つみたてNISAでおすすめポートフォリオや選び方を解説【年代別】

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「つみたてNISAでおすすめのポートフォリオを知りたい」「ポートフォリオの選び方を知りたい」このように思っている方が多くいらっしゃいます。本記事で年代別のおすすめポートフォリオや選び方を解説していくので、あなたに適したポートフォリオを選びましょう。

▼この記事を読んでほしい人
  • つみたてNISA(積立NISA)でおすすめのポートフォリオを知りたい人
  • ポートフォリオの選び方を知りたい人
  • 自分に適したポートフォリオを知りたい人

内容をまとめると

  • 積立NISAにおけるポートフォリオの組み方のポイント
  • 積立NISAのポートフォリオのファンド選び方
  • 積立NISAの年代別おすすめポートフォリオ
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ポートフォリオとは


ポートフォリオとは分散投資を目的にした金融商品の組み合わせをいいます。


1,000万円を投資するとき、貯金に400万円、株式と投資信託に300万円ずつ分散することもポートフォリオの一例です。


投資にはリスクという考え方があり、株式と債券を比べると次のようになっています。


リスク大 株式 > 債券 リスク小


リスク大は、大きな利益を得られる可能性があるものの、大きな損失の可能性もあることです。逆にリスク小は、少ない利益しか期待できないが、損失があっても少ないことを表しています。


リスクの異なるそれぞれの金融商品への投資割合を変えることでトータルリスクを増減できます。


つみたてNISA(積立NISA)では、

  • 株式のみを組み入れた投資信託
  • 株式と債券の両方を組み入れた投資信託
など複数の投資信託でポートフォリオを組むことができます。

つみたてNISAにおけるポートフォリオの組み方ポイント


つみたてNISAは、20年間、譲渡益や分配金などの運用益が非課税になる制度です。現行の制度では年間40万円まで投資できます。


つみたてNISAを運用する際に、しっかりとポートフォリオを組んで運用すれば、安定的に資産を増やせる可能性が高まります。


積立NISA、一般NISAなどのNISA制度は2024年1月から新しい制度に移行する予定です。


現行制度は2023年で終了しますが、2023年末までに投資した分は別枠で、始めてから20年間運用できます。つまり、2023年に始めた人は2042年末まで運用できます。


2024年まで待って積立NISAを始めるより、現行制度で始めて理解を深めておくのも一つの方法です。


つみたてNISA(積立NISA)でポートフォリオを組む際には以下を心がけておくことがポイントです。

  • 目的を明確にする
  • 分散投資をする
  • 対象ファンドを把握する

①目的を明確にする

つみたてNISAを使って資産運用する目的を明確にしましょう。例えば次の目的があげられます。

  1. 子どもの教育費
  2. 住宅購入資金の一部
  3. 老後資金
  4. 旅行や趣味、車の購入などに使う資金
  5. 使用目的が決まっていない余裕資金
1、2、3のケースなら「いつまでに」という時期や必要な金額も決まっているでしょう。必要最低限の金額を蓄えられる値動きのポートフォリオを組まなければなりません。

5のケースであれば、ご自身のリスク許容度にあわせて、リターンも期待できるポートフォリオを組めます。

上記のように目的を明確にして、相応しいポートフォリオを組むことが大切です。

②分散投資をする

一つの投資信託に用意したお金をすべてつぎ込むとその投信が値を下げたときに大きな損失を被るかもしれません。


複数の金融商品に分けて投資すれば一つは下がっても他の商品が値上がりしていれば相殺して損失を少なくしたり、利益が出たりすることもあります。


分散投資の方法には大きく分けて次の3つがあります。

  • 地域分散:日本国内や米国、新興国などに分けて投資します
  • 資産分散:株式や債券などに分散投資することでリスクを軽減します
  • 時間分散:まとめて投資するのではなく、タイミングをずらしてコツコツと投資します(積立NISAは積み立てていく方式なので、元々、時間分散)
投資リスクを減らすために上記3つの分散投資が有効です。

③対象ファンドを把握する

積立NISAの対象商品は、投資信託に限定されています。投資信託には大きく分けて以下の3種類があります。

  • インデックスファンド
  • アクティブファンド
  • バランスファンド
インデックスファンド
日経平均株価など特定の市場平均指数と同じ値動きを目指すファンドをいいます。市場の値動きと連動しているので運用状況がわかりやすいことが特徴です。

比較的手数料の安い銘柄が多くなっています。日経平均やTOPIX、海外株式市場などの指数に連動しているので初心者、投資のための時間を取れない人に向いています。

アクティブファンド
市場平均指数を超える運用を目指すファンドです。高い利益を期待できますが、市場平均を下回ることもあります。

分析などに手間がかかるので一般的に手数料はインデックスファンドより割高になっています。

バランスファンド
国内外の株式、債券、REITなどに分散投資するファンドです。一つのファンドで資産分散や地域分散を図っているので大幅に値下がりするリスクが少なくなっています。

