老後資金はいくらあれば安心?貯蓄のコツから年金の知識まで徹底解説

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老後資金はいくらあれば安心なのでしょうか?必要な老後資金はライフスタイルによって異なります。まずは現状の収支を把握し、計画的に備えましょう。貯蓄のコツや年金の知識を徹底的に解説します。必要ない支出を減らしながら、上手に老後資金を貯めていきましょう。

老後資金は年金だけでは不足するかも!考えられる今後の予測ケース


つい一昔前までは、退職金と年金だけで悠々自適の生活を送るシニアがたくさんいました。退職金や年金があれば、老後生活に貯蓄は必要ないのでしょうか?


残念ながら、いまではお金事情が大きく様変わりしています。現役世代は不況や少子高齢化の影響をうけ、退職金や年金の減少が予測されます。老後資金を退職金と年金だけに頼るのは危険です。計画的に資産運用をしましょう。将来予測のポイントは以下の2つです。

  • 退職金の減少
  • 長寿化

ケース①:退職金は年々減少する可能性がある

退職金は老後生活を支える重要なお金ですね。しかし、1997年の2,871万円をピークとして、ずっと右肩下がりになっています。


厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、定年退職者(大卒・大学院卒)の平均退職金(勤続20年以上かつ45歳以上)は、2018年には1,788万円でした。たった20年で1,000万円も減っているのです。


退職金制度を廃止する企業や退職一時金のみとなる企業も年々増加しています。企業の退職金制度に関する動きを見ていると、将来への不安を感じますね。


20年後には退職金の平均が1,000万円以下になるという推計もあります。退職金をあてにした老後生活の設計は厳しくなるでしょう。

ケース②:長寿化が進んで退職後の老後生活が長くなる可能性がある

日本人の平均寿命は延び続けています。1990年の平均寿命は男性75.9歳・女性81.9歳でした。それに対して、2020年の平均寿命は男性81.6歳・女性87.7歳です。


1990年と比較すると、30年間で男性5.7歳・女性5.8歳も延びています。特に女性の平均寿命は世界一です。


長寿は本来めでたいことですが、「老後資金が心配」なので長寿を避けたいという人も増えています。長生きを「リスク」ととらえると、老後に対して不安になり、人生を楽しめなくなるおそれがありますよね。


長生きリスクを軽減するために大切な3つのポイントを以下にまとめました。

  • 健康寿命の延長
  • 公的年金の繰り下げ受給
  • 長期投資

老後資金は結局いくら必要なの?自分にとっての必要額を知る3つのポイント


人生100年時代」といわれますが、退職金減少や年金受給開始年齢の後ろ倒しで、長寿をリスクと考える人も増えています。


不安を解消するためには、老後資金がいくら必要なのかを知ることが大切です。必要な金額はライフスタイルによって異なります。


一般的な平均ではなく、自分にとっての必要額を把握しておきましょう。必要額を知るために考えるべきポイントは3つあります。

  • 何歳まで働くか
  • どんな老後生活にしたいか
  • 年金はいくらもらえるのか

ポイント①:何歳まで働き続けたいか考える

2021年4月に「高年齢者雇用安定法」が改正されました。 これまで企業に義務づけられていた「65歳までの雇用確保」に加えて「70歳までの就業確保」が努力義務となったのです。


改正のおもな目的は、少子高齢化社会における労働人口の確保です。経済を活性化するため、働く意欲のある高齢者が能力を発揮できる社会づくりをめざすということです。


高齢者が働きやすい社会になりますが、実際には何歳まで働きたいですか?生涯現役でずっと働き続けたい人がいる一方で、早期退職したい人もいるでしょう。


年齢を重ねると、健康状態の悪化などで思うように働けなくなることも想定されます。働く年齢には余裕をもって、資産を育てておきましょう。

ポイント②:老後はどんな生活をしたいのか考える

リタイア後は、どんなライフスタイルを実現したいですか?

