更新日:2024/03/14
50代からの新NISA活用法とおすすめの銘柄は?
新NISAについて「50代の活用方法は?」「どれを買ったらいいの?」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。実際、多くの記事は「早ければ早いほど資産形成をしやすい」と記載しています。この記事では50代が新NISAを活用する方法とおすすめ銘柄について解説します。ぜひ参考にしてみて下さい。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 50代の新NISAにおすすめの銘柄は?
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- たわらノーロード先進国株式
- 新NISAを50代からはじめるときにおすすめのポートフォリオの組み方は?
- 国内・先進国(アメリカ・EU)・新興国(インド・中国)から決める
- 投資信託・債券・REIT・ETFから決める
- インデックスファンド・アクティブファンドから決める
- 50代で新NISAを始めるメリット
- 退職前だからこそ50代にはおすすめ
- 老後資金を形成していくことができる
- NISAは高齢者に向けて発足された制度だから今から準備ができる
- 50代で新NISAを始めるデメリット
- 50代で新NISAを始める際の注意点
- 投資期間が5年以内だと元本割れリスクがある
- 投資期間が10年だと債券と株式の運用益はいまいち
- 投資期間が15年だと元本割れの可能性が低い
- 50代で新NISAを賢く運用するポイント
- 60代までの長期間運用を考える
- 高配当を狙うなら攻めの米国株投資
- リスク分散を狙うなら守りの債券投資
- 50代の新NISAでよくある質問Q&A
- 新NISAを50歳からはじめるのは遅い?
- 新NISAとつみたてNISAの違いは何?
- 50代から新NISAを始めるなら「マネーキャリア」にご相談ください
目次
50代の新NISAにおすすめの銘柄は?
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、日本を含む先進国と新興国(全世界)の株式、約3,000銘柄へ投資ができる投資信託です。
▼eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)の特徴
- MSCI All Country World Index(ACWI)指数に連動する値動きを目指して運用
- 先進国と新興国の大型株・中型株約3,000銘柄で構成され、世界各国市場の時価総額約85%の株式などが投資対象
- 原則、為替ヘッジを行わないため、為替相場の影響を受ける
▼投資信託にかかる手数料
手数料の種類 | 年率 |
---|---|
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
運用管理費用 | 0.05775% |
▼委託会社情報
委託会社 | 三菱UFJアセットマネジメント株式会社 |
---|---|
金融商品取引業者 | 関東財務局長(金商)第404号 |
設立年月日 | 1985年8月1日 |
資本金 | 20億円 |
運用投資信託財産の合計純資産総額 | 28兆5,759億円(2023年10月31日時点) |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド
SBI・全世界株式インデックス・ファンドは、日本を含む先進国と新興国(全世界)の株式、約9,000銘柄へ投資ができる投資信託です。
「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」と比べて、より幅広く分散投資できます。
▼SBI・全世界株式インデックス・ファンドの特徴
- FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス指数に連動する値動きを目指して運用
- 先進国と新興国の大型株・中型株約9,000銘柄で構成され、世界各国市場の時価総額約98%の株式などが投資対象
- 原則、為替ヘッジを行わないため、為替相場の影響を受ける
▼投資信託にかかる手数料
手数料の種類 | 年率 |
---|---|
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
運用管理費用 | 0.0682% |
▼委託会社情報
委託会社 | SBIアセットマネジメント株式会社 |
---|---|
金融商品取引業者 | 関東財務局長(金商)第311号 |
設立年月日 | 1986年8月29日 |
資本金 | 4億20万円 |
運用投資信託財産の合計純資産総額 | 4兆4,921億340万円(2023年11月末日時点) |
たわらノーロード先進国株式
たわらノーロード先進国株式は、日本を除く先進国22ヵ国の株式、約1,300銘柄に投資できる投資信託です。
▼たわらノーロード先進国株式の特徴
- MSCIコクサイ・インデックス指数に連動する値動きを目指して運用
- 日本を除く先進国22ヵ国に上場する大・中型株の約1,300銘柄で構成され、各国市場の時価総額は市場の約85%の株式が投資対象
- 原則、為替ヘッジを行わないため、為替相場の影響を受ける
▼SBI・全世界株式インデックス・ファンドの投資対象国
▼投資信託にかかる手数料
手数料の種類 | 年率 |
---|---|
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
運用管理費用 | 0.09889% |
▼委託会社情報
(左右にスクロールできます)
委託会社 | アセットマネジメントOne株式会社 |
---|---|
金融商品取引業者 | 関東財務局長(金商)第324号 |
設立年月日 | 1985年7月1日 |
資本金 | 20億円(2023年10月末時点) |
運用投資信託財産の合計純資産総額 | 17兆2,574億円(2023年10月末時点) |
新NISAを50代からはじめるときにおすすめのポートフォリオの組み方は?
