更新日:2023/11/30
つみたてNISAの分配金って何?分配金受取と再投資どっちがいいのかまとめて解説
「つみたてNISAの分配金って何?」「つみたてNISAは分配金受取と再投資どっちがいい?」このような疑問はありませんか。本記事でつみたてNISAの分配金について、分配金受取と再投資のメリット・デメリットからどっちがいいか詳しく解説していきます。
- つみたてNISAの分配金について知りたい人
- これからつみたてNISAを始める人
- つみたてNISAの分配金を受取と再投資どちらにするか迷っている人
- 分配金受取と再投資のメリット・デメリットを知りたい人
- つみたてNISAに関する疑問を無料で相談したい人
内容をまとめると
- つみたてNISAの分配金は非課税
- 分配金受取は自由に使えるお金が手に入るのがメリット
- 分配金は複利効果の恩恵が大きい再投資がおすすめ
- つみたてNISAには毎月分配型はない
- つみたてNISAに関する疑問はマネーキャリアで相談!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- つみたてNISAの分配金とは?
- つみたてNISAとは「長期・分散・積立投資に適した非課税投資制度」
- つみたてNISAの分配金受取のメリット・デメリット
- メリット:口座へ入金されるので自由に利用できる
- デメリット:複利効果の恩恵が減る
- つみたてNISAの再投資のメリット・デメリット
- メリット:複利効果の恩恵が大きい
- デメリット:相場下落の際に損失が大きくなりやすい
- 分配金受取と再投資どっちがいい?
- 分配金の再投資で40万を超えるとどうなる?
- つみたてNISAの分配金でよくある質問
- ①分配金と配当金の違いって何?
- ②つみたてNISAには毎月分配型がないって本当?
- ③楽天証券だと分配金コース変更できない?
- まとめ:つみたてNISAは分配金受取より再投資がおすすめ!
目次
つみたてNISAの分配金とは?
つみたてNISAで投資信託を積立している人は、分配金という単語を聞いたことがあるでしょう。分配金とは、投資信託の運用で得た利益や、元本の一部を投資家に還元するお金を指します。
毎月分配型、年1回決算型などのさまざまなタイプがあり、投資信託によっては支払われないものもあります。また、運用状況に左右されるので毎回決まった金額が受け取れるとは限りません。
分配金には課税される「普通分配金」と非課税の「特別分配金」の2種類がありますが、つみたてNISAの分配金は普通分配金です。通常、普通分配金には税金を支払わなければなりません。
しかし、つみたてNISAでは運用で得られる利益は非課税になるため、普通分配金でも非課税で分配金を受け取れるというメリットがあります。
ただし、つみたてNISAで購入できる投資信託は、長期・積立・分散投資に適した商品に限定されており、「頻繁に分配金が支払われない」というのも、選定条件のひとつです。
つみたてNISAとは「長期・分散・積立投資に適した非課税投資制度」
つみたてNISAとは、「長期・分散・積立投資」に特化した、少額からスタートできる非課税制度です。つみたてNISAでは、投資信託を購入した年から20年間、毎年の新規投資上限額を40万円以上超えなければ、非課税で運用益が受け取れます。
通常の投資信託であれば、投資で得た分配金や譲渡益には、20.315%が課税されます。積立NISAはその点、条件下であれば課税されず、さらには購入時手数料や運用手数料が低いという特徴があります。
つみたてNISAの分配金受取のメリット・デメリット
分配金の受取と、再投資のどちらを選ぶべきか迷っていませんか?受取では分配金を現金で受け取れますが、再投資では同じ投資信託を追加購入する資金に回します。
一見すると、現金が手に入る受取の方が魅力的に思えるかもしれません。分配金で支出を減らしたい、投資資金として活用したいという人には非常に便利でしょう。
しかし、分配金の受取にはデメリットもあります。特に長期運用を前提としているなら複利効果の恩恵が減るデメリットが大きく、残念ながらおすすめできません。
目先のお金に惑わされず、メリットとデメリットの両方をしっかりと検討し、分配金を受け取るか決めましょう。それぞれを詳しく解説します。
メリット:口座へ入金されるので自由に利用できる
資金分配金を受け取る代表的なメリットは、口座へ現金が入金されるので、自由に利用できることです。定期的に収入を得られるのは大きな魅力ではないでしょうか。
運用の成果として臨時収入を得たい人にとって、つみたてNISAで分配金を受け取ると非課税になるのもメリットのひとつでしょう。
特に急な出費があった、投資信託以外の投資に興味が出てきたなどといった場合には、分配金を回せば貯金を切り崩さずにすみます。また、年金を受け取っている世帯なら、生活費の上乗せとして利用するケースも考えられるでしょう。
