更新日:2022/10/02
事業承継を株式譲渡でする方法と絶対に抑えておくべき税金の知識【保存版】
事業承継の方法はいくつかありますが、自社で持っている株式を譲渡するという方法で事業承継することもあります。自社株での事業承継による方法やメリット・デメリットについて解説していくと共に、事業承継に伴う税金についてや株式譲渡での注意すべきポイントなども紹介します。
内容をまとめると
- 株式の価値の評価方法や株式の譲渡の方法は複数あるため、自分の会社の状況にあった方法で行うべき
- 株式譲渡で事業承継を行う場合に必要な手続や準備すべき書類は数多くあるため、準備漏れがないように事前に念入りに確認しておくことがおすすめ
- 株式譲渡による事業承継はメリットとデメリットそれぞれ併せ持っているため、それぞれのポイントを理解した上で活用していかなければならない。
- 事業承継について相談したいとなった場合は法人保険の相談が豊富なマネーキャリアへの相談がおすすめ
- マネーキャリアへの相談は予約から相談までオンライン上で完結、さらに相談料は納得できるまで何度でも無料なのでお得に相談ができる
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 事業承継における株式譲渡の基礎知識
- 株式・自社株とは?
- 非上場株式の評価方法は主に3種類
- 株式譲渡の方法は3パターン
- ①売買
- ②贈与
- ③相続
- 参考:有限会社の株式譲渡の方法
- 具体的な株式譲渡で事業承継を行う方法
- 手続きの方法は会社によって異なる!
- 底続きの流れ
- 株式譲渡に必要な書類
- 事業承継について不安ならまずはマネーキャリアで無料相談!
- 事業承継を株式譲渡で行うメリット
- メリット①現金を手にすることができる
- メリット②社員へのマイナスの影響が少ない
- メリット③手続きが簡単に済む
- 売買・贈与・相続のそれぞれのメリット
- 事業承継を株式譲渡で行うデメリット
- デメリット①債務も承継する
- デメリット②デューデリジェンスが必須
- 売買・贈与・相続のそれぞれのデメリット
- 絶対に知っておくべき株式譲渡に関わる税金の知識
- 株式譲渡による事業承継でかかる税金は7種類
- 株式売却時の譲渡所得の計算方法
- 譲渡所得税の計算方法
- 相続税・贈与税の納税猶予の特例「事業承継税制」
- 承継パターン別にかかる税金を解説
- パターン①後継者への譲渡の場合
- パターン②自社の従業員・役員への譲渡の場合
- パターン③他者への譲渡の場合
- 株式譲渡で事業承継を行う際に覚えておくべき注意点
- 注意点①同族会社でも手続きを簡易化させない
- 注意点②法務局への申請が不要でも手続きの手順を厳守する
- 注意点③非上場企業の譲渡所得は損益通算できない
- 注意点④適正価格をしっかり確認する
- 注意点⑤経営承継円滑化法を理解しておく
- 注意点⑥定款や法人登記簿で譲渡制限を確認する
- 注意点⑦タイミングを見誤らないようにする
- 注意点⑧利害関係者の意向を全て把握する
- コラム:株式譲渡と事業譲渡の違い
- まとめ:自社にとって最適な事業承継方法を知りたいならまずはマネーキャリアで無料相談!
目次
事業承継における株式譲渡の基礎知識
自分で事業を立ち上げた、もしくは事業を引継いだという人は利益を出すために、社員を守るためにがむしゃらに働いてきたという人もいるでしょう。
しかし、いつまでも事業に携わるということは現実的に難しいと言えます。
自身の体調問題、事業に携わり続けること自体が困難など様々な問題があるでしょう。
自身で事業を続けることはできなくなってしまったが、事業は続けていきたいとなった場合は、後継者に事業を託すという方法があります。
事業承継によって後継者に事業を託すとなった場合株式譲渡という方法がありますが、株式を譲渡するにあたって押さえておくべき基礎知識があります。
- 株式・自社株とは
- 非上場株式の評価方法
株式・自社株とは?
株式とは株式会社が資金集めのために株主に対して発行する証明のことです。
事業を進めるにあたって資金は必要不可欠ですが、多額の資金を集めるのは非常に大変なことと言えます。
そこで事業を行うにあたって多額のキャッシュを持っている投資家から支援を募り、資金を集めることになるのですが、その際に発行するものが「株式」です。
資本家は資金を提供した株主として、会社に対して資金の提供をしたと同時に、事業の経営に携わることができる権利を得ることができるのですが、資金提供額と経営に携わる権利を持っているという証明になるものとして発行されるものが「株式」と言えます。
それでは「自社」株とはどのようなものでしょうか?
