老後貧乏になる人とその原因・対策!お金がない老後を回避するために

「老後のお金がない」「定年後に生活できない」という老後貧乏の予備軍が急増しています。老後貧乏の実態や、年金暮らしが立ち行かず貧乏な老後を送る可能性がある人、老後貧乏の原因と対策を解説します。貧しい老後生活を回避するために、高齢者や高齢の両親を持つ方必見です。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

老後貧乏の原因と対策!お金がない老後を送らないためにできること

30代・40代の働き盛りの時には、老後を心配している余裕はないかもしれません。一般的には60歳で定年を迎え、その後の老齢年金をもらうまでの間は、無収入になる可能性もあります


無収入では、もちろん生活をしていくことができないので、60歳以降でも働けるところで働こうとする人が多くいます。定年時に退職金やそれまでの貯蓄が十分であれば、老齢年金をもらうまでの間、生活を心配せずに暮らせます。


定年後の生活を心配せずに暮らせて、老後貧乏の予備軍にならないように今回の記事では、以下の内容を解説していきます。

  • 老後貧乏でどんな生活になるの?
  • 老後貧乏に陥りやすい人
  • 老後貧乏にならないための節約生活
  • 両親が老後貧乏になったらどうする?
実際には、貧しい老後で日々の暮らしが大変になっている人が増えているのが実情です。その原因はいくつかが考えられますが、収入が大幅に減ってしまい、蓄えもほとんどないなどの理由があります。


老後に貧乏生活にならないために参考になる内容です。最後までご覧ください。

老後貧乏の実態とは?どんな生活になってしまう?

老後貧乏の実態としては、貯蓄もほとんどなく、経済的な支援も期待できない状態の人が多く、年金暮らしになったとしても十分な金額を受け取れないことが多いのです。


年金を受給しても、家賃や生活費、医療費などの方が上回り、受給された年金だけでは足りない、というケースが多いのです。退職金やそれまでの貯蓄に頼った生活をすることになります。


お金がない状態で、ぎりぎりの生活をしている人が多く、足りない分は生活保護を受けているというのは、珍しい話ではないのです。

高齢者の「老後貧乏」は現状、年々増加傾向にある

高齢者の「老後貧乏」の現状は、60歳代で金融資産を持たないとしている割合は23.7%で、70歳代では31.1%を占めています。この数値は年々増加傾向にあり、個人が保有する金融資産は減ってきています。


お金がない老後のために年金だけでは生活ができないとして、生活保護を受けて日々の暮らしを賄っているケースが見受けられます。


年々増加傾向にあり、他人ごとではなくなってきています。受給される年金の金額はますます減っていくことが予測でき、受け取れる年齢も高くなっていくでしょう。


定年退職後のたくわえがなければ、貧乏な老後を迎えることになります。30代・40代から老後に備えて、準備をして貧乏生活を回避しなければなりません。https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/hihogosya/m2020/02.html

老後貧乏になってしまった人の生活の実態

老後貧乏になるのは、毎月の収入よりも支出が多くなっている状態ですが、定年を迎えたときに退職金やこれまでの貯蓄が十分にあれば「お金ない」という状態を回避できます。


老後貧乏になってしまう人の生活に実態は、定年を迎えたときに貯蓄がまったくない、という状態になっていることが考えられます。


30代・40代の働き盛りのときに、しっかりと貯蓄や資産運用をしておく必要があります。


例えば、世帯年収が1,500万円ある夫婦共稼ぎの家庭で、毎月の生活費や住宅ローンはそれぞれの収入から捻出して、残ったお金はそれぞれが管理している場合があります。


お互いに貯蓄をしているだろうと、思っていたようです。貯蓄について、話し合ったときには貯蓄額を足しても100万円未満だと分かったそうです。


お金の収支を見直してから、老後の生活を考えて貯蓄を始めました。


このような事例があるのです。40代では、具体的な老後の想像ができないかもしれませんが、老後のお金がないとならないように夫婦で話し合いましょう。

老後貧乏に陥りやすい人・予備軍はどんな人?老後貧乏の原因とは?



