退職金込みでいくら老後資金は必要?退職金額や老後平均貯蓄額を解説!

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退職金は老後資金の大きな資金源です。退職金込みで考えた場合、老後にはどれくらいの資金を準備するべきかシミュレーションします。学歴や職種別で退職金の金額や、退職金以外の老後資金を準備する方法、ポイントについても解説しています。



▼この記事を読んで欲しい人
  • 老後が不安な人
  • 退職金がどれくらいもらえるかわからない人
  • 退職金込みで考えて、どの程度の老後資金を用意しておくべきか知りたい人
  • 退職金を計算の対象に入れたとして、老後資金が足りるのか知りたい人
  • どのくらい退職金以外のお金を用意しておくべきなのか気になる人

内容をまとめると

  • 最低限の生活に必要な老後資金は約1,600万円
  • ゆとりある生活に必要な老後資金は約4,100万円
  • 退職金の平均額は大卒:1,941万円、高卒:1,618万円、中卒:965万円
  • 退職金込みで考えると、最低限の生活の場合は足りるが、ゆとりある生活の場合は約2,100万円不足する
  • 老後生活には生活費以外の費用も掛かるので、考慮しておく
  • 税制優遇制度や退職金プランなどを活用して、資産運用する必要がある
  • 退職金や老後資金の不安は、マネーキャリアに相談しよう!

【老後平均貯蓄額】退職金込みで老後資金はいくら必要?


収入が一気に減少する老後生活を送るために、老後資金の準備はとても大切になります。退職金を老後資金に充てる予定の方も多いでしょう。


それでは退職金込みで考えた場合、老後資金はいくら必要でしょうか?


ここではこちらの3パターンでシミュレーションします。

  • 最低限の生活に必要な老後資金額
  • ゆとりある生活のために必要な老後資金額
  • 単身世帯、夫婦二人で必要な年金を加味しない老後資金額


シミュレーションのための基本式は


(支出額-収入額)×1か月×老後生活の年数=老後資金額


になります。自分の老後生活をイメージして、シミュレーションしてみましょう。

パターン①最低限必要な老後資金は約1600万円

生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」によると、贅沢はせず最低限の生活を送るために必要な支出額は一か月263,315円になります。


総務省「平成28年度 家計調査年報」によると、高齢者無職世帯においての月額の平均収入額は212,241円となるので、こちらの額を収入額として計算します。


老後生活の年数は、65歳日本人の平均余命(男性:84.46歳 女性:89.31歳)から考えて、仮に25年とした場合、計算式は


 (支出額263,315円-収入額212,241円)×12か月×25年=15,322,200円


となり、最低限の生活を送る場合でも約1,600万円の資金を65歳の公的年金受給開始時に準備しておくことが必要なことが分かります。

パターン②ゆとりのある生活のための老後資金は約4100万円

ゆとりある老後生活を過ごそうと思った場合、支出額は一か月349,000円となります。先ほどの収入額から考えると毎月13万円ほど不足しますね。こちらの金額で計算すると


(支出額349,000円-収入額212,241円)×12か月×25年=41,027,700円


約4,100万円の資金を65歳の公的年金受給開始時に準備しておくことが必要ということになります。


このゆとりある老後生活のための支出額は、生命保険文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」内の、「老後のゆとりのための上乗せ額」を参考にしています。


こちらの調査では「老後のゆとりのための上乗せ額の使途」も調査されていて、

  • 趣味や教養
  • 旅行やレジャー
  • 日常生活費の充実
  • 身内とのつきあい
  • 隣人や友人とのつきあい
  • 耐久消費財の買い替え
  • 子どもや孫への資金援助

が使い途として挙げられています。


ここから、「ゆとりある老後生活」でイメージする旅行やレジャーだけではなく、身内や知人とのつきあい、耐久消費財の買い替えなど、暮らしていくのに必要な使途も含まれていることが分かります。


最低限の生活を送ろうと思っている人でも、身内や知人とのつきあい、耐久消費財の買い替えは必要になるため、先ほどの金額より上乗せで費用がかかることを考えておいた方がいいでしょう。

