更新日:2022/03/11
20代から資産形成・資産運用を始めるべき理由を解説【初心者必見】
資産形成の大切さは多くの人に知られるようになってきています。今回は、資産形成したい20代の方や資産形成に興味はあるけれど疑問が多いという20代の方のために、20代の資産形成で気を付けるポイントやリスク別のおすすめ資産形成方法をご紹介します。
内容をまとめると
- 20代には時間をかけて資産形成できる強みがある
- 20代の平均貯蓄額は179万円
- 資産形成には再投資が重要
- 資産形成には投資だけでなく節約、節税も重要
- 資産形成を成功させるには分散投資や時間を意識したバランス感覚が重要
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 20代こそ資産形成・資産運用すべき3つの理由
- 理由①リスクを取りやすい
- 理由②複利効果を最大限に生かせる
- 理由③少額でも気軽に投資できる
- 20代の資産形成・資産運用の現状
- 20代の平均年収は208万円
- 20代の平均貯蓄額は179万円
- 20代が収入から貯蓄に回す額は5~8万円が最多
- 20代で資産運用している人の割合は10%未満
- 20代が資産形成・資産運用する上での5大ポイント
- ポイント①放っておかずに増やす努力をする
- ポイント②貯まったお金でさらに資産運用する
- ポイント③何のために資産形成するのか考える
- ポイント④どのくらい資産形成したいのか計算する
- ポイント⑤どのくらいの期間をかけるのか設定する
- 20代の資産形成・資産運用で知っておきたいリスクとリターン
- 資産形成・資産運用で重要なリスクとリターンの関係
- 主な金融商品のリスクとリターン
- 20代から始めるローリスクの資産形成法2選
- 資産形成法①預貯金
- 資産形成法②債券
- 20代で取り組むミドルリスクの資産形成法2選
- 資産形成法①投資信託
- 資産形成法②不動産投資
- 20代で挑戦したい株式投資による資産形成・資産運用
- イマドキ20代の資産形成・資産運用術
- 資産形成術①堅実な努力で増やす
- 資産形成術②貯めグセを身につける
- 資産形成術③使い方もチェックする
- 資産形成術④時間を武器にする
- 20代の資産形成・資産運用でおすすめの投資信託商品3選
- おすすめ投資信託①SBIバンガードS&P500
- おすすめ投資信託②楽天VTI
- おすすめ投資信託③eMAXS Slim米国株式(S&P500)
- 20代の資産形成・資産運用で使うべき2つの節税制度
- 節税制度①NISA
- 節税制度②iDeCo
- 参考:20代でFIREを目指す資産形成・資産運用テクニック
- 20代からの資産形成・資産運用を成功させる2つの秘訣
- 秘訣①分散投資とバランス運用
- 秘訣②時間を意識した資産形成・資産運用
- 20代の資産形成・資産運用に失敗したくないならプロの助言を得よう
- 20代の資産形成・資産運用の考え方や手法のまとめ
目次
20代こそ資産形成・資産運用すべき3つの理由
20代のうちから資産形成について意識している人はそれほど多くないでしょう。しかし最近では年金2000万円問題やコロナショックもあり、資産形成に興味を持つ若い人も増えてきています。
20代のうちに資産形成を始めることは、そうしない場合と比較して大きな差がうまれる要因になります。また若いうちに投資を始めることには以下のような強みもあるのです。
- リスクを取れる
- 複利効果を活用できる
- 少額から気軽に始められる
理由①リスクを取りやすい
若い時期から資産運用を始めると、リスクを取りやすいです。たとえば50歳から老後に向けて資産運用を始めたとします。
もしこれで定年間際の60歳くらいの時期に大規模な経済ショックが起こり、株価が落ち込んでしまった場合、含み損を抱えた状態で年金生活に突入しなければなりません。
しかし20代から定年まで資産運用を継続すれば、かりに65歳定年でも45年間の時間があります。この間に運用益をしっかり積み重ねていれば、定年間際に経済ショックで資産が減っても利益は残るでしょう。
たとえば有名な株価指数であるS&P500は過去の統計で、15年前より株価が落ち込んだ局面はないとのデータもあります。さらに期間を長く見れば、その分だけ株価の上がり幅は大きくなっているのです。
このように20代で資産運用を始めると、時間を味方にリスクを取りやすくできます。
理由②複利効果を最大限に生かせる
