法人保険の経理処理について!法人保険の損金算入ルール【まとめ】

法人保険では様々な経理処理が必要となりますが、2019年の税制改正によって法人保険の経理処理方法が変更になりました。さらに処理が難しくなってしまいましたが、定期保険や医療保険などでどのような処理をすればいいのか、まとめてご紹介しています。

内容をまとめると

  1. 定期保険の経理処理は最高解約返戻率4つのパターンに分けられる
  2. 第三分野保険の経理処理は全期払いと短期払いで違いがある
  3. 養老保険の経理処理は死亡保険金・満期保険金の受取人の組み合わせによって異なる
  4. 終身保険の経理処理は資産計上
  5. 配当金は保険料の処理できまり、損金ならば雑収入
  6. 新ルールになったのは過度な節税に対処するため
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法人保険の経理処理についてわかりやすく解説


法人保険の経理処理は思った以上に複雑で分かりにくい、と感じているかもしれません。


2019年に行われた税制改正によって一層複雑なものになってしまいました。


貯蓄性の有無受取人を見ることである程度分かりやすくなります。このような基本的な考え方は知っておきたいポイントのひとつです。


保険の種類は大きく分けると

  • 定期保険
  • 医療保険・がん保険
  • 養老保険
  • 終身保険

です。これらの経理処理に加え、

  • 配当金

を受け取る際の経理処理の5つに分けることができます。


それぞれの法人保険の経理処理について解説していきます。


法人向け損害保険の経理処理についてはこちら

基本的な経理処理の考え方

法人保険の基本的な経理処理のポイントとしては、

  • 契約形態
  • 保険の種類
  • 保険料の支払い方法

です。これらの違いによって損金算入となるのか資産計上となるのかが決まってくるのです。


しかし、長期平準型定期保険逓増定期保険のように、特別なパターンの経理処理が必要となる法人保険があることにも注意が必要です。


特に大きなポイントとなるのが「受取人」です。会社が得をしているのか、従業員が得をしているのか、誰が得をしているのかを見極めることで、経理処理がかなりスムーズになるのではないかと思います。(参考:日本生命・保険税務のしおり


以下では基本事項として、

  • 貯蓄性のある保険
  • 貯蓄性のない保険

の特徴的な経理処理についてご紹介します。

1.貯蓄性のある保険商品

法人保険で貯蓄性があるものとして挙げられるのが

  • 養老保険
  • 個人年金保険
  • 解約返戻金のある終身保険

などです。


契約形態のなかのひとつである「受取人」をポイントにすることで、経理処理の方法がわかりやすくなります。誰が得をするのかがしっかりと理解できるようになるのです。

受取人経理処理
法人資産計上
役員や従業員など個人損金算入
受取人が法人の場合、保険金が支払われるのは会社ですよね。そのため保険料は積み立てているという判断がされ、会社の資産となってしまうのです。

受取人が役員や従業員などの個人であった場合には、会社の資産となることは無いため損金算入することができます。会社としてはこちらの方がありがたいかもしれませんが、この場合に注意したいことがあります。

みなし給与となっているため課税対象となってしまう事です。ただし、生命保険料控除が適用されるというメリットもあります。

2.貯蓄性のない保険商品

貯蓄性のない保険商品は、解約返戻金などの無いタイプの保険です。

  • 掛け捨て型定期保険
  • 掛け捨て型医療保険

などの保険です。


こちらの場合の保険料支払い時の経理処理は以下のようになります。

受取人経理処理
法人損金算入
役員や従業員などの個人損金算入
受取人がどちらの場合でも損金算入となることに変わりはありません。

しかし、個人の場合全員か人数が限定されているのかで扱いが変わります。
  • 全員:福利厚生費として損金算入
  • 特定の個人:みなし給与として損金算入
となるのです。

全員が対象となっている際には福利厚生費となるため課税されることはありません。しかし、特定の個人ではみなし給与となるため、課税の対象となることに注意が必要です。

定期保険特約付終身保険など、二つの保険が合わさったような保険ではどのような経理処理が必要なのでしょうか?