パターン③単身で3000万円、夫婦2人で6000万円あれば安心

近年、年金制度がどうなっていくか不安視する声が大きくなっています。ここでは年金受給額を加味せず、老後の生活費としてどれくらいの金額が必要なのかシミュレーションします。


先ほどとは別調査になりますが、総務省が発表している「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の1か月あたりの平均支出額は255,550円になります。


これが65歳の定年時から男性の平均余命である85歳までの20年間かかった場合、


平均支出額255,550円/月×12ヶ月×20年=61,332,000円


約6100万円の生活費がかかることになります。単身世帯の場合は平均支出額が144,687円になるので、


平均支出額144,687円/月×12ヶ月×20年=34,724,880


約3500万円の老後生活費が必要になります。ここから老後生活での収入(年金や稼働所得、不動産所得など)、退職金を差し引いた額を自分で準備する必要があります。

あなたが実際にもらえる退職金は?


老後生活に必要な資金をシミュレーションし、どれくらいの額を備えなければいけないかわかりました。退職金をもらえる人であれば、退職金込みで考えて、どれくらい自分で準備する必要があるのか知りたいですよね。


ここではあなたが実際にもらえる退職金の目安を解説します。


学歴別に紹介しているので参考にしてください。

【大卒】 退職金の平均は約1700~2000万円 職業別に解説!

大卒で就職し、定年まで勤め上げた場合の退職金の相場は約1700~2000万円というデータがあります。厚生労働省「平成25年 就労条件総合調査」によると、大卒の退職金平均額は1,941万円です。


企業の規模別にみた場合は

  • 中小企業の定年退職時の退職金額:1,400万円(東京都産業労働局調査)
  • 上場企業などの大手企業の場合:およそ2,300万円(日本経済団体連合会調査)

となっています。勤めていた企業の規模で大きく変わることがわかります。


公務員の場合、国家公務員の常勤職員として定年を迎えた方の定年退職金平均額は、約2,090万円です。民間企業では公務員の退職金を目安に支給額を決めている企業も多いので、一つの目安になりますね。


また、企業によっては退職一時金ではなく、退職年金を導入しているところもあります。退職金というと退職時に一時金で受け取る退職一時金のイメージが強いですが、退職後分割で支給される退職年金を採用している企業もあります。どちらか一方のみの企業が多いですが、大企業の場合は併用していることもあるので、勤めている会社に退職金規定があれば、確認してみましょう。

【中卒】約950万円 【高卒】約1600万円

大卒で就職した人の退職金平均額は1,941万円でした。それでは高校卒、中学卒で就職した人の退職金平均額はいくらでしょうか。


  • 高校卒:1,618万円
  • 中学卒:965万円

退職金は就職時の学歴でも大きく変わる傾向があります。


しかし、最終学歴が違っても、必要な生活費が大きく変わるわけではありません。退職金の額が少なそうだと思った場合は、自分で老後資金を多めに準備する必要があるので注意が必要です。

注意:近年退職金が減少傾向

近年、退職金額が減少傾向にあります。


大学・大学院卒の平均退職給付額は1997年ピーク時の3,203万円から比べると、2017年は1,997万円と約38%も減額されています。


また、近年では働き方の多様化により、独立してフリーランスなどの自営業になる人や、非正規雇用で働く人が増えています。自営業や非正規雇用者は退職金がない場合が多く、老後資金を退職金に頼ることが出来ない人がこれから増えていく可能性があります。


そのため、公的年金や退職金制度に頼るだけではなく、自分で資産形成をして老後生活を守らなければいけません。


どのように資産形成をするか不安な方には、お金のプロであるFPへ相談することをおすすめします。資産形成にはどのような方法があり、どのようなメリットデメリットがあるのかをFPは把握しています。あなたのリスク方針や状況に合った方法を提案してくれるので、ぜひ相談してみましょう。

退職金込みで考えると、老後資金はさらにいくら必要?


