更新日:2022/05/07
老後資金は4000万円あれば安心?老後破綻を防ぐためのポイント
老後資金は4,000万円あれば安心でしょうか?必要な老後資金はライフスタイルによって異なります。老後の収入に見合った生活水準で暮らすことができれば、ゆとりある生活が送れるでしょう。ただし、健康であることが不可欠です。老後破産を防ぐためのポイントを解説します。
内容をまとめると
- 老後資金が4,000万円あっても老後破産する人がいる
- 老後破産しないためには家計の管理が大切
- 老後が近づいたら資産は増やすより守るべし!
- 老後資金作りにお悩みの方は、何度でも無料でFP相談が受けられるマネーキャリアがおすすめ
- 顧客満足度93%のマネーキャリアは安心の実績
- スマホ1つで予約から相談までオンライン完結!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 老後資金が4000万円あっても老後破産する人とは?5つの特徴
- 特徴①:現役時代の高い生活水準を落とせない
- 特徴②:収支の把握や家計管理をしていない
- 特徴③:ハイリスクな投資を始めて失敗する
- 特徴④:重い病気や死亡など万が一のリスクに備えていない
- 特徴⑤:老後のプランを立てていない
- 貯蓄が4000万円あっても老後破産する実際のケース
- 老後破産を防ぐために有効な家計の見直しポイント3選
- ポイント①:通信費を見直す
- ポイント②:保険を見直す
- ポイント③:住居費を見直す
- 老後資金が4000万円ある場合に注意したい3つのこと
- 注意点①:健康に気をつけて生活する
- 注意点②:貯蓄を増やすことよりも守ることを意識する
- 注意点③:怪しい誘いや詐欺に気をつける
- 参考:4000万円以上の貯蓄がある高齢者は約17%
- まとめ:老後資金4000万円あればゆとりある生活も可能
目次
老後資金が4000万円あっても老後破産する人とは?5つの特徴
老後資金が4,000万円あっても老後破産する人がいます。その特徴を以下にまとめました。
- 生活水準が高いまま
- 収支の把握や家計管理ができない
- ハイリスクな投資
- 重病や死亡のリスクに備えていない
- 老後のプランを立てていない
年金や退職金だけで悠々自適な老後生活が送れる時代は終わりました。
退職金が減少し、年金の受給年齢は後ろ倒しになっています。物価が上昇し続ける可能性も考えられます。老後資金が4,000万円あるからといって安心はできません。
平均寿命が延びることによって、老後破産する人が増えています。「長生きリスク」を軽減するための3つの方法を以下にまとめました。
- 年金受給を繰り下げる
- 健康寿命を延ばす
- 長期運用する
年金を66歳以降に繰り下げ受給することで、年金受給額を増やすことができます。また、健康に生きることで医療費を削減し、長く働き続けることができます。現役時代には、長期運用で老後資金を作っておくことが重要です。
特徴①:現役時代の高い生活水準を落とせない
収入は50代でピークを迎え、退職すると大幅に減少します。収入が減少するタイミングに合わせて生活水準を落とすことができない場合、老後破産の可能性が非常に高まります。
近年では退職金が減少傾向にあります。退職金が少ない場合、定年後は貯蓄を切り崩しながら生活を維持する必要が出てくるでしょう。
外食や旅行などの支出を抑えないと、貯蓄の減少が加速します。特に、プライドや見栄により生活費を下げられない場合、あっという間に家計が苦しくなります。
とはいえ、現役時代の生活水準は簡単には下げられないでしょう。徹底した節約を強いられることによってストレスがたまってしまう可能性もあります。
無理のない範囲で少しずつ生活水準を落としていきましょう。節約を習慣化できれば、その生活水準が自分達にとっての「新しい基準」となります。
徐々に生活水準を落として、ストレスなく老後生活を迎えましょう。
特徴②:収支の把握や家計管理をしていない
現在の自分の資産や家計の状況をしっかりと把握していない人は、老後破産しやすいでしょう。収支を把握せずに出費を続けると、家計が赤字になりやすいからです。
老後資金を確保するためには、長期的な資産形成と家計の把握が不可欠です。
複数の銀行に口座を開設している場合は、貯金の総額がどれくらいがあるのかを常に把握できるように工夫しましょう。資産を分散させすぎて把握するのが難しい場合は、資金をまとめる必要があります。
株式投資やiDeCo、国債などの運用を行っている方は、定期的に資産残高をチェックしましょう。資産運用は定期的な見直しが重要です。
長期的に老後資産を形成していくためには、ライフステージに合わせて、積立額やポートフォリオの見直しをする必要があります。