老後貧乏に陥りやすい人やその予備軍は、老後の年金受給額や支出はどのぐらいあるのか、などの試算ができていない人でしょう。


社会情勢や税金、年金制度の変更など将来的に考えられますが、30代・40代から「お金のない老後」を回避するためにも、しっかりと稼げるうちから老後のことを考える必要があります


老後貧乏の原因には、退職金の有無や貯蓄がないなどが挙げられます。老後の生活に平均22万円が必要だという統計もあります。


いかにして、老後貧乏を回避するか働き盛りのときから考えておく必要があるのです。

お金の流れ(収入と支出)を正確に把握していない人

まずは、毎月の収入と支出の金額を正確に把握しておくことがポイント。これができていないと、貯蓄にできる金額がはっきりとしません。


夫婦共稼ぎでも、双方の1ヶ月のお給料を把握して、家賃や水道光熱費、学費などの支出をどのように支払っていくのか検討します。


当然のことですが、毎月の収入よりも支出が多ければ、貯蓄することもできず借金を抱えて生活できないようになります。


このようにならないように、収入に見合った生活を送るようにします。貯金については、先取り貯金という方法もあります。


先に毎月の貯蓄額を決めて、余ったお金で生活をする方法です。


お金のない老後をしたくなければ、先のことも考えて定年後の生活も考えなければなりません

教育費に多額のお金をかけている人

子供にかかる教育費は、国公立の学校ならおよそ1,000万円といわれています。私立の学校にすればおよそ2,000万円の学費が必要という試算があります。


行き当たりばったりの教育では、子供が希望する進路が選べないほかに、お金のない老後をむえることになります。


老後貧乏の予備軍として考えられるのは、子供の教育費にお金をかけすぎている人も注意が必要です。


学校の学費は収入の中から確保しなければなりませんが、学習塾や習い事にお金をかけすぎて貯蓄ができないケースもあります。


子供が本当に通いたいと言っている習い事であれば、通わせたいと思うのが親心ですが、いやいや通っている場合もあります。


親の気持ちだけで通わせている塾や習い事なら、無駄な支出と考えることもできます。

定年までに借金・ローンを返済できる見込みがない人

近年は晩婚化が進んでおり、女性が出産する年齢も高齢になっています。


年の差のある夫婦など、さまざまなライフスタイルになっていることが、定年までに借金やローンが返済できる見込みがない人もいます。


夫婦共稼ぎで世帯年収が1,000万円ある家庭でも、定年をむえる頃に子供が大学生になるほかに、住宅ローンが残っていると、定年退職貧乏になる可能性が高くなります。


子供の大学にも学費がかかりますし、それに加えて住宅ローンの残りを返済し続けなければなりません。


定年にともなって退職金がもらえ、それまでに500万ほどの貯蓄があっても、あっという間になくなってしまうでしょう。


このような場合は、定年退職した後も働き続ける必要があります

老後貧乏に「低収入か高収入か」は無関係

老後貧乏には、低収入・高収入は関係ありません。低収入でもしっかりとした目標を持っていれば貯蓄ができます


例えば、年収350万円のシングルマザーで親と同居している場合では、家賃や水道光熱費はかかりませんが、生活費の一部として家賃に相当する金額を親に渡しています。


年の初めに年間の貯蓄目標を決めて、家計をしっかりと管理していくようにすれば目標にしていた貯蓄額がたまります。


さらに、貯蓄の一部を投資信託で積み立てをしたことで、比較的短期間で3,000万円の資産を手にすることができたようです。