それでは退職金込みで考えると、老後資金はさらにいくら必要なのでしょうか。


ここでは大卒の退職金を前提に、

  • 最低限の生活を送る場合
  • ゆとりのある生活を送る場合

を紹介します。


また、老後資金は生活費だけを備えれば良いわけではありません。プラスαでかかってくる費用もあるので、その点も解説します。

パターン①最低限の生活を送るには、退職金でギリギリ足りる

最低限の生活を送る場合、必要な老後生活費は約1,600万円です。


大卒の平均退職金額が1,700~2,000万円なので、介護や葬儀費用など突発的な出費がなければ退職金でギリギリ足りることになります。


しかし、退職金が1,700万円で老後生活費が約1,600万円だと余裕がなく不安ですね。先ほどのシミュレーションでは90歳までの年数で計算しましたが、それ以上に長生きをしたときはさらに費用が掛かります。一般的に10年長生きをすると約600万円の上乗せが必要と言われています。


最低限の生活を送るつもりだから退職金だけあれば大丈夫。と安心せずに備える必要があるので注意しましょう。

パターン②ゆとりのある生活にはさらに2500万円必要

ゆとりある生活を送りたい場合、必要な老後生活費は約4100万円になるので、最低限の生活を送る時よりも、さらに2,500万円必要になります。


もし退職金が2,000万円だったとしても、2,100万円の資金が不足することになります。年金を加味してのこの金額なので、年金の減少や物価の上昇も考え、多めに備えておくに越したことはありません。


ゆとりある生活と言っても、贅沢し放題というわけではありません。しっかり資産管理、家計管理をして、メリハリをつけて暮らす必要があるので意識しましょう。

参考:老後平均貯蓄額には生活費以外の資金も必ず考慮しよう

先ほどのシミュレーションは老後の生活費のみの計算になります。老後にかかるお金には生活費以外にも様々なものがあります。


  • お祝い費用
  • リフォーム費用
  • 入院・手術費用
  • 介護費用
  • 葬儀費用

などです。


お祝い費用は1回1回の額はそこまで大きくなくても、時期が被ったり、連続することがあれば大きな出費になります。また、お付き合いの程度によっては大きな金額を出さなければいけないこともあるでしょう。


老後、体の衰えによってリフォームが必要なことや、自宅の修繕費が必要になることも考えられます。


入院・手術費や介護費、葬儀費用はしっかり準備できていないと、子どもや親戚に迷惑をかけることになります。今入っている保険があれば、どのような時に給付を受けられるか確認しておきましょう。見直しができる状況であれば、保険を見直すこともおすすめです。


保険の加入内容が分からなかったり、見直しをしたい場合は保険のプロであるFPへの相談がおすすめです。あなたの加入内容を分かりやすく解説してくれます。資産形成の方法についてもアドバイスしてくれるので、不安がある方は相談してみましょう。

退職金以外にどうやって資金を準備する?4つの方法を解説


それでは退職金以外に、どうやって老後資金を準備すればいいのでしょうか。ここでは4つの方法を解説します。

  1. 資産計画を立てる
  2. 家計管理をする
  3. 資産運用をする
  4. 金融機関の「退職金プラン」を活用する


老後資金は必要な時期までが長く、早くから準備を始めればしっかりと備えられる資金です。こちらを参考に、早めに準備を始めましょう。

方法①資産計画を立てる

まず、資産計画を立てましょう。


退職金のほか、保有する積立型の保険商品(終身保険、個人年金保険、養老保険など)や投資商品不動産など、現金化が可能な資産を把握します。定額型の商品であれば、老後生活が始まる頃にどれくらいの額になっているか試算しておくといいですね。


自分の資産がある程度把握出来たら、どれくらいの金額を準備する必要があるのか試算します。その金額を、今後どのくらいのペースで貯めていくべきか割り出しましょう。


例えば2000万円を目標にしたとき、10年間で貯めるのであれば年間200万円の貯金が必要になります。20年間で貯める場合は年間100万円です。目標の金額と目標の時期を定めることで、どんな資産形成方法を選ぶのかも変わってきます。


この試算をベースに、各家庭に適した老後資金づくりを実践しましょう。

方法②家計管理をする

資産計画を立てたら、それを実践できるように家計管理を行います。


予算を組んで、その範囲で家計をやりくりするようにしましょう。現役時代からしっかり家計管理を行うことで、資産形成の元手を少しでも増やせます。また、老後生活においては老後資金の目減りを遅らせることにつながるので、しっかり習慣づけておくといいですね。


