東京海上日動の請負業者賠償責任保険とは?費用や保険料などを解説

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請負業者賠償責任保険とは、工事中の事故により、第三者等に損害を与えた際の費用を補償する保険です。東京海上日動でも請負業者賠償責任保険を提供しています。こちらの記事では、東京海上日動の請負業者賠償責任保険における補償内容や保険料などについて解説しています。

監修者
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。 以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP (注)保険の補償内容に関する記載以外の部分について監修を行っています。

請負業者賠償責任保険とは?


請負業者賠償責任保険とは、工事や作業中に誰かのモノを壊してしまったり、誰かをケガさせてしまった場合に負う法律上の賠償責任が補償される損害保険です。


工事現場での事故リスクは常にあり、どれほど注意していても、人為的ミスは起こりうるものです。


通行人にけがをさせてしまったり、ましてや死亡事故につながるようなことになってしまうと大変です。従業員のミスで高額な賠償責任をかかえるまえに、賠償保険にはかならず加入しておかなければなりません。


また、元請けがすでに保険に加入しているという場合であっても、元請けの保険を使うのは抵抗感があったり、元請けから賠償請求されたりすることもあるので、下請け事業者であっても確実にそなえておきましょう。


この記事では、東京海上日動の請負業者賠償責任保険について以下の内容をご紹介してきます。

  • 東京海上日動の請負業者賠償責任保険の補償内容
  • 東京海上日動の請負業者賠償責任保険で支払われる保険金
  • 東京海上日動の請負業者賠償責任保険を契約する条件
  • 【参考】個人事業主の中で請負業者賠償責任保険に加入すべき業種
請負業者賠償責任保険についてもっとくわしく知りたい場合は、以下の記事に掲載していますのでご確認ください。

東京海上日動の請負業者賠償責任保険の補償内容


東京海上日動の請負業者賠償責任保険の補償内容は以下の通りです。

  • 仕事の遂行に起因する対人・対物事故への賠償
  • 施設の欠陥に起因する対人・対物事故への賠償

例えば、以下の事故に対する対策が挙げられます。
  • 建設工事中に誤って建築資材を落下させてしまい、通行人がケガをした
  • 外壁塗装の作業中に、駐車していた車に誤って傷をつけてしまった
  • 仮設の資材置き場の管理ミスで、資材置き場で火災が発生し、近隣の建物に燃え移った
上記のような事故は、注意していたとしても生じる可能性がある事故です。

東京海上日動の請負業者賠償責任保険は、あくまで、工事や作業中に他人に損害を与えてしまったことで、法律上の賠償責任を負った場合に補償対象となる、賠償責任保険です。

工事がおわった後に起こった対人・対物事故の賠償責任を補償してくれる生産物賠償責任保険や、工事の対象となる物件が損害を被った場合に、その復旧費用を補償してくれる建設工事保険とは補償範囲が異なりますのでご注意ください。

また、「マネーキャリア」では、自社の事業にどのような保険が必要か、保険の見直しなど、各種法人保険に関する相談に無料で対応しています。

東京海上日動の請負業者賠償責任保険に付帯できるオプション補償

東京海上日動の請負業者賠償責任保険に、付帯できるオプション補償はさまざまあります。


基本補償はシンプルですが、豊富なオプションがありますので、自社の事業にあった内容にカスタマイズできるのが特徴です。


東京海上日動での請負業者賠償責任保険で付帯できるオプション補償の一部が以下です。

  • 管理下財物損壊担保特約条項
  • 支給財物損壊担保特約条項
  • リース・レンタル財物損壊担保特約条項
  • 被保険者間交差責任担保特約条項(Full Way・Both Way)
  • 初期対応費用担保特約条項
  • 事業継続対応費用担保特約条項
  • 訴訟対応費用担保特約条項
  • 財物損壊の範囲拡大に関する特約条項
  • 地盤崩壊危険担保特約条項
  • 人格権侵害担保特約条項
  • 工事遅延損害担保特約条項
  • データ損壊担保特約条項
  • 被害者治療費用担保特約条項
  • 求償権不行使特約条項
  • 損害賠償請求ベース特約条項