このように、支出を投資信託の分配金で軽減したい、別の投資先に資金を回したいという人は、受取型を選択するのがおすすめです。
デメリット:複利効果の恩恵が減る
複利とは、元本から得られた利子を上乗せして投資することです。イメージとして雪だるまに例えられますが、利子にも利子が付くので長期間運用するほど大きく資産を増やせます。
投資元本100万円を複利で運用したケースをシミュレーションしましょう。年利は2%、運用期間は5年です。
年数 | 元本 | 利子累計 |
---|---|---|
1年目 | 100万円 | 2万円 |
2年目 | 104万400円 | 4万400円 |
3年目 | 106万1208円 | 6万1208円 |
4年目 | 108万2432円 | 8万2432円 |
5年目 | 110万4081円 | 10万4081円 |
複利で運用すると、利子の累計が5年で10万4081円になりました。それでは同条件で、年利2%を分配金として受け取るケースをシミュレーションしましょう。
年数 | 元本 | 利子累計 |
---|---|---|
1年目 | 100万円 | 2万円 |
2年目 | 100万円 | 4万円 |
3年目 | 100万円 | 6万円 |
4年目 | 100万円 | 8万円 |
5年目 | 100万円 | 10万円 |
いかがでしたか?毎年2万円ずつ分配金を受け取るよりも、複利で運用した方が利子の累計が増える結果になりました。
このように、分配金を受け取ると複利効果の恩恵が減るという大きなデメリットがあることは頭に入れておく必要があります。
つみたてNISAの再投資のメリット・デメリット
つみたてNISAの投資信託で分配金を受け取らない場合は、再投資することになります。再投資は、分配金で同じ投資信託を追加購入する仕組みです。
例えば、基準価額が1万円の投資信託があり、毎月1口あたり500円の分配金を再投資すると20口あれば分配金だけで投資信託を1口分購入できます。
再投資はすぐに資金を必要とせず、長期投資で利益を増やしたい人におすすめです。メリット・デメリットも分配金受取型と異なるので、十分に理解しておく必要があります。
メリットは福利効果の恩恵が大きく得られる点、デメリットは相場下落の際に損失が大きくなりやすい点です。解約しない限り、現金を受け取れないのも人によってはデメリットに感じるかもしれません。
メリット:複利効果の恩恵が大きい
分配金を再投資する最大のメリットは、複利効果の恩恵を最大限得られることでしょう。複利効果は、長期投資するほど大きくなります。
「すぐに分配金を受け取る必要はないが、将来の老後資金や教育資金をしっかり確保したい」といった場合、つみたてNISAで長く運用すれば預金するよりも効率的に資産を増やせるのでおすすめです。
例えば、投資元本100万円を年利2%で複利運用すると、5年で104,081円増やせます。倍の10年なら利子累計は218,994円です。
このように長期になるほど再投資による複利効果により、将来に得られる資産が増えやすくなります。ただし、すぐに資産が倍増するわけではないので長期投資を前提に考えましょう。
デメリット:相場下落の際に損失が大きくなりやすい
分配金を再投資すると、相場下落の影響を受けやすいというデメリットがあります。資産価値もしくは基準価額が下がると、再投資した分も影響を受けるからです。
200万円投資している人は、100万円投資している人に比べて損失額は2倍になります。相場によっては大きく損失する可能性があることは頭に入れておきましょう。
残念ながら、常に右肩上がりの相場はありません。ほとんどの場合、再投資したからといってすぐに資産は大幅に増えないので注意してください。
再投資するなら一喜一憂せず、お金を育てるつもりでおこないましょう。
また、40万の非課税投資枠を超えてしまうと買付ができない、もしくは課税口座での買付になる可能性があります。非課税投資枠は必ず確認してください。
分配金受取と再投資どっちがいい?
分配金の受取型と再投資型のメリット・デメリットをそれぞれ解説しました。どちらもメリットはありますが、つみたてNISAで投資信託を購入するなら再投資型を選びましょう。
つみたてNISAは長期間にわたり、積立投資を低リスクで運用するのに適した投資信託に限定されています。非課税の20年間運用を続ける前提で考えると、複利効果の恩恵が大きい再投資型がおすすめです。
残念ながら分配金を受け取ると元本が増えず、複利効果は期待できません。現金を定期的に得られるメリットはありますが、すぐに資金が必要な人以外は再投資による複利効果の方がメリットが大きいでしょう。
もちろん、再投資型にも相場が下落すると損失が大きくなりやすい、資産が増えるまで時間がかかるといったデメリットがあります。
しかし長期で運用していると下落した相場も戻る可能性が高いので、焦らず気長にお金を育てるつもりで投資を続けることが大切です。
分配金の再投資で40万を超えるとどうなる?