年収300万円の独身女性の場合も、家計簿をつけて支出をしっかりと管理して短期間で貯蓄が1,000万円になった人もいます。


支出の管理して将来のことも考えると、貯蓄もしっかりできるのです。

恐怖の老後貧乏を回避・軽減するための対策

誰でも老後は、夫婦で旅行をしたり好きなことをして過ごしたりしたいと考えるものです。「お金ない」という状況になれば、そのような暮らしはできません。


定年退職後も仕事を続け、定年後にのんびりゆっくり好きなことを過ごすのは難しくなります。


老後貧乏を回避・軽減するための対策は、定年後から始めるのでなく、働き盛りのころから始める必要があります。


老後貧乏にならないための節約生活や老後貧乏にならないためのお金の法則などについて、解説していきます。

FP(ファイナンシャルプランナー)に保険・ライフプラン相談

家庭の金融行動に関する世論調査によると、金融資産を持たない世帯では生活設計を立てていない世帯がおよそ35%を占めます。金融資産が100万円未満の世帯では、思ったよりも家計運営が苦しいとしているのが、およそ63%を占めています。


金融資産が少ないほど、家計を運営していくのが苦しいとしており、計画的な貯蓄や資産運用が重要


家計を見直したくても思うように進まないことが多いのでFP(ファイナンシャルプランナー)に家計の見直しをしてもらうと効果的です。


保険ROOM相談室では、金融のプロであるFPによる保険相談ができるほか、ライフプラン相談を無料で受けられます。


2020年4月からオンライン相談も受け付けているので、出向かなくても自宅で相談に応じてもらえるのも助かります。

老後に必要なお金や、定年後に受け取れる年金額を計算する

定年退職貧乏を回避するためには、老後に必要な費用と受給できる年金額の確認が重要です。

定年後に受け取れる年金受給額は、「ねんきんネット」で確認できます。60歳定年としている会社が多いですが、これから先は60歳から年金がもらえることはありません。

60歳で定年しても年金は64、65歳以降になってから受け取れるようになります。ということは定年してから数年間は収入がないことになります。

さらに、受給できる年金は年々金額が少なくなっており、自分が年金をいくらもらえるのか、確認しておかなければその後の生活設計が立てられません。

老後に必要なお金についても、持ち家であれば住宅ローンがいくつで終わるのか、子供の教育費はかからないのか、借金の有無など詳細に計算しておく必要があります。

保険料は定年までに払込を終えられるようにする

最近の医療保険や生命保険は、70代・80代で持病があっても加入できるものがあります。毎月支払う保険料も比較的安く、加入しやすいのが特徴です。


年金を受給していても加入しやすい価格設定になっていますが、終身払いのものがほとんどで少ない年金の中から保険料を捻出しなければなりません


結局、家計の負担となり保険を解約してしまうケースが多いのです。万が一の備えのために加入していた保険を解約してしまえば、入院や手術が必要になったとき、なんの備えもないことになります。


新たに保険に入ろうとしても、高齢のため保険料が高額になり、健康状態によっては見送られる可能性もあります。


このようなことを避けるためにも、医療保険や生命保険は定年までに払込を終えられるようにしておく方が賢明です。

固定費を見直す

老後貧乏にならないためには、働き盛りの30代・40代から貯蓄や生活設計をしっかりと立てておくことがポイント。50代からでは給料が目減りしていく可能性もあるので、できるだけ早い段階から将来を見据えた生活設計が必要です。


