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法人保険

法人保険のデメリットとメリットを解説!法人保険の正しい活用法を解説!

この記事では法人保険について知っておくべき必要な知識を全て解説しています。また、気になる法人保険のメリット・デメリットを誰にでもわかりやすく説明しています。この記事を読めば法人保険に関する知識を十分に得ることができます。





▼法人保険に加入するメリット
  • 保険金の受け取り方に柔軟性がある
  • 解約返戻金を受け取って「変換」ができる
  • 契約者貸付制度が利用できる

▼法人保険に加入するデメリット・注意点
  • キャッシュフローが悪化する可能性がある
  • 解約返戻金に依存する資金計画は柔軟性に欠ける
  • 途中解約で損をする可能性がある
  • 解約返戻金は益金として会計処理される
  • 福利厚生規定や退職金規定の作成が必要
  • 国税庁が節税効果を規制する可能性がある
  • ドル建て保険は為替リスクがある

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内容をまとめると

  • 法人保険の目的は節税対策・事業保障・事業継承・自社株対策・福利厚生・退職金準備
  • しっかりとした資金計画を立てた上で活用しないとキャッシュフローの悪化に繋がる
  • 法人保険を節税に利用する場合は会計処理や国税庁のルール変更などに注意
  • 法人保険のポイントは補償内容・損金算入割合・ピーク時の返戻率・ピーク時の期間
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法人保険ってどんな保険?

会社経営では、経営者の死亡や予測不能な事故など、様々なリスクを抱えています。  


リスクに対応する際は、多額の費用が必要になる可能性があります。


 しかし多額の費用は会社にとって大きな負担です。


法人保険であれば、保険料を支払うことでリスクに備えることができます


また保障以外にも、資金繰りのひとつとして活用可能です。


 本記事では法人保険に関して、


  • 加入の目的
  • メリット・デメリット
  • 加入時の注意点
  • 検討の際に押さえるべきポイント
  • 法人保険の例
  • 法人保険以外の資産運用
以上について解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

   法人保険2

法人保険に加入する5つの目的|法人保険の活用方法


法人保険への加入を検討する場合は、目的を明確にしましょう。


目的もなく、なんとなく加入してしまうと、保険料の支払いが会社にとって大きな負担になってしまいます。


 本章では法人保険の加入目的を、


  1. 節税対策
  2. 事業保障
  3. 事業承継・自社株対策
  4. 福利厚生
  5. 退職金準備
以上の5つに分けて解説します。

会社を経営していく上で、どの加入目的が最も会社と合っているかを考えてみましょう。

①節税対策

法人保険には法改正前には全額損金できる保険が多数販売されていましたが、現状では保険料が40%%損金算入の保険が法人保険の専門家が進める生命保険になります。


法律改正によって法人向け生命保険の損金算入できる金額は、最高解約返戻率によって以下の表のようになります。


最高解約返戻率損金の割合
50%以下全額
50%超、70%以下60%(契約期間の4割迄)
70%超、85%以下40%(契約期間の4割迄)
85%超保険料×最高解約返戻率×0.1(契約開始から10年)


なお保険金や解約返戻金は、基本的に益金として計上されてしまいます。


益金が増えると法人税が高くなるため、せっかく保険料で行ってきた節税効果が薄れてしまいます。


 ただし受け取った保険金や解約返戻金を、

  • 役員の退職金
  • 従業員の福利厚生


などに利用することで、これらを損金算入して節税した分と相殺し、利益を抑えることが可能です。


つまり、節税対策として法人保険にただ加入すれば節税になるわけではなく、出口戦略まで一貫した節税プランを考えた上でその一部の手段として法人保険を活用する、ということが重要です。


また、法人保険の損金算入ルールや経理処理についてはこちらの記事をご覧ください!

