風水害は火災保険で補償される?補償内容や保険会社のプランを紹介!
更新日:2019/01/29
掲載日:2019/01/29
火災保険は火災だけでなく、台風や雪災、水災で被害を受けた場合も保険金がおりるのをご存知でしたか?様々な風水害に対応できる一方、自動車への被害については補償されない点もおさえておきましょう。火災保険の風水害補償が手厚い火災保険・共済もご紹介します。
風水害は火災保険で補償される?
風水害は火災保険でカバーできる
火災保険は、台風、旋風、竜巻、暴風等による「風災」や、台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ等の「水災」も補償範囲です。
しかし、地震や噴火による津波等の被害は、火災保険ではなく地震保険の補償対象になるので注意が必要です。
こちらでは、火災保険の風水害補償とその注意点等を解説します。
風災・ひょう災・雪災の補償内容!台風についても解説
台風、旋風、竜巻、暴風等による風災、雹災または豪雪、雪崩等の雪災でご自分の建物・家財へ被害が出た場合に補償対象となります。
保険会社から下りる保険金額は建物と家財の場合とで、それぞれ次の通りになります。
建物の場合
- 全壊の場合:「損害保険金=建物保険金額」
- 全壊以外の場合:「損害保険金=損害の額-免責金額」
ただし、多くの保険会社では、1回の事故につき破損、汚損等である場合は100万円または家財保険金額のいずれか低い額の保険金が下ります。
そして、免責金額は1回の事故ごとに適用されます。
水災の補償内容
水災の補償は、次のような被害が発生したことを条件に補償されます。
- 台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ等の被害で発生
- 床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水を被って保険の対象に損害が生じた
こちらも全壊の場合は「建物保険金額」分の保険金が下り、全壊以外の場合は「損害の額-免責金額」分の保険金が下ります。
免責額で保険金がもらえない場合も
火災保険は、契約した商品によって免責金額を設定している場合があります。
これは損害額が一定以上にならないと保険金が支払われない仕組みのことです。
つまり、保険会社としては、損害額が設定された金額未満なら保険加入者だけで何とかしてもらいたいということです。
免責金額は補償内容によって決められており、例えば風災・雹災・雪災の補償は概ね20万円未満が免責となります。
この場合、20万円まで損害額が達しないと保険金は下りません。
災害後の臨時費用は費用保険金で補える
いざ損害が発生すると、火災保険で損害を補償することの他、損害額以外にもいろいろな費用がかかることもあります。
流失・倒壊した建物や家財の撤去費用が代表例といえます。
その損害時にかかる費用を、保険金額の枠外で受け取れるのが、「費用保険金」と呼ばれる補償サービスです。
費用保険金は、どの保険会社でも概ね「保険金額の5%相当額」分というように設定しています。
参考:自動車は家財に含まれない!自動車保険で備えを
自動車はご自分や家族の大切な財産ですが、残念ながら家財には含まれません。
自動車の場合は「車両保険」で、風水害等から補償する必要があります。
車両保険とは、自動車保険の1種で、自分の財産である自動車を補償する保険です。
車両保険に加入していると、台風、竜巻、洪水、高潮、火災や爆発等からも補償されます。
火災保険・火災共済の風水害補償を紹介
いろいろな保険会社の火災保険・火災共済で、風水害補償は基本補償として設定されています。
こちらでは、「損保ジャパン日本興亜」、「三井住友海上」、「全労済」、「県民共済と府民共済」の火災保険の風水害補償を解説します。
損保ジャパン日本興亜の風水害補償
損保ジャパン日本興亜の火災保険である「THE すまいの保険」、「THE 家財の保険」では自己負担額(免責額)が選択できます。
選択できる自己負担額(免責額)は、0円・1万円・3万円・5万円・10万円の5種類です。
利用者からすれば自己負担額(免責額)0円を選びそうなものですが、火災保険料はその分高くなります。
また、自己負担額(免責額)0円を選んでも、不測かつ突発的な事故(破損・汚損等)の自己負担額は結局1万円となります。
三井住友海上の風水害補償
