シミュレーションでわかる資産形成のポイント|おすすめも紹介

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「資産形成を始めたいけど何をしたらいいのかわからない」「資産形成によって、どれくらい資産が増えるのか知りたい」という方は多いのではないでしょうか。そんな方のために、この記事では資産形成のシミュレーションの必要性やポイントについて解説していきます。



▼この記事を読んでほしい人

  • 資産形成に興味がある人
  • 資産形成をしたいが、何をやればいいかわからない人
  • 資産形成をした場合としない場合ではどのくらい差が出るのか知りたい人

▼この記事を読んでわかること

  • 資産形成にシミュレーションが大事な理由
  • 資産形成のシミュレーションによってわかること
  • 資産形成を始めるにあたって大切なこと

内容をまとめると

  • 資産形成はシミュレーションが大事 
  • シミュレーションすることで目標金額達成までの積み立て金額、積立期間がわかる
  • 資産形成をした場合としない場合、目標金額の達成までに差が出る 
  • 資産形成のシミュレーションはマネーキャリアのプロに相談することがおすすめ 
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資産形成にシミュレーションが必要な理由


「人生100年時代」と言われる現在、さまざまなライフイベントに備えた準備はできていますか?


2019年に金融庁がまとめた報告書によると、年金だけでは老後資金が2,000万円不足すると発表され、話題となりました。

いわゆる「老後2,000万円問題」です。


つまり、豊かな老後生活のためには、公的年金だけでは十分とは言えないということですね。


生涯充実した生活を送るためには、資産形成を行うことをおすすめします。

資産形成による目標金額は、個人のライフスタイルによって異なります。


ここで大切なのが、資産形成のシミュレーションです。

なぜシミュレーションが大切なのか、シミュレーションすることで何がわかるのかを解説していきます。


この記事を読んでいただければ、資産形成シミュレーションの必要性がわかります。

是非最後まで読んでください。

資産形成のシミュレーションでわかる3つのこと


「資産形成に興味があるけど、何をしたらいのかわからない。」

という方は、まずシミュレーションをしてみてはいかがでしょうか。


ここでは資産形成のシミュレーションでわかる、以下の3つについて解説していきます。


  • 毎月どのくらい積み立てればいいのか
  • 初期投資をどのくらいに設定するか
  • 目標金額までどのくらいの期間がかかるか

わかること①目標金額を貯めるには毎月どのくらい積み立てればよいか

まずは目標金額と、目標金額まで期間を設定しましょう。

目標金額を決めなければ、毎月の積み立て金額も算出できず、シミュレーションできません。


例を上げます。

  • 目標金額:1,000万円
  • 積み立て金額:30年

上記の条件の場合、毎月の積み立て金額は27,778円になります。
(参照:アセットマネジメントOne)

実際に資産形成を行っていくうえでは運用利回りも計算に入れるので、積み立て金額はより低い金額で、目標金額よりも上回ることが多いです。

また、積み立て期間が長ければ長いほど、積み立て金額も少なくなり負担も減ります。
なので、早めの資産形成をおすすめします。

わかること②初期投資をどの程度に設定すべきか

目標金額が決まったところで検討するべきなのが、資産形成を行うにあたっての初期投資をどうするかという点です。


初期投資をせず、ゼロから資産形成を始めるのか、あるいはある程度の蓄えを職投資して始めるのかによって、月々の積み立て金額も変わってきます。


全くゼロからの状態で資産形成を始める場合と、初期投資をした場合を比較して見ましょう。

Aさんの条件はこちらです。

  • 目標金額:2,000万円
  • 積み立て金額:30年
  • 初期投資なし

Bさんの条件はこちら。


  • 目標金額:2,000万円
  • 積立期間:30年
  • 初期投資額:500万円


毎月の積み立て金額を比較した表がこちらです。

Aさん
(初期投資なし)
Bさん
(初期投資500万円)
毎月の積み立て金額55,556円41,667円
(参照:アセットマネジメントOne)

