更新日:2022/05/03
独身女性の老後資金の必要額はいくら?独身女性の老後問題をプロが解決!
夫婦の老後資金についての話題はよく耳にするが、独身女性の老後資金はいくら必要となるのでしょうか。おひとりさまで過ごす老後で苦労しないために、どのようにして老後資金を貯めていき、安心して老後を過ごすためにはどれくらい余裕を持って資金を貯めておくべきか解説します。
- 独身女性の老後資金はいくら必要か知りたい方
- 一人暮らしで老後資金に不安がある方
- 老後について何となく不安を感じている方
内容をまとめると
- 独身女性に必要な老後資金は2300万円以上
- 老後資金を貯金だけで貯めるのは厳しい
- 資産運用で長期的に資産を増やしていくと余裕をもって老後を迎えられる
- 老後資金はできるだけ早くから貯め始めるべき
- 老後資金を効率よく貯めるには家計の見直しも必要
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目次を使って気になるところから読みましょう!
- 独身女性が老後資金として貯めるべき最低額
- 一人暮らし・40代女性の老後資金をシミュレーション
- シミュレーション①支出
- シミュレーション②収入と貯蓄
- シミュレーション③老後の必要額・支出と収入の差額
- 老後資金の計画的な準備が必要な理由
- ①公的年金だけの場合の老後の家計状況
- ②貯金だけで老後に備えた場合の老後の家計状況
- ③老後資金に備えた資産形成・資産運用をした場合の老後の家計状況
- 何歳から老後資金準備を始めるべき?
- 老後資金の準備のために今からできること
- ①NISA・iDeCoを活用した資産運用
- ②固定費の見直し
- ③老後を踏まえた住居の検討
- 女性の老後資金に関する悩みの具体例
- ①50代女性でも老後資金のためにできることはある?
- ②いくらあれば独身女性の老後は安心して暮らせる?
- まとめ:老後資金の悩みなら今すぐマネーキャリアで無料相談!
目次
独身女性が老後資金として貯めるべき最低額
老後資金2000万円不足問題が記憶に新しいですが、あの2000万円の金額は夫婦の老後を想定して算出された額です。では単身の方が必要となる老後資金はいくらとなるでしょうか。
独身女性が老後資金として貯めるべき最低額は約2300万円です。
この額は厚生年金ではなく国民年金を受給する場合であることや、持ち家で住居費が賃貸のように高くないことが前提です。
しかし夫婦二人の老後資金とあまり変わらない金額の算出となっていますが、どのような費用が必要となるのでしょうか。
独身女性に必要となる老後資金をシュミレーションしながら解説します。
一人暮らし・40代女性の老後資金をシミュレーション
一人暮らし・独身女性の老後資金を算出するには、以下を順に計算する必要があります。
- 老後1ヶ月にかかる支出:約14万円
- 老後1ヶ月あたりの収入と貯蓄:約5万3000円〜10万3000円
- 支出と収入の差額:約3万7000円〜8万7000円
- 差額×20〜30年=老後不足する資金
シミュレーション①支出
総務省統計局の家計調査報告2019年(令和元年平均結果の概要)によると、高齢独身者の1ヶ月の支出額は約14万円で、費目とそれぞれの支出額は以下のようになっています。
費目 | 支出額 |
---|---|
食料費 | 35,883円 |
住居費 | 12,916円 |
水道・光熱費 | 13,055円 |
家具・家事用品 | 5,681円 |
被服類 | 3,659円 |
保険医療費 | 8,445円 |
通信・交通費 | 13,117円 |
教養娯楽費 | 16,547円 |
交際費 | 15,258円 |
諸雑費 | 14,366円 |
合計 | 138,927円 |
住居費が13,000円ほどと少なめなのは、持ち家や実家などを想定して計算しているためです。老後も賃貸で過ごす想定の人は家賃額を上乗せして計算する必要があります。
賃貸は立地や設備によって家賃に大きな差が出るため、今回は持ち家の想定で計算します。
シミュレーション②収入と貯蓄
次に収入と貯蓄について考えておきます。
令和元年厚生年金保険・国民年金事業の概況のデータを見ると、女性の国民年金受給額は平均月5万3,000円、厚生年金受給額であれば平均10万3,000円となっています。
どちらを受給できるかにより、年金額は大きく変わりますが老後の収入は月々約5万、または10万であると想定できます。
すでにこの年金による収入額をみても、先に計算した支出額が上回っていることがわかります。