②事業保障

事業保障は、法人保険としての本来の役割です。


経営者や役員が

  • 死亡・高度障害状態
  • 要介護状態になる
  • 長期入院をする
 といった状態になった時、会社機能が停止して経営状態が悪化してしまう可能性があります。

とりわけ、いわゆるワンマン経営の会社の場合は、そのリスクが高いです。


危機的な状態が続いてしまうと、最悪の場合倒産という事態にもなりかねません。


そこで法人保険で事業保障を行うことにより、このような経営リスクに備えることができます。  

 事業保障ができる法人保険の種類の一例は以下の通りです。

特徴
定期保険保険料が低く、期間が決まっている。
収入保障保険引退の予定日を満期にし、満期までに被保険者が死亡すると、毎月一定額の死亡保険金が支払われる。
医療保険病気や怪我の入院・手術費用に備えられる。

 この他にも終身タイプの生命保険や逓増定期保険など、法人保険には様々な種類があります。  

 そのため加入する法人保険は、

  • 必要な保障
  • 税法上の取り扱い
などを考慮した上で選択しましょう。

③事業承継・自社株対策

法人保険を利用すると、事業承継の際の自社株対策が可能です。


経営者が交代する際に、後継者へと自社株などの資産を移行する場合、  

  • 生前贈与
  • 売買
  • 相続

などの手段を取るかと思います。

しかし何も対策をしていないと、多額の税金を納めることになってしまいます。
とりわけ自社株に関しては、評価が高いほど納税額が高額になるため、移行する際は自社株対策が欠かせません。  

法人保険をに加入すると、法人保険の保険料は一部、または全額を損金に算入できます。

損金にすることで会社の利益が減り、自社株の評価を下げることが可能です。

よって評価の低いタイミングで移行すれば、納税額を抑えることができます。

またこの他にも解約返戻金や満期・死亡保険金を、
  • 相続税の準備資金にする
  • 自社株の買取資金にする
以上のように活用することで、多額の納税に備えることができます。

事業承継・自社株対策として法人保険を活用する場合は、目的に合った方法を検討しましょう。

④福利厚生

法人保険は、従業員向けの福利厚生にも利用可能です。  


福利厚生に利用すれば、社会保険よりも手厚い保障を従業員に対して付与できます。


そのため、こうした取り組みは社外へ向けたアピールにもなることでしょう。


法人保険を福利厚生にする場合は、

  • 養老保険
  • 定期保険
  • 終身保険
などが用いられることが多いです。

また福利厚生にできれば、保険料を損金算入して節税効果も得られます。
ただし、法人保険が福利厚生であると認められるには、普遍的加入が必須です。

普遍的加入とは、原則として全員が加入の対象であるということです。

よって「特定の誰かだけが加入する」ということは、基本的には認できません。

ただし合理的に定められた条件であれば、条件付きの加入も認められています。

なお同族経営の場合は、損金算入できません。

また従業員と役員とで保険金額が大きく異なる場合も、損金算入ができないため注意しましょう。

⑤退職金準備

法人保険は、退職金への備えになります。


退職金は一度に大きな金額が必要で、特に役員や経営者の退職金は高額になりがちです。


しかし保険金や解約返戻金を活用すれば、大きな出費に備えられます


積立型の法人保険であれば、決まった時期に必要になる勇退退職金と、突発的に必要になる死亡退職金の両方に対応可能です。


勇退退職金の場合は、

  • 返戻率が高い時期に解約して退職金に解約返戻金を使う
  • 満期を勇退時期に設定して退職金に満期保険金を使う
以上の2パターンが考えられます。

また勇退退職金は所得控除枠があり、勇退後の貴重な生活資金にできます。

 一方死亡退職金の場合は、死亡保険金を退職金に活用可能です。

死亡退職金や死亡保険金は相続税の非課税枠があり、相続税対策としても利用できるため、遺族の生活の安心材料になります。

法人保険の活用は会社にも、受け取る人にもメリットがあるため、検討してみてはいかがでしょうか。

    

法人保険にはどんな種類がある?

法人保険も個人向けの保険と同様に、


  • 生命保険
  • 損害保険
の2つに大きく分けることができます。

①法人向け生命保険

法人向け生命保険は、人に対するリスクの保障を行う保険です。

特徴
逓増定期保険加入から一定期間が経過すると、死亡保障額が増加する
長期平準保険保障期間が長期(99歳、100歳など)に設定されている
医療保険入院や手術への備え、福利厚生に活用できる
養老保険 保険期間中の死亡や高度障害状態には死亡保険金、満期には満期保険金がある
生活障害保障定期保険生活障害や介護状態でも保険金が支払われる
収入保障保険死亡・高度障害状態になると、一時金か年金形式で保険金が受け取れる