毎月約14,000円ほど、年間にすると16万円以上の差が出ます。 


目標金額が大きい場合、ある程度の初期投資をした方がいいですね。

わかること③目標達成にどれほどの期間が必要か

資産形成のシミュレーションでは、目標金額の達成までに必要な期間がわかります。

必要な入力事項はこちらです。


  • 目標金額
  • 初期投資額
  • 毎月の積み立て金額

では、シミュレーションしてみましょう。
  • 目標金額:1,000万円
  • 初期投資額:なし
  • 毎月の積み立て金額:3万円
上記の場合、目標金額1,000万円に達成するまでに必要な期間は、27年10か月となります。
(参照:アセットマネジメントOne)

実際は運用利回りも考慮するので、もう少し低い金額になります。

資産形成を始めるにあたって押さえるべき3つのポイント


資産形成を行う上で、

「株式、投資信託などいろいろな金融商品があるけど、どれを選んだらいいのかわからない。」

と不安に思う方も多いのではないでしょうか。


ここでは、資産形成を始めるにあたって押さえるべき3つのポイントを解説していきます。


  • 長い期間をかけてリターンを得る
  • 一定の金額をコツコツ積み立てる
  • 分散投資でリスクを減らす

ポイント①長い期間をかけて安定リターンを得る

早い段階で資産形成を行う場合、運用期間が長くなります。

長期間にわたって運用すると、複利効果が得られて、安定したリターンを得ることが出来ます。


例えば投資信託を例に挙げましょう。


元本100万円を運用し、1年後に5万円の利息が出たとします。 

2年後にはこの利息分5万円を元本に加算、つまり105万円として運用可能です。


元本と利息の合計を基に運用する複利運用は、運用で得た利益を引き出す単純運用よりも利益が増える効果、いわゆる「複利効果」が期待できます。


長期間で運用を行う場合、利息が出た分元本に加算できるので、複利効果の恩恵を大きく受けらる、という仕組みです。

ポイント②積み立てを活用しコツコツ資産形成する

積み立て投資とは、月に一度など一定の間隔で、一定の金額をコツコツと投資していく方法です。


定期的に一定額を積み立てることで、金融商品の価格が高い時には購入する量が少なくなり、逆に安い時には購入する量が多くなることで、1口あたりの平均価格を抑えることができます。


例えば、購入する商品の価格の値動きを「1口:10,000円→13,000円→8,000円→10,000円」と仮定しましょう。

購入する商品量(口数)を固定する場合と、購入する金額を固定する場合で比較してみます。

なお、手数料は含まれないものとします。


購入する商品量(口数)を固定する場合

1月目2月目3月目4月目合計
購入口数10口10口10口10口40口
1口あたりの価格10,000円13,000円8,000円10,000円
購入金額100,000円130,000円80,000円100,000円410,000円


1口当たりの平均購入価格は、10,250円となりました。


購入する金額を固定する場合

1月目2月目3月目4月目合計
購入金額100,000円100,000円100,000円100,000円400,000円
1口あたりの価格10,000円13,000円8,000円10,000円
購入口数10口7.6口12.5口10口40.1口


1口当たりの平均購入価格は、9,975円となりました。


上記のように、市場の一時的な動きに関わらず、コツコツと一定金額を積み立てるこの購入法を「ドル・コスト平均法」と呼びます。


投資初心者におすすめの投資方法です。

ポイント③分散投資によりリスク軽減を図る

分散投資とは、投資先を分散させることによって、資産減少のリスクを軽減させる方法のことです。


立てば、1つの投資対象に資金を集中させた結果、運用がうまくいかなくなってしまった場合、資産に影響が出てしまいます。


一方投資する対象を複数に分けることによって、1つの対象が値下がりをしても、他のものでカバーできます。

その結果全体で見ると、リスクを減らすことができるという仕組みです。


また、値動きの異なる資産を組み合わせることによって、安定したリターンも見込めます。

月3万円の積み立てで1000万円貯まるまでの期間をシミュレーション


「資産を増やす方法は何か?」

というLINEリサーチのアンケートの調査から、トップ3をまとめました。


1位貯金をする51%
1位節約をする51%
3位資産運用や投資をする29%

(出典:LINEリサーチ「LINEユーザーを対象にしたスマートフォンweb調査)