- 国民年金を受給する女性の場合…14万円ー5万3000円=8万7000円不足
- 厚生年金を受給する女性の場合…14万円ー10万3000円=3万7000円不足
シミュレーション③老後の必要額・支出と収入の差額
自分がどれくらい生きるかは誰にもわかりませんが、老後を何年くらいかと仮年数を決めて必要資金を考えるべきです。
厚生労働省の令和2年度簡易生命表のデータによると女性の平均寿命は87歳となっています。
基本的に国民年金と厚生年金の受給開始年齢は65歳です。
そのためここでは65歳から87歳の22年を老後期間として必要資金を計算します。
国民年金を受給する独身女性の場合…2,296万8,000円不足
8万7000円×12ヶ月×22年=2,296万8,000円
厚生年金を受給する独身女性の場合…976万8,000円不足3万7000円×12ヶ月×22年=976万8,000円
上記のシュミレーションで受給できる年金によっても老後資金に大きな差があることがわかりました。
始めに提示した老後資金の最低額を「国民年金を受給する女性」を基準として解説しました。
女性の社会進出が進んでいるためこれからは厚生年金を受給する独身女性の比率が高くなる可能性はありますが、現在まではまだまだ国民年金を受給する独身女性のほうが多いという結果となっています。
老後資金の計画的な準備が必要な理由
シュミレーションによって不足額の計算をし、公的年金の収入だけでは生活の支出がまかなえないことがわかりました。
しかし、生活の水準や持っている資金は人それぞれであるため、独身女性すべての人が公的年金で老後を過ごすわけではありません。
次は下記の3パターンについてそれぞれどのような家計状況となるか解説します。
- 公的年金のみで老後を過ごす場合
- 貯蓄だけで老後を過ごす場合
- 資産運用や資金形成をして老後を過ごす場合
①公的年金だけの場合の老後の家計状況
まず基本的な収入となる公的年金のみで生活を送る場合を見てみます。
シュミレーションで確認したとおり、国民年金と厚生年金は1ヶ月の支出額が受給額より上回っており、特に国民年金は受給額が5万3000円と少額で、支出の多くを削ったとしても生活していくには難しいことがわかります。
そのため、貯蓄がなく公的年金のみの収入の方は国の生活保護制度で生計を立てることが現実的です。
生活保護を受ける場合は年金による収入があったとしても最低生活費から年金額を差し引かれて支給されます。つまり
最低生活費ー公的年金受給額=受け取れる生活保護受給金額
となっており、定められた金額以上となることはありません。
もらえる額は増えないのか、と思われたかもしれませんが、そのかわりに生活保護を受けている方は以下の費用が免除や割引されます。
- 水道料金
- 医療費
- 介護費
- 葬祭費用
- NHK受信料
厚生労働省の生活保護世帯における生活の質の面からみた消費支出や生活実態等の分析についてのデータによると生活保護世帯の支出は下記のようになっています。
費目 | 金額 |
---|---|
食料 | 33,795円 |
住居費 | 12,916円 |
水道光熱費 | 10,483円 |
家具・家事用品 | 5,021円 |
被服類 | 3,655円 |
保険医療費 | 2,183円 |
交通・通信費 | 8,938円 |
教育費 | 1,427円 |
教養娯楽費 | 5,669円 |
その他消費支出 諸雑費・交際費 | 10,885円 |
合計 | 94,972円 |
地域差や家庭の状況はそれぞれ異なるため、支出額は変動すると思いますが、単身者の生活保護支給額はおよそ10万〜13万です。
先にも述べましたが、生活保護制度は必要最低限度の生活費の支給となります。
表を見てもわかるように教養娯楽費や交際費はほとんど支出できないことや、贅沢品の所持が基本的に認めらず、これまでの生活よりも慎ましい生活となることは間違いありません。
②貯金だけで老後に備えた場合の老後の家計状況
次に貯金のみで老後を送った場合ですが、これは貯金+公的年金で生活費を払うこととなります。
この貯金+公的年金の家計状況は最初にシュミレーションで確認した約14万円の支出内訳が基本となります。
しかし、あくまで平均的な生活を考えたシュミレーションとなりますので、「自分はもっと豊かに暮らしたい」「生活は必要最低限でもいい」と過ごしたい老後のスタイルによって必要となる費用は異なります。
後ほど計算式で解説しますが、仮に独身女性に不足する2300万円の老後資金を40歳から貯め始めると1ヶ月に76,667万円の貯金が必要となります。
