NISAで120万円の上限を超えたら?確定申告や利益はどうなる?

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NISAは投資額が120万円までならば非課税です。しかし、その120万円の上限を超えたらどうすればいいのか、確定申告や投資で得た利益はどうなるのかを紹介しています。NISAをうまく運用して利益を上げるためにも、この記事が参考になれば幸いです。


▼この記事を読んで欲しい人
  • NISAの非課税枠は超えたらどうなってしまうのか気になっている人
  • 非課税枠を最大限利用するために注意するべきことを知りたい人
  • 非課税期間終了後にどのような選択肢があるのか確認したい人

内容をまとめると

  • NISAの非課税投資枠120万円を超えての投資は課税対象となり確定申告が必要になる場合もある
  • 非課税枠の注意点は、翌年への繰り越し不可、売却分の再利用不可、課税基準は時価ではなく投資額
  • 非課税期間の5年が過ぎたら、ロールオーバー・課税口座への移行・売却のどれかを選択
  • NISAの非課税枠を超えてしまいそうで不安な場合、マネーキャリアのFP相談がおすすめ
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NISAの上限投資額120万円を超えたら?利益や確定申告は?


NISAの非課税枠には120万円と上限が設定されています。120万円以下ならば利益が出ても確定申告などを行う必要はありません。


しかし、上限の120万円を超えたらどのようになるのかというと、その超えた金額分に出た利益は課税対象となり、確定申告などを行う必要が出てきます。


例えば、300万円の投資信託を新規で購入する場合、以下のように口座に配分されます。

  • NISA口座:120万円
  • 一般口座:180万円

NISA口座に配分されたものに関しては確定申告の必要はありませんが、一般口座に配分されたものは利益に対して課税されるため、確定申告を行うことになります。


また、口座の種類によっても違いがあことに気をつけましょう。

口座の種類確定申告の有無
特定口座
(源泉徴収あり)
なし
特定口座
(源泉徴収なし)
利益20万円以上であり
一般口座利益20万円以上であり
自動で課税される特定口座(源泉徴収あり)以外の口座では基本的に非課税枠を超えたら確定申告の必要性があります。

非課税枠を超え、さらに利益が20万円以上となる場合には高い確率で確定申告を行わなくてはいけない状況と言えるため、忘れずに行うようにしてください。

NISAの上限投資額は120万円!注意点3つ

NISAの非課税枠は120万円を超えたら確定申告が必要になります。ポイントは「超えたら」という点です。


超えなければ問題ないのですが、上限投資額についていくつか気を付けなくてはいけないポイントがあります。

  • 非課税投資枠は1年ごとに設定されている
  • 払い出し・売却分も上限額として換算される
  • 時価総額ではなく、投資額が課税基準

などに注意しましょう。


非課税枠を超えたら課税されるのですが、どのような状態で超えたと判断されるのか、しっかりと確認することが重要です。

① 非課税投資枠は1年毎に設定されている

非課税枠を超えたら課税対象となることの注意点1つ目は、非課税投資枠が1年ごとに設定されている点です。


NISAの非課税投資枠は120万円です。これを超えたら課税対象となり、確定申告が必要な状況になります。


120万円を投資にまわすとなるとかなりの金額に思えます。特に年度の途中から始めた場合など、120万円を使いきれずに終わることも多いかもしれません。


このような場合に注意が必要です。使い切れなかった非課税枠が翌年に持ち越せると考えてしまうと、非課税枠を超えてしまう可能性が高くなります。


NISAの非課税投資枠は翌年に繰り越すことはできません


前年の分を繰り越しているつもりで120万円以上の投資を行ってしまうと超えた部分が課税対象となることに注意しましょう。

② 払出し・売却分も上限額として換算される

非課税枠を超えたら課税対象となることの注意点2つ目は、払い出し・売却分も上限額として換算される点です。


NISAの非課税枠は120万円で、これを超えたら課税対象です。この金額は売却した分も含まれることに注意しましょう。


例えば、1月に投資を行い、その商品を5月に売却したとします。購入したものを売却しているため、非課税投資枠がその分回復したと考えるかもしれません。


しかし、投資を行った部分の再利用はできない仕組みです。


30万円の投資を行い、それを売却してその後120万円分の投資を行ってしまうと非課税枠を超えてしまい、「超えたら課税対象」という条件に当てはまってしまいます。


売却しても年度内に購入したものも含めて非課税枠の再利用ができないことに注意してください。

③ 時価総額ではなく、投資額が課税基準

非課税枠を超えたら課税対象となることの注意点3つ目は、課税基準は時価総額ではなく投資額となっている点です。


例えば、100万円の投資を行い、年内に140万円の時価となった場合を考えてみましょう。120万円の枠を超えたら課税対象ということを考えると、時価が上回っているため課税されると考えるかもしれません。


しかし、NISAの非課税枠の基準は投資額です。まだ100万円しか投資を行っていない状態になるため、20万円追加で購入することも可能です。「超えたら課税対象」の条件には当てはまっていません。


NISAでの非課税枠は値上がり分を気にする必要はないため、時価が上がっても非課税枠は同じように使用することができます。

NISAの5年の非課税期間を過ぎたら

NISAの非課税枠は120万円ですが、さらに期間にも制限があり、5年と言う制限が設けられています。


この非課税期間を超えたらどうすればよいのか、3つの選択肢があります。

  • 翌年の非課税投資枠に移す
  • 課税口座に移す
  • 売却する

非課税期間を超えたらすぐに課税対象になるわけではありません。それぞれの選択肢の中でその時の状況に合わせて使い分けることが重要です。


以下でそれぞれの選択のポイントについてご紹介していきます。

① 翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバー)