自社株とは言葉の通り、株式会社が資金集めのために発行した株式の中でも自分の会社として取得し、持ち続けている株式のことです。
非上場企業の場合は特定の株主から株式を買い取り、自己株式を所有するというやり方をとるケースが多く。自社株とは別名「金庫株」とも呼ばれ自分の会社で保有する資産として扱われます。
非上場株式の評価方法は主に3種類
証券取引所で株式を公開していない企業の株の場合、非上場株式と呼ばれます。
上場していないということで比較対象がない状態にある非上場株式には一見して、一体どれほどの価値があるのかすぐには判断つかないということもあります。
非上場株式の価値を客観的に確認する方法は大きく分けて3種類存在します。
- 類似業種比準方式
- 純資産評価方式
- 配当還元方式
- 課税時期の属する月の類似業種の株価
- 課税時期の属する前月の類似業種の株価
- 課税時期の属する前々月の類似業種の株価
- 類似業種の前年の平均株価
相続を始めたタイミングで会社を売却した時の利益÷発行した株式の数
(株式にかかる年あたりの配当金額÷10%)×(1株あたりの資金額÷50)
株式譲渡の方法は3パターン
事業を次の代に引継ぎたいとなった場合事業承継をする必要がありますが、その際事業の財産を後継者に託す手段のうちの1つに「株式の譲渡」があります。
株式の譲渡は数ある事業承継手続きの中でも比較的実行しやすいことから、中小企業の親族内承継で多く用いられる方法といえます。
株式譲渡で事業承継するにあたって、自分の会社ですでに持っている株式を他の人に譲りわたすという方法が取られますが、株式の譲渡の方法は以下の3種類です。
- 売買
- 贈与
- 相続
①売買
株式の売買の場合は事業者と赤の他人で行うことが多くありますが、家族間や親族間でも株式の売買でキャッシュのやり取りをする場合があります。
株式の売買を行うにあたって「売買」という言葉にある通り、キャッシュが絡んできます。
つまり、家族間や親族間でのやりとりだとしても、株式を譲り受ける側の後継者にとっては会社の株を買取るだけの多額の資金が必要となってくる、すなわち「ある程度資金を持っている後継者にしか株式は譲渡することができない」と言えるでしょう。
売買による株式の譲渡のメリットは「相続における円満解決」ということが挙げられます。
先代の経営者から事業や財産の相続をするとなると問題となるのが「誰にどれだけの財産を渡すか」という問題ですが、売買によって後継者となる人が株式を買取ることが決まっている場合は遺留分から会社の株式を除くことができるため、無用なトラブルを招くことなく円満に相続問題が解決する可能性は高いでしょう。
もしも株式の売買の方法で株式を後継者へ譲渡したいと考えている場合は、後継者となる人に対して役員報酬などを用意する形で株式譲渡のための資金を用意する方法が有効と考えられます。
②贈与
株式の受け渡しを家族間で行う「贈与」という方法も一般的な方法として知られています。
贈与で株式の受け渡しを行う場合、経営者から次の代を担う後継者に対しては無償で株式を譲り渡すこととなるため、後継者としては株式を買取るための資金に苦しむことなく株式を受け取ることができます。
株式購入のための資金を用意する必要がないことから、会社の次の代を担う後継者としては負担が軽減される、株式買い取りのための多額のキャッシュを用意する必要がないというメリットがあると言えるでしょう。
また、後述する「相続」の場合は経営者が死亡した後にならないと行うことはできませんが、「贈与」となった場合、経営者が生きている間でも行えるため、経営者や後継者が良いと考えるタイミングで行うことができ、精神的な負担も軽くなります。
しかし贈与にもデメリットは存在します。
贈与におけるデメリットは税金であり、贈与するにあたって贈与税がかかってしまうということが挙げられます。
会社の規模によっては数百万円、数千万円という贈与税が課されることもあるため、贈与で株式を後継者に託すとなった場合事前に念入りな税金対策を行う必要があるでしょう。
③相続
株式の相続とは経営者の死後に行われる方法です。
事業に長年携わってきた経営者でも突然のことや万が一のことは避けられません。
経営者が残された身内や遺族に対して株式を譲渡するための方法として遺言が挙げられます。
経営者が「後世の事業のためにも、事業や財産はこのようにして欲しい」という希望を書いた遺言によって財産のうちの1つである株式は相続されることになりますが、経営者としては遺言書を作るにあたって後継者とよく話し合い、相続についてあらかじめ細かい所まで決めておく必要があります。
遺言の作成や形式について問題がなければいいのですが、遺言書作成や形式に不備があったり準備が不十分となった場合はトラブルの元となってしまいます。
後継者が事業の経営権を承継することができない、後継者となる親族の今後の経営への影響力が弱体化してしまうといった問題もなきにしもあらずです。
事業承継で相続をするとなった場合は、早い段階で相続のための準備として遺言書の作成や後継者や身内・親族との十分な話し合いが必要と言えます。
参考:有限会社の株式譲渡の方法
会社法の施行によってこれまで設立できていた有限会社は新設されることはなくなりました。
有限会社は新たに興すことができなくなったことに加え、現時点で存在している有限会社については特例有限会社という名目で今後は存続することになったのです。
現時点では特例有限会社は株式会社の仲間の1つという扱いをされていますが、かつての有限会社としてのあり方を残していることから、「親族や身内など内輪での承継」に適した仕組みになっています。
有限会社の場合相続や贈与で有限会社の株式を取得する場合は制限や承認は不要ですが、株式を譲渡する方法が少し特殊な部分があります。
譲渡するにあたっては「会社による承認」が必要と定められています。
どこが譲渡するにあたっての承認をするのかということについてですが、有限会社の場合は取締役会が設置できないことから株主総会で承認することになっていると言えるでしょう。
もしも株主総会ではないところを承認する機関と設定する場合には「株主総会の特別決議による定款変更」が必要となります。
具体的な株式譲渡で事業承継を行う方法
株式譲渡で事業承継を行うための具体的方法を紹介していきます。
株式の譲渡で事業を後継者に承継するとなった場合に注意すべきポイントは、手続方法が会社によって異なる部分があるということです。
会社の状況はまさに十人十色で1社として同じものはなく、会社としての実態や従業員数、会社で扱っているもの、株式の保有数などそれぞれ大きく異なります。
そのため、株式譲渡で事業承継を行う時は自分の会社に合う手段は何があるのか事前に十分に調べ、手続きの流れや手続きにあたって必要な書類を準備していかなければなりません。
- 株式譲渡で事業承継を行う際に直面する会社ごと異なる手続方法について
- 手続きの一連の流れ
- 株式譲渡手続きのために準備すべき必要書類
手続きの方法は会社によって異なる!