複利効果とは、株式や投資信託で得た配当金や分配金などの利益を再投資することで利息がさらなる利息を生み出すことで資産が大きくなっていく効果を指します。
たとえば100万円分の投資信託を購入し、年間5%の利益をあげるとしましょう。この場合、1年後の評価額は105万円です。このときに利益分を現金として使ってしまえば、運用額は100万円で変わらず、1年後にはまた105万円の評価額になっています。
しかし1年目に利益としてあげた5万円を再投資すると、2年目の評価額は変わってきます。元本の100万円だけでなく、利益部分の5万円も運用されますので、最終的な額は105万2千5百円となるのです。
複利効果をねらった再投資は、長期間にわたって行うほど効果を発揮します。20代から資産運用を始めるのは、この複利効果を大きくできる点からもおすすめです。
理由③少額でも気軽に投資できる
20代のうちは社会人として自立したばかりで、大きな資産や収入がある人はほとんどいないでしょう。それだけに資産運用をする価値を感じない人もいます。
しかし現在では、投資信託は100円から1円単位で購入することができ、株式投資も安い銘柄であれば数万円で購入可能です。また1株単位で株式を購入するミニ株や米国株式の選択肢もあります。
このように、現在では少額投資を始めたい人のための環境が整っています。また少額から始めると、損失も小さくて済むので投資初心者でも始めやすいです。
20代の資産形成・資産運用の現状
ここからは20代が実際に資産形成・資産運用をどれくらい行っているかを解説します。最近では若者の貧困といった言葉もあるように、20代の資産は決して大きいものではありません。
20代の資産形成・資産運用については以下のようなことが言えます。
- 20代の平均年収は208万円
- 平均貯蓄額は179万円
- 貯蓄に回す額は月額5~8万円が多い
- 資産運用している人の割合は10%未満
20代の平均年収は208万円
厚労省の国民生活基礎調査によれば、20代の1人あたりの平均年収は208万円となっています。この金額は、大半が生活費によって消えてしまいますので、資産形成・資産運用に大きなお金を投じることはできないでしょう。
ただし、毎月の生活費をしっかりと管理すれば一定金額を貯蓄に回すことは可能な金額でもあります。
20代の平均貯蓄額は179万円
前項と同じく厚労省の国民生活基礎調査による20代の平均貯蓄額は179万円となっています。この金額は人によって多いとも少ないとも感じるでしょう。しかしたとえば結婚式の費用は平均360万円がかかります。
また子ども一人を育てるのにも2000万円が相場とされており、179万円という額と比べるとかなり大きな額です。
どのようなライフプランかによって、必要となる金額は変わってきますが、20代の平均貯蓄額は、まだまだ増やす必要があるものと言えるでしょう。
20代が収入から貯蓄に回す額は5~8万円が最多
民間のアンケート調査などの結果によれば20代は収入のうち、毎月5~8万円を貯蓄に回している人がもっとも多いとされています。
一方で毎月5千円以下しか貯められない人も13%程度おり、10万円以上とかなりの金額を貯蓄している人も4%程度います。
このことから、20代のなかでも貯蓄ができる人とできない人のあいだに一定の格差があるとみてとれます。
20代で資産運用している人の割合は10%未満
日本人は資産運用よりも預貯金を好む傾向が強いです。20代の場合は、それに加えて大きな資産を持っていないことから資産運用している人の割合は低くなっています。
平成30年度の日本証券業協会による調査では、株式や投資信託、公社債で資産運用している人の割合は10%未満という結果が出ているのです。
もし20代で資産運用をしている人がいたとしたら、その時点でその人は金融リテラシーの高い人と言えるかもしれません。
20代が資産形成・資産運用する上での5大ポイント
ここからは資産形成・資産運用する上でのポイントを解説します。株式投資などによる資産運用はやり方を間違えれば、評価損が出てしまい、かえって資産を減らすリスクもあるものです。
資産運用でそのような状況にならないため、またより効率的に資産形成できるようにするポイントとして以下の5点があげられます。
- 資産を増やす努力のクセをつける
- 資産運用を積極的に行う
- 資産形成の目的を意識する
- 資産形成をどれくらい行うか決める
- 資産形成の期間を決めておく
ポイント①放っておかずに増やす努力をする
20代でお金を貯められない人に多いのが、つい趣味の方にお金をかけてしまったり、自身の支出をきちんと管理できていないケースです。