多くの人が貯金や節約を考えていて、資産運用は第3位でした。


では、これから資産を増やしたいと考えた場合、月3万円で1,000万円貯めるのに、どのくらいの期間が必要になるのでしょうか。


以下の2つのケースでシミュレーションしていきます。


  • 預貯金で貯める場合
  • 積み立て投資による資産運用の場合

シミュレーション①預貯金だけでは28年弱かかる

2021年現在、普通預金の平均年率は0.001%です。

(参照:日本銀行「預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について」(2021年5月26日公表)より)


平均年率も踏まえて、野村證券が提供している「みらい電卓」を参考にすると、預貯金だけで毎月3万を積み立てた場合、目標金額の1,000万円を貯めるまで27年9か月かかることがわかりました。


約28年、かなり長い期間になりますね。

シミュレーション②積立投資なら約20年で到達できる

では積み立て投資の場合はどうなるのでしょうか。


想定利回りを年率3%とした場合、毎月3万円で目標金額1,000万円貯まるまでは、20年4か月で到達することがわかりました。

(参照:野村證券「みらい電卓」)


積み立て投資の方が預貯金よりも約8年、目標金額に到達することが早いということです。

8年の差は大きいですよね。


ただ、「想定の利回りで運用できるの?」、「損しないか心配。」と不安に思う方も多いでしょう。


確かに資産運用はリスクを伴います。

しかし、「時間」を味方につければ、リスクを軽減させる効果があります。


長期間の積み立て投資は複利効果が期待できるだけでなく、万が一損した場合のリカバリーも可能です。


早い段階での資産運用は、メリットがたくさんあることがわかります。

資産形成のシミュレーションで見える家計負担の抑え方


「子ども1人当たりの教育費」や「老後に不足する資金」はそれぞれ1,000万円だと言われています。


「そんなに貯められない」

と頭を抱えてしまう人もいるのではないでしょうか。

ですが、無理なくコツコツ資産形成を行えば、1,000万円貯めることも不可能ではありません。


資産形成シミュレーションを学ぶことにより、今後の家計負担の抑え方が見えてきます。

ここでは以下の2点について解説していきます。

  • 長期間の積み立て
  • 利回りを上げる

負担抑制策①積立期間の長期化

貯金ゼロから、1,000万円貯めるまでに、月々いくら積み立てれば良いかまとめた表がこちらです。

今回、利回りは考慮しません。

利回り10年20年30年
0%84,000円42,000円28,000円


積立期間が10年の場合と30年の場合では、月々56,000円もの差がでます。


表から分かるように、当然ながら、積み立て金額が長ければ長いほど、毎月の積み立て金額は少なく済みます。


その結果、家計の負担軽減にもつながります。

負担抑制策②利回りの向上

続いて、同じ条件で、利回りを考慮した場合をシミュレーションしてみましょう。

利回り10年20年30年
0%84,000円42,000円28,000円
1%80,000円38,000円24,000円
3%72,000円31,000円18,000円
5%65,000円25,000円13,000円
(一部抜粋:ダイワファンドラップ「積立投資で1000万円貯めるテクニックとは?シミュレーションして無理なく貯めよう」)

例えば積立期間20年のケースを見ていきます。

利回りが0%の場合は毎月42,000円の積み立てが必要になりますが、利回りが5%の場合、半分である25,000円の積み立てで目標金額の1,000万円まで到達できます。

利回りを考慮すれば、家計の負担軽減にもつながることがわかります。

ただ、利回りの向上にはリスクがつきます。
高いリターンが期待できる一方で、リスクもまた高いです。

「資産を一気に増やそう」という考えで、リスクの高い商品に投資をすると、思わぬ損失を招いてしまう可能性もあります。

利回り向上を目指す際には、慎重に商品を選択してください。

世代別の資産形成シミュレーション例


ご自身と同年代の方がどのように資産形成しているのか。気になりますよね。


ここでは世代別の資産形成シミュレーションを紹介していきます。

  • 20代まとまった資金のない資産形成は?
  • 30代投資初心者の資産形成は?
  • 40代子供二人の夫婦の資産形成は?
  • 60代退職間近のアクティブシニアの資産形成は?

