証券口座はペイオフでも資産が返還されない!?ペイオフとはどんな制度?

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ペイオフとは、金融機関が破綻したした場合、預金者への払い戻しを保証する制度のことですが、証券口座にもペイオフは適用されるのでしょうか?今回は、証券口座のペイオフやペイオフ対策、ペイオフの注意点などをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

▼この記事を読んで欲しい人  

  • 証券口座に資産を預けている方
  • ペイオフ制度の内容を知りたい方
  • 証券会社の破綻時にペイオフ制度が適用されるのか知りたい方

内容をまとめると

  • 証券口座にもペイオフ制度は適用される
  • ペイオフ制度では、1,000万円と破綻時までの利息まで補償される
  • 証券会社が分別管理を行っていれば、投資家の投資金は全額補償される
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証券会社が破綻したら預け金は返還されるのか?


結論から言うと、証券会社が破綻しても投資家の資産はすべて投資家に変換されます


なぜなら証券会社は、金融商品取引法第43条の2によって分別管理をすることが定められているからです。


分別管理とは、証券会社の口座と投資家の口座を分けて管理することをいいます。


証券会社が適切に分別管理を行っていれば、財政状況の悪化により証券会社が破綻したとしても、投資家の資産に傷がつくことはなく、預け金は全額返還されます。


また、仮に証券会社が分別管理を行っていなかったとしても、日本投資者保護基金制度によって、投資家の資産は1人あたり1,000万円までと破綻時までの利息が保護されます。


1つの証券会社に1,000万円以上の資産を預けている方は、その証券会社が分別管理を行っているかどうかを確認する、他の証券会社に資産を分散するなどの対策をしましょう。

ペイオフとは【基礎知識】


ペイオフとはすなわち預金保険制度のことで、金融機関が破綻した際に投資家の資産を保護するための保険のことをいいます。


金融庁/によると、ペイオフの保障範囲は次のように制定されています。

  1. 一般預金(1,000万円までと破綻時までの利息)
  2. 決済用預金(全額補償)  


決済用預金とは、

「利息が付かない」

「決済サービスを利用できる」

「全額払い戻しをいつでも請求できる」

上記3つを満たしている預金のことを指します。


一方で一般預金とは

「利息がつく」

「一回あたりの出金額が定められている」

「ATMからだと出金手数料がかかる」

などの要件にあたる、私たちが日常で利用している預金のことを指します。


また、基本的にはペイオフによって、1,000万円と破綻時までの利息まで保障されるのですが、外貨預金譲渡性預金などの預金は保証されないので注意しておきましょう。

過去に起こったペイオフの事例


リーマンショックの影響で日本振興銀行が金融庁に経営破綻を認定され、1971年にペイオフが創設されて以来、2010年9月に初のペイオフが適用されました

一方、金融機関が破綻した事例自体は、バブル崩壊後の1990年代から2000年代前半にかけていくつかありました。

しかし、金融機関の破綻により、当時の金融システムに対する不安の声が相次いだので、政府はその声を抑える狙いから一時的にペイオフ制度を凍結し、預金の全額保証を表明しています。

2010年までペイオフ制度は、名ばかりで一度も発動されたことはありませんでしたが、金融機関同士のネットワークにも関連していなかった日本振興銀行は、金融機関や政府の補助を受けられず、結果として経営破綻に追い込まれています。

結果として日本振興銀行は、1,000万円までとその利息までの預金の払い戻しについては応じたものの、それを超える額の一部の支払額はカットされました。

ペイオフ時も投資家の証券口座を守る仕組み2つ


冒頭でも紹介した通り、証券口座を守る2つの仕組みについて解説します。 


証券口座を守る仕組みは以下の2つです。

  • 証券会社の分別管理義務
  • 分別管理義務を違反した場合でも投資家資産を上限1,000万円まで補償

①証券会社の分別管理義務

証券会社の分別管理義務は、金融商品取引法第43条の2/で定められています。


証券会社の口座と投資家の口座を分別管理することで、証券会社が破綻したとしても投資家の資金が失われることはありません


また、証券口座の分別場所についても、金融商品の種類によって分けられているので、次の表を参考にしてみてください。


預り金などの金銭信託銀行(顧客口分別金信託)
国内投資信託信託銀行(信託財産)
国内上場株式・債券保管振替機構(顧客口)
外国株式海外保管決済機関(顧客口)
非上場株式証券会社の資産と区別して社内管理