ポートフォリオとは、金融資産の組み合わせのことです。ポートフォリオの組み方は、リスク分散を考える上で重要となります。では、新NISAを50代からはじめるときにどのようにポートフォリオを組むとよいのでしょうか。
この章では、以下の視点から50代からはじめるときにおすすめのポートフォリオの組み方を解説します。
▼新NISAを50代からはじめるときにおすすめのポートフォリオの組み方
- 国内・先進国(アメリカ・EU)・新興国(インド・中国)から決める
- 投資信託・債券・REIT・ETFから決める
- インデックスファンド・アクティブファンドから決める
国内・先進国(アメリカ・EU)・新興国(インド・中国)から決める
国内、先進国、新興国などの地域別で決める方法があります。しかし、地域別でポートフォリオ組んでいく場合、カントリーリスクを考慮する必要があります。
カントリーリスクとは、投資する地域の政治や経済状況によって、証券市場や為替市場が変動する可能性のことです。それぞれのカントリーリスクは以下のように考えられます。
(左右にスクロールできます)
概要 | カントリーリスク | |
---|---|---|
国内 | 経済は安定だが、自然災害や周辺国との関係性は少々不安 | 低~中 |
先進国 | アメリカやEUに分散、経済は安定している、基本的に安定 | 低 |
新興国 | インドや中国に分散、高い成長が期待、経済が不安定 | 高 |
国内の代表的な株式として、「トヨタ」があります。最近の「トヨタ」はハイブリッド車の売り上げが好調であったため、株価も好成績をあげています。
「eMAXIS TOPIXインデックス」は「トヨタ」の株も含んだ国内企業に分散投資しているため、ある程度の安定性を担保しています。
▼国内のおすすめファンド
ファンド名 | 利回り(1年) |
---|---|
eMAXIS TOPIXインデックス | 37.06% |
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド | 72.95% |
日経平均高配当利回り株ファンド | 46.55% |
先進国は「アップル」が代表的な株式です。2016年からこれまでで株価は615%上昇しています。好成績をあげている理由として、「iPhone」や「Mac book」などのブランド力が後押ししているといえるでしょう。
「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は先進国の株式に分散投資しており、その比率は「アップル」の株が最も多く含まれています。
アップルのブランド力を考えると、長期的に安定すると予想できます。
▼先進国のおすすめファンド
ファンド名 | 利回り(1年) |
---|---|
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 39.61% |
たわらノーロード 先進国株式 | 39.62% |
SBI・先進国株式インデックス・ファンド | 37.46% |
新興国の個別株は国内で取り扱っている証券会社がありません。代わりにインドや中国などの企業に分散投資する投資信託があります。
インドは「世界人口が世界1位」であり、中国は「情報通信が強い」など、両国とも強みを活かした成長が期待できるでしょう。
とはいえ、まだまだ経済は不安定であるため、株価の値動きも激しく、リスクは高いといえます。しかしその分、高いリターンが期待できるのが、新興国ファンドです。
▼新興国のおすすめファンド
ファンド名 | 利回り(1年) |
---|---|
iTrustインド株式 | 42.49% |
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 18.48% |
iFree 新興国株式インデックス | 21.87% |
投資信託・債券・REIT・ETFから決める
投資信託・債券・REIT・ETFでポートフォリオを決めることもできます。それぞれの違いについて解説します。
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概要 | 利回り | |
---|---|---|
