逓増定期保険をわかりやすく解説!デメリットや経理処理の方法とは?

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法人保険にはさまざまな種類があり、従業員に万が一のケースがあったり役員の退職金などを準備したりする目的で加入を検討する企業が多いです。

種類のひとつに逓増定期保険と呼ばれる、加入期間に応じて保険金が増えていく保険の種類があります。一方で、国税庁の通達により、以前ほど節税できなくなったり制約が増えたりしたので、以前の感覚で逓増定期保険へ加入するのには注意しなければなりません。

そのため、「逓増定期保険が自社にマッチしているのか」と加入検討に悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、逓増定期保険の概要からメリット・デメリット、おすすめの保険を簡単に見直せる方法まで紹介します。

・逓増定期保険への加入を検討しているが処理が複雑で懸念がある
・税制改正後、逓増定期保険以外にも実は自社に合う保険があるのではと感じている

方は本記事を参考にすると、逓増定期保険が自社にあっているのかが判断でき、自社のリスクの備えも正しくできるようになります。

内容をまとめると

  • 逓増定期保険とは保険期間が前期と後期で分かれ、とくに後期から保険金額が最大5倍まで増えていく保険であり、事業保障や退職金準備で加入する企業が多い。
  • メリットは「契約期間が短く、最高解約返戻率までのピークが短い」デメリットは「損金割合が低く、ケガのみへの補償しかないケースや、選定に専門知識が必要になる」点。
  • 税制改正前と比較すると「節税対策」を目的とした保険はほぼなくなっているのが現状なので、すでに加入している保険はもちろん、逓増定期保険を含む保険加入の検討にはマネーキャリアを有効活用する企業も多い。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

目次を使って気になるところから読みましょう!

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逓増定期保険とは?

逓増定期保険のイメージ図

逓増定期保険のイメージ図

逓増適期保険の読み方は「ていぞうていきほけん」で、逓増の言葉には「徐々に増えていく」意味があります。


逓増定期保険とは、経営者が死亡した際などのもしもの事が起こった際に、資金準備をすることができる経営者や役員個人向けの生命保険になります。


逓増定期保険の保険期間は前半と後半の2つの期間に分けて考えられます。


前期・後期ともに一定期間経過後に契約時に定めた逓増率により、基準保険金額が徐々に増加する仕組みなだけではなく、増加した分の保険金額は保険満了の時まで保証されるのです。


逓増定期保険は契約後に返戻率が高くなり、ほぼ100%の解約返戻率を5年で達成する保険の場合は損金算入率は約12%と言えます。


逓増定期保険は解約した時に保険会社から支払われる解約返戻金を用いて、以下の準備も可能です。

  • 今後の事業を守るための事業保障
  • 経営者が引退した時の退職慰労金
  • 経営者が死亡した場合の死亡退職金や弔慰金


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逓増定期保険の経理処理の方法とは?改正前との違いをわかりやすく解説!



2019年に逓増定期保険や長期平準定期保険を含む定期保険などの保険料の取り扱い方法を見直すと発表が国税庁からされたことで、これまで全額損金算入できていた保険料が「一定の範囲のみ損金算入できる」と改正されました。


以下が改正後の保険料の取り扱いについてです。以下の表は横にスクロールできます。

最高解約返戻率資産計上期間資産計上額取り崩し期間
~50%なし
なし
(100%損金算入)
なし
51%~70%保険開始から満期までの4割の期間
年間保険料30万超〜は40%
(年間保険料30万以下は100%損金算入)
保険期間の約75%が経過した後から
保険期間の終了日まで
71%~85%保険開始から満期までの4割の期間年間保険料の60%保険期間の約75%が経過した後から
保険期間の終了日まで
86%~以下のいずれか長い期間まで
①契約日~返戻率ピークとなる期間終了日まで
②上記①の期間経過後に、年換算保険料相当額に対して解約払戻金の増加割合が70%を超える期間
契約年〜10年:年間保険料-(年間支払保険料×最高解約返戻率×0.9)
11年〜返戻率ピークの年:年間保険料-(年間支払保険料×最高解約返戻率×0.7)
解約返戻金の最高額となる期間から
保険期間の終了日まで