海外やシニアマンションで悠々自適に暮らすため、早くから資金を貯めている方もいるでしょう。田舎でのミニマルライフや、子ども世帯との同居を計画している方もいますよね。離婚や死別などで1人暮らしになる方もいらっしゃいます。

どんなライフスタイルであっても、老後を楽しく暮らすために必要な要素は「健康・まとまった資金・生きがい」の3つです。心身ともに健康で経済的に余裕があれば、趣味やおしゃべりを楽しめる人間関係さえあれば、どんなライフスタイルであっても楽しく老後を暮らせるでしょう。「健康・資金・生きがい」の重要性を意識して、老後に備えましょう。

ポイント③:ねんきん定期便や年金ネットをチェックする

余裕をもって老後資金を用意するために、「ねんきん定期便」や「年金ネット」で受給額を確認しておきましょう。

ねんきん定期便は年1回、誕生月に届く年金情報のことです。国民年金・厚生年金に加入中のすべての人に対し送られてきます。

年金ネット」は、年金に関するインターネットサービスです。電子版「ねんきん定期便」がいつでも確認できます。年金に関する最新の情報を見ることが可能です。年金受給額の試算もできます。

ねんきん定期便は、若い世代の方に年金制度に対する理解を深めてもらうことを目的としています。年金をもらう世代だけでなく、若いうちから年金に対して関心をもつことが大切です。

老後資金はいくらあれば安心?データから見る老後必要額の目安


老後資金はいくらあれば安心なのでしょうか?必要な老後資金は求めるライフスタイルによって変わります。


老後に必要な生活費を以下にまとめました。これくらいの資金があれば日々の生活は営めるでしょう。

  • 一人世帯の老後生活費:月14万円
  • 二人世帯の老後生活費:月25万円

生活ギリギリではなく、趣味や孫へのおこづかいなどに使える余裕資金もほしいですよね。早めに資産運用を始め、余裕をもって資産形成しておくと安心です。

一人世帯の老後生活費は月14万円程度

一人世帯の老後生活費は、月14万円程度が必要です。

総務省の家計調査をもとに、1ヵ月あたりの一人世帯の支出を項目別にまとめました(2020年)。


項目支出(円)
食費
41,373
光熱・水道11,687
交通・通信18,310
教育娯楽15,867
その他24,888

食費の割合がもっとも高く、交際費などの「その他」の支出も意外とかかっています。


通信費は、安い携帯キャリアに乗り換えるなどの工夫をすれば、節約できるでしょう。無駄な出費をなくし、なるべく貯蓄を減らさずに生活したいですね。

二人世帯の老後生活費は月25万円程度

二人世帯の老後生活費は、月25万円程度が必要です。

総務省の家計調査をもとに、1ヵ月あたりの二人以上世帯の支出を項目別にまとめました(2020年)。

項目支出(円)
食費80,198
光熱・水道21,836
交通・通信39,972
教育娯楽24,987
その他47,088

一人世帯の支出の約2倍になっています。最低限の生活費にプラスしてゆとりある暮らしをしたいなら、約36万円が必要といわれています。

老後に必要な生活費以外の費用

老後は生活費以外にも費用がかかります。


高齢になると入院や手術などの出費が増えます。75歳以上は入院期間が長期化する傾向があり、1回の入院で45万円以上かかります。


介護や葬儀への備えも必要です。80歳以上になると介護認定を受ける人が増えます。高額介護サービス制度を利用しても毎月約1万5千円かかります。


葬儀費の平均は約195万円です。家族の負担にならないように自分の葬儀代を用意しておく方も増えています。


老後の大きな出費として考えられるのが家のリフォーム代です。リフォーム代は100万円~300万円かかることが多いようです。


旅行や趣味を楽しみたいなら、老後資金は多めに準備する必要があります。

老後資金の必要額を知るためにまず年金について理解しよう


退職金以外に、老後資金の柱となるのが年金ですよね。年金は老後の生活を支える重要なお金です。しかし、年金のしくみをしっかり理解している方は少ないのではないでしょうか?


老後資金の必要額を知るためには、まずは年金について理解しましょう。年金を理解するために必要なのは以下の3つのポイントです。

  • 年金の基礎知識
  • 年金受給額
  • 繰り下げ受給


年金の基礎知識

公的年金は、国民年金と厚生年金の2階建てです。。


国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が加入します。

会社員や公務員は、国民年金と厚生年金両方に加入しています。


国民年金の保険料は一律で、月額16,610円(2021年度)を納付します。学生や収入のない人は「納付猶予制度」や「保険料免除制度」を利用して、後から納付できます。


厚生年金の保険料は月ごとの給料によって異なります。事業主が保険料の半額を負担しているので、実際には給与明細に記載されている保険料の2倍を納付していることになります。