ただし、分散投資されているからといって、投資対象やそれぞれの割合によっては必ずしも安定しているとは限らないので注意が必要です。

つみたてNISAのポートフォリオのファンド選び方3つ


つみたてNISAの投資対象は、金融庁が指定する要件を満たした一部の投資信託に限られています。主な要件は次の通りです。
  • 販売手数料がないこと
  • 信託報酬が一定額以下
  • 毎月分配型でないこと
  • 信託契約期間無期限または20年以上のもの
対象商品には、インデックスファンドが最も多く、アクティブファンドやバランスファンドも含まれています。

積立NISAにおけるポートフォリオのファンドを選ぶ際には、これら対象の投資信託から選ぶことになります。

積立NISAの運用で資産を増やすためのファンド選びには、次の3つに着目することがポイントです。

  • 成長性のある資産を選ぶ
  • 信託報酬が安いものを選ぶ
  • 運用実績を見る
それでは1つずつ、みていきましょう。

①成長性のある資産を選ぶ

長期的に成長性のある資産を選ぶことが重要です。米国や新興国などの世界株式であれば地域や国情によってはリスクがありますが、成長性を見込める資産があります。


日本国内株式の最高値はバブル期に38,000円超を記録しましたが、30年以上更新していません。


国内株式は日々新聞やテレビで接しているので安心感はありますが、成長性では劣っていると考えられます。


一方、世界株式は、成長性が見込めるものの地域事情や為替変動に注意が必要です。


ただし、成長性があれば資産を増やせる可能性は高まりますが、国の状況によってはリスクがあるので総合的に判断することが必要です。

②信託報酬が安いものを選ぶ

一般的に投資信託は、購入時・保有中・解約時の3つのタイミングで次の手数料が必要です。

  • 購入時:購入時手数料
  • 保有中:信託報酬
  • 解約時:信託財産留保額
積立NISAでは政令で購入時手数料は(ノーロード)無料と定められています。したがって、保有中と解約時に手数料がかかります。

積立NISAの長期運用を考えると、運用中にかかる信託報酬は安く抑えたいものです。

一般的に保有中の手数料は、アクティブファンドのほうがインデックスファンドより割高です。

アクティブファンドは市場平均指数を超える運用を目指していることを考えると調査・分析に手間がかかるので当然といえます。

③運用実績を見る

一般的に運用が適切に行われているファンドや人気のファンドは純資産額が多くなっています。


純資産額の大きさは、投資額の多さを表しています。純資産額が少なくなると運用がストップすることもあります。


逆に上手くいっていないケースや解約などで資産が流出していれば純資産額が減少しています。


運用実績をみて純資産額や成長性、利回りなどで判断するのも一つの方法です。

つみたてNISAの年代別おすすめポートフォリオ


一般的に株式型の投資信託は、リスクが大きく、債券型の投資信託はリスクが小さいといわれています。株式型はリスクが大きいものの、大きなリターンも期待できます。


株式型は資産を増やすのに適していますが、損失になることもあるので注意が必要です。長期・分散投資により、リスクを軽減できます。


債券型は安定しており、大きな損失になる可能性は低いものの、低金利の現在においては僅かのリターンしか期待できません。


積立NISAでポートフォリオを組む場合は、この株式型と債券型を適宜組み入れてリスクを調整します。


ただし、つみたてNISAで使える債券型の投資信託がないので、次の2つの方法で代用します。

  1. 株と債券に投資しているバランスファンドを使う
  2. 通常の証券口座で債券型の投資信託を運用し、つみたてNISA口座と証券口座であわせてポートフォリオを組む

債券を組み入れる場合、上記の 1、2 いずれかの方法でポートフォリオを組むのが一般的です。ここでは20代~50代の年代別おすすめポートフォリオをご紹介します。

  • 20代のポートフォリオ
  • 30代のポートフォリオ
  • 40代のポートフォリオ
  • 50代のポートフォリオ

20代のポートフォリオ

20代であれば、現行NISAの最長期間20年間を考えると40代までの長期間にわたって積み立てを継続できます。


投資期間にも余裕があるので積極的なポートフォリオを組みましょう。成長性のある世界株式を組み入れるのもよいでしょう。


比較的コストや手間のかからない株式のみのインデックスファンドがおすすめです。


海外のインデックスファンドは地域により、リスクを伴うので、複数の商品でポートフォリオを組むことでリスクを下げられます。成長性があるので資産を増やすことも期待できます。


投資のために時間を取れる人は、多少コストがかかるものの指数以上の成績を目指すアクティブファンドを選ぶのも一つの方法です。

30代のポートフォリオ

30代も20代とほぼ同様のポートフォリオでよいでしょう。30代前半なら、子どもの教育費の積立を始めるのにも適切な時期です。


2023年中に現行NISAで40万円まで積み立てられます。2024年からは新しいNISA制度を利用すれば投資枠として年間120万円まで、あわせて160万円の積立投資が可能です。