投資信託 | 株式や債券などの詰合せ、専門家が運用、少額投資可能 | 中 |
債券 | 期日まで保持で元本割れなし、利子が得られる、安全性が高い | 低 |
REIT | 不動産物件の詰合せ、専門機関が運用、少額投資可能 | 中 |
ETF | 上場している株式の投資信託、TOPIXなどの指標と連動する | 高 |
▼投資信託のおすすめ銘柄
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銘柄名 | ファンドの特色 | 利回り(1年) | 手数料 |
---|---|---|---|
米国製造業株式ファンド | 世界経済を牽引する米国の製造業に厳選投資 | 31.68% | 1.87% |
One国内株オープン | 国内の中小型株へ分散投資、TOPIXを上回ることを期待 | 32.89% | 1.76% |
大和住銀DC国内株式ファンド | TOPIXをベンチマーク、中長期的に上回ることを目指す | 45.36% | 1.045% |
▼おすすめの債券
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債券名 | S&P格付 | ムーディーズ格付 | 円/外貨建て | 満期までの期間 | 条件 |
---|---|---|---|---|---|
アップル 米ドル建て社債(既発債) | AA+ | Aaa | 外貨建て | 2028年8月5日 | なし |
米国国債 米ドル建債券 トレジャリーノート | AA+ | Aaa | 外貨建て | 2029年3月31日 | なし |
オラクル 米ドル建債券 | BBB | Baa2 | 外貨建て | 2046/7/15 | なし |
▼REITのおすすめファンド
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ファンド名 | 地域 | 決済回数 |
---|---|---|
J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) | 日本 | 12回 |
オーストラリアREIT・リサーチ・オープン(毎月決算型) | オセアニア | 12回 |
アジアREIT・リサーチ・オープン(年2回決算型) | 香港、シンガポール | 2回 |
▼おすすめのETF
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名称 | 連動対象指標 | 信託報酬 |
---|---|---|
上場インデックスファンドTOPIX | TOPIX | 0.053% |
上場インデックスファンド225 | 日経平均株価 | 0.098% |
SPDR® S&P500® ETF | S&P500指数 | 0.0945% |
インデックスファンド・アクティブファンドから決める
投資信託のインデックスファンドとアクティブファンドからポートフォリオを組むこともできます。2つの違いを比較すると以下の通りです。
(左右にスクロールできます)
リターン | リスク | コスト | |
---|---|---|---|
インデックスファンド | 低い | 低い | 低い |
アクティブファンド | 高い | 高い | 高い |
インデックスファンドは、市場全体動きを示す指標に連動する値動きを目指す投資信託です。代表的な指標としては、S&P500やTOPIXなどがあげられます。
▼インデックスファンドのおすすめファンド
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ファンド名 | 直近時点の1年間リターン | ファンドカテゴリー |
---|---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 44.97% | 国際株式・北米(F) |
たわらノーロード TOPIX | 37.38% | 国内大型ブレンド |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 37.20% | 国際株式・グローバル・含む日本(F) |
対してアクティブファンドは、専門家が企業を分析し、厳選した株式だけをまとめた投資信託です。インデックスファンドを上回るリターンを目指しています。
