津波の被害は火災保険で補償されない!地震保険の加入が必要!

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南海トラフ巨大地震が今後30年のうちに約70%の確率で発生すると言われている今、地震で起こる津波の対策を入念に考える必要があります。もし津波で家に甚大な被害が出たとき、火災保険では補償されず、火災保険に付帯する地震保険から補償されます。

津波による被害は火災保険で補償されない!

ご自宅を持つ皆さんにとって、火災のみならず落雷や風災、雪災、水災のような自然災害も、無視できない心配の種と言えます。


東日本大震災で現実になった、発生すると広範囲の地域に甚大な被害を及ぼす津波も、火災保険で補償されるのならば、ご自分・家族は非常に安心できますよね。


南海トラフ巨大地震が今後30年のうちに約70%の確率で発生すると言われています。しかし、津波は火災保険だけだと補償対象外となってしまうことをご存知でしょうか。


津波被害からご自分の建物や家財が補償されるためには、「地震保険」への加入が必要不可欠です。実は火災保険ではないのです。


そこで今回は「津波の被害補償のために加入する地震保険の必要性」について

  • 地震保険の特徴
  • 地震保険に関するよくある疑問
  • 被災者生活再建支援制度と地震保険
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、津波被害へ備えた地震保険の必要性を理解することに役立つかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

津波の被害補償は地震保険の加入が必要!

津波被害は一度発生すれば、広範囲の地域の建物そして人命に重大な事態を及ぼす大災害となります。これは、東日本大震災に関するインターネットや、TVの報道でもご存知の通りでしょう。


しかし、津波の被害補償は火災保険で対応できず、「地震保険」に加入してその被害へ備える必要があります。


こちらでは、地震・噴火・津波の損害を補償する地震保険の特徴等について解説します。

津波による被害を受けたとき補償対象のもの

地震保険の補償対象となるものは次の通りです。

  1. 地震が原因で津波が発生、自宅の建物・家財が流出
  2. 対岸の土砂崩れが原因の津波で、建物が床下浸水、家財が破損した
「1」は地震が原因による津波なので、建物・家財で双方の補償に入っていれば、問題なく保険金が支払われます。

「2」は地震が原因とはまだ特定されていないものの、津波は地震または火山活動で引き起こされるケースがほとんどなので、地震保険で補償が受けられることでしょう。

なお、ご自宅の駐車していた自動車が流された場合は、残念ながら地震保険では補償されません。

この場合には、車両保険に地震・津波等の被害が補償される特約を付加して、備えておく必要があります。

地震保険への加入は火災保険とセット!

地震保険は単独で加入することができません。ご自分が火災保険へ加入する際に、セットで地震保険を付帯する必要があります。


ただし、当初は火災保険だけを契約して、後から地震保険の重要性に気付いた場合でもご心配なく。


地震保険を加入中の火災保険へ追加することができます。加入手続きの方法については、保険会社のカスタマーセンター等へ問い合わせてみましょう。

地震保険の保険金額はどれくらいなの?

地震保険の保険金額は、実のところ火災保険と全く同一ではありません。

地震保険の保険金額は、火災保険金額の30%~50%で設定され、更に建物ならば5,000万円、家財は1,000万円の上限が設定されています。

地震の損害認定の違いで、受け取れる保険金額が次のように異なります。

(例)火災保険金支払限度額1,200万円、2017年1月1日以降始期契約の場合
  • 全損認定:保険金額600万円(時価限度)
  • 大半損認定:保険金額360万円(時価の60%限度)
  • 小半損認定:保険金額180万円(時価の30%限度)
  • 一部損認定:保険金額30万円(時価の5%限度)

津波を補償する地震保険の保険料と割引制度

地震や津波は一度発生すると広範囲の地域と人に甚大な被害を与えます。


そのため、より的確なサポートの必要性から、地震保険は国・保険会社が共同で運営している仕組みとなっています。


地震保険の保険料は均一?