このようなケースでは思うようにお金が貯まらず、将来の大きなライフイベントがあったときに困ってしまうことになります。
そういった状況を避けるためにも財布にお金を入れっぱなしにするようではいけません。預金口座で管理し、必要であれば株式や投資信託を購入するなど、積極的に増やすための努力をしましょう。
ポイント②貯まったお金でさらに資産運用する
継続的に収入を貯蓄へ回せるようになり、ある程度まとまったお金が用意できたら、資産運用をしてみましょう。最初は数万円~数十万円と小さい金額で問題ありません。また貯金の全てではなく、一部だけを資産運用に回すのがおすすめです。
株式投資などをすれば銀行にお金を預けているよりも、高い利率で資産運用することができます。短期では金額に大きな差は出ずとも、10年や20年といった長期になれば資産運用をするかしないかは大きな違いです。
また資産運用をする際は、毎月の給与などを継続的に貯蓄し、積立できるようにするのがおすすめです。
ポイント③何のために資産形成するのか考える
資産形成において目的意識は極めて重要です。資産形成それ自体が目的の人もいるでしょうが、それは多くの場合、いつまでも節約などをし続けることになります。貯金が趣味になっている人はよいかもしれませんが、多くの人にとって苦痛になるでしょう。
そこで大事なのが目的意識です。たとえば将来、子どもができたときのための教育資金を用意するのが目的の場合、その金額は自然と決まってきます。
このように資産形成を手段ととらえて、何のために資産形成するのか、目的をはっきりさせることでモチベーションを維持できます。そしてそうすることによって資産形成を継続的に行うことができ、成功しやすくなるのです。
ポイント④どのくらい資産形成したいのか計算する
資産形成の目標金額も重要です。資産形成をするときに、最初に決めるべきなのは目的と目標金額です。目標金額を決定すれば、そこから逆算して毎月の貯金額などを決定することができます。
また資産運用をする際も、目標金額がはっきりしていればシミュレーションをしやすくなることもメリットです。
たとえば老後資金のために2000万円を20年で貯めたいとしましょう。そうすると単純計算で、毎年100万円、毎月ベースで8万円強のペースで貯蓄すれば目標を達成できます。
このように目標金額に加えて、達成時期までを決定できれば、自然と貯蓄のペースなども決まってくるので資産形成がしやすくなるのです。
ポイント⑤どのくらいの期間をかけるのか設定する
前述しましたが、資産形成の期間の設定も重要です。資産形成の目的、目標金額が決まっていても、期間が不明瞭だと毎月の貯蓄金額をどのくらいにすればよいのか決められません。
たとえば20年で2000万円の老後資金を用意しようとした場合、毎月8万円強の貯蓄が必要となりますが、ここまでわかって初めて貯蓄目標額が収入に対して妥当か検討できます。
また当然ですが、期間が長ければ長いほど、毎月の貯蓄金額は少なくて済みます。毎月の貯蓄額など、貯蓄ペースを決めるために重要な前提条件ですので、資産形成の期間は必ず決めておきましょう。
20代の資産形成・資産運用で知っておきたいリスクとリターン
ここからは20代が資産形成・資産運用をするうえで知っておきたいリスクとリターンを解説します。
資産形成・資産運用にあるリスクとリターンには以下のものがあげられます。
- 資産運用ではどれくらいのリターンがあるかわからない
- 金融商品には価格変動の先行きがわからないリスクと高い利率というリターンがある
資産形成・資産運用で重要なリスクとリターンの関係
資産形成・資産運用においてリスクとリターンは密接な関係にあります。リターンは運用の成果であり、多くの場合、利率であらわします。
リターンは1年など短期でみることもありますが、20代から資産形成をしていく場合は過去10年以上の長期で見るのがおすすめです。たとえば日経平均株価はバブル崩壊以降、高値を更新していませんが、アメリカの有名な株価指数であるS&P500はかなりの頻度で高値を更新し続けています。
またリスクとはリターンの振れ幅のことを指します。多くの人がリスクを損失を抱える可能性と考えていますが、仮に過去の平均リターンがプラスであったとしても、ある年のリターンが1%で別の年のリターンが10%のようなケースではリスクが大きいと言えます。
資産形成、資産運用におけるリターンは運用の成果であり、リスクはリターンの振れ幅であることは押さえておきましょう。