保険料や解約返戻金を利用し、企業の資金繰りに活用される場合もあります。


主な活用方法としては   

  • 経営者や役員の死亡保障
  • 退職金の準備金
  • 相続・事業継承の準備金
  • 福利厚生
などが挙げられます。

保険によっては名義を経営者や役員などの被保険者に変更し、退職金代わりとして支給も可能です。

法人向け生命保険を選択する際は、どのような目的で活用したいか明確にした上で検討しましょう。

②法人向け損害保険

法人向け損害保険は、業務中に起こる不測の事態への備えです。  


業務を行なっていく上では、

  • 災害
  • 事故
  • 盗難
など様々なリスクを抱えています。

たとえ気をつけていたとしても、偶発的に発生してしまう可能性は否定できません。

しかしこのような事態が発生すると、資材の再調達、修繕、損害賠償などが生じ、大金が必要になる可能性があります。

 法人向け損害保険は、こういった事態への備えが可能な保険です。



保険の種類ごとに保障内容が異なるため、加入すべき保険は業種によって異なります。

一例としては以下の通りです。

種類内容
工事保険工事中に発生した不測の事態による損害への保障
PL保険(生産物賠償責任保険)製造・販売などの業務が原因で生じた第三者への損害への保障
請負賠償責任保険請負工事中に発生した人や物への損害への保障
サイバー保険サイバー攻撃により受けた損害への保障

この他にも様々な業種に合った損害保険があります。

法人向け損害保険に加入する場合は、経営する法人にどの保険が合うかよく検討した上で選択しましょう。

法人保険に加入する3つのデメリット

法人保険は保障以外にも、保険料が損金算入できて節税になったり、解約返戻金や保険金を退職金に活用できたりと、良い面が多いように思えます。


しかし特徴を理解しないまま節税や資金繰りのひとつとして活用した結果、むしろ損をしてしまう可能性もあることを忘れてはいけません。


 そこで本章では法人保険加入のデメリットを、

  • キャッシュフロー
  • 資金計画の柔軟性
  • 途中解約のリスク  
以上の3つに分けて解説します。

法人保険のデメリットを理解し、より有効的に法人保険を活用できるようにしましょう。

デメリット①キャッシュフローが悪化する可能性

法人保険の保険料の支払いは、会社のキャッシュフローに影響を与えます。


法人税が節税できるからと保険営業マンに言われたままに加入しても、その保険料分で資金効率が悪くなっていれば加入しても損をしているだけです。


特に、一時的に大きい利益が出た年だけの節税目的のために法人保険で節税を考えると、翌年以降の保険料支払いによって企業財務を苦しめることにつながります。


法人保険は長期間解約することができないため資産の流動性が低く、出口戦略をしっかりと決めた上で運用しないと現金が減り経営状況が悪化してしまい元も子もない状況に陥ります。


