
更新日:2023/02/21
つみたてNISAのドルコスト平均法とは?初心者向けにわかりやすく解説!


・つみたてNISAで良く聞くドルコスト平均法って何?
・ドルコスト平均法は知っておいた方が良い?
内容をまとめると
- ドルコスト平均法とは、定期的に、一定の金額だけ、同じ投資商品を購入していく投資法
- 選ぶ手間がかからず、買った時の単価をトータルで安く抑えられるのがメリット
- 定額購入法と比較すると、継続する上昇相場に弱いというデメリットもある
- つみたてNISAなら、毎年一定額を課税対象外として資産運用できるためドルコスト平均法と相性が良い
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- ドルコスト平均法という言葉の意味を知りたい人
- 知識がなくても安全に始めれる資産運用のやり方を知りたい人
- つみたてNISAに興味があり、どんな制度なのか知りたい人
- 将来に向けた資産運用について考えている人
目次を使って気になるところから読みましょう!
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、投資手法の1つです。
値動きのある特定の資産(よくある株価のギザギザのチャートを思い浮かべてみてください)に対して投資する場合に、定期的に、一定の金額を積み立てる方法となります。
(参照 : 野村証券 証券用語解説集)
専門用語で難しく感じるかもしれませんが、やり方は至ってシンプルです。
- 「将来を考えて資産運用を始めてみたいけど、損をするのが怖い」
- 「株について詳しくない上に、勉強する時間もない」
- 「証券会社の出している商品の説明を読んでも、どれがよいのかわからない」
このような悩みをもっていたことがあるすべての人におすすめできる、強力な投資手法なのです。
定期的に一定の金額だけ同じ投資商品を購入していくこと
ドルコスト平均法は、定期的に、一定の金額分だけ、同じ投資商品を購入していくという手法です。
これだけではわかりにくいので、具体的な例を見ながらイメージしてみましょう。
たとえば、Aさんが毎月5000円をドルコスト平均法による投資にあてると決めたとしましょう。
Aさんは「毎月」同じ商品である「A証券」を、「5000円で買える分だけ」買っていくことになります。
一定のタイミングで、一定の金額で、同じ証券について、その時の値段が1000円であろうと、2000円であろうと買い続けます。これがドルコスト平均法です。
株というと、みなさんは「銘柄はどれを選ぶか?」「各証券会社の違いは?」「買うタイミングはいつ?」など、考えて選択する必要があるイメージをお持ちだと思います。
しかし、ドルコスト平均法ではそういった選択をすることはほとんどありません。
「安いタイミングでまとめてたくさん買う方が良いのではないか」と考える方もいらっしゃると思いますが、この方法で得られる大きなメリットがあります。
具体的なメリットについては、次の章でわかりやすく解説します。
しっかりとメリットを理解することは、ご自身が安心してお金を運用できることにつながりますから、一緒に理解を深めていきましょう。
たんたんと買い続けることが最重要!
ドルコスト平均法で投資を行う上で大切なポイントは、「たんたんと買い続けること」です。
このポイントにあたっては、先ほどありました「安い時でも、高いときでも、同じ金額の分だけ買い続ける」ことの理由を説明することになります。
長期に渡ってドルコスト平均法で投資すると、証券1つあたりの購入金額は平均化されていきます。
証券価格とは常に上下の変動にさらされるもので、かつ「どのタイミングが一番安いか」「どのタイミングが一番高いか」ということを予測することはとても難しいです。
それでもほとんど確実に言えることは、株価の全体の平均(日経平均を思い浮かべてください)は、「短期的な上下はあるが、長い目でみるとゆるやかに上昇している」ということです。
たんたんと買い続けることで、変動にさらされる証券価格のリスクを抑えつつ、長期目線での証券価格が上昇した分の「果実」を確実に受け取ることができるのです。
ドルコスト平均法のメリット
ここまで、ドルコスト平均法そのものの仕組みについて解説しました。
それでは、実際に投資をする人目線では、どんなメリットがあるのでしょうか?
