【料率改定】2021年に火災保険が再度値上げ!保険料の節約術とは?

昨年、火災保険の参考純率が5.5%引上げになると報道されました。よって、2019年に保険料が全国的に値上げされると見込まれています。また、地震保険も2019年に値上げされます。そこで、ここでは保険料節約としてベストな火災保険の加入タイミングを紹介します。

2019年に火災保険料率改定、保険料が値上げされた

2019年に多くの都道府県で火災保険が値上げとなりました。「どれだけ高くなるだろう」と出費に不安を感じる方も多いと思います。


「火災保険の見直しをしなくては」と思っていても、どのタイミングで行うべきか悩んでいる皆さんもいるのではないでしょうか?


しかし、きちんと見直しするタイミングを間違わなければ、保険料の値上がりを免れることができるかもしれません。


今回は「保険料が節約できる火災保険への加入時期」について、

  • 火災保険の保険料の値上げ
  • 地震保険の保険料の値上げ
  • 火災保険の加入ベストタイミング

以上の3つを中心に解説していきます。


最後まで読んでいただけると、値上がり前に火災保険へ加入するベストタイミングがおわかりとなるはずです。


火災保険の値上げについて!参考準率の引き上げとは?

火災保険の参考準率が改定になったことで、火災保険、地震保険の値上げが行われます。2018年に引き続き、2019年にも保険料は改定され、2年連続の引き上げとなっています。


そこでまず、

  • 参考準率の2018年5.5%・2019年4.9%連続引き上げ
  • 引き上げ理由
  • 改定率の具体例

以上の3つを中心に説明していきます。

2019年に続き2021年も火災保険料金の値上げへ!

2018年11月13日付けの日経新聞に掲載された記事によると、損害保険料率算出機構は、2018年6月損害保険会社が火災保険に関する「参考純率」を平均5.5%引き上げたと発表しました。


2019年10月30日には再び平均4.9%引き上げたと発表しています。さすがに、これから火災保険の加入や見直しを検討している方々には、心配な内容と言えます。


参考純率とは?

損害保険会社が保険料を算出する際に利用する純保険料率のことです。

ただし、参考純率が実際の値上げ幅となるのではなく、算出機構が決めた参考純率をもとに、実際の保険料をどうするか各保険会社の判断で決めます。


つまり、参考純率が変わったからと言って、保険会社が必ず保険料の改定をしなければならないわけではありません。


引き上げの影響

この影響で、2019年10月に損害保険会社大手4社が火災保険料の値上げをしました。引上げ幅は各地域で異なりましたが、全国平均で5~9%程度となっています。

ご自宅のため新しく火災保険へ加入する予定だった方々には、非常に重い負担と言えます。しかし、値上げはこれで終わりません。

更に同月30日には参考純率を平均4.9%引き上げたため、2021年1月に再び値上げの方向で各社検討しているようです。

2019年5月に3回目の地震保険料率改定を届出

一方、同機構は地震保険も保険料率の変更に関する届出を、2019年5月28日に金融庁長官へ行っています。

2015年の3段階の改定は終了となり、基本料率は全国平均で5.1%引上げられます。こちらの値上げは、2021年1月の火災保険料の値上げと同じく実施されることでしょう。

とはいえ、万一に備えたいなら保険へ加入する必要が出てきます。保険料の負担を軽減したいならば、何らかの工夫が求められます。

そもそも、どうして火災保険の値上げが行われるの?理由は?

なぜ参考純率の引き上げが行われたかを説明します。火災保険の参考純率の見直しは2014年以来の4年ぶりです。


参考純率の引き上げの背景には、近年増加傾向にある台風や大雪による自然災害などの保険金の支払いが増加していることがあります。

災害種類実際に起きた災害
風災・ひょう災・雪災・関東甲信地方の大規模な雪災(2013年)
・九州に大きく被害の出た台風15号
水漏れ損害・冬季の凍結や劣化
・水道管に起きた事故

特に上記している項目の保険料支払いが大きく増加していました。


火災保険は、火災だけでなく水害や雷害、水漏れなども補償範囲に入っています。


損害保険会社大手3社の自然災害での保険金支払い額が、台風21号や西日本大豪雨などの影響で今年は一兆円規模になったことが原因と言えそうです。

参考純率の改定率の例

参考純率の改定率は、各都道府県や建物の構造で異なります。ここからは、具体的な例を表にして参考純率の改定率について説明します。


(例)保険金額(建物2000万円・家財1000万円)


  • マンション構造(M構造):鉄筋コンクリート造等の共同住宅の場合

都道府県と改定率
三大都市東京都 ・・・ +20.4%
大阪府 ・・・ +12.0%
愛知県 ・・・ +7.20%
最大鹿児島 ・・・ +40.1%
最小愛媛県 ・・・ +4.1%

  • 戸建て構造(T構造H構造):鉄骨造等の耐火構造などの建物の場合
都道府県と改定率
三大都市東京都 ・・・ 6.2%
大阪府 ・・・ -2.6%
愛知健・・・ -9.8%
最大熊本県 ・・・ +24.4%
最小三重県 ・・・ -8.7%

参考準率の引き上げにより、損害保険会社大手も値上げ決定

参考純率の引き上げで、損害保険会社大手4社が火災保険料の値上げを行っています(2019年10月)。全体で5~9%程度の値上げとなっています。


こちらでは、大手4社の火災保険料の値上げ率(全国平均)を見ていきましょう。

  • T社:6~7%
  • N社:5~7%
  • M社:6~9%
  • A社:6~9%
火災保険料自体は、建物が木造か鉄筋コンクリートか、用途等で変わってきます。そのため、上記の値上げ率が一律に適用されるわけではありません。

[参考]地震保険も2019年に値上げ!2021年にも再度値上げ予定!