自営業者などは国民年金だけに加入しますが、会社員や公務員は国民年金と厚生年金の2つに加入するのが特徴です。



年金受給額の求め方

もらえる年金には「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」があります。


どちらの老齢年金も納付した期間に応じて年金受給額が決まります。受給額は年金ネットでいつでも確認できます。


国民年金の保険料を20歳から60歳まで40年間すべて納付していれば、満額の月額約6.5万円(2021年度)を受給できます。


厚生年金に加入している人の支給額は平均で月額約14万6千円です。


国民年金だけの自営業者よりも、国民年金と厚生年金の2階建てで年金制度に加入している会社員や公務員の方が多く年金をもらえます。


老齢年金の受給額は夫婦2人の加入していた年金によって異なります。ねんきん定期便などで年金見込額を確認しましょう。  

老後資金対策にもなる年金受給開始年齢の繰り下げ

老齢年金は原則65歳から支給されます。65歳で年金をもらわないことを「繰り下げ受給」といいます。


繰り下げ受給は月単位で可能です。ただし、最初だけ年単位になります。66歳以降は 受給を1ヶ月遅らせるごとに本来の年金額の0.7%分が増額されていきます


繰り下げすればするほど年金の増額率はアップしていきますが、年齢と増額率には上限があります。現段階では最長75歳までの繰り下げが可能で、増額率は最高84%です


繰り下げ受給をすることで老齢年金を多くもらうことができます。しかし、繰り下げ受給をしても、早く亡くなっては損をしてしまいます。健康で長生きすることが、一番の老後資金対策になるのです。





老後に向けて貯蓄が不足しそうな人必見!今日からできる家計管理のコツ3選


定年が近づき、年金の受給額や退職金を確認してみたら、安心するどころか不安になってしまった。そんな方もいるかもしれません。


老後に向けて貯蓄が不足しそうな方【必見】の家計管理のコツを3つ紹介します。今日からできることばかりです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 現状の家計の収支を把握
  • 具体的な目標・予算
  • 固定費の見直し

コツ①:現状の収入や支出を把握する

家計が赤字になっていないか、いくら貯金ができているのかを把握できていますか?老後資金の見通しは、現状の収入や支出から算出することができます。


理想の暮らしをイメージすることは大切ですが、老後をどう過ごしたいのかを考える前に、まずは現状を見つめ直しましょう。


食費や光熱・水道費などの生活費だけでなく、保険料や税金など全ての出費を洗い出しましょう。収入は夫婦2人分を合算して考えます。


「つつましい老後生活」と「アクティブな老後生活」では支出が大きく異なります。いまと同じ水準で暮らしていけるかは、収入と支出の差によります。現状の収入や支出を把握した上で、退職や年金の受給開始するタイミングを決めましょう。


コツ②:具体的な目標や予算を立てる

老後資金を貯めるためには2つの方法があります。「収入を増やす方法」と「支出を減らす方法」です。


なんとなく労働期間を延ばしたり、なんとなく節約をするのは効率が良くありません。まずは具体的な目標や予算を立てましょう。


老後にどんな暮らしがしたいですか?貯蓄がいくらあれば安心でしょうか?具体的な目標や予算を立てて、早めに必要な老後資金を用意しておきましょう。できるだけ具体的な計画を立ててくださいね。


もちろん健康や寿命についての確実な予想はできませんし、想定外のライフイベントも起こり得ます。しかし、より具体的に目標や予算を立てることで計画的に資産形成したり、出費のメリハリをつけることができます。

コツ③:固定費の見直しをする

支出は「固定費」と「変動費」に分けることができます。


変動費は冠婚葬祭費や医療費など不定期の支出です。 一方、固定費とは家賃やスマホ代、生命保険料、教育費などの定期的な支出です。少しでも毎月の固定費を減らすことができれば、効果的に節約できます。


固定費の見直しは面倒な手続きが必要なことが多いので、ついつい後回しにしがちです。しかし、いったん見直してしまえば、あとは自動的に支出を減らすことができます。節約でもっとも効果が大きいのは、固定費の見直しなのです。


スマホプランの見直しや車の維持、引っ越しについて検討しましょう。他人にとっては無駄なものでも、自分にとって大切なものまで手放す必要はありません。



まとめ:老後資金がいくらあれば安心かは人それぞれ


必要な老後資金は、理想のライフプランや価値観などによって大きく異なります。老後資金はいくら必要で、いくらあれば安心とは一概に言い切れないのです。


そのため、現状の収支を把握し、具体的な目標や予算を立てることが大切です。退職金や年金に関する情報を参考にしながら、自分なりの老後資金の目安を立てましょう。


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