投資者目線でのメリットは、大きく分けて2つあります。
- 手間がかからないため楽
- 株の平均購入単価を下げることができる
これらについて、具体的に、イメージしながら理解していきましょう。
メリット①手間がかからないため楽
まず、ドルコスト平均法の最大のメリットとして、「手間がかからない」点があります。
ドルコスト平均法は毎月決まった額を、決まった証券にという手法ですから、投資については証券会社に任せて自動化することができるのです。
たとえばつみたてNISAを使う場合、最初に口座を開設し、毎月のつみたて金額と、買う証券を決めたら、あとは自動的にドルコスト平均法で資産運用をおこなってくれます。
自分でチャートを見て売買の判断をせずとも、毎月一定額が自動的に投資に回され、安全な運用方法で資産をふやしていくことができるのです。
この点が、多くの時間のないサラリーマンの方々に愛用されているポイントとなります。
つみたてNISAについては、このページの後半で具体的に説明します。
こちらも誰にでもお勧めできる、簡単かつお得な制度ですから、ぜひ読んで内容を理解して、活用していきましょう。
メリット②株を平均購入単価を下げることができる
ドルコスト平均法では、価格が高い時には少なく買い、安い時には多く買うことになります。
すると、一時にまとめて買付ける場合に比べて、買うためにかかった単価の平均の価格が安く、安定することが期待できます。
具体的な例を見てみましょう。
Sさんは毎月6,000円ずつ、A証券を購入することになったとします。
A証券の値段は、1月は400円、2月は200円、3月は600円と、1月から上下に200円ずつ上下しました。
これらの平均取得単価(1証券あたりの購入にかかったお金の平均)を計算すると、以下のようになります。
トータルの購入金額 : 6,000×3 = 18,000(円)
購入株数 : 6,000÷400+6,000÷200+6,000÷600 = 55(単位)
平均取得単価 : 18,000÷55≒327.3(円)
平均取得単価 : 18,000÷400 = 450(円)
となり、ドルコススト平均法のほうが安く購入できていることがわかります。ドルコスト平均法のデメリット
ここまでドルコスト平均のメリットを中心に紹介ましたが、一部デメリットも存在します。
手法について、メリットだけでなく、デメリットまで理解しておくことは、自分のお金を運用していく上ではとても大切なことです。
投資をはじめてから、「こんなはずじゃなかった……」という思いをしないように、デメリットもしっかり理解しましょう。
デメリットは大きく分けて2つあります。
- 短期間での効果がみえにくい。
- 株価が高い時には多く購入できない。
デメリット①短期間での結果が見づらい
「短期間での結果が見づらい」ということは、ドルコスト平均法の「長期間にわたって一定額を購入し続ける」という手法によって生まれるデメリットです。
一般的な投資では、投資対象の証券について「銘柄」と「売買のタイミング」を選択します。
特定の上がると見込んだ証券を、単価が安い時に買って、価格が上昇したタイミングで売却することで利益を得ます。
当然リスクはあるものの、正しい予測ができた場合には短期間で大きな利益を得ることができます。
ドルコスト平均法は、そもそも短期での利益を目的とした投資方法ではありません。
買う時期を分散させるため、安い時期に上がる前にたくさん買う、ということはできません。
経済成長の恩恵を受けることで、長期的に見て、トータルで利益が出ていれば良いという考えのもと成り立っている手法です。
短期的な利益率では、一般的な投資法を上回る利益を出すことはできません。
デメリット②株価が高いときには多く購入できない
また、これもドルコスト平均法の、買うためのお金は常に一定、という手法を考えれば当たり前ですが、購入単価が高い時点では、多くの単位を購入することはできません。
例えば、その後も値段が上がり続けることがわかっていたとしても、購入金額が決まっているので、それ以上の単位を購入することができないのです。
実際に計算してみましょう。
48,000円の資金を、
- ドルコスト平均法で4か月間、12,000円ずつ投資した場合
- 2か月目で48,000円をまとめて投資した場合
この条件で、買うことができたトータルの株数を比較します。
株価の動きは、表のとおりとします。
ドルコスト平均法 | 2か月目にまとめ買い | |
---|---|---|
1か月目 : 2,400円 | 5 | 0 |
2か月目 : 3,000円 | 9 | 16 |
3か月目 : 4,000円 | 12 | 16 |
4か月目 : 4,000円 | 15 | 16 |
このように、ドルコスト平均法では買うことができる単位が小さくなってしまいました。