▼アクティブファンドのおすすめファンド
(左右にスクロールできます)
ファンド名 | 直近時点の1年間リターン | ファンドカテゴリー |
---|---|---|
野村 世界業種別投資シリーズ (世界半導体株投資) | 89% | 国際株式・グローバル・含む日本(F) |
iTrustロボ | 59% | 国際株式・グローバル・含む日本(F) |
中欧株式ファンド | 56% | 国際株式・エマージング・複数国(F) |
50代で新NISAを始めるメリット
50代から新NISAを始めるメリットは多くあります。この章では50代から新NISAを始めるメリットを解説します。
▼50代で新NISAを始めるメリット
- 退職前だからこそ50代にはおすすめ
- 老後資金を形成していくことができる
- NISAは高齢者に向けて発足された制度だから今から準備ができる
次項より詳細を解説します。
退職前だからこそ50代にはおすすめ
50代は定年退職前だからこそ、新NISAがおすすめです。50代の平均年収は607万円となっており、若い世代に比べて収入が高い傾向にあります。
その高い収入の一部を新NISAで資産運用しましょう。多くの資金を運用することで、より多くの資金形成をしやすくなります。また、長期的に運用することでより多くの老後資金を形成できます。
老後資金を形成していくことができる
新NISAは老後資金を形成していくことができます。「老後2,000万円問題」はニュースなどで聞いたことがあるのではないでしょうか。その内容は、老後に年金以外で2,000万円の生活費が必要になるということでした。
50代から新NISAで、10年、20年とより多くの資金を運用していくことで、より多くの老後資金を形成していくことができます。
NISAは高齢者に向けて発足された制度だから今から準備ができる
そもそもNISAは高齢者に向けて発足された制度です。
NISA発足以前の2009年頃は「年100万以下の配当・年500万円以下の譲渡益は10%、それを超える場合20%」という税制優遇制度でした。
この制度は複雑なうえに、高齢者が退職金を投資信託で運用し、月間9万円受け取れば超えてしまうため、多くの定年退職者が該当して問題となりました。
「高齢者の安心と活力を強化するための合同部会」より、税制優遇制度の改善検討を提案され、発足されたものがNISAとなります。
さらに2024年1月から新NISAへと税制改正され、より使い勝手の良い税制優遇制度となっています。
新NISAは、50代のうちから積立を行い、退職金などを活用することで老後資金の準備がしやすくなっています。ぜひ活用しましょう。
50代で新NISAを始めるデメリット
結論、50代で新NISAを始めるデメリットは特にありません。
深堀して考えてみましょう。
定年退職すると収入が途絶え、新NISAの積立が難しくなるかもしれません。しかし、例えば55歳から新NISAを始めたとしても、65歳の定年まで10年あります。
10年の期間があれば、資産形成は可能です。また、10年の期間に満たない場合も、退職金を切り崩しながら、生活資金と積立金を用意する方法もあります。そのため、例え59歳で新NISAを始めても遅くありません。
他のデメリットとして、高齢になるにつれ、死亡のリスクが高くなることが考えられます。しかし、下記の平均寿命のデータを参照するとわかるように、近年、平均寿命は延びてきています。
平均寿命 | 男 | 女 |
---|---|---|
1990年 | 75.92歳 | 81.90歳 |
2019年 | 81.41歳 | 87.45歳 |
※出典:厚生労働省【主な年齢の平均余命】
今後、医学の発展により、さらに平均寿命は伸びることが考えられるでしょう。そのため、例え59歳で新NISAをはじめても遅くないといえるでしょう。
以上のことから、50代から新NISAを始めるデメリットは特にないと考えられます。
50代で新NISAを始める際の注意点
新NISAを活用すると老後の資産形成がしやすくなります。しかし、50代で新NISAを始める際に注意しなければならない点がいくつかあります。
以下より、注意点を紹介します。
▼50代で新NISAを始める際の注意点
- 投資期間が5年以内だと元本割れリスクがある