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特徴③:ハイリスクな投資を始めて失敗する
定年後に退職金すべてを投資し、失敗してしまうケースが後を絶ちません。ハイリスク・ハイリターンの金融商品を選ぶと、長続きしないことがほとんどです。
投資は以下の原則に従うことで、リスクを抑えながら安定した運用成績が期待できます。
- 長期
- 積立
- 分散
長期で資産運用すると「複利の効果」が大きくなります。複利とは「運用によって得た利益をさらに運用することで、元本が増えていくこと」です。
積立は「ドル・コスト平均法」を実践できるメリットがあります。 ドル・コスト平均法は金融商品を一定額で、定期的に買い続ける手法のことです。価格変動リスクを軽減できます。
分散は投資する金融商品を1つに絞らず、複数の投資先に分けることです。異なった値動きの金融商品を組み合わせます。
つみたてNISAは長期・積立・分散の原則に従った長期投資です。運用益が非課税になる税制優遇制度なので、効率的に老後資産を作ることができます。
特徴④:重い病気や死亡など万が一のリスクに備えていない
ある程度の病気のリスクは、公的医療保険でカバーできます。しかし、先進医療を受ける場合は自己負担になります。
先進医療とは、「厚生労働大臣が定める高度の医療技術を用いた療養のうち、公的医療保険の対象になっていないもの」です。
先進医療は最先端の技術を用います。相応の設備や環境が必要です。そのため、先進医療を受けられる医療機関は少なく、費用も高額になりやすいのです。
先進医療は高額なので、あきらめる人もいるでしょう。しかし、従来の治療方法では完治できなかった病気でも、先進医療であれば治る可能性があります。
もし民間医療保険の先進医療特約を契約していれば、治療の選択肢が増えます。より効果的で自分のニーズに合った治療法を選べる確率が高くなるでしょう。
また、老後になる前に万が一死亡した場合、配偶者や子どもの生活が困難になる可能性があります。老後資金を取り崩す必要がないように、生命保険に加入しておくと安心です。
特徴⑤:老後のプランを立てていない
必要な老後資金はライフスタイルによって異なります。生活水準によって毎月の支出額が大きく異なるからです。
総務省統計局の「家計調査報告(2020年)」によると、65歳以上の単身世帯と2人世帯の1ヶ月間の収入と支出は以下の通りでした。
可処分所得 | 消費支出 | |
---|---|---|
単身世帯 | 125,423円 | 133,146円 |
2人世帯 | 225,501円 | 224,390円 |
可処分所得とは、税金や社会保険料などを除いた所得で「手取り収入」のことです。 消費支出とは、食費や光熱費などのことで「生活費」のことです。
1ヶ月間の収入と支出をみると、単身世帯および2人世帯の収支はどちらもゼロに近い金額です。つまり、貯蓄がなければ、ギリギリの生活になります。
入院や手術、家のリフォームなど突発的な出費があると、貯蓄を切り崩す必要があります。年金や退職金以外にしっかり貯蓄しておきましょう。
老後のプランを立てて資産作りしておかないと、老後破産しやすくなります。
貯蓄が4000万円あっても老後破産する実際のケース
老後の安心を得るためには「60歳からの5年間の過ごし方」が重要です。貯蓄があっても、現役のころの生活水準を変えられないと、あっという間に老後資金を取り崩してしまいます。
貯蓄が4,000万円あっても老後破産してしまったケースを紹介します。
Aさんの場合:住宅ローンの返済は78歳まで続きますが、定年後は再雇用で働き、企業年金(70歳まで)も60歳から受給できるということで安心していました。再雇用の給与は年収400万円、企業年金は年100万円です。
現役時代の生活水準を下げなかったため、70歳で貯蓄は約半分になりました。仕事も企業年金もなくなり、あとは公的年金の年300万円だけです。
住宅ローンもまだ残っている状態です。その後も生活水準を下げられなかったため、老後破産してしまいました。
Aさんのように、貯蓄が多くてもなんとなく生活を続けると、老後破綻の可能性が出てきます。老後を安心して暮らすためには、貯蓄の多い少ないに関わらず家計管理が大切です。
老後破産を防ぐために有効な家計の見直しポイント3選
老後破産を防ぐために、まずは家計を見直しましょう。家計の支出は大きく2つに分けることができます。
- 固定費
- 変動費
「固定費」とは、住居費など定期的にかかる費用のことです。一方、「変動費」は食費など日々の行動に応じて変動する費用のことです。
家計の見直しに最も効果的なのが「固定費の見直し」です。
固定費を節約する最大のメリットは、一度見直しをしたら節約の効果が続くことです。有効な家計の見直しポイントは、以下の3つです。
- 通信費の見直し
- 保険の見直し