最高返戻率が51〜70%の場合は「支払う年間保険料」、解約返戻率が86%〜の場合は「契約年から10年の節目」で損金割合が変わるので、注意が必要です。

資産扱いになった保険料は加入から一定期間後に残りの保険期間の年数で割り、経理処理上損金に計上するようにします。

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逓増定期保険の3つのメリット


逓増定期保険の解約返戻率の上がるペースが他の保険よりも早いので、法人が退職金や慰労金の用意で加入検討されることが多い保険です。


そこで以下では、逓増定期保険に加入には具体的にどのようなメリットがあるかを3つ解説します。逓増定期保険に正しく加入できている法人は、メリットを正しく理解して加入しているのです。

①標準契約期間が短い

逓増定期保険は、保険の契約期間が通常の掛け捨て定期保険よりも短くて済みます。


本来、死亡保障が付いた掛け捨てタイプの定期保険は、解約返戻金そのものがないか、受け取れるとしても30年以上続けて満了後に解約返戻金を受け取れます。


しかし、逓増定期保険は保険期間がおよそ20年であるのにもかかわらず、タイミングを間違えなければ高い返戻率で解約返戻金を受け取れます。

②5~10年で解約返戻率が最大になる

逓増定期保険は5~10年の加入から短い期間で、解約返戻金が最大になります。


一例として、基本保険金額が1億円、年間保険料が約102万円の逓増定期保険において、どのように保険金が逓増するかは以下のとおりです。

経過年数(年)払込保険料合計(円)解約返戻金(円)返戻率(%)
110,266,9007,118,00069.3
220,533,80016,610,00080.8
330,800,70026,245,00085.2
441,067,60036,028,00087.7
551,334,50045,969,00089.5
661,601,40055,547,00090.1

50歳で加入した場合、たった6年で返戻率が9割に達しています。


この特徴を利用して、企業に何らかの大きな出費があると予定される年に合わせて解約返戻金がピークになるように保険に加入すると、ちょうど大金が必要とされるタイミングでまとまったお金を受け取れるのです。


その「大金が必要とされるタイミング」とは、

  • 役員報酬の支払い
  • 退職金の支払い
  • その他改修工事など大きなイベント
このように、企業にとって多額のキャッシュを必要とすると予測される時点を指します。

解約返戻金は益金で計上できるだけではなく、将来的に会社が経営難に陥ってしまい費用が支払えなくなるリスクにも対処できるメリットがあります。

会社全体としてのキャッシュバランスが保てるので経理上はもちろん、予測不能事態へ備える面でも一石二鳥と言えるのです。

③保険金額が最大で5倍になる

逓増定期保険は、保険金額が加入時と比べて最大5倍にまで倍増します。


さきほどと同じく基本保険金額が1億円の例を見てみましょう。

経過年数(年)死亡・高度障害
保険金額
1100,000,000
3100,000,000
5100,000,000
7225,000,000
9500,000,000


上記例での逓増定期保険では、ちょうど加入10年目で保険金額が5倍の5億円にまで膨れ上がっています。最大保険金額に達すると、保険期間の満了まで保険金額が保障される点も特徴です。

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逓増定期保険の6つのデメリット



逓増定期保険には
  • 他の保険では類を見ない短期間で最大になる解約返戻率
  • 数年後にまとまったお金の出費が予定されている場合に適している
  • 標準保険期間が他の保険と比べて短めに設定されている

などのメリットがありましたが、デメリットも併せ持っています。


そこで以下では逓増定期保険が持つデメリットを解説します。デメリットも把握しておかなければ、自社にマッチしないう保険に加入してしまうケースにもなりかねないので注意しましょう。

①損金割合が低い

まずは、損金割合が他保険と比べて低いことが挙げられます。


逓増定期保険が販売されたはじめの頃は保険料が全て損金として扱われ会社から出た必要経費として計算されてきました。 


しかし、逓増定期保険の税対策の効果があまりにも高く、他保険とのバランスが取れないこともあり国税庁の見直しが入ったのです。


税負担を軽減するためには、支出の中でも「損金」対象にできる金額が多い方が望ましいです。一方、逓増定期保険は税制改正のメスが入り、逓増定期保険の損金の割合は2021年現在で、ほぼ100%の解約返戻率を5年で達成する保険の場合は損金算入率は約12%と少なくなりました。


つまり、損金として扱える支出が少ないため税負担の軽減策としては十分ではなく、決算末における対策には不向きなデメリットがあります。

②健康診断をしないと加入できない

逓増定期保険の中には健康診断の結果提出が必須であるものもあるため加入条件には注意が必要です。


理由として、健康上の問題がないことを証明するために、健康診断の受診や結果の提出を必須としているからです。


つまり、保険会社があらかじめ決めた最低限の健康条件を満たさなければ、逓増定期保険に加入できません。保険会社としては健康上のリスクを抱えている人に保険加入を許してしまうと保険金を支払う可能性が上がる懸念があります。