全ての請負事業者におすすめなのは、管理下財物損壊担保特約条項や初期対応費用担保特約条項です。

管理下財物損壊担保特約条項では、直接作業を加えていたり借りている物をこわした場合に正当な権利(所有権等)を有する者に対して、法律上の損害賠償責任を負担することにより被る損害が補償対象となります。

例えば、以下のような場合に補償対象となります。
  • エアコンの点検作業中、工具で配線に接触させてしまい、配線がショートしてしまった
とくに、直接作業するような「管理下」にある財物の損壊については、基本補償では対象外となるので注意しましょう。

自社がどのリスクまで対策する必要があるのか気になる方は、「マネーキャリア」にて専門家にご相談ください。

東京海上日動の請負業者賠償責任保険で支払われる保険金


東京海上日動の請負業者賠償責任保険で支払われる保険金についてご紹介します。

基本補償で支払われる保険金は以下のとおりです。
  1. 法律上の損害賠償金
  2. 争訟費用
  3. 損害防止軽減費用
  4. 緊急措置費用
  5. 協力費用

事故の結果として、法律上の損害賠償責任がなかった場合であっても、被害者に対して緊急で行った応急手当や護送等の費用(緊急措置費用)も支払われるので安心です。

また、争訟問題に発展した場合は、弁護士費用も補償されます。法律上の損害賠償金については、その額から免責金額を差し引いた金額に対して、支払限度額を限度に支払われます。

原則として、法律上の損害賠償金以外の2~5の費用はかかった分の全てが支払い対象となり、支払限度額も適用されません。

ただし、2.争訟費用については、「1.法律上の損害賠償金>支払限度額」となる場合に限り、「支払限度額÷1.法律上の損害賠償金」の割合によって削減して支払われます。

上記の保険金があれば、事故の初動対応から、賠償金を支払い終えるまでのさまざまな過程に対応できるので、東京海上日動の請負業者賠償責任保険は充実した補償内容といえるのです。

オプション補償で支払われる保険金

先ほどご紹介したオプションの特約の多くは、基本補償の補償内容を拡大するもので、基本補償の支払限度額の範囲内で補償されるものがほとんどです。


一方で、以下の特約は、基本補償の支払限度額とは別に限度額が設定され、保険金が支払われます。 

  1. 初期対応費用担保特約条項
  2. 事業継続対応費用担保特約条項
  3. 訴訟対応費用担保特約条項

 ①初期対応費用担保特約条項

初期対応費用担保特約条項は、対人事故の被害者への見舞費用など初期対応にかかる費用が支払われます。

損害賠償金が確定するまで時間を要します。したがって、ケガをされた方へ迅速にお見舞いをしておくと、その後の示談が円滑に進められることからも、そのようなケースに備えての上記補償をおすすめします。 

また、結果として、法律上の損害賠償責任がないと判断された場合でも補償されるのが特徴です。

補償タイプは以下から選択します。 いずれのタイプを選択しても、風災見舞費用として、100万円(1事故)・10万円(1被害世帯・法人等)も対象となります。

タイプ支払限度額
(1事故)
うち身体障害
見舞費用
標準 1,000万円
(※1)
10万円(1被害者)
ミニプラス 150万円
(※1)
3万円(1被害者)
ミニ100万円
(※1)
1万円(1被害者)
(※1):基本補償の1事故支払限度額がこれよりも低い場合は、その額

②事業継続対応費用担保特約条項

事業継続対応費用担保特約条項は事故発生後に必要となる、再発防止や信頼回復をはかるための費用を補償します。

たとえば、事故に関して、SNS等に虚偽の掲載があった場合の投稿削除費用や、再発防止や風評被害を最小限にするためのコンサルティング費用、信頼回復のための広告費用などが対象です。

最近では、SNSなどに投稿されることで企業価値に影響することもあるため、加入しておきたい特約です。

支払限度額は以下の通りです。
  • 1事故・保険期間中につき1,000万円(※1)
  • 上記支払限度額のうち、再発防止コンサルティング等費用は1事故につき500万円(※1)
  • 縮小支払割合はなし。ただし、再発防止コンサルティング等費用は90%
(※1):基本補償の1事故支払限度額がこれよりも低い場合は、その額