- 住居費の見直し
契約変更や解約の手続きがめんどうなので、固定費の見直しは後回しになりがちです。しかし、大きな効果がすぐに出ますので、早めに取り掛かりましょう。
ポイント①:通信費を見直す
まずは通信費を見直しましょう。スマホやインターネットの契約は複雑で、後回しにしている人も多いのではないでしょうか。
しかし、通信費は一度契約内容を見直せば、大きく節約できます。固定費の見直しは節約効果が大きいので、通信費もできるだけ早く見直しましょう。
家庭でかかる通信費は大きく2つに分けられます。
- 固定回線
- モバイル回線
「固定回線」は、インターネット回線と固定電話のことです。
「モバイル回線」は、主にスマホの回線を指します。月1万円以上支払っている人は見直しの効果が大きいです。
通信費を見直すなら、まずはスマホ代から節約しましょう。効果の高い方法は以下の3つです。
- 格安SIMへの乗り換え
- Wi-Fiの活用
- 通話アプリの活用
契約を見直せば、通信費は大きく減らせます。 複雑な契約になっていることも多く、変更するのは大変かもしれません。
しかし、一度見直せば、節約効果はずっと続きます。
ポイント②:保険を見直す
保険の見直しとは、契約中の保険を最適化することです。 現在のライフスタイルに合った保険内容に変更します。
具体的には、以下のような変更です。
- 他の保険に加入し直す
- 保険金額の増減
- 特約の追加
保険は人生のリスクに備える防衛策です。結婚したり子どもが増えたりすると、備えるべきリスクが変わります。ライフステージが変わるタイミングで、契約内容の見直しをしましょう。
保険の見直しで失敗しないために、以下の3つのポイントを把握しましょう。
- 現在の契約内容
- 備えるべき将来のリスク
- 月々の保険料の予算
保険の見直しは、複雑で時間のかかる作業です。慎重に判断してください。
まずは、現在の契約内容を確認しましょう。今後どんな保障が必要になるかを考え、保障内容の増減について判断します。
その上で、さまざまな保険会社の商品を比較してください。いまのライフスタイルに合う保険が何であるかをしっかり検討し、現在契約中の保険を見直しましょう。
ポイント③:住居費を見直す
住居費とは、家賃や住宅ローンのことです。 生活費の多くを占める住居費に必要以上にお金をかけてしまうと、ライフバランスが崩れてしまいます。住まい以外の生活全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
住居費の目安は収入の30%です。大幅に超えている場合、見直しの必要があります。
賃貸の場合、物件の希望条件の優先順位や妥協ポイントを明確にしてから部屋探しをすると、固定費の節約につながります。
持ち家で住宅ローンを組んでいる場合、次の2つの節約方法があります。
- 住宅ローンの繰り上げ返済
- 住宅ローンの借り換え
どちらも時間や手数料などがかかる方法ですが、条件などが合えばしっかり固定費を節約できるでしょう。
お金に余裕があるのなら、住宅ローンの繰り上げ返済で支払額分の利息を節約するのがおすすめです。
また、現在利用している住宅ローンより安い金利のものに借り換えれば、毎月の返済額や返済総額を減らせる可能性があります。
老後資金が4000万円ある場合に注意したい3つのこと
老後資金が4,000万円ある場合、以下の3つのポイントに気をつけましょう。
- 健康を維持する生活習慣
- 貯蓄は増やすより守る
- 怪しい誘いや詐欺に注意
健康であればこそ、趣味や旅行を楽しむことができます。年を重ねると、健康が何よりの宝物です。また、療養や手術で老後資金を切り崩さないように、終身タイプの民間健康保険に加入しておくと安心です。
せっかく貯めた老後資金を台無しにしないように、詐欺には十分気をつけてください。詐欺の手口は巧妙化しています。断固として資産を守りましょう。
また、ハイリスクの投資で資産を減らさないように注意してください。老後が近づいたら、資産は増やすよりも守る意識が必要です。
注意点①:健康に気をつけて生活する
老後は治療が長引く傾向があります。しかし、健康を維持できれば、医療費や介護費を抑えることができます。介護が家族にかける負担は、お金だけではありません。体力的・精神的な負担もかかります。
また、老後資金として4,000万円準備したにもかかわらず健康でないと、老後生活を楽しめません。定年後すぐに死亡してしまうとなおさらです。
老後生活は人生の集大成です。健康な老後を過ごすことによって、それまでの節約が意味を成します。体も心も健康であれば、貯めてきた老後資金で存分に趣味や旅行を楽しむことができるでしょう。
「人生100年」といわれ、長生きをリスクと考える人もいます。本来めでたいはずの長生きをネガティブにとらえないですむように,、健康寿命を延ばしましょう。