「低解約返戻金型逓増定期保険」など、継続期間中に終身保険への切り替えができる保険商品などはある一方で、基本的には傷病名や通院歴などを証明するために、健康診断が必須となります。

③病気の保障がないケースがある

逓増定期保険の中には契約してからの一定期間は病気の保障はなく、怪我による保障のみとする逓増定期保険もあります。


これは保険会社側の都合もあり、保険会社側の受け入れリスクを少しでも減らすために始まった仕組みです。


病気の保障がつかない代わりに、健康診断や健康上のボーダーラインが撤廃されている保険もあるので、これまで保険加入を断られてきた人も保険に入りやすい側面はあります。


しかし、病気になるリスクは歳を重ねるごとに増加するので、突発的な病気は保障対象外になるケースには注意しましょう。

④解約返戻率のピーク期間が短い

最高解約返戻率になるピーク期間が短い点にも注意が必要です。


契約から解約返戻率は急上昇し、返戻率が最高潮を迎えるスピードは、他の保険と比較すると早いです。


しかし、解約返戻率が山場を迎えていると気づかず、そのまま契約続行してしまうケースもあるので注意しましょう。


結果として解約のタイミングを間違えてしまう、解約しなければと手続きをしたときには解約返戻率が少なく、想定していたよりも少ない額の解約返戻金しか受け取れなくなります。


したがって、いつ解約するべきかのタイミングは正しく管理し、手続き忘れがないようにしましょう。

⑤専門的な知識がないと正しく選べない

逓増定期保険は様々な保険商品が販売されていること、税制の変更もあったこともあり、メリットを十分に享受するためには、保険の知識が不可欠です。


「逓増定期保険は退職金対策として数年後多額のキャッシュが必要になる」などと目先のリスクのみで加入検討しても、逓増定期保険の商品は数多くあります。


また、会社によって多額のキャッシュが必要になるタイミング、理由、支払える保険料などは業種・業態によって異なります。


したがって、自社にとって必要な逓増定期保険を見極めて加入するためには、自社状況の把握と同時に、保険に対して幅広い専門的な知識が必要です。


そこで、保険を正しく選ぶためにもマネーキャリアのように、忙しいなかでも無料で法人保険の選び方に特化して相談できサービスを使って、自社にあった保険を選ぶ企業も多いのです。


⑥多くの法人保険代理店の情報が不十分

保険代理店では逓増定期保険全てを取り揃えているわけではなく、特殊な保険は取り扱っていないケースもあります。


保険に加入する際に保険代理店に直接相談する人は多いですが、保険会社の特徴やプラン全てを完璧に把握しているとは言い難い現状があります。


なかには、保険会社と手を組んでそこの保険商品のみを紹介する専属法人保険代理店や、情報が少なく紹介できる商品が少ない法人保険代理店もあるのです。


つまり、法人保険代理店が把握している保険情報が十分とは言えない現実があります。そのため、逓増定期保険に関する幅広い情報を手に入れることが難しいデメリットがあります。

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逓増定期保険の活用方法は節税対策だけではない?



逓増定期保険に支払った保険料の一部が損金計上されることで税負担が軽減されることに注目されがちですが、それ以外にも活用できる方法があります。


以下が逓増定期保険の活用方法です。

  1. 逓増定期保険加入で税負担を軽減することが可能
  2. 事業保障や事業承継に必要な資金を確保することができる
  3. 契約貸付制度が活用できるようになる

それでは上記の内容についてわかりやすく解説します。

①逓増定期保険で税負担が軽減できる仕組み

逓増定期保険は、保険料の一部を損金として計上することで所得額と相殺できます。


まず法人税は、

課税所得金額(益金ー損金) × 法人税率  

この計算式で求められます。

そのうち「損金」として計上できる分が逓増定期保険の保険料であり、現在は保険料のうち「2分の1」を損金として計上できます。

たとえば益金が1億円あり、そのうち1000万円を保険料支払いに充てる場合、
  1. 1億円(益金) ー 1000万円(損金) = 9,000万円(課税所得金額)
  2. 9,000万円(課税所得金額) ✕ 30%(税率) = 2,700万円(法人税額)
このような計算となり、年間で300万円ほど税負担が軽減できます。