シミュレーション①20代でまとまった資金がない人

20代の資産形成は、「積み立て投資」がおすすめです。

投資期間が長くとれる20代は、大きな資産を形成できるチャンスがあります。

では、実際にシミュレーションしてみましょう。
20代がゼロから積み立て投資で資産形成を始めた場合、どうなるのでしょうか。

  • 20代Aさん
  • 積立金額:毎月3万円
  • 積立期間:30年
  • 想定利回り:3%
結果はこちらです。
  • 最終積み立て金額:17,482,107円
  • 元本:1,080万円
  • 運用収益:6,682,107円

(参考:金融庁 「資産運用シミュレーション」)


元本とは、実際にAさんが30年間積み立てた金額です。

資産運用したことで、650万円以上資産を増やすことができました。

シミュレーション②30代投資ビギナーの独身女性

30代にも「積み立て投資」がおすすめです。

30代の独身女性は、将来を見据えて住宅購入を検討し始める人もいるでしょう。


「40代でマイホームを購入したい。」

「住宅購入の頭金や引っ越し費用のことを考えて、出来るだけ多く貯めたい」

と考えている、35歳のBさんのシミュレーションをしてみましょう。


目標金額は決めず、月々の積み立て金額で比較した表がこちらです。

なお、利回りは3%とします。


毎月3万円毎月5万円毎月7万円
40歳時点193万9,401円
323万2,336円452万5,270円 
45歳時点419万2,243円698万7,071円978万1,899円

(一部引用:りそな銀行「30代の平均貯金額はいくら?貯金なしから1,000万円とうたつできる?」)


毎月3万円を貯めていく場合、5年後では193万円ですが、10年後は419万円と倍以上の運用結果になっています。


長い時間をかけて運用すれば、少額からでも充分に資産形成できることがわかりますね。

シミュレーション③40代子供2人の夫婦

子供の教育費が本格的にかかってくる40代。

教育費に加えて、夫婦2人の老後資金、さらには親の介護問題などにも頭を抱える年代になり、責任がかかってきます。


まずは、何のために資産形成をするのかを明らかにしておきましょう。

ここで、40代のCさん家族のシミュレーションをしてみます。

  • 家族構成:夫45歳(会社員)、妻40歳(会社員)、長男10歳、次男8歳
  • 手取り年収:夫/450万円、妻/300万円
  • 貯金:380万円(うち80万円は長男の教育資金、50万円は次男の教育資金)
  • 老後資金と、子供の教育資金を貯めたい
老後資金と教育費どちらも貯めたい場合、おすすめの資産形成は「iDeCo」です。

iDeCoでシミュレーション

iDeCoは老後資金を形成するための制度です。
原則60歳にならないと資金を受け取ることができませんが、Cさん家族の場合、長男が大学入学時には60歳を超えているので、いつでもiDeCoから資金を引き出せます。

iDeCoの積み立て金額は上限があり、加入者によって異なります。
iDeCoの積み立て金額については、「iDeCoの利回りや控除額の計算シミュレーションについて解説」を見てください。

Cさんの場合、月額23,000円まで積み立て可能です。
60歳まで積み立てると以下のような運用成果や控除が受けられます。

積み立て金額414万円
給与所得控除/年134万円
社会保険控除/年647,550円
所得控除(所得税)48万円
所得控除43万円
(参照:iDeCo公式サイト「かんたん税制優遇シミュレーション」より試算)

社会保険控除はは 年収の14.39%として計算しています。

預貯金で積み立てた場合、

15年×23,000円=345万円

ですが、iDeCoで積み立てていくと、約70万円もの差が開きました。

また、上記にもあるように、iDeCoは掛金が控除の対象となるので、節税効果もあり、家計の負担軽減にもなります。

また、414万円では少し不安という場合には、合わせてNISAの利用もおすすめです。

NISAでシミュレーション

NISAの1年間の非課税枠は120万円、非課税期間は最長5年間で、最大600万円の投資額が非課税になります。

NISAで毎月3万円、60歳まで積み立てた場合のシミュレーションはこちらです。
利回りは3%とします。

積み立て金額6,809,000円
元本540万円
運用益1,409,000円
(参照:金融庁 「資産運用シミュレーション」)