つみたてNISAの非課税枠は、年間40万円と決められています。分配金を再投資していると、同じ投資信託を自動で買付してくれますが、40万円を超えてしまうとどうなるのでしょうか。
つみたてNISAでは非課税枠40万円以上の積立ができないシステムです。例えば、月々3万円積立投資を設定していると1年間で残る枠は4万円になります。
分配金があった場合、再投資型を選んでいると自動的に非課税枠を利用して買付がおこなわれます。4万円以下なら問題ありませんが、1円でも超えると非課税枠が足りません。
金融機関によって非課税枠を超えたときの対応は異なり、買付できない、もしくは非課税枠を超えた金額は課税口座で買付されます。
積立額が分配金と合わせて40万円を超える可能性がある人は、事前に金融機関へ確認しておくと安心です。
つみたてNISAの分配金でよくある質問
つみたてNISAの分配金についてよくある質問をまとめました。投資初心者の場合、疑問点を調べても専門用語が多くて挫折してしまうかもしれません。
つみたてNISAを始める前に、本記事で不安や疑問は解消しておきましょう。解説するよくある質問は
- 分配金と配当金の違いって何?
- つみたてNISAには毎月分配型がないって本当?
- 楽天証券だと分配金コース変更できない?
の3つです。
①分配金と配当金の違いって何?
どちらも投資をしている人が受け取れるお金です。しかし分配金と配当金は、同じ意味ではありません。
分配金は、投資信託の運用利益や元本から投資家に支払われます。投資信託の総資産から支払われるので、値下がりの要因になる可能性もあるので注意が必要です。
配当金は、企業が利益の一部を株主に支払います。投資先が企業である必要があり、つみたてNISAは投資先が投資信託なので配当金はありません。
さらに、分配金は「普通分配金」と「特別分配金」の2種類に分けられます。
種類 | 内訳 | 税金 |
---|---|---|
普通分配金 | 運用で得られた利益から支払われる | 課税 |
特別分配金 | 元本の一部から支払われる | 非課税 |
また、NISAでは上場株式も購入できますが、つみたてNISAでは投資対象外なため配当金目的の投資はできません。
②つみたてNISAには毎月分配型がないって本当?
残念ながら、つみたてNISAには毎月分配型の投資信託はありません。頻繫に分配金が支払われないことも、つみたてNISAの商品選定基準のひとつだからです。
そもそも、つみたてNISAの投資対象は「長期・積立・分散投資」に適した投資信託に絞られています。基準は販売手数料、信託報酬、信託契約期間、分配金の頻度などさまざまです。
毎月分配金が支払われると、投資信託の総資産が減って基準価格が下がる可能性が高まります。また、複利効果も得られません。
分配金が支払われる頻度が少なく、運用が安定していれば複利効果も高まり、運用効率が良くなります。
長く運用するほど複利効果は大きくなるため、つみたてNISAでは長期投資に向いていない毎月分配型は購入対象外です。
③楽天証券だと分配金コース変更できない?
楽天証券では、分配金の受取コースと再配当コースの2種類が選べます。つみたてNISAを楽天証券で始めようと考えている人は、一度決めた分配金コースは変更できないので注意しましょう。
「分配金がない投資信託を選べば関係ない」と適当に選ぶのはおすすめできません。現在分配金がない投資信託も、将来的に分配をおこなう可能性があるからです。
つみたてNISA口座保有分以外にも
- 受渡日が到来していない投資信託
- 代用有価証券となっている投資信託
- 保有している投資信託の一部のみ
といった場合は分配金コースを変更できません。
ただし、つみたてNISA以外の口座で保有している投資信託なら分配金コースの変更も可能です。
まとめ:つみたてNISAは分配金受取より再投資がおすすめ!
つみたてNISAの分配金について解説してきましたが、いかがでしたか?
定期的に受け取れる分配金は自由に使えるお金として魅力的ですが、複利効果の恩恵が少なくなるデメリットもあります。長期投資で資産を効率的に増やしたいなら、分配金は受け取らず再投資するのがおすすめです。
またつみたてNISAで購入できる投資信託は、「長期・積立・分散投資」に適した商品に絞られています。急激に資産が増える可能性は低いので、お金を育てるつもりで気長におこないましょう。
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