仕事や子育てで忙しくなる年代ですから、20代同様手間のかからない株式のみのインデックスファンドがおすすめです。


ただし、預貯金などが十分でなければリスクの少ないバランスファンドを組み入れるほうがよいでしょう。

40代のポートフォリオ

積立NISAだけでなく、その他の資産運用で蓄えたお金が大きくなってくる世代です。

40代も後半になってくると老後資金も考えておく時期かもしれません。


預貯金などが十分でなければ、ある程度リスクを抑えながら、安定した運用もできる株式の比率を少なくしたバランスファンドがおすすめです。


資産配分として、株式8割、債券2割のように株式メインで運用しつつ債券でバランスを取るのが良いでしょう。


一方、預貯金など他の資金が十分あれば20代~30代と同様にインデックスファンドで積極的な投資を進める方法もあります。


蓄えたお金を減らすことのないように、より安全な債券へと重心を移したほうがよいでしょう。 

50代のポートフォリオ

50代では、蓄えた資産を減らさないことに重点をおきます。また、老後資金もしっかり積み増していかなければなりません。


40代よりさらにバランスファンドなど債券多めのポートフォリオにしましょう。


安定すぎると相場上昇時に利益が限定されてしまう場合があるので、株式7割の債券3割の資産配分にすると良いでしょう。


積立NISAの他にも預貯金など十分な資金がある人は、ある程度リターンを期待できる積極的な投資ができるかもしれません。


ご自身の実情にあわせたポートフォリオにしましょう。

つみたてNISAのポートフォリオ作成後にすべきこと


ポートフォリオを組んで運用していると各ファンドの値動きがあるので、想定していたより、リスクが高くなったり、低くなったりします。


放っておくと、運用目標まで資産を増やせないことやリスクが大きくなってしまうこともあります。 


ポートフォリオ作成後は、随時、資産の比率をチェックして比率が崩れていたら必要に応じてリバランス(再調整)を検討しましょう。

ポートフォリオを変更する際の注意点


積立NISAのポートフォリオ変更時には次のことに注意しましょう。


スイッチングは現実的ではない

運用成績がよくないときには運用してきた商品を売却して、その資金で他の商品を購入、いわゆるスイッチングしようと考えがちです。


ただし、一度使った非課税枠は売却しても元に戻りません。このため、積立NISAでスイッチングを行うのは現実的ではありません。


投資信託の比率調整(リバランス)は減少している資産の買い増しで行う

積立NISAでリバランスを行う場合、減少している資産を買い増す方法で行います。そして、当初の比率に戻ったところで買い増しをストップします。


これをノーセルリバランスといい、非課税枠を使わずに効率的なリバランスができます。


投資先が重複することがある

複数の銘柄でポートフォリオを組んでいる場合、投資先が重複することがあります。


重複していても当面問題ありませんが、同じような値動きになり、リスク軽減にならないことも考えられます。

つみたてNISAのポートフォリオに関するよくある質問



・つみたてNISAの銘柄はいくつ買うべきなの?


筆者としては、国際分散投資ができる銘柄1本で十分だと思います。


実際に、筆者も全世界株式1本のみで運用をしていますが、その理由として「20年後の将来は分からないが、かかるコストは分かる」というものがあります。


基本的につみたてNISAは、将来の収益が予測できないので、投資地域を分散させてリスク分散すべきですが、個別銘柄にかかる手数料は固定です。そのため、複数銘柄を購入することは、確実にかかるコストが増えて、収益率を低下させてしまうので、おすすめできません。


・つみたてNISAでS&P500は買うべきなの?


S&P500とは、米国企業500社の株価について指数化されたもので、過去のデータでは、年に10%以上の上昇率を記録している指数です。


この指数に連動する銘柄は、確かにつみたてNISAで購入すべき有力銘柄の一つだと思います。


しかし、将来のアメリカの状況は、誰にもわかりません。S&P500のメリットは経済大国アメリカの高い成長率を享受できることですが、逆を言えばアメリカ1国に集中投資をするという側面があるのです。


S&P500に関する銘柄を購入検討されている方は、20年後のアメリカの状況も想像した上で投資判断をされるのが良いかと思います。


まとめ:ポートフォリオは年代毎の見直しが大切


この記事では、つみたてNISAでおすすめのポートフォリオやファンドの選び方を解説しました。


つみたてNISAのポートフォリオに組み入れるファンドを選ぶ際には、運用実績をよくみて信託報酬の安い成長性のある資産を選ぶことが重要です。


年代別にみると、20代~30代では株式を中心にした積極的なポートフォリオを組み、40代~50代では債券の割合を増やしていくのが望ましいといえます。


いずれにしても、ご自身の年代・希望・ライフプラン・リスク許容度に応じて最適なポートフォリオを組みましょう。


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