法人保険の名義変更プランで節税は終了!税制改正の真相を解説

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2021年3月、生命保険会社を激震させた「ホワイトデーショック」。経営者の間で密かに人気となっていた、保険商品を利用した節税方法が撤廃されるという通告でした。今回は「ホワイトデーショック」がどのような出来事だったのか、詳しく解説していきます。

内容をまとめると

  • 低解約型定期保険の譲渡時に評価額はピーク時の解約返戻金の金額で評価される
  • 改正前のルールで名義変更をするなら2021年7月まで
  • 2019年7月8日以降に契約した保険にも遡及適用される可能性大
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ホワイトデーショックをわかりやすく解説!低解約型逓増定期保険による節税が規制された!


2021年3月、ホワイトデーショックという言葉が生命保険会社や経営者の間で騒がれたことをご存知ですか?


一部の経営者の間で、「低解約型逓増(ていぞう)定期保険という経営者向けの商品を利用して節税をする」という方法が横行していました。


その抜け道に鉄槌を下したのが、いわゆる「ホワイトデーショック」という出来事です。


今回はそんなホワイトデーショックについて、

  • 「ホワイトデーショック」で具体的に何が起こったの?
  • 逓増定期保険での節税方法はどのようなものだった?
  • ホワイトデーショックにおけるポイントをご紹介!
  • これからどうなってしまうの?
以上のことを中心に解説してきます。

この記事を読んでいただければ、ホワイトデーショックで何が起きたのかと今後の対応について知ることができるはずです。

経営者や経理担当方など周囲に企業の経理に関わる人がいる方にとって大事な情報が詰まった記事ですので、最後までぜひご覧ください。

ホワイトデーショックとは?

2021年3月中旬に「拡大税制研究会」と呼ばれる集会で、国税庁が生命保険会社各社に対して通告を行いました。


その通告とは、低解約型逓増定期保険の契約者を法人から個人へと切り替え、所得税を抑えるという手法(名義変更プラン)の撤廃を伝える内容です。


この集会で「保険契約の名義変更時の評価の見直し」という税務ルールの見直し案が示されることとなりました。


現状の税制では「名義変更時の評価額=その時点で受け取ることができる解約返戻金」と設定されています。


(これが節税につながる仕組みに関しては、後ほどこの記事の「名義変更プランと呼ばれる節税の仕組み」で詳しく説明いたします。)


しかしこの見直し案によれば、「譲渡される時点での解約返戻金の金額が資産計上額の7割に満たない場合は、名義変更時の評価額=ピーク時の解約返戻金と見なされることになるのです。


つまり、解約返戻金の評価額を低いまま譲渡することができなくなるのです。


この変更によってこれまで低解約型逓増定期保険で行っていた節税対策が不可能になりました。

低解約型逓増定期保険(名義変更プラン)で法人税を節税する仕組み

低解約型逓増定期保険の法人税に対する節税効果とは、具体的にどのように利用したときに発揮されるものだったのでしょうか。


そもそも逓増定期保険をしっかり理解していないという方もおられるかも知れません。


以降、横行していた節税の仕組みとして

  • 低解約型逓増定期保険はどんな性質を持った保険なのか
  • 名義変更プランと呼ばれる節税方法
この2つのポイントを解説していきます。

低解約型逓増定期保険とは?

どんな特徴を持つ商品?


低解約型逓増定期保険

  • 死亡退職金・弔慰金
  • 退職慰労金
  • 将来の備え など

これらのリスクや出費に対して備えることができる、経営者のために販売されている商品です。 


低解約型と言葉がついていますが、このタイプは「保険加入からしばらくの期間は解約返戻金の価格が低く、その期間を超えると一気に返戻率がアップする」という特徴を持っています。


この特徴が節税に大きく関わってくるのです。


どんな保険会社で販売されているの?