老後資金を貯金だけで貯めるとなると、月々に分散してもなかなか大きい額の貯金が必要となってくるようです。
③老後資金に備えた資産形成・資産運用をした場合の老後の家計状況
では最後に資産形成と資産運用で老後資金を貯めた際の家計状況です。
資産運用を利用すれば、貯蓄だけでお金をためるよりも効率的に資金を貯めることができます。
例えば、②で説明した40歳から貯めなければいけない、月々76,667万円の金額をつみたて型の商品で年利5%〜8%と想定し、20年運用するとします。
- 約7万円×12ヶ月×20年×年利5%=2877万円
- 約7万円×12ヶ月×20年×年利8%=4123万円
金融庁の資産運用シュミレーションで計算した結果、20年間つみたての運用を行うことで資産は2877万円〜4123万円ほどになるという結果が出ました。
上記の資産額であれば必要最低限である2300万円の老後資金にゆとりが持てます。
あくまで年利と利益はシュミレーションになりますが、長期運用をすることで元本割れを起こす可能性は低く、運用利益も出やすいという傾向があります。
「月々の生活だけでなくたまには旅行に行く余裕を持ちたい」と老後の楽しみを増やしたい方は資産運用を取り入れた資産形成で資産をふやしていけば資金に余裕を持てるはずです。
何歳から老後資金準備を始めるべき?
老後資金の準備は早ければ早いほどのちのちの負担が少なく済みます。
しかし若いうちはなかなか老後をどう過ごすか、ということを想像できないものです。
そのため老後資金を準備すべきタイミングは「老後はどんな生活を送るんだろう」と考え始めたその時からするべき、といえます。
「まだまだ先のことだから」と老後資金を後から準備しようとしても、考えているよりも貯めなければいけない額が大きく苦労してしまう、ということになりかねません。
2300万円という金額の貯蓄をするのに20歳からと40歳から始めた場合、1ヶ月にいくら貯蓄が必要となるか見てみます。
20歳から65歳まで貯蓄した場合
2300万円÷540ヶ月(12ヶ月×45年)=42,593円
40歳から65歳まで貯蓄した場合
2300万円÷300ヶ月(12ヶ月×25年)=76,667円
単純に貯蓄のみで2300万円を貯めるとなると上記のような金額となりますが、20歳から準備を始めたとしても約42,593円というのはかなり大きい額といえます。
では、貯蓄のほかに老後資金を準備する方法はどのようなものがあるのでしょうか。
老後資金を準備するために有効な方法もご紹介します。
老後資金の準備のために今からできること
老後資金を準備するタイミングは気づいたその時。とご説明しましたが、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
貯金だけで老後資金を準備することは大きな負担だということを踏まえて、これから行動を起こすべき3つのことについて解説します。
- 税制優遇制度を使用した資産運用
- 節約できる固定費を見直す
- 老後を見据えた住居を検討する
①NISA・iDeCoを活用した資産運用
NISA・iDeCoは非課税で資産を運用することができる税制優遇制度です。運用益が出ても課税されずに資産形成することができます。
本来、株式投資や投資信託といった資産運用は運用で得た利益に税金が掛かったり、手数料がかかったりと運用益をそのまま自分の資産にできないことがデメリットでした。
NISAには一般NISAとつみたてNISAの2種類ありますが、このふたつは併用して運用することはできず、下記のとおりそれぞれ非課税期間に限りがあります。
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
非課税投資枠 | 120万円/年 | 40万円/年 |
非課税期間 | 最長5年間 | 最長20年間 |
口座開設期間 | 2023年まで | 2037年まで |
NISAを始める前にはどちらが自分の経済状況に合うか?を考えて口座を開設するのがおすすめです。
次にiDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれ、私的年金制度にあたります。
つみたてできる額はその人の状況によって金額範囲が変わり、自身で無理のない金額を設定することが可能です。
60歳未満の全ての方が加入することができますが、iDeCoは加入すると国民年金制度と同様、60歳までは引き出すことができません。