主な金融商品のリスクとリターン
金融商品には預貯金や株式など、さまざまなものあります。そしてこれらはどの商品を買うかによってリスクとリターンに差が生まれます。
預貯金や国際は、価格が決められており評価額や利率が変わることはありません。そのためリスクは極めて小さい商品と言えます。一方でリターンは利率が0.1%以下であり、ほとんど見込めないと言ってもよいでしょう。
反対に株式は会社がつぶれれば価値を失うこともあり、リスクはかなり大きいです。しかし銘柄によっては購入時から10倍以上の株価になることもあり、ほかの金融商品よりも大きなリターンを期待できます。
このほかにも比較的価格変動が小さくそれなりのリターンも見込める債権や、複数の金融商品を組み合わせることでリスクとリターンのバランスをとった投資信託といった金融商品があります。
資産形成・資産運用のリスクとリターンは一概に決まるものではなく、どんな金融商品をどんなポートフォリオで組んだかによって決まるものです。
20代から始めるローリスクの資産形成法2選
ここからは比較的ローリスクな資産形成法として、預貯金と債券を紹介します。資産形成はしたいけれど、株式などの暴落は精神的に負担がかかるので避けたい人もいるでしょう。
これらの商品には、以下のような特徴があります。
- 預貯金は元本割れのリスクはないが、リターンがかなり小さい
- 債券は預貯金よりリターンは大きいが、一定の倒産リスクなどがある
これらの資産形成法をリスクを避けたい人におすすめの資産形成法を紹介します。
資産形成法①預貯金
預貯金も立派な資産形成法の一つです。ほとんどの会社で給与は銀行振り込みとなっているかと思いますので、お金の管理も楽です。
預貯金の特徴としては元本割れを絶対にしない点があげられます。また、万が一銀行がつぶれたとしても、ペイオフ制度により1,000万円とその利息までなら政府によって保護されます。もっともリスクの小さい資産形成法です。
ただしデメリットとして、現在では預金口座の利息は高くても0.1%と低いことがあげられます。これが株式投資や債券などであれば数%の利率は期待できるので、機会損失の面は否めません。
ただし資産形成を始めたてのときに、まとまった資金を用意できるまで預貯金中心で運用するのはおすすめです。
資産形成法②債券
債券は政府や会社などが発行したものを購入します。債権の特徴として国際などであれば価格変動や利率変動がないです。また社債にしても、経営状態が健全であれば満期に定められた利率で返済がなされます。
また利率についても1%を超えることもあり、預貯金と比べると大きなリターンを望めるメリットもあります。
ただし債権のデメリットは、元となる会社などが債務不履行に陥るリスクがあります。そうなれば債権は返されず、投資したお金がすべて損失となってしまうので注意が必要です。しかし会社の経営状態などを確認して、黒字企業の債券を購入するなどの意識をすれば避けることは難しくありません。
多少のリスクはありますが、債券は預貯金よりも大きなリターンを期待できます。
20代で取り組むミドルリスクの資産形成法2選
ここからはミドルリスクの資産形成法として投資信託と不動産投資を紹介します。預貯金や債券と比べると、元本割れなど大きなリスクがあると同時に、大きなリターンも望むことができます。
これらの商品の特徴は以下の通りです。
- 投資信託はさまざまな商品がパッケージ化されて売られており、少額で始められる
- 不動産投資はリスクも大きいが、その分だけ大きなリターンを望める
資産形成法①投資信託
投資信託は株式、債券、金、コモディティなどがさまざまな割合でパッケージとなっている金融商品です。株式投資であれば1つの企業にしか投資できませんが、投資信託を購入すれば、投資先のすべての企業に間接的に分散投資できます。
投資信託は最近では最低投資額が100円になっているなど、少額で始められる点に特徴があります。またリターンについても、株式投資などを間接的にしている分大きくなり、分散投資によってリスクも抑えられている点もメリットです。
またつみたてNISAで非課税枠を設ければ、いくらリターンをあげても税金がかかりません。
このようにメリットが大きい一方で、デメリットもあります。投資信託は評価額に保証がないため、元本割れのリスクがあり、人によっては10%以上の含み損を抱える可能性もあるのです。
投資信託はリスクもありますが、分散投資できる分だけ、損失を抱える危険性が低くリターンも大きい金融商品と言えます。
資産形成法②不動産投資