販売している保険会社には



一例として上記のような会社があります。特に明治安田生命とエヌエヌ生命の逓増定期保険は人気のある保険でした。

名義変更プランと呼ばれる節税の仕組み

名義変更プランとは

上記で説明した低解約返戻型保険を利用するため、契約した段階では解約返戻金が低く設定されています。


解約返戻金が低い段階では法人が保険料を支払い、この期間のうちに保険の名義を会社から個人に変更します。このとき、従来のルールではこの時点での解約返戻金で評価されるので当然、支払った保険料より安い金額で個人に譲渡されます。


そして、解約返戻金が高くなった時に解約し個人がその解約返戻金を受け取れるという仕組みです。この時受け取るお金は税制上で役員報酬ではないため、一時所得とみなされるので所得税よりも税金が安くなります。


この仕組みを利用することで保険料の損金算入で法人税も節税しながら役員への退職金準備に備えていました。


名義変更プランの具体的な例

簡易的な数字を用いて説明します。

年数累計保険料解約返戻金返戻率
1年目2000万円0円0%
2年目4000万円200万円5%
3年目6000万円600万円10%
4年目8000万円1600万円20%
5年目1億円9800万円98%

上記の場合、4年目に名義変更(※役員に売却するとする)をします。この時現行のルールでは評価額はこの時点での解約返戻金なので役員は法人に1600万円を支払います。

そして5年目の保険りょである2000万円を個人が支払って保険を解約すると9800万円を一時所得として受け取ることができます。

するとここで受け取った分にかかる所得税は以下の計算式で求めた3075万円に対して発生します。9800万円を報酬と支払うより所得税が軽減されるのです。

(9800万円-1600万円(取得額)-2000万円(保険料)-50万円(特別控除額))*1/2=3075万円

9800万円を報酬と支払うより所得税が軽減されるのです。 


※詳しい定期保険の経理処理についてはこちら

ホワイトデーショックのポイントは「遡及課税」


ホワイトデーショックにおける抑えておくべきポイントは「遡及課税」です。


このホワイトデーショックによる税制改正においては、法人税基本通達9ー3ー5(2)に基づいて、2019年7月8日以降(バレンタインショック以降)に契約した保険も遡及適用され、改正後に名義変更をした場合、この税制のルールが適用されるという情報が流れています。


該当する契約において、税制改正日時以降に法人から個人へと名義変更を行えば改正後のルールが適用されることとなります。


要するに、2019年7月8日以降に低解約型逓増定期保険に加入した方は

  • 現在の解約返戻金が低い期間に保険を解約する
  • 税制改正前に名義変更を行い、経営者個人で保険料を負担する

というどちらも損失が生じる可能性のある対応しか残らないと考えられます。


前者の場合には解約返戻金は支払った保険料より少ないためその差額分の損をします。


後者の場合には長期間に渡って個人で保険料を負担することになります。保険料は法人税の節税効果のために設定している金額なのでとても高額になるにもかかわらず、法人保険による節税効果もそこまで期待できません。


政府は「税制を改正してはその抜け道を探されるといういたちごっこをやめる」と言及し、今回このような結果となりました。

これから低解約型逓増定期保険はどうなる?

これまでは中堅企業に法人税対策に有用なため人気な保険でしたが、税制改正によって最大のメリットが失われます。


またこの低解約型逓増定期保険への加入を勧誘した代理店などと顧客との間で、トラブルが発生してしまう可能性もあります。


朝日新聞の記事によると法人向けに特化したエヌエヌ生命は保険代理店に「低解約型逓増定期保険」の販売を止めるかのような文書を差し出しています。


各社の対応はまだ明確に流れていませんが、販売数の減少や販売停止の可能性も十分に考えられます。

まとめ


ホワイトデーショック
という出来事について、その内容や今後の動きなどを解説してきましたがいかがだったでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • ホワイトデーショックは、保険に関する抜け道を利用した節税への対策として取られた税制改正の見直し案が通達されたという出来事のこと
  • ホワイトデーショックによって、低解約型逓増定期保険を法人から個人へと名義変更することで所得税を抑える手法が撤廃される
  • 横行していた節税方法は、低解約型逓増定期保険の譲渡額が返戻金と同額に評価されるという特徴を利用したものだった
  • 見直し案が正式に発表されれば、一定期間まで遡って課税されることが想定されている
以上です。

各保険会社のみならず、経営者に対しても大きな衝撃を与えたこのホワイトデーショック。

現在は保険会社からの対応報告が待たれるばかりです。

現在契約中の皆さんはもちろんのこと、そうではない方も税制改正については知っておいて損はありません。

ホワイトデーショックに関する続報をしっかりチェックしていきましょう!

ほけんROOMでは他にも読んでおきたい法人保険に関する記事が多数掲載されています。

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