どの保険会社の地震保険へ加入しても、最終的には「政府+損害保険会社」が共同で補償する形となります。つまり、地震保険の補償内容や保険料は均一となってしまいます。


しかし、保険料に関しては、震災リスクの高まりに合わせ、各地域の保険料改定が行われます。そのため、各都道府県で保険料の違いが出てきます。


地震保険には割引制度がある

地震保険は、建物の免震・耐震性能や建築年月に応じた保険料の割引制度が設けられています。


割引内容は次の通りです(保険始期が2017年1月1日以降の地震保険契約の場合)。

  • 免震建築物割引:建物が、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づいた免震建築物である場合は、保険料の50%が割引となります。
  • 耐震等級割引:耐震等級が高いほど割引率はUPします。耐震等級3→50%、耐震等級2→30%、耐震等級1→10%となります。
  • 耐震診断割引:地方自治体等による耐震診断または耐震改修の結果、耐震基準を満たすと判断された場合、保険料の10%が割引となります。
  • 建築年割引:昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合は、保険料の10%が割引となります。

火災保険の「費用保険金」は津波被害で使用できる?

いざ損害が発生すると、火災保険で損害を補償することの他に、損害額以外にもいろいろな費用がかかることはあります。燃えた建物や家財の撤去費用が代表例といえます。


その損害時の様々な費用を、保険金額の枠外で受け取れるのが、火災保険の「費用保険金」と呼ばれる補償サービスです。


火災保険の中には「地震火災費用保険金」という補償があます。


こちらは、地震・噴火またはこれらによる津波で火災が起きた場合に、いわば見舞金という形で受け取ることが可能です。


ただし、地震火災費用保険金を設定しているほとんどの火災保険では、「契約保険金額の5%」を上限としている場合が多いです。


そのため、受け取ることができても生活を再建できるだけの金額とはいえません。地震・噴火や津波による被害の補償は、あくまで地震保険に加入して備えることが必要です。

補足:高潮などの水災は火災保険でカバーできる

津波と似たような被害が生じるおそれのあるものに「高潮」があります。こちらも地震保険で補償されるのでしょうか?


実は高潮の場合、火災保険の補償範囲の一つである「水災」に該当します。どの火災保険でも「水災:台風・豪雨等による洪水、高潮、土砂崩れによる被害」として、明記されています。


そのため、高潮などの水災は火災保険で補償されることになります。

地震保険において津波被害の保険金がおりないケースとは?


地震・噴火が原因となる津波による被害を受けたなら、どんなケースでも補償が受けられるとは限りません。保険金がおりないケースを事前に知っておいた方が良いでしょう。


こちらでは、津波の発生によって生じた

  • 損害が一部損に満たないとき
  • 塀や門の損害はどうなる?
  • 一定の時間を経過した損害
  • 発生後の盗難
  • 車両損害
  • 原発事故などによる汚染

について解説します。

津波の損害が一部損に満たない場合

損害の状況が一部損に満たない場合は次の通りです(保険始期が2017年1月1日以降の地震保険契約の場合)。


①建物が一部損に満たないケースとは

  • 主要構造部の損害額が、時価額の3%未満
  • 建物の床上浸水・地盤面より45cm以内で浸水が収まった場合
この主要構造部とは家の土台や柱の他、壁、屋根等を指します。

②家財が一部損に満たないケースとは
  • 保険対象である家財全体の時価額10%未満
もちろん、たとえ一部損を満たす被害であっても、地震や津波が原因で被害を受けなければ地震保険は適用されません。

なお、損害の状況が一部損に該当するかどうかは、保険会社または保険会社と提携している調査員が状況をチェックすることになります。

そのため、本人やご家族や勝手に損害状況を決定することはできません。

家の外にある塀や門の損害の場合

建物の主要構造部は前述した通り、家の土台や柱の他、壁、屋根等を言います。しかし、家の外になる門や塀のみが津波損害を受けただけでは、地震保険で補償されません。


主要構造部の補償に限定されているのは、その部分が津波損害でダメになると、生活へ支障が出るからです。


塀や門が壊れたからと言って日常生活に支障は無いので、こちらの修理は自己負担となってしまいます。

地震が発生した日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害の場合

地震や噴火、津波が発生して、その翌日から10日経過した後に建物や家財へ損害が及んだ場合、これらの災害との因果関係がはっきりわからないので地震保険で補償されません。


