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法人契約の養老保険で満期保険金を受け取るときの経理処理の仕方は?

養老保険では満期保険金を受け取る場合も多いと思います。しかし法人契約の満期保険金の経理処理を詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。実は満期保険金の経理処理は状況によって変わります。そこで今回は法人の養老保険の満期保険金の経理処理を状況別に解説します。

法人の養老保険で満期保険金を受け取るときの経理処理の仕方は?

養老保険は満期を迎えても満期保険金を受け取ることができ、法人契約で養老保険に加入したいと考えている方も多いと思います。

しかし、養老保険の満期保険金の経理処理は受取人が法人なのか役員や従業員なのかによって異なるため、理解されていないのが現実です。

経理処理を正しく理解していないと法人税を多く支払っている可能性もあります。

そのため、法人養老保険の満期保険金の経理処理を正しく理解することで効率的に企業経営をしていくことが重要です。

そこで今回は、法人契約の養老保険の満期保険金について
  • 養老保険の満期保険金を被保険者が受け取る時の経理処理
  • 養老保険の満期保険金を法人が受け取る時の経理処理
  • 法人が満期保険金を年金払いで受け取った時の経理処理
  • 満期保険金の据え置きには法人税が課税されるか

以上のポイントについて解説します。

この記事を読んでいただければ、法人契約の養老保険の満期保険金について、被保険者や受取人のパターンごとの経理処理について理解するのに役立つと思います。


ぜひ最後までご覧ください。



養老保険が満期を迎えたとき

法人契約で養老保険に加入するときは、満期保険金の受取人を誰にするのかによって経理処理が異なるので、特に節税目的で加入する場合は注意が必要です。


例えば養老保険の満期保険金を法人が受け取ると法人税が課税されてしまうことになり、個人の被保険者が受け取ると所得税住民税が課税されてしまうことになります。


そのため、養老保険の満期保険金の経理処理には受取人が法人の場合と個人の被保険者の場合の2つがあることを知っておきましょう。


次からは養老保険について、以下の2つの異なる経理処理について解説します。


  • 満期保険金の受取人が被保険者の場合
  • 満期保険金の受取人が法人の場合

法人契約の満期保険金を被保険者が受け取る場合

法人契約の満期保険金を、従業員や役員といった個人の被保険者が受け取る場合は、全額損金に算入されます。


これは、被保険者が受け取る満期保険金が給与扱いになるからです。


給与であれば法人側としては損金計上されることになりますが、その一方で受け取る側の被保険者としては所得が増加するため、所得税や住民税の課税対象額も大きくなってしまいます。


また、もう1つ注意しなければならないのは、所得の増加に伴って労使折半の社会保険料が増加するということです。


会社員は、健康保険が給与の9.96%、厚生年金が18.182%、合計で給与の28.142%が社会保険料に充当されており、これを会社と折半しています。


そうすると、所得が増えればそれに対して課税される社会保険料も増えることになるので、折半している会社側の負担も増えることになるのです。

法人契約の満期保険金を法人が受け取る場合

法人契約の満期保険金を、役員や従業員を被保険者にしながら法人を受取人にする場合は、全額資産に計上されます。


法人税は資産として計上された金額に課税されるため、満期保険金の全額が資産に計上されれば、法人税の課税対象額も増えます。


そのため、満期保険金の受取人を法人にした場合、役員などの経営陣に万が一の事態が発生したときの備えになるというメリットがある一方で、法人税が多く課税されてしまうというデメリットがあります。