よって法人保険への加入を検討する場合は、

  • 事業計画
  • 収支状況  
などを参考にして、会社のキャッシュフローへの影響をよく考えて、経営に悪影響を及ぼさない程度の保険料に設定しましょう。

デメリット②解約返戻金に依存する資金計画による柔軟性の欠如

積立型の法人保険なら、途中解約を行うと解約返戻金が受け取れます。


この解約返戻金を、退職金などに活用しようと考えている企業もあることでしょう。


ただしこの解約返戻金は、解約を行う時期次第で返戻率が変動します。


返戻率が変動するのであれば、最も返戻率の高いタイミングで解約したいですよね。


しかし、最高解約返戻率の時に解約することを前提とすると、限られた時期にしか利用ができなくなります。  


突発的に必要になる資金に対しては対応ができません。つまり資金計画に柔軟性がなくなってしまうのです。


そのため資金計画は解約返戻金を全体にするのではなく、現金を用いるようにしましょう。


法人保険を利用する場合は、あくまで保障をベースに検討してみることも忘れないようにしてください。

デメリット③法人保険を中途解約すると損をする

法人保険は途中解約をすると、元本割れをして損をしてしまうかもしれません。


解約時に得られる解約返戻金は、時期によって返戻率が異なります。


解約返戻率の低い時期に解約をすると、支払った保険料よりも大幅に少ない金額しか、戻ってこない可能性があるのです。


 一般的に解約返戻率は、最高返戻率に達するまでに、10年以上の時間がかかります。


また商品によっては、最高返戻率の状態はずっと続くわけではなく、再び下がってしまうこともあります。


解約返戻金を退職金として活用する場合、加入時には退職時期がわかりません。


よって早期解約により元本割れをして、損をする可能性があることを知っておく必要があります。


そのため解約返戻金を活用する場合は、資金繰りを明確にしましょう

法人保険に加入する3つのメリット

法人保険は保険料が損金算入できる点に目がいきがちですが、優れている点はそれだけではありません。


法人保険は、

  • 保険金の受け取り方
  • 解約返戻金を活用した制度
などにも特徴がある商品です。

そのため会社の資金計画のひとつとして、柔軟な活用ができます。

そこでここでは、法人保険加入のメリットを3つ解説します。



節税効果だけでない、便利な利用方法をチェックしましょう。

メリット①保険金の受け取り方に柔軟性がある

法人保険は受け取り方に柔軟性があります。


法人保険は受取人を、

  • 法人
  • 個人  
のいずれかに選択可能です。

また保険金の種類としても
  • 満期保険金
  • 死亡保険金
があります。

法人保険は受け取り方法次第で課税方法が異なるため、加入前に出口戦略を考えておくことが重要です。

以下一例を紹介すると、

保険金受取人かかる税金
満期保険金個人
所得税・住民税(控除枠あり)
満期保険金法人法人税
死亡保険金個人相続税(控除枠あり)
死亡保険金法人法人税

法人が受け取る満期保険金や死亡保険金は、退職金や弔慰金などに活用し損金算入することで、受け取り時の益金と相殺可能です。

また保険金のほかにも、解約返戻金として受け取る選択肢もあります。

メリット②解約返戻金だけ受け取って「変換」ができる

法人保険は解約返戻金だけ受け取って変換ができます。


変換とは契約中の保険を解約して、他の保険に変更することです。


生命保険を一度解約すると、通常は健康診断や医師の審査が必要になります。しかし、変換の場合は、所定の要件さえ満たしていれば必要がありません。


ただし最初の加入時とは被保険者の年齢などの条件が変わっているため、

  • 保険料
  • 払込期間
などが変わる点には注意しましょう。

 経営状態は日々変化します。そのため場合によっては、
  • 受取人を変更したい
  • 保障内容を変更したい
  • 保険にかかるコストを減らしたい
など様々な事情が出てくるかと思います。

変換はそのような事情に対して、柔軟に対応しやすい制度です。

似たような言葉で「転換」がありますが、転換では加入していて保険を下取りに出して新規に加入する保険料に割り当てます。

そのため解約返戻金のある保険でも、次に加入する保険の保険料に割り当てられてしまいます。

しかし、変換であれば、解約返戻金を受け取った上で新たに加入が可能なため、緊急のときの資金調達としても活用できます。

メリット③契約者貸付制度が利用できる

解約返戻金がある法人保険であれば、契約者貸付制度が利用可能です。   


契約者貸付制度とは、解約返戻金の中から一定の範囲内で貸付が受けられる制度です。 


急にまとまった資金の調達が必要になった場合、解約返戻金を活用してしまうと、保険を解約しなければなりません。 しかし、契約者貸付制度であれば、解約する必要がありません。


また、他の融資方法と比べると、金利が低金利のものが多い傾向にあります。 そのため、急な資金調達に対して非常に便利な制度です。


利用の際は注意点は以下の通りです。

  •  返済が滞った場合は、契約そのものが失効してしまう
  • 保険金が必要になった場合、借入金額が保険金から相殺される
失効によって保障や解約返戻金がもらえなくなったり、十分な金額の保障が得られなくなったりしる可能性があるのです。

 そのため契約者貸付制度の利用時は、返済計画に無理はないか十分に気をつけましょう。

    

法人保険に加入するなら知っておくべき注意点

保険料が節税に利用できたり、保険金や解約返戻金を退職金などの資金繰りに活用できたりと、法人保険には様々なメリットがあります。


一方で注意点があることも知っておきましょう。


場合によっては現在利用できる制度も、今後利用できなくなるかもしれません。 


ここでは法人保険に加入する際に知っておくべき注意点について、


  • 解約返戻金の会計処理
  • 規定の作成
  • 国税庁によるルール変更
  • ドル建て保険の為替リスク
以上の4つを解説します。

①解約返戻金を受け取ったら益金として会計処理

法人保険は解約返戻金が雑収入にカウントされるため、益金として会計処理します。


そのため課税対象となり、

  • 法人税
  • 地方法人税
  • 住民税
  • 事業税  
 などの税金が発生します。

つまり、保険料が一部損金算入できたとしても結局は解約返戻金の受け取り時に同じように税金がかかります。そのため、法人保険に加入する際は出口戦略まで徹底的にプランを組んだ上で加入する費用があります。