このような保険では、主契約と特約を切り離して処理する必要があるのです。例えば、受取人が法人の場合、主契約の終身保険では解約返戻金があったとします。この場合は保険料は資産計上されますよね。

一方特約の定期保険が掛け捨ての場合、損金算入しなくてはいけません。このように一つの保険でも2つに分けて考える必要のある商品もあるのです。

①定期保険の経理処理

定期保険の経理処理は以下の4つのパターンです。

最高解約返戻率資産計上期間資産計上額
50%以下全額損金算入全額損金算入
50%超~70%以下4割4割
70%超~85%以下4割6割
85%超開始日から終了日まで10年まで:9割
11年目以降:保険料×最高解約返戻率×70%
返戻率の範囲で割合が決まるのです。

受取人が法人の場合です。資産計上の金額、すなわち会社で節税効果の期待できる損金算入は返戻率が高いほど少なくなってしまうシステムになりました。

このルールが適用されるのはあくまで税制改正後に加入した法人保険になります。

その他、さらに詳しく死亡保険金・解約返戻金受取時や払い済み終身保険変更時・退職時名義変更時などについて知りたい方は、以下の定期保険の経理処理に関する記事を参考にしてください。

②医療保険・がん保険など(第三分野)の経理処理


最近では法人保険を利用して医療保険やがん保険などへの加入をする会社も増えてきました。


ここで注意したいのが、第三分野の法人保険の経理処理は保険の種類や保険料支払い期間によって変わってくる、という点です。


医療保険などの場合、定期か終身か、保険期間が違うものがあります。さらに終身の場合、一生涯支払いを続ける全期払いと、補償は続きますが保険料の支払いは一定期間になる短期払いの2つのタイプに分かれるのです。


これらの違いが経理処理にどのように影響するのでしょうか?また、給付金などを受け取る際の経理処理についても解説していきます。

第三分野の保険料の経理処理

ここでのポイントは種類と支払い方法です。

種類処理
定期定期保険と同一
終身:全期払い定期保険と同一
終身:短期払い年間保険料によって異なる
1つの条件下で経理処理に違いがあることが分かります。終身・短期払いでは独自の計算が必要になってきます。

短期払いは1年で複数年度分の支払いをする、ということになります。1年分の保険料とするには多すぎる金額です。

これを全て一緒に処理してしまうのは不自然となるため、

年間保険料×払込期間÷保険期間

で計算した金額を1年分とし、損金として処理します。残りは資産計上です。

支払期間が過ぎても、毎年決まった額を損金算入し、積み立てた分を取り崩す作業を繰り返していきます。

ここでいう保険期間は

116歳-契約年齢

です。40歳の方の場合、保険期間は76年ということになるのです。

ただし例外があり、条件によっては全額損金扱いが可能です。保険料に上限が設定されており、
  • 年間30万円以下
となっています。いくつかの保険に加入している場合、まとめた金額が上限以下となる必要があります。

第三分野の給付金受取時の経理処理

第三分野の法人保険は医療保険やがん保険となるため、被保険者が病気やケガなどで補償が適用される状態となった際には保険金が支払われることになります。


受取人が法人となっている際には保険金は会社に支払われることになりますが、その際の経理処理は「雑収入」などで益金に算入します。


受け取った保険金をかいしゃから個人へ「見舞金」などとして支給することもあります。このような場合は「福利厚生費」などで経費として処理することが可能です。

第三分野の退職金名義変更時の経理処理

名義変更時は保険料支払い時の資産計上の有無で多少違いがあります。

保険料の資産計上の有無名義変更時の経理処理
あり損金算入
前払い保険料の取り崩し
なし損金算入

どちらの場合も現金支給額と解約返戻金を合計したものが退職金として支給されます。この合計金額は損金算入します。差額がある場合には雑収入・雑損失などの適切な処理を行います。