ただし、保険料を損金計上するためにはある条件を満たさなければなりません。逓増定期保険の加入で、法人が保険料の2分の1を損金計上するための条件は以下になります。
  • 保険金額の増額が5倍以内である
  • 保険満了時に被保険者が45歳以上である
この2つの条件を満たすことで、逓増定期保険で支払っている保険料を損金計上することができ、税負担を軽減することができます。

②事業保障や事業承継に必要な資金を確保できる

続いての逓増定期保険の活用方法は、資金が必要なシーンで資金確保が可能になることです。


経営者や役員の方々が万が一の事故に巻き込まれたなどで亡くなってしまう可能性がありますが、事故が起こると発生する企業リスクは以下になります。

  • 企業の一時的な信用力の低下
  • 取引先の条件が厳しくなる可能性
  • 経営者などが抱えていた借入金の返済が要求される可能性
このように資金が必要な場合に死亡保険金を企業の資金として確保することで、事業継続の準備ができるようになるのです。

また事業承継の際には、後継者へ自社株を集中させ、経営権を移行させる必要があります。自社株を移行するときに自社株評価額が高いと、後継者に対して税負担が大きくなります。

そこで後継者が自社株を相続する場合には、企業が株式を買い取る方法を取り、税負担を軽減させます。しかし、買い取る際にはもちろん資金が必要なので、逓増定期保険を活用した資金準備も可能です。

③契約貸付制度が活用できるようになる

最後は逓増定期保険に加入することで契約貸付制度が活用できるようになります。


契約貸付制度とは、一時的に資金が必要になった際に、契約している保険の解約返戻金の一部を保険会社から借り入れられる制度です。


急いで資金が必要な際に銀行から借り入れるとなると、手続きが多く間に合わない可能性があります。


しかし、逓増定期保険や他の生命保険に加入していれば、契約貸付制度を利用すると、スピーディーに資金調達が可能です。

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逓増定期保険に加入する際の注意点


企業が逓増定期保険に加入する際に、注意しなければならない点もあります。以下では、逓増定期保険の注意点を3つ取り上げていきます。

  • 元本割れに注意!
  • 返戻金は課税される!
  • 2分の1での損金参入は最初からできない!

①早期に解約返戻金を解約すると元本割れ

逓増定期保険は、解約返戻金がピークを迎える前に解約してしまうと元本割れします。


そもそも解約返戻金を将来受け取れることを前提に、資金をプールしておくことが目的であるため、通常は途中解約しません。


しかし解約返戻金のピークを迎える前にどうしても現金が必要になった、保険料が支払えなくなった、などの理由で安易に解約すると、返戻率が低いため大損となります。


解約返戻金の部分で挙げた表によると、逓増定期保険を1年で解約してしまった場合の返戻率は「69.3%」となり、約40万円も損失を出してしまいます。


保険によっては「契約者貸付制度」を利用して、保障を継続したまま一時的に資金を調達することも可能です。しかし、一定の利息がかかるのと、一定年数を過ぎた場合は利用できないので、本当に必要に迫られたとき以外はおすすめしません。

②解約返戻金による雑収入は課税される

逓増定期保険の解約返戻金は、保険金として積み立てた金額よりも高くなっても「雑収入」として算入するため、法人税の課税対象です。


このため加入期間中に節税できたとしても、返戻金の金額が大きければそれだけ多くの税金がかかることになります。


結局は元々かかるはずだった法人税を解約時まで繰延しただけになってしまうので、

  • 出費が多く赤字経営になる年に解約する
  • 従業員の退職金やボーナス支払い、役員報酬などに合わせる

このような出口戦略を練る必要があるのです。

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逓増定期保険の加入をおすすめできる方


ここまでは逓増定期保険を活用について紹介してきましたが、どのような企業でも無条件でおすすめできるわけではありません。


逓増定期保険は、

  • 数年後に退職金や役員報酬など大きな出費が「確実に」ある
  • 経営状況が良く、保険料支払いも「確実に」滞らないほど資金に余裕がある
以上の条件をクリアできるのであれば、経営者や経理担当者は一考する価値のある保険です。

メリットを享受するためには返戻率のピーク時に確実に解約する必要があるので、まずはそれまで高額な保険料を、確実に支払い続けられるだけの体力が自社にあることが前提となります。

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国税庁によって逓増定期保険の名義変更プランが規制された!