そのため、「ついつい貯蓄すべきお金を使っていた」とお金の管理が苦手な人でも毎月引き落としされることで資産形成も行いやすくなるといえます。
NISAとiDeCoは非課税で資産を運用することができるという大きなメリットを持った資産運用法方です。
ふたつの制度を利用して資産運用すれば、より老後資金の目標額に近づけるはずです。
②固定費の見直し
次に毎月必要となる固定費の見直しです。
固定費とは変動しない支出のことで以下のような費目があげられます。
- 住居費
- 水道光熱費
- 通信費
- 交通費
- 医療保険
これらは多くの家庭で必ず必要となる支出で、独身の方であっても例外ではありません。
住居に関しては簡単に見直しができるものではありませんが、引っ越しや家を購入するといったタイミングで大きな金額の節約ができる可能性もあります。
また水道光熱費や通信費などは定期的に見直しを行い、より節約のできるプランや会社を選ぶ必要があります。
固定費を見直し月々2000円節約できた、となれば年間をとおして2万4,000円節約できたことになります。
貯金と同じように、小さな額の積み重ねが将来の自分の資金に関わってくるのです。
③老後を踏まえた住居の検討
シュミレーションした生活費の約14万円は持ち家や実家であり、賃貸の家賃では想定していないことを説明していました。
また、持ち家であって途中で行う可能性のあるリフォームについても費用を含んでいません。
つまり、老後不足する2300万円という資金には生活費以外に使用できる費用はほとんどないことがわかります。
このことから老後、住まいに費用をかけないように早いうちに老後を見据えた住居を検討することものちの負担を減らす手段です。
例えば家を購入するにしても、はじめからバリアフリーを意識した設備にすることや、ヒートショックが起こらないよう温度設備に気を遣うなど、老後生活で起きうる事態に備えた家を購入すると、老後生活の不便さと資金の悩みを解消できそうです。
女性の老後資金に関する悩みの具体例
独身女性が必要となる老後資金と資金の貯め方について解説してきましたが、基本的に「早いうち(40歳ごろまで)に老後資金を準備しはじめること」を前提とした説明が多かったと思います。
では、40代や50代の独身女性場合はどのようにして老後に備えるべきなのでしょうか。
独身女性が老後資金に関する不安や悩みを2つ例にして解説してみます。
- 40代50代ではどうやって老後資金を準備するか
- 結局独身女性はいくらあれば老後安心できるのか
①50代女性でも老後資金のためにできることはある?
50代女性が老後資金のためにできることはもちろんあります。
しかし60代が目前となっていることを考えると、より厳しく資産形成の作戦を練るべきといえます。基本的には貯蓄によって貯められる資金には限りがあるため、資産運用して資金をふやすことが必要となります。
老後の準備始めが50代前半か後半か、収入が安定しているか、そうでないかによって資産運用と貯金に対する比率が変わります。
- 50代前半で収入が安定している場合…収支を見直して余剰資金を生み出して投資信託などの資産運用を行い、貯金があればつみたて型の資産運用も行う。
- 50代後半で収入が安定している場合…収支の見直しはもちろん、NISAやiDeCoの資産運用は一択投資などを避け、堅実でリスクの少ないものを選んでいく。
- 50代で収入が不安定な場合…資産運用も行うが貯金に比重をおき、「もしも」のリスクに備える。
②いくらあれば独身女性の老後は安心して暮らせる?
始めに提示した2300万円という老後資金は生活費だけを考えて計算した金額であるため、家のリフォーム代や葬式代といった必要費用は含まれていません。
最低限の必要資金では安心して老後を過ごせるとは言いづらいかもしれません。安心して老後を過ごすにはその他にかかる支出も準備しておく必要があります。
生活費以外に必要な費用
- 介護費用…500万程度
- 葬儀費用…100万程度
- 住宅のメンテナンス代…500万程度
- 賃貸であれば家賃…状況による
- 趣味にかかる費用…それぞれの趣向による
まとめ:老後資金の悩みなら今すぐマネーキャリアで無料相談!
独身女性の老後資金について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- 独身女性が貯めるべき最低老後資金は2300万円
- 気づいた時点で老後に備え始める
- 公的年金や貯金だけでなく、NISAやiDeCoも利用して資産形成をする
- 固定費を見直したり、住居は老後も見据えて選ぶ
- 生活費以外の老後資金も貯めてゆとりを持つ