不動産投資はアパートやマンションなどを購入し、そこから得られる家賃収入でリターンをねらう資産形成法です。かかる金額の大きさにリターンも比例した金融商品です。
不動産の特徴、メリットとしてあげられるのは、やはり家賃収入です。家賃収入はアパートやマンションの部屋がいくつうまっていて、それらの部屋の家賃がいくらなのかで把握できます。そのため計算のしやすい安定的なリターンが望めるのです。
また空室が少ない人気のアパートやマンションにすることができれば、それだけリターンも大きくなります。長期的には株式以上の利率にも達する可能性が望めるのです。
ただし空室がうまらなければ、設備の維持や修繕などに費用がかかって赤字となる可能性もあります。事前の勉強やリサーチが必要な難しい資産形成法でもあるのが不動産投資です。
ローンを組んで投資に乗り出していた場合は、返済も重なって大きな負担になってしまうでしょう。
不動産投資は高いリターンも望めますが、準備をしっかりしないと大きなリスクを抱えてしまう可能性のある方法です。
20代で挑戦したい株式投資による資産形成・資産運用
株式投資は価格の変動が激しく、リスクの大きい金融商品です。しかしほかの投資法と違い短期間で大きな利益をあげられる可能性もあります。なかには上場以降、テンバガーと呼ばれる10倍以上の株価を記録した銘柄もあるほどです。
しかし株式投資は投資信託と違って、分散投資ができません。そのため購入している銘柄の企業が倒産すれば、その価値はゼロになってしまいます。評価額に対する保証がないため、先読みが非常に難しいです。
このように株式投資はほかの金融商品と比較したときにハイリスク・ハイリターンと言えます。
イマドキ20代の資産形成・資産運用術
ここからはイマドキ20代の資産形成・資産運用術を紹介します。ここまで資産形成で購入する金融商品などの種類を紹介してきましたが、具体的にどうやって資産形成をしていけばよいのかわからない人もいるでしょう。
ここではその心構えとして、以下を紹介します。
- コツコツ貯蓄するようにする
- お金を貯める習慣をつくる
- 支出を家計簿などで把握する
- 時間をかけてじっくり行う
資産形成術①堅実な努力で増やす
資産形成で重要なのは、一攫千金などを狙わずにコツコツと堅実な努力を続けることです。20代の多くは会社員として入社して年数が浅く、大きな収入も見込めないでしょう。
それだけに株式投資などで大きなリターンを得たくなります。しかし大きなリターンをねらえば、それだけリスクも大きくなってしまうものです。そうなってしまうと、せっかく貯蓄ができていても、それを無駄にしてしまいます。
方法としては給与やボーナスを受け取ったタイミングで、振り込まれた口座から別の貯蓄用の口座にお金を移す「先取り貯蓄」がおすすめです。こうすれば貯蓄するお金と、生活で使うお金を切り分けることで確実に貯蓄できます。
資産形成術②貯めグセを身につける
貯めグセは資産形成だけでなく、人生において役立ちます。たとえば老後に貧困になってしまう理由のひとつに現役時代から生活水準を下げられないことがあげられます。年金生活になって収入が減っている一方で、支出を下げられないために、このような状況になってしまうのです。
しかし若いときから貯めグセを身に着けておけば、自然と衝動買いのような無駄遣いを避けることができます。また前述した「先取り貯蓄」もできるようになっておけば、40代以降には2,000万円以上のお金を貯めることも可能です。
貯めグセは年齢を重ねたときに必ず役立ちますので、資産形成のなかでは常に意識するようにしましょう。
資産形成術③使い方もチェックする
普段の生活費を見直すことも重要です。そのなかでも特に気にするべきなのは、固定費です。たとえばインターネットやスマホといった通信費はできるだけ安いものを選ぶようにしましょう。仮にこれら通信費を月額3,000円安くできれば、それだけで年間3万6,000円の節約につながります。
また大きな買い物をするときも、今買おうとしているものが本当に自分にとって必要なものなのか見直すことも重要です。こうした何気ない買い物を見直すことができれば生活費を安くすることができます。
また月々の支出を管理し、無駄を見直せるようにする意味でも家計簿をつけるのがおすすめです。
資産形成術④時間を武器にする
20代から資産形成を行う最大のメリットは時間をかけられることです。たとえば老後の資金を用意する目的だったとしても40代から始めるよりも、20年早く資産形成を始められます。
