役員や従業員の退職金準備に生命保険を活用して積立する方法を解説!

企業を退職する際に、役員や従業員に対して支払われる退職金。まとまった金額を準備することは、企業にとって負担になりがちです。そんな退職金への備えとして、法人保険の活用を検討してみてはいかがでしょうか?本記事では退職金の準備に法人保険を活用する方法を解説します。



▼この記事を読むべき人
  • 退職金の準備を法人保険で行おうか検討している人
  • 退職金の準備を法人保険でできると聞いたことがある人
  • 法人保険の見直しを検討している人
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内容をまとめると

  • 法人保険を活用することでまとまった金額を準備できる
  • 法人保険を活用することで財務体質を強化できる
  • 積立型の生命保険は保険料が割高になる
  • 退職金には退職一時金制度や企業年金制度などがある
  • 不当に高額な退職金には税務調査が入る可能性がある
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退職準備のための生命保険を活用する方法を解説

企業の役員や従業員が退職する際に支払われる退職金


退職後の生活を支える貴重な財源のため、まとまった金額になることが多いです。


しかし大金を用意するのは企業にとって負担になってしまいます。


そんな退職金の準備に対し、法人保険が活用できることを知っていますか?


本記事では、


  • 退職金を法人保険で準備する必要性
  • 退職金を法人保険で準備する場合の契約形態
  • 法人保険を活用するメリット
  • 法人保険を活用する際の注意点


以上を中心に解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。


ほけんROOMではこの他にも、法人保険に関する様々な記事を掲載しているのでぜひ参考にしてください。

退職金準備をする必要性について

会社を辞める際に受け取ることができる退職金


会社に雇われている側の従業員とは違い、経営者・役員の場合は自身の退職金をどうするか判断しなければなりません。


もし退職金が必要な場合、何も準備をしていないと、会社に大きな負担をかけてしまう可能性も……。


そこで、高額な退職金への備えとして、法人保険を活用してみてはいかがでしょうか?


役員に対する退職金には、


  • 勇退退職金
  • 死亡退職金


などが挙げられます。


本章ではそれぞれの退職金に対し法人保険を活用する必要性と、退職金にかかる税金に関して解説します。

勇退退職金

役員への退職金のひとつとして、勇退退職金があります。


勇退退職金は退職者とその家族の生活を支えるたの、大切な財源のひとつです。


そのため勇退退職金は高額になりがちです。


会社の財源のみで賄えれば良いのですが、そうでない場合は金額が不十分だったり、銀行で借り入れをしたりして財源を確保しなければなりません。


しかし借り入れをすると返済が会社の負担となってしまいます。


そこで、勇退退職金の準備には法人保険の活用がおすすめです。


法人保険を活用すれば、高額な退職金へ備えることが可能です。


一般的には法人の生命保険の解約返戻金を活用します。


また場合によっては名義を役員に変えて現物支給することもあります。


勇退退職金にかかる税金は、所得税住民税です。


ただし、退職金の場合は給与と比較すると税金が優遇されます。


課税金額は以下の通りです。

(退職金の金額-退職所得控除額)×1/2

なお退職所得控除の算出方法は次の通りです。


  • 勤続年数が20年以下 → 40万円×勤続年数
  • 勤続年数が20年を超える → 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

死亡退職金

死亡退職金とは、本来であれば生前に本人に対して支給するはずだった退職金を、遺族に対して支払う制度です。


労働災害に遭った場合、一般社員であれば労災保険が適用されます。


しかし役員の場合は基本的に労災保険が適用されません。


そのため役員に業務上の事故や病気が発生した場合に向けて、備えておく必要があります。


勇退退職金と同様、死亡退職金も法人保険での備えが可能です。


法人保険の死亡保障を活用することで、遺族の生活はもちろん、相続税の支払いの補填にも活用できます。


基本的に死亡保険金や死亡退職金には相続税が発生しますが、いずれも非課税枠が設けられています。


非課税枠の計算方法は国税庁のホームページによると以下の通りです。

500万円×法定相続人の数

上記の非課税枠は、


  • 個人で加入済みの生命保険
  • 死亡退職金


それぞれに対して、別枠で適用されます。

退職金準備の目的で生命保険を活用するときの契約形態

退職金の準備目的で法人保険を活用するときの、契約形態は次の通りです。


対象
保険の種類養老保険
契約者法人
被保険者役員・従業員
受取人(死亡時)役員・従業員の遺族
受取人(満期)法人


法人向け養老保険は死亡の有無に関係なく、満期を迎えれば受け取りが可能です。


よってある程度期間の決まっている退職金との相性が良い法人保険だといえます。


なお法人保険は、月々の保険料を損金に計上ができます


加えて満期保険金は受け取り後に退職金として支払うため、こちらも損金に計上が可能です。


損金として計上を行うと所得が減るため、法人税を減らすことができます。


ただし保険料を損金算入するには、原則役員・従業員全てがその福利厚生の対象にしている必要があるためご注意ください。


また高額すぎる役員への退職金も、損金にできない可能性があります。

生命保険で役員や従業員の退職金に備えるメリット

法人の生命保険で、役員や従業員の退職金を準備するメリットは次の通りです。


  • 勇退退職金と死亡退職金が、一緒に準備できる。
  • 運転資金への流入がしづらいため、着実に貯められる。
  • 会社の経済的な負担が軽くなる。
  • 契約者貸付が利用できる。
  • 解約返戻金だけ受け取り、保障を残すことができる。
  • 終身保険なら退職金支払い時期に柔軟に対応できる。