保険料の資産計上があった場合、前払い保険料が資産として残っているので、これを取り崩す処理を行います。

③養老保険(福利厚生目的の保険)の経理処理

養老保険の処理方法に変更はなく、以前と同じ方法が使われています。


死亡保険金・満期保険金のそれぞれの受取人によって異なってきます。

死亡保険金満期保険金経理処理
法人法人全額資産計上
個人の遺族個人全額損金
個人の遺族法人1/2損金算入
1/2資産計上
両方とも個人の場合、給与とみなされるため課税対象になってしまう事に注意が必要です。

一番最後のパターンがハーフタックスプランです。「福利厚生費」として半分を損金算入することができるのです。ただしいくつかの条件を満たす必要があるので、契約時に確認しておくようにしましょう。


法人保険の養老保険について、保険金受取時の処理について知りたい方は、以下の養老保険の経理処理に関する記事を参考にしてください。

④終身保険の経理処理

終身保険の保険料は全額資産計上が基本です。「保険料積立金」として資産計上しなくてはいけません。


会社の「現金・預金」は減りますが、「保険料積立金」が増えるのでプラスマイナス0の状態です。


解約返戻金受取時には、返戻率が100%を超えている場合支払保険料との差額が雑収入に、返戻率が100%を下回っている場合は支払保険料との差額が雑損失として経理処理されることになります。


しかし、法人保険で終身保険を取り扱うのはリスクが多いため、利用する際には十分注意するようにしましょう。


法人保険の終身保険についてもっと知りたい、死亡保険気受け取り時や名義変更時の経理処理について知りたいという方は、以下の終身保険の経理処理に関する記事を参考にしてください。

⑤配当金の経理処理


法人保険の配当金の経理処理として、基本的には雑収入として取り扱うことになります。


保険会社からお金をもらっているため、会社の利益と判断されるため、益金扱いなのです。


しかし、保険料を全額資産計上していた場合は、その積み立てた資金から取り崩す形になります。

損金算入などに関わる税制改正後のルールの背景

今までは法人保険を利用して節税を行う会社が多くありましが。特に死亡定期保険では節税効果が高く、「節税保険」として多くの保険会社が取り扱いをしていました。


しかし、税制改正でこれらの節税効果は低い商品となってしまったのです。バレンタインショックとも呼ばれます。


今まで節税対策として利用していた「全額損金算入」が基本的にできなくなり、医療保険でも年間30万円までと制限されることになってしまったのです。


これは死亡定期保険などの中に保険料の80%以上が解約返戻金として支払われるタイプのものもあり、お金が戻ってくるのに全額「損金」として扱うのは不自然で、資産として扱うべきだ、という意見が上がっていたのです。


このような保険に対して全額損金を制限することで過度な節税に対する対処をしていましたが、付加保険料を高く設定してより多くの節税効果を産む商品などが問題となり、とうとう2019年に税制改正となってしまったのです。


さらに2021年には「ホワイトデーショック」と呼ばれる新通達も出ており、これからその他の保険の改正も行われるのではと言われています。


詳しくは以下の記事を参考にしてください。

まとめ


いかがでしたか?ここでは法人保険の経理処理をそれぞれの保険種類ごとに解説しました。処理方法はわかりやすくなったでしょうか?


ここでは、

  • 定期保険は返戻率で4つのパターンに分けられる
  • 第三分野では全期払いと短期払いで違いがある
  • 養老保険は死亡保険金・満期保険金の受取人の組み合わせによって異なる
  • 終身保険は資産計上
  • 配当金は保険料の処理できまり、損金ならば雑収入
  • 新ルールになったのは過度な節税に対処するため

についてご紹介しました。


税制改正の影響で法人保険の経理処理は一層複雑になったと言えます。しかし、保険の種類ごとに処理方法を見極めるポイントがあるため、しっかりと勉強して処理を間違えないようにしましょう。


法人保険の悩みは保険相談で解決できます。マネーキャリアでは法人の方も無料で保険相談が可能なため、この機会に利用してい見てはいかがでしょうか?


ほけんROOMでは他にも法人保険に関する記事を多数掲載していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

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