株式譲渡で事業承継を行う際の手続きの方法は会社によって異なるため、注意が必要です。
株式譲渡の場合は「株式市場で株式を売買する方法」と「売り手と買い手が直接売買のやり取りをする方法」の2種類に分けることができるでしょう。
売手企業が上場している企業であった場合は株式の大量保有報告書を提示したり、金融商品取引所規則に則った適時開示が手続きとして必要となるでしょうが、一般的な中小企業の場合は売り手と買い手の合意で手続きがスタートします。
具体的には売り手企業が株式に譲渡の制限をかけているケースでは株主総会や取締役会で譲渡承認の手続きが必要となります。
譲渡承認の手続きと言ったとところで、株主が少数で簡単なことがメリットと言われている一方、買い手が債務や不要な事業資産を引継ぐリスクもあるため注意が必要です。
底続きの流れ
手続きの流れとしては
- 株式を譲渡することについて承認してもらうよう請求する
- 企業側の意思決定機関による株式譲渡承認
- 株式譲渡契約を結ぶ
- クロージング・株主名簿書き換え
株式譲渡に必要な書類
株式譲渡のために必要な書類は譲渡制限の有無に関わらず以下の書類を取り揃える必要があるので、事前に準備しておきましょう。
- 株式譲渡契約書 :
売り手と買い手が取り交わす契約書であり、譲渡する株式の数や価格といった基本条件や支払い方法が書かれている - 株式名義書換請求書:
売り手と買い手が一緒に作成する書類であり「届出日」「株式の種類」「株式の数」「売り手のデータと実印」「買い手のデータと実印」が記されている
- 株式名簿:
「株主の氏名住所」「株主の持っている株式の種類や数」「株式の取得年月日」「株券発行番号」が記されている名簿で、後々株主名簿書き換える際に必要となる
- 株主名簿記載事項証明書交付請求書 :
買い手が書いて名義に変更されたかどうか確認するために売り手に請求する書面で、「新株主データ」「証明された日」「使用目的」を記す - 株主名簿記載事項証明書 :
上記の株主名簿記載事項証明書交付申請書が提出された段階で請求者にわたす証明書であり、代表取締役の署名と印がされている - 取締役の決定書(※取締役会設置会社のみ):
取締役会で競技、決議した内容の証明
事業承継について不安ならまずはマネーキャリアで無料相談!
これまで会社で働いてきて事業を拡大させること、利益を出すことや従業員を守ることに尽力してきた経営者が、これまで自分で担ってきた事業を後継者に託すとなると不安なこともでてくるでしょう。
今後自分がいなくなった場合の会社のありかたや、事業について心配ということもあるでしょうが、直近の不安としては事業承継のための手続きや流れといったことだと考えられます。
事業承継についてはこれまで行ってきたため慣れているという人はほとんどいないでしょう。
事業承継について不安を感じた場合はまずはマネーキャリアにご相談下さい。
マネーキャリアは長年法人関係の相談にのってきたプロであり、その道の専門家が多数在籍しています。
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事業承継について考えているがきちんとできるのか不安という人は、マネーキャリアにお問い合わせ下さい。
事業承継を株式譲渡で行うメリット
実際に事業を後継者に引き継ごうと決意した場合どのような方法で事業承継を進めていくか考え、自分の会社に適した方法で行おうと後々のプランを立てることでしょう。
事業承継のための方法はいくつかありますが、「売買」「贈与」「相続」などといった株式を経営者から後継者に対して譲渡する方法で行う利点としては
- 現金が手に入る
- 働いている社員へのマイナスの影響が少ない
- 事業承継のための手続きが簡単に済む
メリット①現金を手にすることができる
事業承継で株式譲渡を行うメリットとして第一に言えることは「現金」です。
株式の譲渡を売買で行う場合、株式を手放す対価として、買い手からは現金を受け取ることができます。
事業を承継することになった理由は様々ではありますが、理由として経営者の高齢化でやむなく事業承継をするに至った場合は株式の譲渡によって元経営者の老後のための資金を準備することにも繋がると考えられます。
また、経営者の高齢化ではないパターンとして、他事業へのシフトチェンジということも考えられますが、このようなケースでも会社の株式を譲渡することによって多額の現金が入ってくることになります。
会社の株式を譲渡することによって対価として多額の資金が手に入るため、それを元手にまた新しい事業に挑戦することができると言えるでしょう。
メリット②社員へのマイナスの影響が少ない
事業承継で株式の譲渡を行うことは社員への影響が小さくて済むということも言えます。
事業承継で経営者が変わってしまうこともありますが、このようなケースではトップの変更ということでこれまでの事業のやり方や経営方針ががらりと変わってしまい、社員がついていけなくなってしまうということがありました。
会社においてトップの存在は非常に大きいもの、トップである経営者の存在が変わることによって考えや仕事そのものがこれまでとは異なるものとなってしまうことから、経営が上手くいかなくなる、最悪の場合社員が離れていくということも見られました。