金融商品に投資している方で、証券会社の破綻リスクを懸念している方は、自分の資産がどの機関によって保護されているかを確認しておきましょう。

②分別管理義務を違反した場合投資家資産を上限1,000万円まで補償

分別管理義務は法律によって定められているものの、あなたの利用している証券会社が分別管理を違反していないとは限りません。


仮に、証券会社が分別管理義務に違反しており、かつ破綻した場合、証券会社の資産だけでなく投資家の資産まで損失していることになります


この場合、日本投資者保護基金によって、上限1,000万円破綻時の利息までが補償されます。


ただし、日本投資者保護基金によって保障される条件と保障されない条件があるので、それぞれ確認してみましょう。


プロの投資家(一般顧客以外)×
有価証券店頭デリバティブ取引×
海外株式・公社債 
FX取引 
×
海外投資信託


上記の表を見て難しいと感じる方は、一般的な国内・海外株式、公社債については日本投資者保護基金の保障範囲ということを押さえておきましょう。


証券口座のペイオフ対策3つ


ここまでの説明で、金融機関・証券口座のペイオフ制度についてある程度理解していただけたかと思いますので、次は証券口座のペイオフ対策を3つご紹介します。


証券口座のペイオフ対策2つです。

  • 1,000万円を超えたら証券会社を変更する
  • 国債にする
  • 当座預金を利用する


それぞれ詳しく見ていきましょう。

対策①1,000万円を超えたら金融機関を変更する

日本投資者保護基金では、1証券会社あたり1,000万円破綻時までの利息のみ補償されます。


証券会社が分別管理を行っていない可能性を考えると、1つの証券会社に1,000万円以上の資産を預け入れるのは非常にリスクが高いですよね。


そのため、念には念を入れて、預け入れ金額が1,000万円を超えたら他の証券口座に資産を分散するようにしましょう

対策②国債にする

証券口座を分散する以外にも、預貯金や株式を国債にするという選択もあります。


国債は国単位で発行しているので、購入した国債を販売している金融機関や証券会社が破綻したとしても、全額払い戻されます


また、国債のなかでも個人向け国債は、期間に関わらず最低保証金利0.05%が保証されているので、インフレや株価の暴落にも備えられるというメリットもあります。


ただし、預金とは違って国債のままでは決済機能がなく、多少利便性に欠けるというデメリットもあるので注意しておきましょう。


資産の一部を国債にすることで利便性は失われますが、資産の損失リスクとインフレ・株価暴落の2つのリスクに備えられるというメリットは非常に大きいので、緊急時以外使わない資産を国債にするなどの工夫をしてみましょう。

対策③当座預金を利用する

当座預金とは、決済用預金の一つで、「利息が付かない」、「決済サービスを利用できる」、「全額払い戻しをいつでも請求できる」などの特徴があります。


当座預金は利息が付かないのが最大のデメリットではありますが、現代は年利0.001%などの超低金利時代なので、普通預金に預けても利息はほぼ付かないという考え方もあります。


この考え方を持つ個人や法人が1,000万円以上の預け入れをする場合、当座預金を利用するというのも適切な選択肢といえるでしょう。


ただし、当座預金は普通預金に比べて口座開設の審査が厳しい傾向にあるので、当座預金口座を開設できない可能性にも注意しておきましょう。

ペイオフの対象となる金融機関一覧


ここで一度、ペイオフの対象となる金融機関を見ていきましょう。


ペイオフ対象金融機関は、次の8つです。

  • 銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • 信金中央金庫
  • 全国信用協同組合連合会
  • 労働金庫連合会
  • 商工組合中央金庫
上記の金融機関であれば、ペイオフの対象となるので、自分が利用している金融機関は上記に当てはまるか確認してみましょう。