そのためには、若いうちから食事や運動に気を使うことが大切です。定年退職をした後は、家に閉じこもるのは避けましょう。仕事以外の新しい人間関係を築くことが健康の秘訣です。
注意点②:貯蓄を増やすことよりも守ることを意識する
老後資金が4,000万円貯まったら、増やすことよりも守ることを意識しましょう。
投資にはリスクがつきものです。タイミングによっては大きく下落するおそれがあります。老後資金が貯まったら、投資から預貯金に変更することを検討しましょう。
多くの方が「長生きリスク」に不安を抱えているでしょう。しかし、老後資金をさらに増やそうと、積極的に投資するのは危険です。
老後資金を守るためにできることは以下の3つです。
- 公的年金の繰り下げ受給
- 長く働く
- 家計管理
公的年金は、生きている間は必ず受け取ることができる唯一の収入です。多くの人にとって老後の生活を支える基礎となります。
年金を繰り下げ受給することによって、受給額を増やすことができます。年金をもらわない期間は、働くことによって収入を得ましょう。家計管理して適正な支出を心がけることで、安心して暮らせます。
老後資金は余裕資金ではありません。老後が近づいたら、増やすことより守ることを意識しましょう。
注意点③:怪しい誘いや詐欺に気をつける
老後資金を貯めるときに注意したいのが詐欺です。「おいしい話には裏がある」と常に注意しておきましょう。
怪しい誘いや詐欺に気を付けるためのポイントは以下の3つです。
- 「必ず儲かる」「高配当」「元本保証」に注意
- 金融庁などの公的機関は委託しない
- 無免許でやっている業者ではないかチェック
まるでリスクがないかのような勧誘は、まず疑ってかかりましょう。
「必ず儲かる 」や「元本保証 」などの甘い言葉は嘘である可能性が高いです。そもそも「必ず儲かる」といって勧誘することは違法行為です。
金融庁などの行政機関、日本証券業協会などの公的機関の名前を出して「認可・委託・依頼を受けている」と述べるケースもありますが、それは嘘です。注意しましょう。
金融商品を扱う業者は、金融庁に届け出て認可を受ける必要があります。認可された業者のリストは公開されています。勧誘にのる前に必ずチェックしましょう。
参考:4000万円以上の貯蓄がある高齢者は約17%
総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)(2020年)によると、2人以上世帯(65歳以上の無職世帯)の現在貯蓄高は中央値が1,555万円で、平均値は2,324万円 でした。
平均値は一部の「お金持ち」に引き上げられる傾向があります。中央値を参考にするとよいでしょう。
65歳以上世帯の貯蓄残高の保有額は以下の通りです。
貯蓄額 | 割合 |
---|---|
500万円未満 | 22.4% |
500~2,000万円 | 36.9% |
2,000万円~4,000万円 | 23.4% |
4,000万円以上 | 17.3% |
貯蓄額が4000万円を超える世帯は、65歳以上世帯の17.3%でした。一方、貯蓄額が500万円未満の世帯は22.4%でした。貯蓄額は広く分布し、格差が大きいです。
資産形成には時間がかかります。早めにスタートして、コツコツと資産運用する必要があります。
老後資金の貯め方によって、老後生活に大きな差が出ます。安心して老後を過ごすために、いますぐ資産運用を始めましょう。
まとめ:老後資金4000万円あればゆとりある生活も可能
老後資金が4,000万円あれば、ゆとりある生活が可能です。ただし、前提条件が2つあります。
- 健康であること
- 生活水準を見直すこと
健康でないと医療費や介護費用がかかります。また、自由に体を動かせないと、心にゆとりをもって生活を楽しむことができないでしょう。
老後資金を貯めるのと並行して、健康な体作りにも気を配りましょう。老後資金のために、節約やストレスで体を壊しては本末転倒です。
また、現役世代と同じ生活水準を続けると、老後資金が多くても老後破綻する可能性が高くなります。老後資金の4,000万円は、あっという間に切り崩してしまうでしょう。
必要な老後資金はライフスタイルによって異なります。家計を管理して無駄を省き、本当に必要なものだけを厳選して購入しましょう。
支出はどこまでも大きくすることが可能です。老後は新しく収入を生み出すことが難しいので、限られた資金内でやりくりする術を身につけておきましょう。
老後資金や家計管理のことで不安があれば、無料で何度でもFP相談できるマネーキャリアを利用するのがおすすめです。顧客満足度93%のマネーキャリアは、スマホ1つで予約でき、相談もオンラインで完結します。
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