- 投資期間が10年だと債券と株式の運用益はいまいち
- 投資期間が15年だと元本割れの可能性が低い
投資期間が5年以内だと元本割れリスクがある
投資期間が5年以内だと元本割れリスクがあります。以下のデータを参照してください。
運用資金:1,000万円(一括投資)
運用期間:5年
投資対象:国内債券、外国債券、国内株式、全世界株式、先進国株式、米国株式
シミュレーション内容:1989年10月末に一括投資をスタートするケースから、2018年12月末に一括投資をスタートするケースまで、1ヵ月ずつずらした351ケース
5年間運用 | 平均最終価格 | 元本割れの割合 |
---|---|---|
国内債券 | 1155万円 | 7% |
外国債券 | 1301万円 | 10% |
国内株式 | 1219万円 | 47% |
全世界株式 | 1558万円 | 25% |
先進国株式 | 1690万円 | 23% |
米国株式 | 1808万円 | 26% |
※出典:ニッセイ基礎研究所【新NISA、50代などからの資産形成はどうするのか】
以上のことから、投資期間が5年間だと元本割れの割合が高いことがわかります。理由として、投資終了時点の投資地域の経済状況や政治的イベントなどの情勢により、投資対象の市場価値が変動するからです。
5年以内の運用期間はリスクが大きいため、より長い運用を目指しましょう。
投資期間が10年だと債券と株式の運用益はいまいち
投資期間が10年だと運用益はいまいちな結果となります。以下のデータを参照してください。
運用資金:1,000万円(一括投資)
運用期間:10年
投資対象:国内債券、外国債券、国内株式、全世界株式、先進国株式、米国株式
シミュレーション内容:1989年10月末に一括投資をスタートするケースから、2018年12月末に一括投資をスタートするケースまで、1ヵ月ずつずらした351ケース
10年間運用 | 平均最終価格 | 元本割れの割合 |
---|---|---|
国内債券 | 1303万円 | 0% |
外国債券 | 1681万円 | 0% |
国内株式 | 1468万円 | 48% |
全世界株式 | 2151万円 | 9% |
先進国株式 | 2435万円 | 11% |
米国株式 | 6291万円 | 15% |
※出典:ニッセイ基礎研究所【新NISA、50代などからの資産形成はどうするのか】
投資期間が5年のケースと比べると元本割れの割合は小さくなりましたが、株式に投資するケースはまだリスクが大きいことがわかります。また、リスクの割には運用益がいまいちであることがみてとれると思います。
投資期間が10年の場合は、元本割れを注意しながら、投資終了時期をずらすことも考慮しましょう。
投資期間が15年だと元本割れの可能性が低い
投資期間が15年だと元本割れの可能性は低くなります。以下のデータを参照してください。
運用資金:1,000万円(一括投資)
運用期間:15年
投資対象:国内債券、外国債券、国内株式、全世界株式、先進国株式、米国株式
シミュレーション内容:1989年10月末に一括投資をスタートするケースから、2018年12月末に一括投資をスタートするケースまで、1ヵ月ずつずらした351ケース
15年間運用 | 平均最終価格 | 元本割れの割合 |
---|---|---|
国内債券 | 1448万円 | 0% |
外国債券 | 2128万円 | 0% |
国内株式 | 1533万円 | 40% |
全世界株式 | 2962万円 | 0% |
先進国株式 | 2962万円 | 0% |
米国株式 | 3201万円 | 0% |
※出典:ニッセイ基礎研究所【新NISA、50代などからの資産形成はどうするのか】
国内株式の元本割れの割合が40%とあるが、今回のシミュレーション期間のほとんどが「日本バブル崩壊以降」となっており、日本経済の低迷期と重なるためです。
しかし、アベノミクス以降の近年は元本割れのケースは少なくなっています。
15年以上の長期運用をすると、元本割れリスクは小さくなり、最終価格が高額となることがみてとれるでしょう。
可能であれば、15年~20年の長期運用を目指しましょう。
50代で新NISAを賢く運用するポイント