実際に積み立てた金額が540万円なのに対して、680万円と大きな金額になりました。
iDeCoでの積み立て金額と合わせると1,000万円超えてきます。

NISAでもっとより多くの金額を積み立てれれば、より多くの積み立て金額が見込めます。

シミュレーション④60代退職金活用を考えるアクティブシニア

定年退職もして、セカンドライフを歩み始めた60代夫婦、Dさんのシミュレーションを行います。


  • 家族構成:夫61歳(再雇用)、妻60歳(パート)、子供2人は30代で独立している
  • 年収:夫400万円/妻:100万円。夫は定年退職後、再雇用で妻と同じくそれぞれ64歳まで働こうと思っている
  • 金融資産:3,300万円(退職金2,000万円を含める/定期預金)
  • 将来は年1回の旅行、孫への援助もしたい

Dさん夫婦の場合、65歳以上からは資産を切り崩した生活になります。

今の生活水準でいくと、100歳時点では資産はマイナスに。


Dさん夫婦のおすすめの資産運用は、「使わないお金の一部を積み立て投資や株式投資に回すこと」です。

Dさん夫婦の資産は3,300万円でしたね。


全額を投資に回すことはリスクが高すぎるのでやめた方が良いです。

ある程度の資産を残しつつ、投資していきましょう。


ここでは、以下の条件で積み立て投資していくとします。

  • 運用金額:1,200万円
  • 運用期間:14年間(75歳まで)
  • 利回り:3%


運用成果は、1,200万円が1,792万円と、500万円以上の利益が出せました。

(参照:金融庁 資産運用シミュレーション


また、合わせて株式投資もおすすめです。

リスクはありますが、国内株式や海外株式など幅広く分散投資することでリスクは軽減されて、より高い運用成果を生み出せる可能性があります。


Dさん夫婦のように、資産の一部を運用することも、資産寿命を延ばせる方法のひとつです。

資産形成のピンチをシミュレーションで防ぐ


みなさんは、ご自身の家計の把握をしっかりできていますか?


「資産形成は大切」

と感じていても、実際に貯蓄や投資が進んでないとしたら、家計をしっかり把握していないかもしれません。


ここではライフスタイル別にシミュレーションを行い、資産のピンチになりやすい状況と、解決策をまとめました。

  • 子育て中の30代4人家族のケース
  • 40代独身のケース
  • 50代で子供のいない共稼ぎ夫婦のケース

ケース①子育て中の30代4人家族

シミュレーションするケースはこちら。

  • 家族構成:夫36歳(会社員)、妻36歳(専業主婦)、長女6歳、次女3歳
  • 世帯手取り年収:700万円
  • 退職金:1,500万円
  • 毎月支出:25万円
  • 家賃:ローン返済12万円(35年固定/金利1,3%)
  • 子供は高校から私立を検討

上記の場合、10年後である長女の高校入学後に赤字が続き、次女の大学在学中には貯蓄がなくなります。
想像以上に教育費はかかることがわかりますね。

24年後である退職金を受け取ることで資産を持ち直しますが、老後は資産が減る一方で33年後には再び資産0に。

そこで家計を見直し、月3万円節約することにしました。
すると教育費のピークと言われている大学時期も乗り越えられます。

定年退職時の資産も、退職金と合わせて3,000万円と安心できる金額まで立ち直りました。
月々たった3万円の努力で未来は変わってくるのです。

ただ、40年後には再び資産0の危機が訪れます。

そこで、月3万円の節約分のうち、2万円を投資にまわし、老後も運用し続けながら、取り崩してみましょう。

60歳の定年退職までの24年間で利回り2%、毎月2万円ずつ積み立て投資していくと、738万円になります。

その後も、この738万円を利回り2%で運用しながら20年間取り崩していった場合、毎月37,000円の受け取りが可能で、家計はかなり改善されます。
(参照:MORNINGSTAR 「金融電卓」)