法人保険を利用する時は目先の節税だけに飛びつくのではなく、出口戦略を考えるようにしましょう。

②福利厚生規程や退職金規程の作成

法人保険を福利厚生や退職金として活用する場合は、

  • 福利厚生規定
  • 退職金規定
の作成をしましょう。

従業員の死亡時に、
  • 福利厚生規定に基づき死亡保険金を支給
  • 退職金規定に基づき死亡退職金を支給
 どちらを適用するかを明確にする必要があります。

もし明確化していないと、両方を支給しなければならなくなる可能性があるのです。  

福利厚生規定や退職金規定を作成し、保険金や退職金をどのように扱うかの取り決めを行いましょう。

福利厚生として法人保険を活用する場合は、福利厚生規定だけではなく賃金控除の協定書を結び、給与から保険料が差し引かれる旨を従業員に周知してください。協定書なしに差し引いてしまうと、後々トラブルに繋がるかもしれません。

労働基準監督署に根拠を示すためにも、福利厚生規定に加え賃金控除の協議書の作成も大切です。

退職金の場合は、不当に高額な退職金は損金算入が認められないケースがあります。

そのため退職金規定を作成し、税務署からの指摘が入った場合に、金額の根拠を提示できるようにすることが大切です。

③国税庁が節税効果を規制する可能性がある

法人保険の節税効果が、今後国税庁により規制を受ける可能性があります。


これまで国税庁では、法人保険本来の趣旨から外れた、いき過ぎた節税について問題視されてきていました。そのため、法人保険を利用して行う節税に対して、様々な税制改正が行われています。


主に以下の2つの出来事です。

  • バレンタインショック
  • ホワイトデーショック
バレンタインショックは、2019年2月に国税庁によって行われた、法人保険の保険料の扱いの見直しを検討する旨の知らせです。

2019年6月にはこの件に関して、国税庁による法令解釈通達が行われました。

一方のホワイトデーショックは、2021年3月に拡大税制研究会と呼ばれる集会で、国税庁が各保険会社に対し行った通告です。

この通告では、低解約型逓増定期保険の名義変更プランの撤廃を意味する税制改正が伝えられました。

以上のように、今後も法人保険の節税効果に対して、様々なルール変更が行われる可能性があります。

法人保険に加入する場合は、節税だけが目的にならないよう注意が必要です。

④ドル建て保険は為替リスクがある

法人保険の中には、ドル建てで購入できるものがあります。


ドル建て保険は、外貨で保険料を支払い、外貨で保険金・解約返戻金などを受け取るタイプの保険です。


そんなドル建ての法人保険には、以下の3つのメリットがあります。

  • 利回りが円建てと比べて高い
  • 会社の資産が通貨分散できる
  • 円安リスクに備えられる  
一方で為替リスクがある点には注意が必要です。

ドル建て保険の場合、日本円換算した際に為替レートにより保険料や受取額が変動します。

円高円安
保険料の支払い額減る増える
保険金・解約返戻金の受取額増える
減る


 以上のように、ドル建て保険の利用時は、為替レート次第では損をする可能性がある点に注意してください。

    

法人保険を選ぶ際の重要ポイント

法人保険であればどれを選んでも一緒と思っていませんか?