家計を見直すときは、当たり前のように毎月引き落とされる固定費から見直すと良いでしょう。


保険料や住居費、通信費など毎月かかる固定費を改めて見直すことで現状よりも少なくできる可能性があります。


医療保険や生命保険は、定期的な見直しが効果的で不必要な特約などは解約すると保険料が安くなります。


住居費についても、借り換えや繰り上げ返済などを検討して毎月の支払いを抑えるように見直してみるのもよいでしょう。


通品費は、格安SIMに乗り換えるなど今よりも安い価格で使用できます。

節約だけでなく、「お金を増やす」という考えも大切

老後貧乏にならないための節約生活も重要ですが、一定の金額が貯蓄できているのであれば、「お金を増やす」方法もあります。


個人でもできる投資信託の積立やNISAなどを活用して、今あるお金を増やしていくという考え方もあります。


NISAは、少額から始められる上場株式が株式信託を運用する方法で、配当金や分配金、譲渡益が最長5年間非課税という特徴があります。


貯蓄の一部を「増やす」運用にまわすことで、予定していた時期よりも早く資産を増やせる可能性があります。


投資信託やNISAについては、正しい知識がないと始められないと考える人もいますが、FPや専門の証券会社・大手銀行のアドバイスを受ければ、利益が見込める可能性があります。

両親が老後貧乏の場合・もしくは予備軍だとしたらできる対策

自分自身の老後貧乏も回避しなければなりませんが、働き盛りの30代・40代では親の老後を支えなければならないというケースもあります。


親が定年退職をむかえ、親の生活資金が年金だけに頼っている状態だと生活していけるだけの力がなく、子供が親を経済的な面で支援していく可能性もあります。


親がどのような生活をしているのか子供がしっかりと把握していなければ、子供に頼り浪費をする可能性もあります。


両親の老後貧乏に対する対策を解説していきます。

収入を確認:年金額や、不動産などの資産を一緒に確認する

親の年金や貯金額について、聞いたことがある人は少ないかもしれませんが、親の老後資金の支援を頼まれたときには、親の収入を確認しましょう。


現在の公的年金制度は、男性は昭和34年4月以降、女性は昭和39年4月以降の場合は、65歳から年金が受給されます。


60歳で定年をむかえて、そのあと仕事をしていない状態だと無収入ということになります。この間、何かしら仕事をしていればよいですが、そうでない場合は子供が生活の支援をしていく可能性があります。


親の老後資金の支援は、退職金や貯蓄額、不動産などの資産を一緒に確認して、収入や支出を把握してからにしましょう。


老後貧乏になる原因を知らないと、支え続けることになります。

支出を確認:高額な保険料を払い続けていないかなどを一緒に確認する

当然のことですが、収入よりも支出の方が多ければ赤字ということになります。親の老後生活で、注意しなければならないことは「どのようなことにお金を使っているか」という点です。


親の老後は、仕事をしていない限り年金だけが収入源となります。それにもかかわらず、高額な医療保険や生命保険に加入していたり自分へのご褒美と称して旅行やぜいたく品を購入したりしているケースがあります。


親の老後資金を見直した方の中には、年金受給額が14万円なのに毎月4万円の保険料を支払っていたという例があります。


老齢になると、付き合いが長いからなどの理由でセールスマンにすすめられるまま契約してしまうこともあります。


子供が定期的に支出を確認して、必要な支出であるか判断する必要があります。

まとめ:老後貧乏予備軍の方は要注意!まずお金の流れを把握して

今回の記事では以下の内容がポイントになります。

  • 老後貧乏の実態
  • 老後貧乏の原因
  • 老後貧乏を回避・軽減するために
  • 両親の老後貧乏への対策
老後貧乏は、将来の話ではなく30代・40代から考えておくテーマでもあります。働き盛りで収入がしっかりとあるうちから、老後の生活資金について検討しておかなければなりません。


30代・40代では、住宅ローンや子供の教育費などかかる費用もたくさんありますが、収入と支出をしっかりと把握して、貯蓄ができるように夫婦で話し合う必要があります。


貯蓄だけでなく、投資信託やNISAなどの「増やす」を目的とした資産運用も効果的な場合があります。


共稼ぎで、相手の収入が分からないとするのではなく、世帯の収入としてお互いの給料を把握しておくことも大切です。


支出についても、本当に必要な支出なのか、節約する方法はないか、など毎日の生活費をしっかりと管理しておくとよいでしょう。

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