老後も運用に力を入れることの大切さがわかりますね。

ケース②40代独身

以下のようなケースをシミュレーションしていきます。
  • 42歳独身女性
  • 手取り年収:400万円(退職金なし)
  • 毎月支出:20万円/臨時支出あり 
  • 毎年の貯金額:140万円
  • 貯金500万円 
  • 家賃:毎月10万円(賃貸)

独身の一番のリスクは、収入減が1つしかないこと。
病気やけがなど何かあった時のために、まとまった資産があった方が安心です。

上記のケースの場合、貯金も毎年できていることから順調にも見えますが、定年退職後は資産が大幅に減っていきます。
20年を過ぎて赤字が続き、35年後には資産0になります。

また、転職などを余儀なくされ、収入が減ったとなると、もっと早い時期に資産はなくなるでしょう。

このような場合、貯蓄の一部を投資に回すことで改善します。
月3万円を積み立て投資に回していくと、約85万円となり、資産寿命が5年間伸びます。

ただ、40年後には底をつく計算になるので、積立額を増やしたり、他の収入源の確保を目指しましょう。

ケース③50代で子供のいない共稼ぎ夫婦

子供のいない共働き夫婦でありがちなのが、お金を十分に稼いでいるにも関わらず、貯金があまりないというケース。


理由は両者が共働きなことによって、財布を別々に管理している結果、それぞれが自由にお金を使うというパターンが多いためです。


今回は50代共働き夫婦のシミュレーションをしていきます。

  • 家族構成:夫50歳(会社員)/妻47歳(会社員)
  • 世帯手取り年収:900万円(夫:600万円/妻:300万円)
  • 毎月の支出:30万円(臨時支出年間100万円あり)
  • 貯金:1,000万円
  • 家賃:毎月15万円(賃貸)
  • 夫の退職を機に地方にて家購入希望。購入希望額:3,000万円
お互い自分の稼ぎから自由に使えるお金が多いため、外食費や生活費がふくらみがちです。
現役で働いている間はいいですが、退職後はあっという間に資金が尽きてしまいます。

家を購入したことによって住宅費の負担は下がりますが、このままの生活レベルで老後を過ごすと、22年後には資産0になります。

まずはお互いに家計の状況を把握し、老後に向けた準備をしましょう。

この夫婦の場合、以下の条件にすると、資産状況が改善されます。
  • 毎月の生活費を8万円減らす
  • 臨時支出を年間20万円減らす
  • マイホーム予算を200万円下げる

上記の条件で、減らしたお金はすべて貯金のみでのシミュレーションを行ったところ、38年後の88歳に資産0になる見通しで、資産寿命が15年以上延びました。

また、減らした生活費の8万円を積み立て投資に、減らした臨時支出は貯蓄に回すとさらに資産寿命は延びます。

今から10年間、毎月8万円を積み立て投資した場合の、運用成果はこちらです。
利回りは3%とします。

運用成果11,179,314円
元本960万円
運用益1,579,000円


ここに年間の20万円の貯金も加わることから、かなり安定した老後生活が期待できます。

手取り収入額が多い分、家計を見直すと、資産状況がかなり改善されることがわかります。

自分の資産形成をシミュレーションしてみる


「自分の資産シミュレーションをしてみたい。」
と思っても、何から始めればいいのかわからない方も多いですよね。

資産シミュレーションは、銀行などのホームページでも行えますが、自分でもエクセルなど表計算ソフトで簡単に作成可能です。


ここでは自分で行う資産形成シミュレーションの手順として、以下の6つを解説します。

  1. 今後のライフイベントを挙げる
  2. 家計の収入と支出を確認
  3. 家計の収支をグラフ化する 
  4. 資産残高を確認する 
  5. 資産残高をグラフ化する
  6. シミュレーションを定期的に行う

