現金比率で資産運用することが大切です。

資産運用の割合を決めるためにまず現状を把握する2つのステップ

実際に資産運用の割合を考えるポイントは、余裕資産を準備して、リスク範囲を決めることです。そのうえで、現状を再確認して、目標値を決めていくことになります。


資産運用で目標値を決めることはとても重要です。なぜなら、それが決まらないと投資期間や、投資商品が決まらないからです。


それでは、目標値を決めるために、必要な現状把握を進める方法を紹介します。


現状把握の2つのステップはこちらです。

  • バランスシートを作って貯蓄額を把握する
  • キャッシュフロー表を作って投資額を把握する
この2つのステップを使って、自身の現状把握を進めましょう。

ステップ①:バランスシートを作って貯蓄額を把握する

バランスシートの利点は、自身の資産状況がわかり、現預金や投資に回せる金額が把握できます。

家計のバランスシート(見本)

年間の収入

月間手取り額年間手取り額
賞与額    ①+②合計    
万円万円①万円②万円①
万円万円①万円②万円②
年間収入額A
万円①+②

年間の支出

支出項目内容毎月支出①臨時の支出②    年間支出   
①×12+②
基本生活費食費・光熱費
雑費・教育費など
万円万円万円①
住居関連費ローン・固定資産税
積立金など
万円万円万円②
車両費ローン・燃料費
駐車場・税金など
万円万円万円③
教育費学費・塾代など万円万円万円④
保険料家族の保険料万円万円万円⑤
その他の支出冠婚交際費・
レジャー費など
万円万円万円⑥
年間支出額B
万円①~⑥


年間収入額A-年間支出額B=1年間に貯蓄できる金額です。

ステップ②:キャッシュフロー表を作って投資に回せる額を把握する

キャッシュフロー表は、家族全員分の収支を記入していくもので、投資に回せる金額を把握できます。


具体的には、家族の日々の収支を家計簿などで記入・把握して、それをもとに、毎年各々記入・作成していく表のことを言います。


これを集計・作成していくことで、毎年の貯金額と、余裕資金の把握ができ、資産運用に回すことができる額を把握できます。


具体的なキャッシュフロー表の作り方は、こちらを参考にしてください。

参考:日本FP協会「キャッシュフロー表の書き方」

資産運用に回すお金と現金比率を考えるときの5つのポイント

資産運用に回すお金と現金比率を、バランスシートやキャッシュフロー表のから算出した後は、そのお金の活用方法について、5つのポイントを考えておきましょう。


考えるときの5つのポイントはこちらです。

  • 生活費の3か月分は現預金として確保する
  • 運用目的を明確にする
  • 保有している金融資産を用途別に分類する
  • リスク許容範囲を決める
  • 自分に合った運用方法を考える
詳しく解説します。

ポイント①:少なくとも生活費の3か月分は現預金として確保する

最低でも、生活費の3か月分は現預金として確保が必要です。金額は個人によって差がありますが、貯蓄が少ない状態での運用は、万一のリスク回避は困難といえます。


運用方法や運用する商品によっては、リスクの度合いは変わります。しかし、予想していた通りに、収益化できないケースを考え、損失をカバーできる現金と、生活への資金は必ず確保しておくことが重要です。


資産運用は、手元の資金を全額運用に回すのではなく、生活に支障が出ない余剰資産で行うことがポイントです。

ポイント②:資産運用の目的を明確にする

資産運用の目的は、将来に備えた余剰資金の確保にあります。では、その目的を「いつまでにいくら」のお金を作る事と、それに「かける期間と金額」をハッキリすることがポイントです。


自身の年齢や、運用できる金額によって運用方法はかわります。

短期間でハイリターン型や、長期的にコツコツの安定型など、方法はいろいろあります。


運用目的のゴールを明確にすることで、達成に必要な金額を設定することができます。

「いつまでにいくら」、「期間と金額」の必要性を理解し、資産運用の目的を明確にしておきましょう。

ポイント③:現在保有している金融資産を用途別に分類してみる

資産運用を始める前に、保有している金融資産を、用途別に分類して現状を把握しましょう。分類することで、投資に回せる金額がわかります。


3つの用途別に分類したのがこちらです。

  1. 生活するための資産
  2. 臨時に備える資産
  3. 余裕資産
生活するための資産とは、日々の生活費の事です。食費や、光熱費、家賃などの生活を維持していくために必要なお金となります。


臨時に備える資産とは、将来のライフイベントにかかる一時金です。出産費用や、マイカー購入の頭金など、大きなお金が必要な時の貯蓄をいいます。


余裕資産とは、上記を除く余ったお金のことです。この資産を作ることで、余裕をもって資産運用ができます。余裕資産の中で運用することがポイントです。

ポイント④:リスクの許容範囲を決める

リスクの許容範囲とは、自身がどの程度までリスクを取れるのか、どの程度の損失まで許容できるのかを、決めることを言います。


リスクの許容範囲は下記によって変わります。

  • その人のライフスタイル(家族構成など)
  • 所有している資産と負債
  • 生涯収入の金額など
各個人(家庭)の持っている要因を総合的に考えることで、リスクの許容範囲が決まります。これを決めることで、選ぶ投資対象投資する額の、判断材料になります。


