法人契約の個人年金保険とは?補償内容と経理処理などについて解説!

個人年金保険は法人も契約できるということをご存知ですか?法人経営者で従業員の年金対策を考えている方は法人契約の個人年金保険を検討してみましょう。しかし状況によって税理処理が変わってくるので注意が必要です。今回は個人年金保険の内容と経理処理について解説します。

個人年金保険は法人でも契約することができるの?補償内容は?

法人で従業員の年金対策ができないかと考える経営者は多くいらっしゃいます。


個人年金保険は法人契約できることを知っていても、具体的な内容や経理処理について詳しくないという方も多いのではないでしょうか。


しかし、個人年金保険は保険金の受取人の違いで、資産・給与・損金と経理処理が変わってしまうため、正しく理解しないと損をする可能性があります。


そこで、この記事では「個人年金保険の内容と経理処理」について、

  • 個人年金保険の法人契約と個人契約の違い
  • 法人契約で個人年金保険に加入するメリット・デメリット
  • 個人年金保険の保険料の経理処理
  • 法人が年金を受け取ったときの経理処理
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、個人年金保険の内容と賢い使い方が分かり、本当に法人に必要なのか正しい判断ができるようになります。

ぜひ最後までご覧ください。

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個人年金保険の内容は?法人契約と個人契約との違い

まず、年金の基本的なところから確認していきましょう。


国民年金は国の制度で、年金の加入と保険料納付は義務です。そして、保険料や受け取れる額も決まっています。


個人年金保険は民間の保険会社が取扱し運用しているため、保険商品それぞれが違い、もちろん任意加入となっています。


そのため、個人年金保険は保険料や年金額などに違いがあるため、自由度が高く、そのため選び方次第で差がでます。


これから法人契約するのは個人年金保険となり、法人にとっては会社の福利厚生の充実をはかり、節税の効果があります。


法人契約と個人契約も、年金支払い日に被保険者が生存している場合は、定められた期間にわたって年金が支払われ、同日前に死亡・または高度障害になった場合は、死亡給付金が支払われます。


法人契約と個人契約の違いとして挙げられるのは、年金の扱い方が異なります。


個人契約で年金を受け取った場合は所得税や贈与税がかかりますが、法人契約で受け取った場合は益金に算入し、保険積立金を一定の割合を乗じて損金に算入します。

法人契約で個人年金保険に加入するメリット・デメリットは?

これから法人契約での個人年金保険に加入する場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。


個人年金保険を企業で加入する場合、経営者のみ加入することはできるのですが、それだとこれから説明するメリットの節税効果がありません。社員全員加入の福利厚生(普遍的加入)としていないと、節税の扱いをうけられないのです。


そのため、経営者個人の方の年金を増やしたいと考えるのであれば、個人のお財布から個人型の個人年金に加入した方がいいです。


これから見ていただくのは、会社としてのメリット・デメリットを見ていきますので、よくお読みになり、加入を検討してください。

【メリット】保険料の損金算入などで多少の節税になる

法人契約で個人年金保険に加入するメリットは3つあります。

  • 法人税の減税
  • 社会保険料の減額
  • 途中退職や死亡退職の退職金にできる
このような効果が期待できます。詳しく説明していきます。

まず、法人税の節税です。支払った保険料を一部損金算入できるためです。損金に算入するということは経費として処理できるということです。

しかし、損金に算入できるのは支払った保険料の10分の1となっています。残りの9割は資産として計上するため、減税効果はわずかです。

次の社会保険料の減額です。これは、従業員の給与の一部を年金として積み立てることになるので、給与自体が減ることになります。そうなるとその分会社負担の社会保険料の負担が減ることにつながるため減額が期待できます。

最後の退職金ですが、社員全員が定年まで勤めるわけではありません。途中退職の場合はその従業員にかけられていた個人年金保険は解約することになります。

年金は貯蓄性が高い保険商品のため、解約してもある程度戻ってきます。それを退職金にすれば、別に準備する必要がありません。

また、個人年金保険は生命保険を兼ねているため、従業員が死亡してしまった場合にはまとまった額の保障がおります。その受け取り人を家族とすることで、会社としての保障とすることができるのです。

【デメリット】退職した従業員が増えると経理処理が大変になる

法人契約で個人年金保険に加入するメリットを読むと、なかなかいい面があると感じられたかと思います。

それでは、ここで反対にデメリット見ていきましょう。

デメリットはお気づきになったかもしれませんが、従業員一人一人に年金がでたら仕訳などの経理処理を行わなければならないことです。退職した人が多くなればなるほど、その手間は膨大になります。

この負担を減らすためには、退職者が出るたびに法人契約の個人年金保険を個人契約に切り替えると退職時には手間が増えますが、その後の処理はなくなるためおすすめです。

法人保険の節税を検討するならまずは保険のプロに無料相談!



法人保険を用いて節税を検討をすることは重要ですが、会社によって最適な保険商品は異なります。また、現状の業績や事業内容、キャッシュフローの計画など様々な数字を見て判断することが重要です。


法人保険の専門家は保険の知識だけでなく、最適な節税プランなどについても相談することが可能です。


経営者にとって最適な法人保険を選ぶために知識を身につけることは重要ではありますが、そのために時間を失うことはとても惜しいです。


そのため、最後は自分でで納得して決めることは重要ですが、まずは専門家の意見を聞いて自分の考えと照らし合わせることが大切になります。


マネーキャリアならオンラインで気軽に無料相談ができ、些細な疑問や自分で調べることなどがあればなんでも聞くことができます。


また、すでに保険の加入している方も、一度セカンドオピニオンとして外部の節税プランや知識を吸収する機会にもなるためぜひ利用してみてください!