50代は比較的収入が多く、老後資金の準備期間も充分にあります。しかし、より多くの資産形成をするためには、新NISAを賢く運用していくことが重要となっています。
以下より、ポイントを紹介します。
▼50代で新NISAを賢く運用するポイント
- 60代までの長期間運用を考える
- 高配当を狙うなら攻めの米国株投資
- リスク分散を狙うなら守りの債券投資
60代までの長期間運用を考える
先述した通り、10年、15年と長期間運用になるにつれ、元本割れリスクが低くなり、最終価格が高くなります。
そのため、基本的には10年以上となるよう60代までの運用を考えましょう。そして、さらにできるだけ長期間となるように、「収入のあるうち」または「生活に余裕があるうち」は運用し続けるようにしましょう。
また、現在の一般的な定年退職の年齢は65歳なので、少なくとも65歳までの長期間運用を考えましょう。
高配当を狙うなら攻めの米国株投資
余剰資金のある人は、ある程度のリスクを取り、高配当を狙う米国株投資もおすすめでしょう。
米国株式は、国内株と比べて、株主還元を重視する企業が多いといわれています。
その理由として、米国株には年4回の配当金を支払う企業や、配当金額を増やす「連続増配」をしている企業が多くあります。
長期間連続増配している有名な企業は以下の通りです。
企業名 | 連続増配年数 |
---|---|
プロクター・アンド・ギャンブル(PG) | 63年 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 57年 |
コカ・コーラ(KO) | 57年 |
マクドナルド(MCD) | 43年 |
AT&A(T) | 35年 |
▼米国株式のおすすめファンド
ファンド名 | 投資先 | PBR(実績) |
---|---|---|
マクドナルド(MCD) | 飲食店&バー | -44.92 |
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ) | 医薬品 | 5.58 |
コカ・コーラ(KO) | 清涼飲料水 | 9.89 |
リスク分散を狙うなら守りの債券投資
リスクをできるだけ抑えたい人は、リスク分散を狙う債券投資がおすすめです。
債券投資は、債券を購入した分の利息を受け取ることができます。また、償還年月日まで保持することで元本保証されているため、安定した投資といえるでしょう。
「米国国債 米ドル建債券 トレジャリーノート」は、アメリカの国債です。アメリカ国債は一般的に最も債務不履行リスクが低いといわれてるためおすすめできます。
▼債券のおすすめ銘柄
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銘柄名 | 投資先 | 償還年月日 | 利回り |
---|---|---|---|
米国国債 米ドル建債券 トレジャリーノート | 米国国債 | 2032年5月15日 | 2.87 % |
欧州復興開発銀行債 | インド国債 | 2028年1月13日 | 5.946% |
個人国債 変動5年 第156回 | 国内国債 | 2029年4月15日 | 0.3300% |
50代の新NISAでよくある質問Q&A
50代で新NISAを始めるときによくある質問と回答を紹介します。
▼よくあるQ&A
- 新NISAを50歳からはじめるのは遅い?
- 新NISAとつみたてNISAの違いは何?
新NISAを50歳からはじめるのは遅い?
Q.新NISAを50歳からはじめるのは遅い?
A.遅くありません。
先述しましたが、新NISAは高齢者が老後資金を準備できるように発足された制度です。
65歳で定年退職し、収入がなくなったとしても、10年あれば充分間に合うでしょう。また、運用可能期間が10年満たない場合も、適正なリスクをとることで、充分資産形成が可能といえます。
他にも、退職金を活用し、生活資金と積立金を用意するプランも考えられます。
とはいえ、新NISAを始めるのは早い方がいいです。その理由に、投資信託は長期運用することで元本割れリスクを減らせるためです。
50歳から始めても遅くはないですが、リスクを抑えるために50代の早いうちに始められるとよいでしょう。
新NISAとつみたてNISAの違いは何?
Q.新NISAとつみたてNISAの違いは何?