③訴訟対応費用担保特約条項

訴訟対応費用担保特約条項は、事故によって損害賠償請求訴訟が国内で提起された場合に必要な費用を補償します。

たとえば、意見書・鑑定書作成費用や事故の再現実験費用、相手方や裁判所に提出する文書の作成費用などです。

裁判費用や弁護士報酬等は、基本補償の対象となりますが、上記のような費用は基本補償では補償されませんので、特約を付帯しておくと安心です。

支払限度額は、1事故につき1,000万円(基本補償の1事故支払限度額がこれよりも低い場合は、その額)となります。

東京海上日動の請負業者賠償責任保険で保険金をお支払いできな主な場合

東京海上日動の請負業者賠償責任保険の基本補償では、以下のような場合、保険金がお支払いされません。


主な場合は以下になります。

  • 施設である建物外部から内部への雨・雪等の浸入・吹込み
  • 飛散防止対策などの損害発生の予防に必要な措置を取らずに行われた作業による塗料その他の塗装用材料・鉄粉・鉄錆または火の粉の飛散・拡散
  • 石綿(アスベスト)・石綿の代替物質の発がん性その他の有害な特性
  • ご契約者・被保険者の故意
  • 地震・噴火・洪水・津波・高潮                      等
「地震・噴火・洪水・津波・高潮」以外の自然災害は支払対象ですが、自然災害が原因で生じた事故によって、他人に損害を与えた場合は「不可抗力」として、法律上の損害賠償責任は発生しない可能性があります。

法律上の損害賠償責任が発生しない場合は補償対象外となりますのでご注意ください。

また、基本補償で補償対象外の場合でも、オプションの特約を付帯することにより、一部を補償対象にできます。(復活担保)

  • 記名被保険者等が占有・使用しているもので、直接作業を加えているまたは、借りている財物の損壊について、正当な権利を有する者に対して負担する法律上の損害賠償責任
  • 支給財物の損壊について、被保険者が正当な権利を有する者に対して負担する法律上の損害賠償責任
  • 作業場・施設内部または、一時的にこれらの場所の外部で使用・管理しているリース・レンタル財物の損壊について、被保険者が正当な権利を有する者に対して負担する法律上の損害賠償責任
  • 土地の掘削、地下または基礎に関する工事の遂行に伴って不測かつ突発的に発生した地盤の崩壊(沈下、隆起、土砂崩れ等)または地下水の増減によって生じる土地や工作物等の損壊について、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担した場合

これらは、「管理下財物損壊担保特約条項」や、「支給財物損壊担保特約条項」、「リース・レンタル財物損壊担保特約条項」、「地盤崩壊危険担保特約条項」を付帯すると、一部を補償対象にできます。

また、基本補償でお支払いされない以下の事項は、他の保険手配が必要です。

  • 仕事の終了・引渡し・放棄の後にその仕事の結果に起因して発生した事故
  • サイバー攻撃
上記は、「PL保険(生産物賠償責任保険)」や「サイバーリスク保険」を別途契約することで補償対象となります。

お支払いされない事項などの詳細は、東京海上日動の請負業者賠償責任保険パンフレットもしくは約款を確認するか、法人保険のプロに相談できる「マネーキャリア」でご相談ください。

東京海上日動の請負業者賠償責任保険を契約する条件


東京海上日動の請負業者賠償責任保険を契約する場合の条件を解説します。

  • 契約対象となる業種や作業や施設
  • 保険期間と支払限度額・免責金額
  • 請負業者賠償責任保険の保険料について
  • 【参考】個人事業主の中で請負業者賠償責任保険に加入すべき業種