手順①ライフイベントを整理

まずは、「ライフイベント表」を準備しましょう。

ライフイベント表とは、自分と家族の人生における大きなイベントについてまとめた表のことです。


ライフイベントとして挙げられるのは以下のような場合です。


  • マイホームの購入
  • 自動車の買い替え
  • 子供の入学、進学
  • 定年退職

では、実際にライフイベント表を作成していきましょう。
まず、家族全員の年齢を1年ごとに書き出していきます。

20212022202320242025
本人年齢3536373839
配偶者年齢3334353637
子供34567

続いて、上記の下にライフイベント表を加えます。
本人
車買い替えマイホーム購入
配偶者
子供年少年中年長小学校入学

このように表にまとめておくと、どの年にお金がかかるのか、わかりやすいですよね。
エクセルやワードの表作成など、自身でも簡単に作成可能です。

手順②家計収支の推移を作成

続いて現在の年間収支を確認しておきましょう。

現在の年間収支を確認したうえで、今後の収支についても現時点での見込み金額を見積もります。


先ほど作成した2つの表の下に、以下のような形で、本人と配偶者の手取り収入額、生活費や教育費などを1年毎に記入していきましょう。


まずは年間の収入金額から作成します。


20212022202320242025
本人400万400万420万420万430万
配偶者300万300万300万300万300万
収入合計700万700万720万720万730万


続いてこの表の下に、年間の支出金額を書き出していきます。

この表には、年間収支も記入しておきましょう。


年間収支の計算方法はこちら。

年間収支=収入合計ー支出合計

生活費300320320320350
特別費100200100100150
住居費170170170170150
教育費35
支出合計570万690万590万590万685万
年間収支130万10万130万130万45万


具体的な数字を書き込むことで、将来のイメージがわきやすくなりますよね。

手順③家計収支の推移をグラフ化

続いて、ここまで作成した表を元に、家計収支の推移をグラフにしてみましょう。


おすすめは、エクセルの表計算ソフトです。

エクセルの以下のツールを使うことをおすすめします。


  • 縦棒:手取り収入金額・支出金額
  • 折れ線グラフ:家計収支

表計算ソフトを元に算出すると、収支の赤字黒字が一目瞭然です。

退職までの収支を可視化でき、どのタイミングでお金が必要になるかが明確になります。

手順④資産残高の推移を確認

家計収支の推移をグラフ化したところで、今持っているお金が増えていくのか、あるいは減っていくのか、資産残高の推移を確認してみましょう。   


まずは年間収支と今持っている資産から、次のように今後の資産残高を計算してみます。

ここでの資産は預貯金、運用資産です。


例として年間収支が黒字の場合、6割を預貯金に、残りの4割を運用資産によって積み立てていきます。


現在2021202220232024
預貯金300万378万384万462万540万円
運用資産80万142万144万196万248万円
純資産
(預貯金+運用資産)
380万520万円528万658万788万円