しかし、株式の譲渡で事業承継をする場合は、経営者は変更なしで、事業のための資金を提供し、経営に参加する権利を持つ株主のみ変更となることが多く見られます。
そのため、実務上はこれまでと比べて大きな変更点もなく経営や営業のあり方を崩すことなく続けることができると言えます。
株式譲渡の際に含める条件に「従業員の雇用」の内容についてしっかりと折り込んだ上で株式の買い手に交渉することで社員へのマイナスの影響はより少なくなることから、トラブルも抑えることができるでしょう。
メリット③手続きが簡単に済む
3つ目のメリットとして手続きの簡単さが挙げられます。
事業承継で株式を譲渡することは、他の事業承継の方法と比べても手続きが簡単であり混乱を招くことが少ないと言えます。
他の方法で事業承継した場合は専門の仲介者を探したり、債権や債務などの契約条件1つひとつについて同意を取付けていかなければならない、雇用条件の調整が難しくなかなか合意が形成できないといったデメリットもあります。
しかし株式譲渡の場合は「株式売買契約書の作成」「株式に対する対価を払い込む」といった簡単な手続によって完結します。
他の手続きのように専門家を探す、合意や同意の取付けに難航するといったこともないため時間も手続の手順もショートカットすることができると言えるでしょう。
売買・贈与・相続のそれぞれのメリット
ここまでは事業承継における株式譲渡のメリットを挙げてきましたが、売買や贈与、相続のそれぞれの方法にもメリットはあります。
株式で売買が伴う場合は金銭が関係してくるため、事業の売り手には事業売却したことによる資金が入ってきます。
事業の売り手としては資金調達が可能であり、廃業のためにかかる費用を削減することができるというメリットがあるでしょう。
贈与の場合は自社株評価額のタイミングをみて事業承継を進めることができるというメリットがあります
自社株の評価額が高いタイミングで事業承継を進めてしまうと相続税などが高く付いてしまいますが、自社株の評価額が低いタイミングをみて事業承継を進めることによって税金を抑えながら贈与することが可能になるのです。
また、死亡する前に行う生前贈与を行う場合は家族などに対して株式を無償で譲渡できることから税金の対策にもなるでしょう。
相続の場合は経営者の廃業コスト削減が挙げられます。
事業をたたむにしてもやはり多額の資金は必要となってくるため、簡単に店じまいもできません。
しかし、相続することによって経営者は廃業するための資金を抑えることができる、そして相続を受けた側は無償で事業を承継することで自ら事業をおこすための費用を節約することができると言えます。
それぞれが持つメリットを見比べてみて、自分の会社に合う方法で事業承継を行うと良いでしょう。
事業承継を株式譲渡で行うデメリット
事業承継を株式譲渡で行う長所は数多くあるため一例を挙げてきましたが、事業承継を株式の譲渡で行う方法は長所ばかりとは言いきれません。
物事には表と裏があるように、欠点もあるということを忘れないようにしましょう。
事業承継を株式譲渡で行う場合の考えられる欠点として
- 同時に債務も承継することになってしまう
- デューデリジェンスを欠かすことはできない
デメリット①債務も承継する
事業承継を株式譲渡で行うデメリットとしては、承継するにあたって事業の債務もあわせて承継することになってしまうということです。
承継というと資産や事業の権利といったプラスに働くものを承継するというイメージが強くありますが、承継するものはいいものばかりとは限りません。
会社にかかえている債務などといったマイナス事項も引継ぐことになります。
経営に関わる経営権を手に入れることと引き換えに、会社の債権や債務といったももの全て契約関係のものとして引継ぐことになることから、ある程度の覚悟が必要となってくるでしょう。
承継によって資産や経営権といったプラス面の承継と、債権や債務といったマイナス面の承継を天秤にかけ、有利不利をしっかり熟考することが重要と言えます。
デメリット②デューデリジェンスが必須
事業承継で株式譲渡を行う際のデメリットに「デューデリジェンス」が挙げられます。
デューデリジェンスとは買収のための審査のことであり、事業を承継するにあたって買収する対象となる企業を細かく調査し買収価格を決め、計画を立てていく手順が必要となります。
デューデリジェンスを行うとなった場合弁護士や会計士に依頼することになるのですが、デューデリジェンスを行う企業の規模によって1時間あたりいくらという報酬が発生します。
また、弁護士や会計士に支払う報酬・コストが発生するということに加えてデューデリジェンスを行うための時間がかかるという点もデメリットと言えるでしょう。
デューデリジェンスは株式譲渡を行う際には必ず行わなければならないものであると言えますが、コストや時間・手間といった問題が絡むということも頭に入れておきましょう。
売買・贈与・相続のそれぞれのデメリット
先程は売買・贈与・相続におけるメリットを説明しましたが、メリットばかりではありません。
それぞれのデメリットも理解した上でどの方法をとるか考えるということは非常に重要なこととなってきます。