ただし、特に地震の場合はやや時間が経過した後、ようやく主要構造部に無数のひびを発見することもあるでしょう。


そのため、安全が第一であるものの、できる範囲内で地震発生後の建物・家財部分の損害を把握しておくことに努めましょう。

地震発生後の避難中に盗難に合った場合

地震や津波の発生が間接的な原因となり盗難被害に遭ったケースは、まさに「火事場泥棒」の仕業と言えます。


しかしながら、地震・噴火、津波の直接的な被害で受けた損害と言えません。そのため、地震保険では補償対象外となります。


被害を受けたご家族にとって、腹立たしい事態と言えますが、まずは避難し命を守ることが最優先です。


そのため、避難する事態を想定して、避難用リュックサック・かばん等を準備し、事前に貴重品をその中へ入れておきましょう。

家の外に駐車してある自転車やバイクの損害の場合

自動車に関して、地震保険の補償対象外になることは前述した通りです。


では、自転車やバイクの損害はどうなるかというと、

  • 車庫や建物内に収容された自転車、原動機付自転車等→補償対象
  • 総排気量125cc超のバイク→補償対象外
となります。バイクは総排気量125cc超から、「家財」とみなされなくことに気を付けましょう。

原発事故などによる放射性物質による汚染補償の場合

地震や津波等により原子力発電所が損害を受け、放射性物質の放出により建物・家財が汚染されることも想定されます。


この場合、各損害保険会社大手は「免責事項」として、この被害を地震保険等の補償対象に入れてはいません。


なぜなら、原発事故が起これば大災害は免れないものの、その被害がどの位の規模となるか、予測不能の事態となってしまうからです。

地震保険の補償金請求方法とは?


地震・津波等による損害が発生した場合は、加入している保険会社のサポートセンターへ連絡し指示に従います。


その後、保険会社の被害状況の確認や、ご自身が必要書類を提出するなどして保険金請求手続きは進められます。


保険会社に提出する必要書類は次の通りです。

  • 保険金請求書:保険会社等から送付される。必要事項を保険加入者が記載。
  • 事故状況説明書:保険会社等から送付されてきます。損害の発生した旨をなるべく正確に記載。
  • 修理見積もり書:修理業者に作成。
  • 被害状態の写真:修理業者に作成。

被災者生活再建支援制度と地震保険の兼ね合いにも注目

被災者生活再建支援制度とは、自然災害により、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し、支援金を支給し、生活の再建を支援する制度です。


被災者生活再建支援制度の支給額は、基礎支援金と加算支援金、2つの合計額になります。


被災者生活再建支援制度の支給額


①基礎支援金


住宅の「被害程度」に応じて支給する支援金となります。支援金額は次の通りです。


被害程度複数世帯複数世帯
全壊100万円75万円
大規模半壊50万円37.5万円
解体100万円75万円
長期避難100万円75万円


②加算支援金


住宅の「再建方法」に応じて支給する支援金となります。支援金額は次の通りです。


再建方法複数世帯複数世帯
建設・購入200万円150万円
補修100万円75万円
賃貸(公営住宅を除)50万円37.5万円


地震保険を補完


地震保険金額は、火災保険金額の30%~50%までに制限されてしまうため、必ず保険金額だけで生活再建できるとは限りません。


そのため、ご自分の建物等が津波等で被災した場合、被災者生活再建支援制度の存在を知っていることが大切です。


地震保険の他、こちらの制度と併用して金銭的なサポートが受けられます。

まとめ:火災保険の地震保険付帯で津波被害に備えましょう!

津波の被害補償のため、地震保険へ加入する必要性について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは

  • 地震保険は地震・噴火・津波による損害を補償するが、火災保険金額と同額が保障されるわけではない
  • 地震保険は建物の免震・耐震性能や建築年月に応じた保険料の割引制度が設けられている
  • 地震保険では補償されない様々なケースが存在する
  • 地震・津波等の自然災害で被害を受けた場合は、被災者生活再建支援制度も活用する
でした。

地震は現在、日本全国で多発している状況にあります。大きな地震の場合は、それだけ津波も強力になってしまいます。地震保険への加入を行い、まさかの被害に備えておきましょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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