保険商品により、損金にできる割合や特徴が異なりので、ポイントを押さえて選択することが重要です。


ここでは法人保険を選ぶ際のポイントに関して、


  • 補償内容
  • 保険金額
  • ピーク時の返戻率
  • 返戻率のピークのタイミング・長さ
以上の4つに分けて解説します。

①補償内容

法人保険は節税効果や資金計画など様々な理由から加入を検討するかと思います。 


しかし、保険本来の役割は保障です。 法人保険の加入を検討する際は、保障内容に過不足はないか確認しましょう。


不十分な状態だと、発生したリスクに対してきちんと対応ができなくなる可能性があるのです。


法人保険の場合には会社の業務内容によっても、選択すべき保険商品が変わります。  


よって法人保険に加入する際は、会社にとってどのような補償が必要かをよく検討した上で、

  • 何に対する補償か
  • どこまでが補償範囲か
  • 十分な事業補償があるのか
を確認しておきましょう。

②保険金額

法人保険選びの際は、保険金額に過不足がないかをチェックしましょう。


法人保険の満期保険金や死亡保険金は、退職金などへの活用を考える企業が多いのではないでしょうか。


しかし、保険金額が不足している場合、十分な金額が準備できません


そのため保険とは別に、退職金に当てる資金を用意する必要があります。 


反対に保険金が過度に多い場合は、保険料が増えてしまいます。保険料が損金算入できるとはいえ、過度な保険料の負担は会社にとって大きな負担です。


よって保険金額は多すぎも少なすぎもしない、適正金額になるよう保険のプロなどに相談の上決定しましょう。

③解約返戻金のピーク時の返戻率

法人保険の加入時は、ピーク時の返戻率についてもチェックしておくことが大切です。


法人保険はこれからさらに国からの規制の対象になっていく可能性が十分に考えられます。そのため、現状の保険でも解約返戻率が100%を下回るものが数多くあります。


保険料が損金算入できるということで節税のために加入したにもかかわらず、解約返戻金で同じ額を失っていれば、保険料分の資金効率が悪くなっているだけです。


このように、法人保険は保険営業マンに勧められたまま自分で何も考えずに加入してしまうと後で後悔するリスクが十分にあります。


そのため法人保険や財務戦略の専門家と一緒に出口戦略を考えた上でピーク時の返戻率を設定しましょう。

④返戻率のピークのタイミングと長さ

法人保険の加入時は、解約返戻金の返戻率に関して、

  • ピークのタイミング
  • ピークの期間
以上の点も確認しておきましょう。

基本的に解約返戻金の返戻率は、一定期間経過した後にピークを迎え、しばらくすると再び下がり始めます。

解約返戻金を資金計画のひとつとして組み込むのであれば、ピークの時期に合うように計画を行わなければなりません。

そのためピークがいつ来るのか、どのくらいの長さなのかを確認しておくことが重要です。

もしも確認せずに契約をすると、必要な時に返戻率が低く、十分な金額が帰ってこない可能性があります。

解約返戻金がもらえるタイミングで出口戦略がない場合、資金繰りのために加入した保険にもかかわらず損をしてしまう、という状態になってしまいます。

法人保険を預金・有価証券・不動産投資と比較

会社の資産運用には、法人保険以外にも様々な方法があります。


主に以下の3つです。

  • 預金
  • 有価証券
  • 不動産投資

 それぞれの運用方法に関して、メリットとデメリットをまとめました。

メリットデメリット
預金資金の引き出しがいつでもできる損金算入ができない
金利が低くお金が増えにくい
有価証券株価が上がると大きなリターンになる
損失の繰越ができる
投資額を損金算入できない
株価が下がり十分な資金が用意できない可能性がある
不動産投資節税効果が大きい
継続融資が受けやすい
不動産の価値が下がる可能性がある
初期コストが大きい
手続きが煩雑


まず預金に関してですが、資金が必要になった際にいつでも引き出しが行える点は便利です。  


一方で預金額が損金算入できず節税効果にならないことや、金利が低くお金が増えづらい点が難点です。


有価証券・不動産投資は、成績次第で大きな利益になる可能性があります。しかし、不安定な要素が多く、元本割れを起こすリスクが非常に高いです。 


法人保険の場合、急な資金調達に対しては契約者貸付制度が利用できます。
また、配当金がある保険の場合は、解約返戻金や保険金とは別に配当金の積立もあります。


資金の増加に関しても期待できるのです。



加えて将来的に得られる保険金が最初から決まっているため、不足なく資金の準備ができます。


上記で挙げた運用方法ははいずれもメリットもメリットもあります。そのため経営状態に合った運用方法の選択が大切です。


今回挙げた4つの運用方法の中では、法人保険が比較的安定感が高く、活用がしやすい運用方法と言えます。


    

まとめ

法人保険に関して解説してきましたがいかがでしたでしょうか?


法人保険は本来の役割である保障の他、保険料の損金算入による節税や、退職金の準備資金になるなど、様々なメリットがあります。


ただし利用の際には注意すべき点もあるため、経営状態や目的に合った商品選択が大切です。


ぴったりな法人保険を選ぶためには、保険のプロへの相談もおすすめです。


マネーキャリアではプロによる無料保険相談を実施しています。


法人保険への加入を検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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