売買におけるデメリットは売買のための資金です。
売買はキャッシュが絡む取引であることから売買に必要な資金を調達する必要があるといえるでしょう。
買い手側としても売買のための資金を調達することになるのですが、その資金をすぐに用意することができず融資などで準備した場合は、後々株式の価格が低下するリスクもあるためマイナスを負うことになるというデメリットがあります。
贈与の場合は税金がデメリットになる可能性があります。
贈与についての税金の課税方法は大きく分けて2種類あります。
- 暦年課税:
年間110万円までは非課税 - 相続時精算課税:
相続が発生したときに贈与された財産と相続した財産を合わせて税金の額を計算し直す
相続の場合後継者が株式を得るための資金を用意しなくても良い一方、相続争いが起きやすいと言えます。
家族間の事業承継の場合の相続争いも大変ですが、これが相続の幅が広がった場合はさらに収集がつかなくなってしまいます。
場合によっては後継者の地位が不安定になってしまうことも無きにしもあらずなので相続の際は十分注意が必要です。
絶対に知っておくべき株式譲渡に関わる税金の知識
株式を譲渡する際には多額のキャッシュが動く取引であることから、税金も大きく関わってくる取引となります。
そのため、株式譲渡に関係する税金についての知識は必要不可欠と言えるでしょう。
- 株式譲渡の方法で事業承継する場合にかかる税金の種類
- 株式を売却した時の譲渡所得についての計算方法
- 譲渡所得税の計算方法
- 相続税・贈与税の納税猶予の特例である「事業承継税制」
株式譲渡による事業承継でかかる税金は7種類
- 譲渡所得税:
株式を売った価格−(買値+売却にかかった費用)に課税される - みなし譲渡所得税:
個人から法人に株式を時価50%未満という非常に低い価格で譲渡した時は「時価で譲渡した」とみなして譲渡所得税が課税される - 所得税:
自社に対して譲渡した場合、自社からの配当とされる部分が給与などと合わさり「所得税」扱いで課税対象となる - 贈与税:
株式を個人に対して譲渡した場合に、株式を譲られた側が納めるべき税金 - みなし贈与:
個人と個人で株式を贈る・もらうというやりとりをした際に、譲った人が相続税評価額未満の価格で相手に譲った場合は時価との差の分は「贈与」として贈与税が課税される - 相続税:
株式の本来の持ち主が亡くなった場合、遺産分割で株式を所有することになった人が納めるべき税金 - 法人税:
法人が時価より低い価格で株式を得ることになった際、時価との差は「受贈益」という扱いで法人税が課されることになる
株式売却時の譲渡所得の計算方法
株式を売却した場合、会社の株式を譲渡したことによって譲渡所得が発生します。
株主が買い手側の会社に対して株式を売り、売却の代金は株主が受け取ることになるのですが、この際に出た利益が税金の課税対象となります。
株式の売却から得られる利益である「譲渡所得」は譲渡所得税の計算にも関わってくる数字であるため、事前に譲渡所得の計算を行う必要があると言えます。
譲渡所得の金額 = 譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-50万円
事業を購入した際の代金を取得費とし、購入に当たっての手数料や設備費、改良費なども含めた費用として扱います。また、譲渡費用とは事業を売却するために直接かかった費用のことを指しています。
譲渡した価格から取得費と譲渡費用を足したものを引き、さらに50万円を引いた額が譲渡所得の金額となります。
短期譲渡所得の金額は全額が総合課税対象となりますが、長期譲渡所得の器楽は半額が総合課税の対象となる部分がポイントです。
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税の計算方法は以下の通りです。
譲渡所得税=売却費用−取得費用−手数料
取得費用は、その株式をはじめて取得した際にかかった費用として、会社設立時に出資した金額が取得費とされます。
帳簿に「資本金」として記載されている金額が取得費と考えて問題ないでしょう。
万が一取得費が不明という場合は概算取得費を計算し、売却代金の5%を計上することにします。
手数料とは事業承継するにあたって仲介会社や業者に支払った金額のことを指します。
この譲渡所得税の計算の中で出てくる手数料は仲介会社や業者に成功報酬を指していますが、算出する際にレーマン方式という計算方法で手数料を求めます。
- 譲渡価格が5億円までの部分:5%
- 譲渡価格が5億円超え・10億円未満の部分:4%
- 譲渡価格が10億円超え・50億円未満の部分:3%
- 譲渡価格が50億円超え・100億円未満の部分:2%
- 譲渡価格が100億円を超える部分:1%
レーマン法式で手数料を算出するケースは依頼者の獲得することができる費用が変動する仕事の場合です。
譲渡価格によって報酬率を上下させることによって獲得した費用の大きさに関係なく平等に成功報酬が計算されるという考え方から手数料に関してはレーマン方式が取られています。
相続税・贈与税の納税猶予の特例「事業承継税制」