仮に目標金額が同じだった場合、毎月の貯蓄ペースは早くから始めた方が安くなりますので、その分だけ目標達成をしやすくなります。また株式投資などの資産運用も時間をかけた方がリターンの期待値が大きくなり、価格変動のリスクも抑えられます。
このように20代から資産形成を始めることで時間を武器に、目標を達成することが現実的になるのです。
20代の資産形成・資産運用でおすすめの投資信託商品3選
将来の資金に備えた安定的な資産運用なら、初心者は投資信託での投資を選択するのが定石です。ここでは具体的その中でもどの商品を選ぶのか、以下の3つについて解説していきます。
- SBIバンガードS&P500
- 楽天VTI
- eMAXS Slim米国株式(S&P500)
おすすめ投資信託①SBIバンガードS&P500
1つ目におすすめする投資信託は「SBIバンガードS&P500」です。
これは米国の株式500銘柄(指数は「S&P500」に連動)にまとめて投資できるインデックスファンドです。
おすすめできる理由は主に以下の5つです。
- つみたてNISAを利用可能
- 毎月分配型ではない
- 手数料が安い
- 純資産残高が右肩上がり
- 為替ヘッジがない
おすすめ投資信託②楽天VTI
2つ目に紹介するおすすめの投資信託は、「楽天VTI」です。
これは米国の4000社の株式(指数は「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動)に投資できるインデックスファンドです。
おすすめできる理由は以下の5つです。
- つみたてNISA・iDeCoに対応
- 手数料が安い
- 4000社の米国株式で構成されている
- 純資産残高が右肩上がり
- 為替ヘッジがない
おすすめ投資信託③eMAXS Slim米国株式(S&P500)
3つ目におすすめする投資信託は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」です。
これは①のSBIバンガードS&P500と同様のインデックスファンドであり、米国の株式500銘柄(指数は「S&P500」に連動)に一括投資できます。 投資先の構成もSBIバンガードS&P500と同様です。
SBIバンガードS&P500との違いは以下の2点です。
- 「iDeCo(個人型確定拠出年金)」にも対応
- 「SBIバンガードS&P500」より開始が1年弱早い
20代の資産形成・資産運用で使うべき2つの節税制度
ここからは資産形成・資産運用で使うべきNISAとiDeCoの2つの節税術について解説します。それぞれの概要は以下の通りです。
- NISAは毎年非課税枠の金額まで投資でき、配当金・評価益などが全額非課税
- iDeCoは毎月一定額を指定の金融商品に積立投資でき、投資した金額は所得控除になり、運用益も非課税
節税制度①NISA
NISAは毎年120万円の非課税枠が5年にわたって使うことのできる制度です。またつみたてNISAも、毎年40万円の非課税枠が20年にわたって与えられます。
これら制度を活用することで、長期積立によって得た利益を全て手元に残すことが可能です。これがもし分離課税であれば20.315%の税率がかかるため、大きな違いがあります。
ただしNISA制度にはデメリットもあります。それは非課税の期間が過ぎてしまうと、通常の投資と同じように税金がかかってしまうことです。そのため非課税枠が適用される期間内に口座内の商品を売却する必要があります。
また非課税の期間が終わる直前に暴落が来てしまった場合や含み損を抱えていた場合、NISA制度の強みが減ってしまいます。NISA制度で資産運用をするときは、このような点に注意しましょう。
節税制度②iDeCo
iDeCoは国民年金保険の1号、2号、3号によって月額の上限額が決まっています。iDeCoはまず毎月の掛金が全額所得控除になります。所得控除されれば、その部分に所得税や住民税を節税可能です。
また60歳以降の受取金のなかにはiDeCoで運用した商品の利益も含まれますが、この部分も全額非課税になります。iDeCoは掛金をひとつの金融商品に投資しなければいけないわけではなく、複数に自由に配分できる点もメリットです。
iDeCoは一方で、毎月の掛金が家計を圧迫する点や急にお金が必要になっても原則解約できないデメリットがあります。掛金の額はいつでも変更できますが、最低額は5,000円です。
途中で解約することもほとんどできないため、急に現金が必要なときにも対応が難しくなってしまいます。iDeCoを運用する際は、家計や現金の残り具合などを計算の上で行うようにしてください。