これはつまり、あまり価格が上下せず、一本調子で上昇し続けるようなタイミングではこのやり方はあまりパフォーマンスが出ないことを意味します。
定額購入(ドルコスト平均法)と定量購入の違い
ここまで、決まった同額の購入金額で証券を買い続けるドルコスト平均法の「定額購入」について説明してきました。
少し混同しやすい考え方に、特定の証券を決まった同じ数量だけ購入し続ける「定量購入」という考え方も存在します。
同じに見えて、この二つの手法は大きく違うやり方です。
投資を始めてから後悔しないように、それぞれの違いについて、具体的なやり方とメリットを見ていきましょう。
①定量購入(ドルコスト平均法)の場合
ドルコスト平均法を用いた定額購入を続けたらどのようなパフォーマンスになるか、具体的な例を見てみましょう。
先にも登場したSさんに再登場してもらいましょう。
Sさんは毎月6000円ずつ、A証券を購入することになったとします。
A証券の値段は、1月は400円、2月は200円、3月は600円と、1月から上下に200円ずつ上下しました。
これらの平均取得単価(1証券あたりの購入にかかったお金の平均)を計算してみます。
トータルの購入金額 : 6000×3 = 18000(円)
購入株数 : 6000÷400+6000÷200+6000÷600 = 55(単位)
平均取得単価 : 18000÷55≒327.3(円)
ドルコスト平均法は、このように証券価格が上下した場合に、平均取得単価を抑えることができるというのがメリットでした。また、定額購入の場合はつみたてNISAと相性が良い点もメリットとなります。
②定量購入の場合
定量購入についても具体例で考えてみましょう。
証券を定量購入しているPさんは、A証券を毎月決まって15単位購入することにしています。
A証券の値動きは先ほどと同様に、1月は400円、2月は200円、3月は600円と、1月から上下に200円ずつ上下したとします。
1月の投資額 : 15×400 = 6000
2月の投資額 : 15×200 = 3000
3月の投資額 : 15×600 = 9000
平均取得単価 : (6000+3000+9000)÷(15×3) = 450(円)
このように、上下に値動きした場合、平均取得単価では定額購入(ドルコスト平均法)より割高になってしまいます。しかし、証券価格は歴史的に「上下に動きながら長期的には上昇する」ことが多いため、長期投資においてはドルコスト平均法が有利なのです。
初心者が知っておきたい『複利の効果』と『72の法則』
「複利の効果」と「72の法則」という言葉を聞いたことはありますか?
怪しい勧誘で聞いたことがある……と思われるかもしれませんが、この言葉そのものは強力な資産運用のメリットを表すキーワードです。
正しく理解すれば、資産運用をするうえで大きな武器になります。
投資の世界では、お金を運用する期間が長いほど、その投資効果は加速度的にアップしていきます。
その理由にあたるのが「複利の効果」です。
また、複利によって、運用資産の評価額が運用を始めてからの2倍になるまでの期間を計算するためのポイントが「72の法則」なのです。
単利と複利の違い
あまりこの言葉に馴染みがない人のために、一旦、「複利」について説明する前に、「単利」について説明します。
これらはどちらも利息について説明する言葉ですが、今回はみなさんはお金を借りる側ではなく、お金を預ける側なので、預けているお金の増え方についての説明になります。
単利とは、運用で得た配当や利息を元本に組み入れず、最初の元本部分に対してのみ利息がつくことです。
計算式にすると、
単利=元本×金利
となります。
たとえば、100万円を10年間、年間10%の単利で預けた場合の10年後の資産額を考えると、
10年後の資産額: 100+100×(10/100) = 200(万円)
となります。一方、複利は、預金から得られた利息を「元本に組み入れて」利息がつくことです。
計算式にすると
複利=(元本+利息)×金利
となります。
たとえば、100万円を10年間、年間10%の複利で預けた場合の10年後の資産額を考えると、
10年後の資産額: 100×{(100+10)/100}*10 ≒ 259.3(万円)
となります。72の法則
72の法則とは、ある利回りに対して、運用資金が2倍になるまで何年かかるかを、複利の考え方で逆算して求めるやりかたのことを指します。
今の自分が持っているお金と、将来必要になりそうな資産額から、どれくらいの期間をかけて、どのような運用をするのかを決める際に有効な手法です。
ここで、「72という数字はなんだろう?」 と思う方もいるかもしれません。
これは、法則の式の中に登場します。
72÷利回り(%)=お金が2倍になる期間(年)
たとえば、先ほどの例から、100万円を年間10%の複利で預けた場合に、2倍になるのは何年後になるでしょうか?