今持っている資産がいくらか、また今後どうなっていくか確認しやすくなりました。

手順⑤資産残高の推移をグラフ化

先ほどの家計収支の推移のグラフ化と同様に、資産残高についてもグラフ化していきましょう。


今回は、エクセルのツールをこのように使うことをおすすめします。

  • 縦棒:預貯金・運用資産
  • 折れ線グラフ:純資産
資産残高の推移をグラフ化すると、今後のお金の貯まり具合や不足度合いが一目でわかります。

「ここで資産が減っているから、余裕のあるこの時期にお金を増やしておこう。」
家計の見直しにもつながります

手順⑥シミュレーションは定期的にアップデート

シミュレーションはあくまでも仮定に基づく試算です。

年月が経つと、その通りに推移していないのが当たり前です。


そこで大切なのが、このようなライフプランシミュレーションを定期的にアップデートしていく必要があるということ。

できれば年に1回、少なくても2~3年に1回くらいの頻度で、家計収支、預貯金、積立額や運用利回りなど情報を更新していくことことをおすすめします。


また、ライフプランシミュレーションのアップデートは、資産の状況についての振り返りにもなり、今後のお金の使い方について考える、絶好の機会とも言えます。


ライフプランシミュレーションを行い、今の自分にできることを明確にして、行動に移しましょう。

資産形成シミュレーションのおすすめ3選


上記のように自分で資産形成のシミュレーションを行うことも可能ですが、銀行のウェブ上でもシミュレーションできます。


自身の状況を入力するだけでいいので、パソコンに不慣れな人には特におすすめです。


ここでは資産形成シミュレーションのおすすめを3つご紹介します。

  • 金融庁の資産形成シミュレーション
  • 全銀協の資産形成シミュレーション
  • みずほ銀行の資産形成シミュレーション

おすすめ①金融庁のシミュレーション

政府の金融庁が提供している資産運用シミュレーションのことです。


毎月の積み立て金額や想定利回り、積立期間を入力するだけで最終積み立て金額が出てくるので、誰でも簡単にシミュレーション可能です。


また、目標金額のために毎月いくら貯めればいいのか、目標金額のためには何年間積み立てが必要なのかも算出できます。


シンプルでわかりやすい作りになっているので、投資初心者の方にもおすすめです。

おすすめ②全銀協のシミュレーション

一般社団法人の全国銀行協会が提供する、資産運用シミュレーションです。


全銀協のシミュレーションのシミュレーションには2種類あります。

  • きほんシミュレーション
  • くわしくシミュレーション

まず「きほんシミュレーション」は、世帯属性、収入など簡単な質問を入力するだけでシミュレーションできます。

一方で「くわしくシミュレーション」は、きほんシミュレーションよりもさらに細かい質問に答えることで、より詳細なライフプランのシミュレーションが可能です。

質問内容としては、きほんシミュレーションの質問に加えて、以下のようなものがあります。
  • 住宅事情
  • マイカー事情
  • 大きな出費予定
  • セカンドライフについて

まずは「きほんシミュレーション」を利用して、自身の将来を大体でいいので把握しましょう。

さらに、
「もっと詳しくしりたい」
という方や、2回目以降の方は「くわしくシミュレーション」の利用をおすすめします。

おすすめ③みずほ銀行のシミュレーション

みずほ銀行が提供する、資産形成シミュレーション「ライフデザイン・ナビゲーション」には、3つの機能があります。


  • ライフデザイン
  • マネープラン
  • 状況の変化を把握

それぞれの機能を確認していきましょう。

みずほ銀行の資産形成シミュレーション1.ライフデザイン

「マイホームが欲しい。」
「老後に旅行に行きたい」
など、まずは将来実現したいことを選択していきます。

将来やりたいことや実現したい夢を、期間ごとに入力することによって、必要になる金額を算出できます。

みずほ銀行の資産形成シミュレーション2.マネープラン

みずほ銀行の「ライフデザイン・ナビゲーション」では、1で入力したライフプランの実現に向けて、必要な対策を自動で提供してくれます。

みずほダイレクトを利用している人は、ライフデザイン・ナビゲーションとみずほダイレクトを連携できます。
さらに、ライフデザイン・ナビゲーションにて選択した金融商品をそのままみずほダイレクト上で購入可能なので、大変便利です。

みずほ銀行の資産形成シミュレーション3.情報の変化を把握

みずほダイレクトを利用している人は、ライフデザイン・ナビゲーションとみずほダイレクトを連携すると、いつでも現在の資産状況を確認できます。

マネープランの見直しもできるので、定期的にログインすることをおすすめします。

資産形成のシミュレーションで迷ったらプロに相談

資産形成初心者の方は、シミュレーションのやり方や、各種数値の設定には迷うことも多いと思います。


そんなときには、お金のプロであるFPに相談してみることで、的確なシミュレーションができるかもしれません。


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しかも納得いくまで何度でも相談料は無料で、自宅にいながらオンラインでの相談も可能です。


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今ならスマホ1つで簡単に無料相談できるので、是非お気軽にご利用ください。

資産形成シミュレーションについてのまとめ

この記事では、資産形成シミュレーションの大切さについて解説していきました。


資産形成シミュレーションを行うことで、目標金額達成までの毎月の積立額と、積立期間がわかります。

さらに、早めの資産形成は目標金額達成までの積み立て金額の減額や、積み立て期間の短縮にもなるのでおすすめです。


また、いざ資産形成を始めてみても、シミュレーション通りにいかないことも必ず出てきます。

そんな時のために、自身のシミュレーションを定期的に見直し、修正していきましょう。


ほけんROOMでは他にも読んでいただきたいお金に関する記事が多数掲載されています。

是非ご覧ください。

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