三井住友海上の火災保険である「GK すまいの保険」は、建物・家財それぞれで免責金額の設定が異なります。
- 建物:1万円・3万円・5万円・10万円の4種類を設定できます。
- 家財:1万円・3万円・5万円の3種類を設定できます。
全労済の風水害補償
全労済の「住まいる共済」では、風水害等共済金は次のように設定されています。
建物の被害の程度
被害の程度 | 損害の程度 | 加入保障額10万円(1口)あたりの共済金/支払限度額 |
---|---|---|
全壊・流失 | 住宅の損壊率70%以上 | 30,000円/300万円 |
半壊 | 住宅の損壊率20%以上70%未満 | 15,000円/150万円 |
一部壊① | 住宅の損害額:100万円超 | 4,000円/40万円 |
一部壊② | 住宅の損害額:50万円超~100万円以下 | 2,000円/20万円 |
一部壊③ | 住宅の損害額:20万円超~50万円以下 | 1,000円/10万円 |
一部壊④ | 住宅の損害額:10万円超~20万円以下 | 500円/5万円 |
被害の程度 | 損害の程度 | 加入保障額10万円(1口)あたりの共済金/支払限度額 |
---|---|---|
全床面50%以上① | 150cm以上 | 15,000円/150万円 |
全床面50%以上② | 100~150cm未満 | 10,000円/100万円 |
全床面50%以上③ | 70~100cm未満 | 7,000円/70万円 |
全床面50%以上④ | 40~70cm未満 | 5,000円/50万円 |
全床面50%以上⑤ | 40cm未満 | 3,000円/30万円 |
50%未満① | 100cm以上 | 3,000円/30万円 |
50%未満② | 100cm未満 | 1,000円/10万円 |
県民共済と府民共済の風水害補償
都道府県民共済の火災共済「新型火災共済」では、風水害等により10万円を超える損害または床上浸水を被った場合、「風水害等見舞共済金」が支払われます。
建物・家財の被害の程度
全壊・全壊以外の共済金の支払限度額は次の通りです(住宅・家財とも加入)。
被害の程度 | 加入額が2,000万円以上 | 加入額が2,000万円未満 |
---|---|---|
全壊·流失 | 600万円 | 加入額30%分 |
半壊 | 300万円 | 加入額15%分 |
一部壊①損害額:100万円超 | 60万円 | 加入額3%分 |
一部壊②損害額:50万円超~100万円以下 | 40万円 | 加入額2%分 |
一部壊③損害額:20万円超~50万円以下 | 20万円 | 加入額1%分 |
一部壊④損害額:10万円超~20万円以下 | 一律5万円 | 一律5万円 |
床上浸水の場合
床上浸水の共済金の支払限度額は次の通りです(住宅・家財とも加入)。
被害の程度 | 加入額が2,000万円以上 | 加入額が2,000万円未満 |
---|---|---|
全床面50%以上①浸水高:120cm以上 | 300万円 | 加入額15%分 |
全床面50%以上②浸水高:60cm~120cm未満 | 120万円 | 加入額6%分 |
全床面50%以上③浸水高:60cm未満 | 60万円 | 加入額3%分 |
全床面50%未満①浸水高:60cm以上 | 60万円 | 加入額3%分 |
全床面50%未満②浸水高:60cm未満 | 20万円 | 加入額1%分 |
まとめ:火災保険で風水害対策をしましょう
火災保険で補償される風水害の補償範囲と注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは
- 風災・ひょう災・雪災・水災の補償は火災保険で行われる
- 風災・雹災・雪災の補償には免責金額を設定している場合がある
- 各火災保険・火災共済によって免責金額・補償金額に差異がある
火災保険は、ご自分の建物・家財の火災被害を補償する場合のほか、自然災害の被害も補償対象です。
特に台風等の被害を受けやすい地域の方々は、「風水害」も火災保険の補償対象なので、まさかの事態のとき非常に助かりますよね。
しかし、この風水害は全てのケースで保険金が下りるわけではなく、下りない場合もあることはご存知でしょうか。
風水害に関する補償内容をしっかり確認しておかないと、保険金を請求する段階になって大慌てすることもあります。
そこで今回は、「火災保険で補償される風水害の補償範囲と注意点」について