計算してみましょう。
お金が2倍になる期間(年) : 72÷10(%)=7.2(年)
この計算から、7年と少しで資産額が2倍になることがわかります。参考:SBI証券のホームページでシュミレーションしてみよう
ここまでの記事で、資産の増え方について学ぶことができました。
実際に、自分が投資できる資金を運用する際に、どれくらいのペースでお金が増えていくのか、気になってきたという方も多いのではないでしょうか。
シミュレーションができるサービスはいくつかありますが、例えばSBI証券のホームページでは、簡単に投資シミュレーションをおこなうことができます。
ご自身の将来設計に照らし合わせて、目標資金に達成するためにはどれほどの期間と元手が必要なのか、わかりやすくイメージすることができます。
つみたてNISAの特徴

- 年間40万円を最大20年間の間非課税で運用することができる制度。
- ドルコスト平均法を使って長期投資に向いた投資信託に投資できる。
①年間40万円を最大20年間の間非課税で運用することができる制度
まずは、つみたてNISAという制度そのものについて説明します。
この制度は、1人1口座まで、NISA口座という特別な証券口座を開設することで、その口座内では、年間40万円までの運用額から発生した利益に対し、最大20年間非課税で運用することができる、という制度です。
(参照 : 野村証券 証券用語解説集)
通常のやりかた(源泉徴収口座での取引)で証券を取引して利益が発生した場合、発生した利益に対して20.315%の税金が発生します。
例えば、100万円の証券を買って120万円で売却した場合、かかる税金は、
税金(所得税+住民税) : (120-100)×20.315(%)/100=40603(円)
となります。②ドルコスト平均法を使って長期投資に向いた投資信託に投資できる
つみたてNISAで購入することができる対象商品は、ある程度絞られています。
どれも、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)になります。
投資信託とは、さまざまな株式やアセットにバランスよく分散して投資された、株の袋詰めのようなものです。
ETFとは、そのなかでも特定の指数(日経平均や米国SP500など)に連動して動くような投資信託です。
つまり、特定の銘柄を選ばずに、あらかじめリスク分散された商品の中から銘柄を選ぶことができるのです。
このうちの1つの銘柄を選び、ドルコスト平均法で運用することで、安全に、最大限に税制と経済成長の恩恵を受けることができるということです。
このように、つみたてNISAでは必要以上に迷う必要がなく、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
参考:楽天証券が扱っている投資信託の銘柄
ネット証券大手の楽天証券では、さまざまなニーズに合わせたつみたてNISA用の投資信託を取り扱っております。
つみたてNISAで選べる銘柄の中でも、積極的にリターンを狙いたい人向けのもの、安全に運用したい人向けのものなど、いくつかの種類があります。
資産の増やし方について、リターンのためにどこまでリスクをとりたいかは人それぞれです。
どういったものが自分に合っているのかを考えてみましょう。
まとめ:つみたてNISAに関する疑問ならまずはマネーキャリアで無料相談!
いかがだったでしょうか。
つみたてNISAと、ドルコスト平均法という投資手法の組み合わせの良さについて、そしてつみたてNISAを始めるメリットについて解説しました。
楽天証券やSBIなどのネット証券大手では、つみたてNISAとそのわかりやすい説明や、ネット証券ならではの簡単なつみたてNISA口座の開設もすることもできます。
証券会社の選び方に悩まれている方は、まずはこの2社がおすすめです。
とはいっても、いきなり証券会社とやりとりするにあたっては不安もあるかと思います。
- 「大切なお金を証券口座に預けることがやはり不安」
- 「やり方が複雑そうで、口座開設までたどり着けるかわからない」
- 「選べる投資信託のなかで、結局どれを選べば良いのか」
このように、ひとりで決めるにあたってはやはりハードルが高く感じるかもしれません。
そんな時は、まずはマネーキャリアで無料相談してみてください。
賢く、お得に、安全に資産運用して、将来のお金をしっかり準備しましょう。