法人が満期保険金を年金払いで受け取る「年金払い特約」の場合

ここからは法人が満期保険金を年金払いで受け取る時の経理処理について解説します。


年金払い特約とは、満期保険金をそのまま全額受け取るのではなく、年金払いで受け取る方法です。


例えば2億円の満期保険金をそのまま受け取るとすると、2億円すべてが課税対象となってしまい、税負担が大きくなってしまいます。


そこで、2億円の満期保険金を年金払いとして年間200万円ずつ分割で受け取れば、課税されるのも年間200万円しか対象になりません。


そのため、法人が満期保険金をそのまま受け取るよりも、年金払い特約を利用して分割で受け取った方が節税効果が高いと言えます。


年金払い特約の経理処理には、以下の2つの場合があります。

  • 年金払い特約を満期になる前に付加した場合
  • 年金払い特約を満期保険金の受け取り時に付加した場合

年金払い特約を満期になる前に付加した場合

契約時あるいは満期になる前に年金払い特約を付加した場合、資産に計上されている保険料積立金と配当積立金の両方を、年金の原資として年金積立保険料に振替処理します。


例えば、以下のような例を考えてみましょう。

  • 保険料積立金:750万円
  • 積立配当金:100万円
  • 支払われる年金:年額150万円
  • 保険期間:10年間
  • 年金受取見込み総額:1,500万円 


このとき、満期日に資産計上した年金積立保険料750万円から、以下の式で計算した額を取り崩します。

取り崩し額 = 年金積立保険料 × 受取年金額/年金受取見込み総額


この式に実際の数字を当てはめると、以下のように取り崩し額が85万円と計算されます。

850万円×150万円÷1,500万円 = 85万円


このとき、年間の年金受取額、年金積立保険料、雑収入はそれぞれ以下のようになります。

  • 年間の年金受取額=150万円
  • 年金積立保険料=85万円
  • 雑収入=65万円

 年金払い特約を満期保険金の受取時に付加した場合

満期保険金の受け取り時に年金払い特約を付加した場合、年金積立保険料と現在の保険料積立金・配当積立金の差額が雑収入となります。


例えば、以下のような例を考えてみましょう。

  • 年金積立保険料=1,100万円
  • 保険料積立金=750万円
  • 支払われる年金=150万円
  • 配当積立金=100万円
  • 雑収入=250万円


満期日に資産計上した年金積立保険料の1,100万円から、以下の式で計算した額を取り崩します。

取り崩し額 = 年金積立保険料 × 受取年金額/年金受取見込み総額


この式に実際の数字を当てはめると、以下のように取り崩し額が110万円と計算されます。

1,100万円×150万円÷1,500万円=110万円


このとき、年間の年金受取額、年金積立保険料、雑収入はそれぞれ以下のようになります。

  • 年間の年金受取額=150万円 
  • 年金積立保険料=110万円 
  • 雑収入=40万円

満期保険金を据え置きした場合は?

満期保険金は満期になってもすぐには受け取らず、据え置きできる仕組みがあることをご存知でしたか?


養老保険では、満期になったらすぐに満期保険金を受け取らなければならないわけではなく、必要になる時まで保険会社に預けておくことができるのです。


満期保険金は据え置きをしていても、受け取ったものとして法人税が課税されるので、節税対策になるわけではないので注意が必要です。


節税効果がないなら、据え置きをするとどのようなメリットがあるのか疑問に思われる方もいるでしょう。


ただ、赤字になりそうな年や事業拡大で資金が必要になる予定がある場合などにあわせて受け取るなど対策ができます。


メリットとしては、養老保険を据え置きをしている間は利息がつきますが、その利率は年間0.01%ほどです。


これは三井住友銀行や三菱UFJ銀行、みずほ銀行といった大手銀行の利率(0.001%)よりもお得であると言えます。

まとめ:養老保険の満期保険金の経理処理は状況によって違う

法人契約で加入する養老保険の満期保険金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは

  • 被保険者が満期保険金を受け取ると給与扱いになる。
  • 法人が満期保険金を受け取ると全額資産に計上される。
  • 年金払い特約だと満期保険金を分割して受け取れる。
  • 満期保険金を据え置くと利息がお得。

でした。


養老保険には魅力的なメリットがある反面、受取人や被保険者が誰なのかによって経理処理が異なるので、理解するのが難しい商品でもあります。


まずは、それぞれの経理処理のメリットとデメリットを吟味した上で養老保険に加入するようにしましょう。


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