退職金に生命保険を用いる場合、満期保険金や解約返戻金で勇退退職金を使います。


また生命保険には死亡保障が付いているため、死亡退職金に関しても同時に備えられます。


生命保険ひとつで両方に備えられるため、会社の経済的な負担が軽いです。


また法人保険の保険料は損金算入ができるため、節税の効果も期待できます。


よって財務体質強化の面でも、法人保険の活用が有効です。


退職時期が決まっている場合は有期の法人保険でも問題ありませんが、経営者のように退職時期が定まっていない場合は、終身保険の活用もおすすめです。


終身保険は保障が生涯にわたるため、任意のタイミングで解約して解約返戻金を受け取ることができます。


保険のプラン次第では解約返戻金だけ受け取り保障を残すこともできるため、活用を考えてみてはいかがでしょうか。

退職金準備に生命保険を活用する注意点

退職金の準備に生命保険を利用することにはメリットがある一方で、注意点もあります。


具体的には次の通りです。


  • 保障と積立の両方を目的とするため、保険料が割高になる。
  • 早期解約の場合は解約返戻金が少ない。
  • 通貨のインフレリスクがある。


満期保険金や解約返戻金のある生命保険は、保障と積立の両方の側面を持ち合わせます。


貯蓄性があるため退職金に備えられる一方で、保険料が割高になる点にはご注意ください。


また解約返戻金は加入期間に応じて返戻率が変動します。


そのため早期解約をしてしまうと、解約返戻金が少なくなります。


生命保険は長期加入になることが一般的です。


日本銀行では年2%のインフレ率を目指しています。


インフレが進むと通貨の価値が下がってしまいます。


そのため現在の基準で設定した保険金では不足してしまう可能性がある点に注意が必要です。


この他にも法人保険を損金算入したい場合、


  • 生命保険を損金算入をするためには、役員・従業員が全員加入する必要がある。
  • 同族会社の場合は損金部分も給与として扱われるため、損金算入ができない。


以上の点にも注意しましょう。

参考①退職金制度(退職給付制度)について

一言に「退職金制度」といっても、いくつかの制度があることを知っていますか?


一般的には退職一時金制度が知られていますが、他にも企業年金制度などがあります。


企業年金制度には


  • 確定給付企業年金
  • 確定拠出年金


以上の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っているため、企業としてどちらを選択するか慎重に判断しなければなりません。


本章では退職金に関して、


  • 各企業年金制度の違い
  • 退職金の適正額


以上の2点を解説します。

確定給付企業年金と確定拠出年金の主な違いとは?

企業年金制度には


  • 確定給付企業年金
  • 確定拠出年金


以上の2種類があります。


各制度の主な違いは次の通りです。


確定給付企業年金確定拠出年金
掛け金変動一定
掛け金支払い企業企業型:企業
個人型:個人
受け取り金額一定変動
運用企業個人



確定給付企業年金の場合は、事前に決めた受け取り金額をベースに月々の積立額を決定します。


そのため成績が悪いときには企業が穴埋めをしなければなりません。


一方の確定拠出年金は事前に決定した掛け金を積み立てることになりますが、受け取り金額はその時の運用実績に左右されてしまいます。


また個人が運用のリスクを負う点にも注意しましょう。


ただし個人で運用をするため、商品を選択できたり変更できたりと、比較的自由度が高いです。

退職金の適正額はいくら?

役員の退職金の計算には、一般的に功績倍率法という手法が用いられます。


計算方法は次の通りです。

退職時の報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率

なお功績倍率は2〜3が一般的です。


退職金は税務上で優遇措置が取られます。


しかし功績倍率法の「退職時の報酬月額」や「功績倍率」が著しく高く、退職金が高額になる場合は、不当に高額として税務調査が入る可能性があります。


認められない場合は損金算入ができず法人税が上がることにも繋がりますので、適性額の範囲で治めることが大切です。


退職金を決める場合は、類似する企業の例を参考にしてみましょう。

参考②逓増定期保険の名義変更による税制優遇は無くなった!

以前は法人保険のひとつである低解約型逓増定期保険の契約者を法人から個人へ変更することで、所得税を抑えるという抜け道的な手法が一部の経営者の間でとられていました。


しかし2021年3月、国税庁が各生命保険会社に対して、この手法の撤廃を通告したのです。


この出来事は生命保険業界を震撼させ、ホワイトデーショックとも呼ばれています。


本記事では法人保険に節税効果がある点に触れてきましたが、今後もホワイトデーショックのように、他の法人保険による節税に対してもテコ入れがされるかもしれません。

まとめ

退職金に対する法人保険の活用方法を中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか。


最後に本記事の内容をまとめます。


  • 法人保険を活用することでまとまった金額を準備できる。
  • 生命保険なら勇退退職金と死亡退職金の両方に備えられる。
  • 法人保険を活用することで財務体質を強化できる。
  • 積立型の生命保険は保険料が割高になる。
  • 通貨のインフレリスクには注意が必要。
  • 退職金には退職一時金制度や企業年金制度などがある。
  • 不当に高額な退職金には税務調査が入る可能性がある。
  • ホワイトデーショックにより、低解約型逓増定期保険の名義変更による税制優遇が無くなった。


退職金は引退後の生活の大きな支えとなるため、まとまった金額が必要です。


企業の負担を減らしながら退職金を準備するためにも、法人保険の利用を考えてみてはいかがでしょうか。


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ほけんROOMでは他にも法人保険に関する記事を多数掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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