支出を減らしたいけど、どう減らせばいいかわからない…という方はFPに相談しましょう。固定費の削減は効果的です。保険料や通信費などの固定費に無駄がないか、FPは相談に乗ってくれます。相談も無料なので、安心して家計管理のアドバイスが受けられるのでおすすめです。

方法③資産運用をする

老後資金に備えるためには、積極的に資産運用に取り組みましょう。


昔は金利がよく、定期預金に預けていれば10年で元金が倍になる、なんて時代もありました。しかし現在は超低金利なので、預金に預けていても資産が増えるわけではありません。


「運用」というと怖いイメージもあるかもしれませんが、運用商品には様々な性格のものがあり、安定的な値動きをするものもあります。自分のリスク方針に合う商品を選んでいきましょう。


最近はiDeCoやつみたてNISAなど、節税をしながら運用できる制度があります。


iDeCoは自分で掛金を拠出し、運用方法を選んで運用する私的年金制度です。掛金を拠出したときの所得控除、運用益の非課税、受取時の所得控除と3回の税制優遇を受けることが出来ます。


つみたてNISAはつみたてNISA口座を使い、長期分散積立投資商品に積立投資をすると、通常であれば約20%かかる運用益への税金が非課税になります。つみたてNISAは長期間積立投資を行うことで、ドルコスト平均法の恩恵を受けて運用益が出やすいのも特徴です。


節税しながら資産を増やすための運用ができる制度です。ぜひ活用しましょう。

方法④安全な退職金運用!金融機関の「退職金プラン」を活用する

最近は各金融機関で、投資未経験の方でも運用可能なラップ口座や投資信託などと特別金利の定期預金を組み合わせた退職金プランが販売されています。


例えば、三菱UFJ信託銀行では、年金のように定時定額受け取りができる「ずっと安心信託」や、高金利の定期預金と、元本保証で管理手数料無料の「ずっと安心信託」を組み合わせた「ずっと安心プラン」が販売されています。


商品によっては、年金のように受け取りができるもの、万が一の時に一時金で受け取れるもの、その後遺族が年金として受け取れるものなど、様々なプランがあり、組み合わせることもできます。


運用はプロに任せることができますし、金利が優遇されているなどのメリットもあります。様々な金融機関が多種多様なプランを販売しているので、自分のニーズに合う商品を探しましょう。

参考:50代以前から早めの準備を

若いうちは教育資金や住宅資金が優先になり、老後資金の準備は後回しになってしまいがちです。特に50代に入ってから準備を始める世帯が多く、そうすると老後資金の準備に費やせる期間は10~15年ほどになってしまいます。


同じ金額を貯めるのであれば、年齢が若いほうが月々の負担額は軽くなります。老後資金のための年間目標貯蓄額を求める基本式は

  • 老後必要資金÷(年金受給年齢―現在の年齢)

です。早いうちから始めれば割る年数も大きくなるので、年間の目標貯蓄額が小さくなります。


お子さんの教育費や住宅費も大変ですが、少しずつでも大丈夫なので、早いうちから老後を意識した資産形成をしましょう。


早くから準備する場合はリスク対策として入っている保険と資産形成を兼用する方法もあります。他にも、保険iDeCoなどの税制優遇制度を使うことで、収入によっては節税効果を受けられます。せっかくある制度なので、活用しながら資産形成していきましょう。


資産形成の相談はプロであるFPを頼るのがおすすめです。資産形成の手段には様々なものがあり、メリットデメリットがあります。プロに相談し、自分に合った方法で無理なく老後資金を準備しましょう。

まとめ:退職金や老後資金の不安は、マネーキャリアに相談しよう


この記事では退職金込みの老後資金対策を解説しました。


退職金は老後資金の大きな資金源です。しかし、退職金があっても生活のスタイルによっては足りない可能性があります。


老後生活では収入が減り、新たな収入を増やすことが難しくなるので、足りなければ足りない分を老後資金から取り崩すことになります。老後生活がどれくらいの期間続くのかは誰にもわかりません。老後資金が底をつく不安を抱えながら暮らすことにならないよう、しっかり準備しておくと安心ですね。


退職金や老後資金に不安のある方は、マネーキャリアに相談しましょう。


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