個人年金保険の保険料の経理処理はどうなるの?

個人年金保険を法人契約にすると、保険金受取と年金受取がどこになるかで支払い保険料の経理処理が変わります。


具体的には

  • 死亡保険金受取・年金受取が法人
  • 死亡保険金受取・年金受取が被保険者・被保険者の家族
  • 死亡保険金受取を法人、年金受取を被保険者

の3パターンで分かれます。


どのパターンになるかで節税効果も変わり、法人で個人年金保険を契約する際は最適なものを選択する必要があります。


それぞれのパターンについて解説します。

ケース①:保険金受取・年金受取を法人とした場合

保険金受取・年金受取を法人とした場合は、支払保険料は保険積立金などの資産計上となります。


例えば500万円が保険料で積み立てる場合は、

借方貸方
保険料積立金 500万円現金・預金 500万円


1000万円の死亡給付金の支払いを受けた場合は、

借方貸方
現金・預金 1000万円保険料積立金 1000万円



個人年金保険は貯蓄性が高いですが、法人が年金受取人になる場合は損金に算入することができません。


ただし、個人年金保険は返戻率が100%を超えることも少なくなく、銀行などの定期預金より高い利息が受け取れる場合もあります。


定期預金より高い利息が欲しい場合は、個人年金保険の受け取りを法人にするのも選択肢として考えられます。

ケース②:保険金受取を被保険者・被保険者の家族にした場合

保険金受取人・年金受取人が被保険者や被保険者の家族の場合は、給与として扱われます。


500万円を保険料として支払う場合は、


借方貸方
給与 500万円現金・預金 500万円


となります。


死亡給付金や年金の支払い時には法人の経理処理はありません。


給与扱いになる理由としては、個人年金保険は非常に貯蓄性が高く、その保険料を法人が負担することは、現金を支給しているのと変わらないと判断されるためです。

ケース③:年金受取を被保険者・死亡保険金受取を法人にした場合

年金受取を被保険者に、死亡保険金受取を法人にした場合は、保険料の10分の9を資産に計上し、残りの10分の1を損金に算入します。


500万円を保険料として支払う場合は、


借方貸方
保険積立金 450万円現金・預金 500万円
福利厚生費 50万円


という形になります。


支払った保険料の一部が損金として扱われるので、節税しながら従業員への年金対策を行うことができます。


ただし、被保険者が役員のみなど特定の者だけの場合は、支払う保険料が全額給与として扱われるので注意が必要です。

年金受取前に被保険者の従業員が退職した場合は?

年金受取前に被保険者が退職した場合、その個人年金保険を退職者へ契約者変更すると、解約返戻金相当額の退職金として取り扱います。


例えば解約返戻金が300万円の場合、


借方貸方
退職金 300万円保険積立金 300万円


となります。


個人年金保険の解約返戻金は、加入年月が長いほど解約返戻率も高まりますが、加入後2年ほどは解約返戻率が著しく低くなってしまいます。


従業員や役員を被保険者にするなら、退職金についてのトラブルを避けるためにも、途中解約時の解約返戻金の変化について説明しておきましょう。


参考:法人が年金を受け取ったときの経理処理はどうなるの?

従業員の退職後、法人が年金受取人として年金を受け取った場合の経理処理はどうなるのでしょうか?


まず、今まで積み立ててきた保険料積立金と配当金積立金を、年金積立保険料として振り替えます。


▼支払った保険料の合計が1000万円の場合

借方貸方
年金積立保険料 1000万円保険料積立金 1000万円


年金を受け取ったときは、年金積立保険料から金額を取り崩し、受取金額との差額に配当金の額を合算し、雑収入として益金に算入します。


▼20年確定年金で、年金の年額が80万円の場合

借方貸方
普通預金 80万円年金積立保険料 50万円
雑収入 30万円


従業員が退職し、法人が年金を受け取った場合の経理処理はこちらです。


▼年金受取額が300万円の場合

借方貸方
現金・預金 300万円年金積立保険料 220万円
雑収入 80万円


続いて、法人が退職した従業員へ年金を支払う場合はどうなるのでしょうか?


法人が従業員へ退職年金を支払う場合は、その金額を退職年金として損金に算入することが可能です。


源泉徴収税額分は預かり金となります。


▼年金受取額が300万円の場合

借方貸方
退職年金 300万円普通預金 220万円
預かり金 80万円


退職した従業員数が増えると、これらの経理処理の計算数が増えてしまうのが、個人年金保険を法人契約した場合の問題と言えるかもしれません。

まとめ:法人契約の個人年金保険を検討してみよう

個人年金保険の内容と経理処理について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 法人で個人年金保険に加入すると、保険料の一部を損金に算入できる
  • 死亡保険金・年金の受取先によって経理処理と節税効果が変わる
  • 年金受取を被保険者・死亡保険受取を法人にした場合、保険料の90%が資産に、残り10%を損金に算入する
  • 法人が従業員へ退職年金を支払う場合、損金に算入できる
です。

個人年金保険は正しく扱うと法人に利益をもたらしますが、解約時期など使い方を誤ると損をしてしまう可能性があるので注意が必要です。

この記事が、法人で個人年金保険に契約することが経営戦略にマッチしているか、検討する判断材料となれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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