A.「つみたてNISA」は旧NISA制度の積立投資機能のことです。そして、「新NISA」は2024年1月から始まった新しいNISA制度です。
2つの違いを比較すると下記の通りです。
▼新NISAと旧NISAの違い
新NISA | 旧NISA | |
---|---|---|
積立投資機能 | つみたて投資枠 | つみたてNISA |
一括投資機能 | 成長投資枠 | 一般NISA |
積立/一括併用 | 併用可能 | 併用不可 |
年間投資枠(積立) | つみたて投資枠 120万円 | つみたてNISA 40万円 |
年間投資枠(一括) | 成長投資枠 240万円 | 一般NISA 120万円 |
非課税保有限度額 | 1800万円 | 積立800万円or一括600万円 |
非課税保有期間 | 無期限 | 20年間 |
投資枠の再利用 | 可能 | 不可 |
以上のように、新NISAは使い勝手がよくなり、非課税であるため、お得に資産形成が可能となりました。
50代から新NISAを始めるなら「マネーキャリア」にご相談ください
50代から新NISAを始めるなら、国家資格FPをもった専門性の高いプロが在籍している「マネーキャリア」にご相談ください。
専門家に相談するメリットは以下の通りです。
▼専門家に相談するメリット
- 専門家のアドバイスで運用成績の良い銘柄を選べる可能性が上がる
- 自身のライフスタイルに合ったアドバイスがもらえる
順番に詳しく解説します。
【専門家のアドバイスで運用成績の良い銘柄を選べる可能性が上がる】
新NISAでより多くの資産を形成する為には、運用成績の良い銘柄を選ぶ必要があります。下記のように銘柄が違うだけで、運用益に大きな差が生まれてしまいます。
毎月10万×15年 (元本1800万円) | 米国株式(S&P500) | 日本株式(TOPIX) |
---|---|---|
1973年から2002年 30年保有 | 1億3616万円 | 3417万円 |
1982年から2011年 30年保有 | 6883万円 | 1350万円 (元本割れ) |
1993年から2022年 30年保有 | 1億5342万円 | 3889万円 |
※出典:AERA dot.(アエラドット)【新NISA「5年で1800万円投資vs15年で1800万円投資」元本割れした年は】
運用益は経済状況や、世界情勢により変動します。投資した金額、期間が同じであった場合でも、銘柄が違うだけで運用益に大きな差が生まれてしまいます。
運用成績が良い銘柄を購入するためには、世界経済や過去の投資実績を分析する必要があります。しかし、多くの投資初心者は難しいと感じることでしょう。
難しい分析は専門家に任せ、アドバイスを受けることで最適な銘柄が選べる可能性が上がります。
最適な銘柄を選び、より多くの資産で老後生活を豊かなものにしましょう。
【自身のライフスタイルに合ったアドバイスがもらえる】
新NISAを始める際に、多くの場合、ネット証券会社を勧められるでしょう。その理由として「口座開設しやすい」「選べる銘柄が豊富」「手数料が安い」「最低積立金が少額」などがあげられます。
しかし、ネット証券は「窓口がないため相談できない」ことがデメリットです。
そこでおすすめするのが「相談窓口会社とネット証券を併用すること」です。これにより、ネット証券のメリットを最大限活かしつつ、デメリットの「相談出来ない」部分を相談窓口会社で補うことができます。
お金の相談窓口会社は「マネーキャリア」がおすすめです。
「マネーキャリア」は投資の専門家と国家資格FP所持者が在籍し、お金の疑問や悩みごとなどお金のこと全般を相談できるため、ライフスタイルに合ったアドバイスが可能です。
さらに、相談料金は無料です。金融機関からの契約手数料で運営しているため、お客様は何度相談しても料金はいただきません。
また、相談方法は「LINE」「ZOOM」「対面」から選択可能です。
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新NISAのつみたて投資枠で投資可能な銘柄は282本あるため、多くの人は迷うことでしょう。
この章では、手数料の安さや利回りが良い商品を基準に、50代から新NISAをはじめる際のおすすめ銘柄を紹介します。
▼50代におすすめ銘柄
(左右にスクロールできます)
- eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- たわらノーロード先進国株式
順番に詳しく解説します。