また、バランスシートや、キャッシュフロー表で算出した余裕資産を基準にして、リスク許容範囲の中で運用することがポイントです。

ポイント⑤:自分に合った資産運用方法を考える

資産運用の方法はさまざまで、それぞれリスクとリターンは異なります。ここで大切なのは、「目的に合った運用方法」を選ぶことです。


運用方法を選ぶ基準は、「いつまでにいくら」のお金を作る事と、「かける期間と金額」に合わせたポートフォリオを組むことです。


ポートフォリオには、ローリスクの債券・バランスの投資信託・ハイリスクの株式、その他、ちがう性質をもった金融商品を、どのくらいの割合で組むのかがとても重要です。


これまでの、4つのポイントをふまえて、自身に合った資産運用方法を考えて投資しましょう。

資産運用に回すお金と現金比率を決めるときの3つの注意点

資産運用に回すお金と、現金比率を決める時のポイントを把握した後は、資産運用を失敗しないためにも、知っておく必要がある注意点があります。


3つの注意点はこちらです。

  • 運用は無理のない範囲で行う
  • 最初の投資は少額から始める
  • 種類ごとのリスクを把握する
資産運用では、必ず資産が増えるという保証はありません。

損失をうけるリスクがある金融商品です。そのうえで、3つの注意点を深く理解してはじめていきましょう。

注意点①:資産運用は無理のない範囲で行う

無理のない範囲とは、リスク許容範囲を充分に理解したうえで、その範囲内で行う資産運用のことです。

そのためには、長期期間で運用することを第一に考え、精神的にも投資金額的にも、余裕をもって運用することがポイントです。


短期で大きなリターンを求めるような、投機的な方法にも魅力がありますが、大切な資産を減らすリスクも大きくなります。


リターンやリスクが大きい金融商品は、はじめのうちは低い比率でポートフォリオに組み込むことが重要です。


運用に失敗して生活に支障を与えたり、また、途中で運用が出来なくなる事を防ぐためにも、はじめのうちは無理のない範囲で資産運用を行いましょう。

注意点②:最初の投資は少額から始める

資産運用は、余剰資金で行うことが原則です。しかし、はじめから使える資金の全額を運用に回すことはやめましょう。


その理由としては、投資にはリスクがあります。投資方法によっては、計画通り利益を積み上げられるものではありません。

また、知識や経験値が低いうちは、勉強しながらコツをつかみ、少しずつ投資額を増やしていくことも大切です。


余剰資産も大切なあなたの資産です。大切な資産を計画的に増やしていくためにも、最初の投資は少額からはじめて、ゆとりをもってコツコツと運用していくことをおすすめします。

注意点③:資産運用の種類ごとのリスクを把握する

資産運用のリスクは主に6種類あります。

  • 価格変動リスク…価格変動による資産価値が変動するリスク
  • 信用リスク…商品の発行体が経営破綻による債務不履行となるリスク
  • 為替リスク…日々の為替相場によって資産価値が変動するリスク
  • 金利変動リスク…金利変動による資産価値の減少によるリスク
  • カントリーリスク…投資先の国内情勢の変化による資産価値変動のリスク
  • 流動性リスク…不動産など希望のタイミングで売却出来ないリスク
資産運用では、金融商品によって伴うリスクが異なります。そのうえで、リスクについて充分に理解を深め、ポートフォリオを組むことが重要です。


このリスクは、金融商品の特徴でもあります。このことから、2つの注意点も考慮して、自身に合った資産運用方法を決めることが大事です。。

資産運用をいくらから始めるべきか迷ったらまずはお金のプロに相談

実際に資産運用をはじめる準備が出来たとしても、「不安や迷いがある」のは当然です。

「いつからはじめたらいいのか」「理解出来たけどやっぱり不安」という方に、オススメなのがお金のプロに相談することです。


大事な資産を、増やしていくために行う資産運用は、誰でも失敗したくないと考えます。ですから、お金のプロであるFPにアドバイスをもらうことが安全への近道です。


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資産運用と現金比率に関するまとめ

資産運用と現金比率について解説してきました。

日本の現状では、金融資産の運用については、まだ認識が低いと言えます。しかし、超低金利時代がこの先も続く経済情勢を考えると、資産は自分で増やしていくしかありません。


運用方法は、ご自身の年齢や環境によって、最適な投資方法に違いがあります。

余剰資金を準備して、リスク許容範囲を考慮し、自身に合ったポートフォリオを組むことがポイントになります。


プロのアドバイスも参考にして、少額での運用で知識をつけながら、資産運用をはじめて行きましょう。

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