選択肢の1つ目は、ロールオーバーです。


翌年の非課税投資枠に移すことで、その商品を売却することなく非課税投資を継続させることができます。


お得な制度なのですが、新たに投資を考えている方は注意が必要です。翌年分を使ってしまうため利用できる金額が少なくなってしまいます。金額によっては0になる可能性も考慮しなくてはいけません。


50万円をロールオーバーするならば残りの70万円は新しく購入して投資を行うことができます。しかし、120万円以上になっていた場合、ロールオーバー自体は全額行うことができますが、新たに買付できる金額は0です。


新しく購入したい場合には課税口座などで購入するほかありません。


新しく商品の購入を考えている場合には金額に気をつけてください。


また、手続きを行わないとロールオーバーはできません。希望する場合には証券会社に連絡して手続きを行ってください。

② 課税口座に移す

選択肢の2つ目は課税口座への移動です。


課税口座に移す際の注意点は、取得価格が変わる点です。非課税期間終了時点のものになるため、終了時点の買取価格によっては損をしてしまう可能性があります。


120万円の商品が新たな買取価格で移動し、その後どちらも値上がりした場合を考えてみましょう。

新たな買取価格売却時の金額課税される金額
150万円170万円20万円
100万円120万円20万円
値上がりした場合には課税される金額が減りお得になります。常に課税口座を利用していた場合、170万円から120万円を引くことになるため、課税される金額は50万円です。しかし新たな買取価格は上がっていたため、実際に課税対象となる金額は20万円です。対象額が少なくなるため、お得と言えます。


一方、値下がりしている場合は常に課税口座を利用していれば売却時の金額と購入金額が同額になるため、課税される金額は0です。


しかし、新たな買取価格からは20万円の利益が出ている状態です。実際には利益が出ていない状態なのに、課税される金額が20万円に増えてしまい損をしていると言えます。


このように、新たな買取価格によっては余分に課税される可能性があるためしっかりと考えてから移すことが重要です。


※参考文献:金融庁

③ 売却する

非課税期間を超えたらどうするべきなのか、選択肢の3つ目は売却です。非課税期間終了前に売却を行うことがポイントです。超えたら課税対象となる可能性もあるため気をつけてください。


売却する商品によって受渡日が違います。最終の受渡日に間に合うよう、売却をしましょう。

株式の場合

非課税期間終了の2営業日前までに売却を行ってください。それ以降の売却では受渡日が翌年になってしまうため、非課税の対象外となってしまいます。

投資信託の場合

受渡日が年度内の最終営業日までになるように売却を行います。これを過ぎてしまうと翌年の受渡日となるため、非課税の対象外となります。投資信託は商品ごとに受渡日が違っているため注意しましょう。

NISAに関するよくある質問

NISAは何度も売り買いして大丈夫?


NISA口座は、いつでも払い出しや売却が可能です。しかし、一度売却した投資枠は再度利用できない点に注意が必要です。120万円の非課税投資枠は、新たな買い付けを行える投資枠だからです。 


 例えば、NISA口座で50万円の株式を購入し、1年以内に売却したとします。するとNISA口座では、同じ1年内に70万円以内で新たに買い付けできます(120万円-50万円)。売却した50万円の非課税投資枠は再利用できません。 


 何度も売り買いしていると、120万円の非課税投資枠を超えてしまう可能性があります。NISA口座で何度か売り買いをする場合は、購入金額に注意をしましょう。



NISA口座を放置しておくとどうなる?


NISA口座開設から、5年間全く投資しなかった場合、口座が閉鎖されるケースがあります。


 SBI証券では、以下の場合にNISA口座が自動的に閉鎖されます。


  • NISA口座を開設したのが2014年~2017年 
  • NISA口座開設後に投資をしていない 
  • マイナンバーカードを登録していない


自動的にNISA口座が閉鎖された場合は、改めてNISA口座開設の申し込みをすれば再開できます


SBI証券では、2018年以降にNISA口座を開設し、5年間投資をしなかった場合は、閉鎖されるかどうか未定だということです。


また、NISA口座で株などを購入し5年経過した場合、非課税期間が終了すると、自動的に課税口座に移行される仕組みになっています。課税口座に移行後、値上がり益が発生すると、課税対象になるので注意が必要です。


ただ、非課税枠をさらに5年延長できる、ロールオーバーという制度があります。


ロールオーバーとは、NISAの非課税期間の5年が終了しても、証券会社に手続きすることで、翌年以降も非課税期間を延長できる制度のことです。


ロールオーバーを活用すると、最大10年間非課税で投資できることになります。ロールオーバーできる金額に上限はなく、時価が120万円を超えていても、すべて翌年に移せます。


投資して5年経過したNISA口座は放置せず、証券会社でロールオーバーの手続きを行いましょう。

まとめ:NISAで120万円の上限を超えたらマネーキャリアに相談!


いかがでしたか?ここではNISAの非課税枠120万円を超えたらどうなるのか、についてご紹介しました。


NISAの非課税枠を超えたら超えた分に出た利益は課税対象となります。超えない部分のみが非課税となるため、非課税メリットを十分にいかしたい場合には枠内に収まるよう計算することが重要です。


また、非課税枠を超えることで確定申告などが必要になる可能性もあります。超えた場合には確定申告の要不要をしっかりと確認しましょう。


NISAで120万円を超えてしまい困っている、超えた状態で投資をしたいと考えている方は、マネーキャリアのFP相談がおすすめです。お金のプロにNISAについての悩みを解消してもらいましょう。


ほけんROOMでは他にもお金や保険に関する記事を多数掲載しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。

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