引き受け方法など、くわしくは、「マネーキャリア」でご相談ください。法人保険のプロが無料のオンライン相談で対応します。

契約対象となる業種や作業や施設

東京海上日動の請負業者賠償責任保険で、契約対象となる業種や作業や施設について解説します。


契約対象

契約対象となるのは、以下のような「各種工事や作業を行う事業者の皆さま」です。

  • 土木工事
  • 建設工事
  • 機械の据付工事
  • 荷役作業
  • ビルメンテナンス
  • 清掃作業等

契約対象となる作業や施設

保険の対象となる作業や施設については、ご契約時に申込書(明細書)に記載していただきます。

明細書には、補償対象としたい仕事や施設をもれなく記載しましょう。明細書に記載されていない仕事や施設に起因して生じた事故は補償されないので注意が必要です。

保険期間と支払限度額・免責金額

保険期間と支払限度額・免責金額について解説します。

保険期間

保険期間は契約方式によって異なります。

契約方式概要
年間包括契約
方式
保険期間中に行うすべての仕事を
包括的に補償の対象
保険期間は原則1年
スポット契約
方式
特定の1つの仕事を
補償の対象とする契約方式
保険期間は原則、
その仕事の期間に合わせて設定

上記いずれかのパターンから選択しましょう。

支払限度額・免責金額

支払限度額と免責金額は、契約時に自身で設定します。標準的な設定例は以下の通りです。
担保項目支払限度額免責金額
対人・対物
賠償共通
(CSL)
1億円
(1名あたり)
1億円
(1事故あたり)
なし

業種や想定される事故によって、個別に設定が必要です。また、保険期間中の支払限度額は設定されていないため、保険期間中であれば、補償を受けられます。

請負業者賠償責任保険の保険料について

東京海上日動の請負業者賠償責任保険の保険料について解説します。


保険料は、以下の要素で算出されます。

  • 仕事の具体的な内容
  • 完成工事高、請負金額等
  • 過去の事故歴
  • ご契約条件(支払限度額や免責金額、特約のセットなど)

保険料の精算を行う場合

保険料の精算を行う場合は、ご契約時には見込みの完成工事高や請負金額をご申告いただき、暫定保険料を支払います。

保険期間終了時に実績の完成工事高などを申告し、実際の確定保険料との差額を精算します。

保険料の精算を行わない場合

保険料の精算を行わない場合は、ご契約時に直近会計年度における完成工事高や請負金額について、公表資料・客観的資料などで申告し、確定保険料を支払います。

上記いずれも、どちらのほうが値段が安い、ということはありません。しかし、直近会計年度の数字と、今回補償対象とする仕事の数字があまりにも乖離する場合は、保険料精算ありの方式がおすすめです。

【参考】個人事業主の中で請負業者賠償責任保険に加入すべき業種


個人事業主の中で請負業者賠償責任保険に加入すべき業種は、一人親方として以下のような事業を行っている方です。

  • 建設業
  • 工事業(下請け)

請負業者賠償責任保険は、元請けが加入していることもあり、どこの保険会社も被保険者の範囲が下請けの使用人まで含まれるなど、補償範囲が広いケースが多いです。

しかし、元請けの保険で必ずしも対象となるとは限りません。受注する請負業務の前提として保険の加入を要求される場合もあります。

元請けの保険を使用した場合であっても、元請けの保険が事故ありとなることで、次年度の保険料が上がってしまう可能性もあるのです。

一人親方として、引き続き案件を受注していくためにも、自身で起こした事故に正しく対処できるように、賠償保険には加入しておきましょう。

一人親方を取り巻くリスクについては以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は以下関連記事をご覧ください。

まとめ:東京海上の請負業者賠償責任保険について


この記事では、東京海上日動の請負業者賠償責任保険について、以下の内容をご紹介しました。

  • 東京海上日動の請負業者賠償責任保険は充実した基本補償と、さまざまなオプション特約がある
  • 損害賠償金の他、費用補償があるため、事故の初動対応から、賠償金を支払うまでのさまざまな過程に対応できる
  • 仕事の結果に起因した事故や、工事の対象となる物件の損壊などは別途保険手配が必要
  • 保険期間は、年間包括契約とスポット契約が選択できる
  • 各種工事や作業を行う事業者が対象だが、個人事業主や一人親方も加入できる

東京海上日動の請負業者賠償責任保険は充実した基本補償と、さまざまなオプション特約が特徴的でした。

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