事業承継において経営者から後継者へと事業の承継をするにあたって相続税や贈与税がかかってきます。
相続税や贈与税といった税金は会社規模や会社として所有している資産によって納税額が上下するものであり、会社の規模や所有している資産が大きければ大きいほど多額の納税が必要となってきます。
会社の規模によっては数百万円、場合によっては数千万円にものぼることもあります。
相続税や贈与税の納税にあたって突然多額のキャッシュを用意することができないとなった場合は納税猶予の特例である「事業承継税制」を活用し、納税の心配事を解決させることができます。
事業承継税制においてはじめの段階では贈与税は特例事業承継税制を活用することで納税猶予されますが、納税猶予額は後日元経営者が死亡することによって「相続で取得したもの」という扱いに切り替わり、贈与税から相続税の課税対象へと変更になります。
相続税は発生してしまうものの、相続税の納税猶予に切り替えられ、さらに次の後継者へ特例事業承継税制をか通用して贈与した場合納税の免除を受けられます。
事業承継税制を受けるためには「都道府県知事による認定」「税務署への申告」が必要です。
特例事業承継税制は、2018年1月1日から、2027年12月31日までの10年間限定の制度ですので手続きはお早めに行うようにしましょう。
承継パターン別にかかる税金を解説
事業を行っている人にとって税金を納めることは切っても切れないことではありますが、事業承継のパターンごとにかかる税金は変わってきます。
譲渡する先、誰に事業を承継し譲渡するのかによって納めるべき税金が異なることを注意しなければなりません。
- 親族間への譲渡の場合
- 自社の従業員・役員への譲渡の場合
- 他者への譲渡の場合
誰に対して事業を承継させるかによってかかってくる税金の種類や金額は大きく変わってくるため、承継パターン別にかかる税金についてはしっかり理解しておくと共に、必要な金額については納税に困ることのないように事前に準備しておきましょう。
パターン①後継者への譲渡の場合
自分の子供や親戚といった親族間に資産を譲渡する場合、「相続」「贈与」「売買」によって納めるべき税金は変わってきます。
相続の場合は経営者の死後に相続が行われることになりますが、経営者が何もせずに死亡してしまうと相続時に株式や資産が法定に則って分散してしまうため、遺言を作成しておかなければなりません。
事業を引継いだ後継者は相続にかかる相続税を納めることになります。
贈与の場合は経営者が生きているうちに後継者に対して行われるものでありますが、生前贈与の場合は贈与にかかる税金が相続のときに比べて評価額あたりの税率が高く出てしまうため、まとめて贈与するとした場合は贈与税が高くなってしまいます。
売買の場合は通常の株式売買とされるため、想像や贈与の場合で考慮しなければならない「他の相続人の遺留分」は考える必要がなく、贈与税や相続税も課税されません。
パターン②自社の従業員・役員への譲渡の場合
自社の従業員や役員へ譲渡する内部承継の場合、会社の資産をどのくらいの対価でもって従業員や役員に譲渡したのかという金額の大きさで納めるべき納税額は変わってきます。
譲渡するにあたって、従業員や役員であることを理由に安価で取引するというケースもよく見られます。
従業員や役員に対して極めて低い価格で資産を譲渡した場合は、実際に受領した金額ではなく、「譲渡したタイミングにおける資産の時価にあたる金額」が課税対象としてチェックされ実際に課税されることになります。
「著しく低い時価」とはどの程度のものかというと、「その資産の時価の50%」がボーダーラインとなります。
その資産の時価を見て、時価の半分にも達しない金額で従業員や役員に譲渡した場合は「時価と比較して考えても著しく低い価格」という扱いでもって譲渡時の時価で計算することになります。
反対にある程度の金額でのやりとり、具体的には時価50%以上相当の金額で譲渡した場合は「著しく低い価格での譲渡」にあたらないとされ、譲渡時の受領金額で計算されることになります。
しかしこれには勤続年数などによる例外もあります。
法人から自社の従業員や役員に対して極端な低価格で譲渡というケースだとしても、勤続年数などに応じた合理的な値引き率で行われたとされた場合は、例外的に実際の対価の価格を参考に課税されることとなります。
パターン③他者への譲渡の場合
M&Aなどのように他者へ譲渡した場合は経営者に対して所得税がかかることになります。
事業を譲渡した日までに、経営者が事業で得た利益に対して確定申告を行い、所得税を納めることなります。
事業譲渡した資産の中に土地や建物が含まれていた場合は別途税金を計算する必要がでてくるため注意が必要です。
事業譲渡した資産のなかに土地や建物が含まれていた場合は譲渡所得税が発生し、通常の事業所得とは分けて税金を納めなければなりません。
通常の事業所得とはわけて税金を納める方法は分離課税とされ、確定申告を行う際には通常の申告書とは別に申告書を作成しなければなりません。
分離課税用の第三表を作成し、税務署あてに提出する必要があります。
他者へ譲渡した場合は基本的に所得税がかかり、例外として土地や建物があった場合は譲渡所得税の扱いになる、所得税と譲渡所得税は一緒に収めることはできないと覚えておくと良いでしょう。