参考:20代でFIREを目指す資産形成・資産運用テクニック
最近では早期に経済的自立をして、無理に働かなくても生きていけるFIREを目標とする人も増えています。
FIREを目指す人にとってここまで解説してきた資産形成・資産運用は重要です。日々の生活費をできるだけ抑えることで貯蓄に多く回せるようにします。そのうえで貯蓄の一部を継続して積立投資します。NISAやiDeCoを活用することで、その効率は高まるでしょう。
またなかには収入を増やすために副業をする人もいます。
FIREを達成する目標金額は人によって違いますが、一説には生活費の25年分の資産を築ければ達成できるとも言われています。
FIREに限らず、節約・副業・投資は資産形成の基本なのでぜひ覚えておいてください。
20代からの資産形成・資産運用を成功させる2つの秘訣
ここからは20代からの資産形成・資産運用を成功させる秘訣として以下の点を解説します。
- リスクとリターンのバランスを重視して長期運用する
- 20代という若さを味方にすることで、経済ショックをチャンスに変える
秘訣①分散投資とバランス運用
資産形成・資産運用をする人のなかには一つの株式銘柄に一点集中で投資してしまう人もいます。これは長期的な資産形成を目指すうえではリスクの高い行為です。
世代を問わず、投資において重要なのはリスクとリターンのバランスです。株式投資をするにしても、業界や国をまたいで分散投資をすることでリターンを狙いながらリスクを抑えることが可能です。
資産運用において「分散」は常に意識するようにしてください。
秘訣②時間を意識した資産形成・資産運用
20代が資産形成・資産運用するうえでもっとも有利なのは時間があることです。人生がまだまだ長い分、時間軸での分散投資が可能となります。
たとえば株式投資で同じ銘柄だとしても好調なときもあれば不調なときもありますよね。今すぐに利益をあげなければいけないとすると、好調でこれからあがる銘柄を選ばなければいけません。しかもその銘柄の株価が下落してしまった際に、取り返すことができないのです。
しかし時間のあるうちに投資をすれば、その長い時間のなかで好調時に株を売却し、利益を確定させることもできます。もしその銘柄の株価が上がらなくても、ほかの銘柄で取り返すことも可能です。
このように時間を意識した資産形成・資産運用を行うことで、さらにリスクを抑えられるのです。
20代の資産形成・資産運用に失敗したくないならプロの助言を得よう
もし資産形成・資産運用のやり方がわからず、うまくいくか不安なときはお金のプロにそうだんすることも一つの選択肢です。
マネーキャリアは、お金に関する相談をプロであるFPに無料で何度でも行うことができます。また、オンラインで全国どこからでも行えるので地方の人でも気軽に相談可能です。
自力での知識や情報収集では得られるものに限りがあります。そういった場合は無理をせず、プロに自分の不安をぶつけてみてください。
20代の資産形成・資産運用の考え方や手法のまとめ
ここまで20代の資産形成・資産運用の考え方や手法を中心に解説してきました。資産形成の基本は貯蓄をつくることです。そのためには、自分の目的や目標金額、期間を設定したうえで一貫性をもって行う必要があります。
資産形成の方法にしても、期間に対して無理に行うのではなく、コツコツと貯蓄していくことが重要です。そのためには自分の貯蓄するお金をあらかじめ専用口座に振り分けておく「先取り貯蓄」や、日々の支出を見直すための家計簿をつけるとよいでしょう。
また貯蓄したお金も漫然と口座に眠らせておくのではなく、投資信託や株式投資などで早期に、かつ積極的に運用していくことが重要です。早いうちから資産運用を始めることで最終的な利益も大きくなります。
資産運用の際にはNISAやiDeCoといった節税のための制度を活用しましょう。そうすることで、より効率的な運用が可能です。ほかにも運用する金融商品は株式、投資信託、債券などさまざまありますので、吟味のうえで選んでください。
もしどうしても不安であれば、FPなどお金のプロに相談するのも方法の一つです。
この記事では、
- 20代から時間をかけて資産形成することで、より大きな利益をあげられる
- 資産形成・資産運用を続けていく方法と成功の秘訣
- 20代の資産形成・資産運用の実情
- 資産形成を実現していくための方法論
- 資産運用で購入できる金融商品
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