ただし、ペイオフの対象となるのは、「日本国内にある金融機関」に限られています。

そのため、上記の金融機関であっても、海外支店であればペイオフ対象外なので注意しておきましょう。

証券会社の投資者保護とペイオフの注意点


日本投資者保護基金とペイオフの注意点は、預金が1,000万円を大幅に超えると全額返還されない可能性があるところです。


ほとんどの過去の事例では、預金額が1,000万円を超えていても全額返還されていますが、2010年9月の日本振興銀行の破綻に関してはペイオフの上限金額のみ保証されているので、確実に全額返還されるとは限りません


また、ペイオフでは、1つの金融機関に同じ預金者が複数口座を持っている場合でも、名寄せにより1,000万円破綻時までの利息に限り補償されます。


そのため、あくまでも、1つの金融機関あたり1,000万円までとおさえておきましょう。

証券口座のペイオフについてよくある5つのQ&A


ここでは、証券口座のペイオフについてよくある5つの質問にお答えしていきます。


証券口座のペイオフについてよくある5つのQ&A

  • ペイオフとはなんですか
  • ペイオフで保護される金額はどれくらいですか
  • ペイオフ対象となる金融機関はどこですか
  • 証券会社が破綻したら、資産は投資家に返還されますか
  • 証券会社のペイオフの注意点を教えて下さい

「ペイオフ」とはなんですか

ペイオフとは、預金保険制度や日本投資者保護基金にあたり、証券会社や金融機関が破綻した際に投資家の資産を保護するための保険のことをいいます。


預金保険制度・日本投資者保護基金の保険の範囲は、次の表を参考にしてください。


預金保険制度の保障範囲

預貯金
定期積立
外貨預金×
確定拠出年金
譲渡性預金×

日本投資者保護基金の保障範囲
プロの投資家(一般顧客以外) ×
有価証券店頭デリバティブ取引
×
海外株式・公社債

FX取引
×
海外投資信託

ペイオフで保護される金額はどれくらいですか

ペイオフで保護される金額は、次のように規定されています。
預金口座
  1. 一般預金(1,000万円までと破綻時までの利息)
  2. 決済用預金(全額補償)
証券口座
  1. ・1000万円までと破綻時までの利息

基本的には預金口座も証券口座も、1,000万円までと破綻時までの利息が保護されると理解しておきましょう。

ペイオフ対象となる金融機関はどこですか

ペイオフの対象となる金融機関は、次の8つです。

  • 銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • 信金中央金庫
  • 全国信用協同組合連合会
  • 労働金庫連合会
  • 商工組合中央金庫

上記の金融機関でもペイオフの対象となるのは、「日本国内にある金融機関」に限られています。 

そのため、上記に当てはまっていても海外支店であればペイオフ対象外なので注意しておきましょう。

証券会社が破綻したら、資産は投資家に返還されますか

原則、投資家の資産は全て投資家に返還されます。


ただし、預けている証券会社が、金融商品取引法第43条の2に違反しており、証券会社の口座と投資家の口座を共同で管理している場合には、日本投資者保護基金の上限金額である1,000万円破綻時までの利息のみ補償されます。

証券会社のペイオフの注意点を教えて下さい

証券口座を分けていない証券会社が破綻し、投資家の預金額の合計が1,000万円を大幅に超えると、全額返還されない可能性があります。


また、ペイオフでは、1つの金融機関に同じ預金者が複数口座を持っている場合でも、名寄せにより1,000万円と破綻時までの利息のみ補償されます。


ですので、1つの金融機関あたり最大1,000万円まで補償されると理解しておきましょう。

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今回は、証券口座のペイオフ制度やペイオフ対策などをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

今回の記事のポイントは
  • ・ペイオフとは預金者の資産を守るための保険制度
  • ・証券口座にもペイオフは適用される 
  • ・ペイオフでは、1,000万円と破綻時までの利息まで補償される
  • ・ペイオフが適用される金融機関は限られている
  • ・証券会社が分別管理を行っていれば、投資家の投資金は全額補償される 


でした。


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