株式譲渡で事業承継を行う際に覚えておくべき注意点
株式譲渡で事業承継を行う際に覚えておかなければならない注意点がいくつかあるため、将来的に株式譲渡で事業承継を行いたいと考えている人や、事業承継で株式譲渡が方法として候補にあるという人は覚えておきましょう。
- 同族会社でも手続きを簡易化させない
- 法務局への申請が不要でも手続きの手順を厳守する
- 非上場企業の譲渡所得は損益通算できない
- 適正価格をしっかり確認する
- 経営承継円滑化法を理解しておく
- 定款や法人登記簿で譲渡制限を確認する
- タイミングを見誤らないようにする
- 利害関係者の意向を全て把握する
注意点①同族会社でも手続きを簡易化させない
株式を譲渡するに当たって同族会社だからといって手続を適当に済ませるようなことはあってはいけません。
本来であれば株式の譲渡を行うとなった場合は株式総会などで株主の意見や同意を得てから行うものですが、同族会社や家族間で株式の譲渡を行う場合はそのプロセスを抜かして簡素化したショートカットの方法で行いがちです。
株式総会を設けずに株主総会議事録などの重要書類を作成し、株主総会を行った体で進めてしまうと、後々のトラブルの元となってしまいます。
家族同士の関係が良好であればいいのですが、良好とは言いがたい場合は後になってからトラブルとなってしまうため、踏むべきステップはきちんと踏んで手続を行うべきです。
注意点②法務局への申請が不要でも手続きの手順を厳守する
基本的には何か変更点や申請の必要性が生じた場合法務局へ申請する必要があるのですが株式譲渡で事業承継を行う場合、事業承継のケースによっては法務局への申請は不要とされる場合もあります。
法務局への申請がない分、手続で必要なステップは短くなるという面はありますが、法務局への申請が不要だからといって適当な手続で済ませてしまうということは無いようにしましょう。
法務局への申請がないということはすなわち行政のプロのチェックが入らないということを意味します。
行政のプロが入らない手続ということで、手続そのものにミスが起こりやすい、ミスに気づきにくいということが言えます。
役所が関与しないからといって手続を甘く見ると後々問題となりますので、十分に気をつけ自分の考えだけで手続をショートカットしないようにしましょう。
注意点③非上場企業の譲渡所得は損益通算できない
注意点としては非上場企業における株式の譲渡所得の扱いがあります。
非上場企業の株式については分離課税の扱いとなります。
非上場企業で株式のやりとりをした場合に譲渡所得が発生することになりますが、この時譲渡したことで手に入る所得については分離課税で他の所得と区別して税額の計算がされます。
給与所得や不動産所得といった他の所得と一緒に税額を計算することができるものは一定期間内の利益と損失の相殺という損益通算することができるのですが、非上場企業株式の譲渡所得は他の所得と区別して計算するという仕組み上、損益通算は不可能とされてしまうのです。
利益と損失の相殺という損益通算ができないということで、計算を行っていく上では十分な注意が必要と言えます。
注意点④適正価格をしっかり確認する
株式譲渡で事業承継を行う際は「適正価格」に注意する必要があると言えるでしょう。
事業承継で株式を売却するとなった場合、株式売却の価格は時価で設定されることがほとんどであり、株式を非公開としている企業の場合はその「時価」を定める決め方が難しいということもあります。
株式を非公開としている企業の場合では十分な資金が無いというケースもありえます。
家族や家族以外の役員・従業員が事業承継を行うとなった場合は会社の株式を買取るほどの十分な資金が無いということで、株式のやりとりを行う当事者間の考え方や事情1つで簡単に時価が上がったり下がったりすることもあるのです。
時価とされるものが突然上がったり下がったりした場合、上下する根拠が不明であり適正な価格とは言えません。
株式のやりとりを行う場合はその価格が適正なものであるかどうかよく確認してからやりとりするようにしましょう。
注意点⑤経営承継円滑化法を理解しておく
株式を譲渡することによって後継者へ事業承継を行うことになった場合は、事業承継についての決まりについて細かく定められている「法律」をきちんと把握しておく事が重要です。
法律が多数ある中でもとりわけ「経営承継円滑化法」という法律については事業承継についてはじめに押さえるべき法律であることから、事業に携わる者として十分な理解が必要です。
事業所系円滑化法とは、中小企業における事業や経営の承継などといった「承継に関すること」を総合的に支援するために定められたという経緯がある法律であり、正式な名称は「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」です。
法律に記されている内容としては以下の内容が挙げられます。
- 遺留分についての民法の特例
- 事業承継のための資金などを確保するために行う金融面での支援
- 事業承継に伴う税負担の軽減の前例となる認定
注意点⑥定款や法人登記簿で譲渡制限を確認する