退職金準備のために法人契約として逓増定期保険を契約している会社の中でも、裏技のように行われていたことが「名義変更」です。


名義変更のメリットの説明のためには逓増定期保険の持つ特徴である「始めの期間は解約返戻率が低い」を把握しておく必要があります。


逓増定期保険は契約してから一定期間に限り解約返戻率は低く設定されていますが、契約後5〜10年後にピークを迎えます。


この解約返戻率がピークになる前に法人から個人が保険内容を買い取り、名義変更によって個人の保険料負担は抑えつつ、退職金の所得税を抑えられていました。


名義変更で法人から個人に譲渡された解約返戻金は、あくまで一時所得の扱いで税制上のメリットを享受できるだけでなく、課税対象金額が小さくなるメリットがありました。


以上より、名義変更プランは人気のプランとして利用されてきましたが、「法人から個人へ資金を移転させた」と見られ税務署の調査が入りペナルティを課せられるケースもありました。

国税庁は「ピーク時の解約返戻率で損金計上」のルールで名義変更プランを規制

名義変更プランに国税庁のメスが入ったのは2021年3月であり、節税対策の裏技として用いられてきた「法人→個人の名義変更のルールを見なおす」内容でした。


国税庁の規制によって評価額が低い状態での譲り渡しが不可能になったため、節税ができなくなったと言えます。


以前は名義変更したタイミングでの保険評価額は「名義変更の時に受け取れる解約返戻金」とみなされていましたが、規制によって「解約返戻金の金額が資産に計上した金額の7割に達しない場合、評価額は解約返戻率最高値のもので損益計上すること」と条件が付加されることになりました。


以前までの「評価額=解約返戻金」は、支払った保険料よりも安い金額で評価されており、法人から個人に譲渡する際安く譲渡できていたのです。


しかし、国税庁の通達で、名義変更を実施する旨味はなくなってしまい、退職金準備にもなる上に節税対策にもなると加入していた中小企業にとっては大きな痛手となりました。

全損・半損タイプの逓増定期保険を含む法人保険は販売停止?

逓増定期保険の「全損」は保険料の「全」額を「損」金に計上できる、「半損」は保険料の「半」額を「損」金に計上できる意味で使用されます。


保険料のほとんどを損金として扱えなおかつ解約返戻金も高いことで人気でしたが、いきすぎる税金対策に国税のチェックが入ったのです。


国税の「解約返戻率50%超の法人保険の税について見直しをする」と発表され、一時期は保険会社から販売されていたおすすめ商品のほとんどが販売できなくなり、販売停止となりました。


「全損」のみならず「半損」も規制の対衣装となり、販売停止を命じられたことで保険会社、企業双方にとって大きな痛手となったのです。


現在では税制改正のルールに則った保険商品が販売されていますが、かつての「全損」「半損」は全面禁止となってしまいました。

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【おすすめ】逓増定期保険を誰でも簡単に比較できる方法とは?



以下では、逓増定期保険のおすすめを誰でも簡単に比較できる方法を紹介します。


逓増定期保険は数年後、退職金など大きなキャッシュが必要となるなどの対策として、多くの企業が現在でも加入対象の候補となる保険です。


しかし、保険商品も数多くあるなかで、一つひとつの商品を比較しながら自社に最適な保険を選択するのは難しいといえます。さらに、損金割合も返戻率や年齢によっても変わるので、以前よりも経理処理が大変となり、現場の工数も増えてしまいます。


そこで、自社に最適な逓増定期保険は「無料で何度でも」相談できる窓口であるマネーキャリアを使って選ぶのが定石です。


マネーキャリアでは、独自のスコアリングで厳選したファイナンシャルプランナーのみが在籍しており、法人向けに特化した保険の相談や見直しでも、満足度98.6%を誇ります。

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逓増定期保険についてわかりやすく解説!のまとめ



ここまで、逓増定期保険の概要から、税制見直しの背景、税負担の見直しにおすすめのサービスまで網羅的にご紹介しました。


逓増定期保険は解約返戻率が短期間で跳ね上がる特徴から法人にとって退職金準備や数年後に多額のキャッシュが必要になる予定があるケースで活用されます。


各保険会社でそれぞれ特色がある保険商品が販売されています。しかし、税制度の変更の理解や自社にとって、どのような保険商品が適しているか客観的に判断するためには、多忙ななかで見極めるのは困難です。


そこで、マネーキャリアのように「無料で何度でも」逓増定期保険を含む保険相談や見直しができるサービスを使って、自社にマッチした保険を選ぶ企業も増加傾向にあるのです。


無料登録は1分で完了するので、ぜひマネーキャリアを使い、時間をかけずに自社に最適な保険を選びつつ事業活動に専念しましょう。

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