株式譲渡で事業承継を行うとなった場合は譲渡制限がないかどうかをよく確認した上で譲渡するようにしましょう。
会社に関する基本的な情報については会社の定款を見ると分かるようになっています。
定款はいわば会社のルールブックであり、株主は会社経営に関係する立場上定款を見る権利があります。
自身で持っている定款を確認する、もしも持っていない場合は会社に対して定款の閲覧を求めることもできます。
万が一会社側に定款がない、定款を紛失してしまったということで定款の確認ができないといった場合は、法人登記簿で代替とすることができますので、これらの方法で譲渡制限がかかっていないかどうか、譲渡のやりとりを行う前に確認するようにしましょう。
注意点⑦タイミングを見誤らないようにする
何事を行うにもタイミングというものが重要といえるでしょう。
株式譲渡で事業承継を行う場合も例外ではなく、タイミングが重要となってきますので、ここぞというタイミングを見誤らないようにしましょう。
株式譲渡に当たってはタイミングが大切ということで、考えずに行うことも慎重になりすぎてもいけません。
事業承継とは会社にとって今後どうなるのかという将来を決定づける大切なプロセスということもできますので、それなりの条件やタイミングを見て行わないとハイリスクと言えます。
自社株を売ることで安易に利益があがるという考え方をする人もいますが、この考え方は危険ですのでやめましょう。
株式譲渡での事業承継については反対に深く考えすぎてタイミングやご縁を逃してしまうのも問題ですので、タイミングは逃さないよう常にアンテナを張っておき要望があれば素早く対応できるように準備しておくことをおすすめします。
注意点⑧利害関係者の意向を全て把握する
利害関係者の意向については全て把握するよう務めなければなりません。
何かを行うとなった場合、それに関係することになる人は希望や要望をもって行うものです。
株式譲渡によって事業承継をするとなった場合も同じで、株式を譲る側も株式を譲られる側もそれぞれ何らかの思いや考えがあることが予想されます。
どちらかのみが得をすることも、どちらかのみが損をするということも不公平を招くため、避けなければなりません。
お互いにメリットやデメリットを受け入れ、利害について十分に理解した上で物事を進めていくことが第一となるでしょう。
利害関係者の意向を無視するようなことはあってはならないため、全て把握し互いに理解しあえるように歩み寄る姿勢が必要と言えます。
コラム:株式譲渡と事業譲渡の違い
M&Aの手法のなかでも事業承譲渡と株式譲渡は用いられることが多い手法といえますが、株式譲渡と事業譲渡の違いはどこにあるのでしょうか?
はじめに事業譲渡とは、企業が持っている事業の一部または全部を第三者である企業に譲渡することです。
譲渡するものは向上や不動産などのかたちあるものから、ノウハウやブランドといった実態がないものにまで至ります。
事業譲渡の場合の経営権については、事業譲渡によって経営権は移動しないため譲渡した後も経営権を持ち続けていることも可能です。
そして株式譲渡とは企業オーナーである株主が他企業もしくは個人宛で持っている株を譲り渡すことであり、譲渡するものは株式に限り、経営権については過半数株式を譲り渡してしまうと会社の経営権が移転することになります。
この2つの譲渡の違いとしては以下の4つが挙げられます。
- 取引主体:
株式譲渡…取引相手は株主個人
事業譲渡…取引相手は法人 - 譲渡する対象:
株式譲渡…株式を譲渡する
事業譲渡…事業の資産 - 契約内容:
株式譲渡…株式譲渡契約
事業譲渡…事業譲渡契約 - 実施の目的:
株式譲渡…株式の過半数を持つことで軽経験を獲得することが目的
事業譲渡…事業自体を取得することが目的
まとめ:自社にとって最適な事業承継方法を知りたいならまずはマネーキャリアで無料相談!
事業承継のための方法は複数あり、それぞれに特徴があることからすべての企業にとってこの方法がおすすめ、この方法で事業承継するべきと一辺倒に勧めることは不可能ということが分かるでしょう。
会社の規模や後継者の有無、保有している資産など会社の状況はその会社ごとによって異なることから、まさに状況は十人十色であり、それぞれの状況に応じた事業承継を行っていくべきということができます。
事業承継については様々な方法があり、どの方法をとるべきか、どの方法が自社に適しているのか分からなくなることがあると思いますが、そのような際にはぜひともマネーキャリアにご相談下さい。
マネーキャリアはこれまで数多くの法人相談にのってきた経験があり、多くの企業の事業承継や保険についてなどの問題や課題を解決してきたという実績があります。
これまでの実績に加え、相談の予約から実際の相談までオンラインで完結するという便利な点もポイントと言えるでしょう。
気になる相談料についてですが、相談内容に対して納得できるまで何度でも質問できさらに無料で行います。
事業承継の方法について相談したいと思った際はお気軽にマネーキャリアにご連絡ください。
ほけんROOMでは税務や会計に関する記事を多数掲載しておりますので、興味のある方は合わせてご覧ください。
▼この記事を読んでわかること