ここまで火災保険の保険料の値上がりについて説明してきました。


ここからは同じく保険料引き上げとなった地震保険について、

  • 三段階の値上げ
  • 都道府県別保険料改訂率

この2つを中心に説明していきます。


まだ記憶に新しい熊本地震の被災家屋は約1万戸にのぼると言われています。地震保険の必要性を再認識し、加入を考えている方も多いのではないでしょうか?


とはいえ、地震保険への現在の加入率は30.5%と低いのが現状です。


加入期間は最長5年契約で、火災保険と同様契約してしまえば、契約期間中に保険料値上げがあっても影響を受けることはありません。ただし、地震保険は単独での契約はできません。


火災保険と一緒に契約する必要があるので、火災保険の見直しと同じタイミングで地震保険も考えるようにしましょう。

地震保険は3段階の値上げ

2019年1月に地震保険の値上げが改定されました。2017年に3段階の値上げ改訂1回目が行われ、今回で2回目の改定となります。


一気に値上げしてしまうと負担が大きくなってしまうことから、2年おき三段階に分けて、値上げ改訂を行うことになっています。

  • 1回目 2017年1月
  • 2回目 2019年1月
  • 3回目 2021年1月

合計で14.2%もの値上がりとなります。


2019年1月の地震保険料改訂では、全国平均で3.8%の値上げの見通しです。

 
構造値上げ率
イ構造
(マンション等)
+5.5%
口構造
(木造建築物等)
+2.2%

都道府県別の地震保険料改訂率

地震保険料は各都道府県で異なり、地域ごと3つに区分されています。

都道府県
1等地岩手、秋田、山形、栃木、富山、群馬、石川、福井、長野県、滋賀県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県
2等地福島県、北海道、青森県、宮城県、新潟県、山梨県、岐阜県、兵庫県、奈良県、京都府、香川県、大分県、宮崎県、沖縄県
3等地茨城県、愛媛県、埼玉県、大阪府、徳島県、高知県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県

※同じ地域であっても保険料が違う場合もあります。


  • 1等地…保険料を割安に設定
  • 2等地…保険料を平均水準
  • 3等地…保険料を割高に設定
まず建物が等地かの確認をしましょう。

保険料が上がるか下がるかを知っておく必要があります。下がる場合は小まめな更新の方がいいかもしれません。


値上がりする地域の方は、出来る限り長期の契約を今のうちしておくようにしましょう。


今ならば現在の保険料のままで契約できるため、できるだけ長い期間にしておくと、少しでも保険料を抑えることができます。

長期係数の割引率も縮小

火災保険と同様に長期契約すると長期割引が適応されます。地震保険の長期契約期間は、2~5年になります。

今回の改定で長期係数の引き上げも大きなポイントとなりました。
  • 2019年1月始期以降の地震保険の長期係数の予定
保険期間改定前改定後増減率
2年1.91.90.00%
3年2.752.81.80%
4年3.63.72.80%
5年4.454.63.40%
表を見ても分かるように期間3~5年の割引率が縮小されてしまいました。5年の長期係数が4.45から4.6になるのはとても大きいですよね。

長期割引の割引率が一番高い契約期間5年を割引率に換算すると、11%の割引から8%の割引に縮小されたことになるのです。

火災保険加入のベストタイミングと保険料を安くする方法

2015年に火災保険の契約期間が最長35年から10年に変更されました。保険料を少しでも抑えたいと考える方は、保険料があがるであろう2021年の秋までに加入しましょう。


保険料が値上げされる地域の方は、火災保険の見直しをされる方も秋までがベストになります。


見直しの場合、途中で解約すると損になってしまうのではないか、と心配される方もいるかもしれません。


その点は、「解約返戻金」が活用できます。つまり、未経過となった期間の保険料は、きちんと手続きをすれば戻ってくるようになっているので安心してください。

値上げされる前に長期契約で加入

火災保険の加入期間は最長10年です。長期契約を年払いでなく長期一括払いで支払いしておくと長期割引も適応になり、値上がりを免れる上に、割引で保険料を抑えることもできます。


値上がり前の長期契約ならば、値上がりが今後行われても加入期間中は一切影響を受けずに済みます。


契約期間の残りが1~2年で満期を迎える場合などは、一旦解約して値上げ前に長期契約を結ぶのも一つの方法です。残っている期間分の保険料は戻ってきますので安心してください。


満期を迎えて契約すると、値上がりした保険料で契約を結ぶことになってしまいます。今のうちに見直した方が断然保険料は抑えることができますね。

値下げされる地域在住の方の加入期間とは?

反対に値下げされる地域に在住の方は、秋以降に加入する方が保険料を安く抑えることもできます。


しかし、「秋以降の加入の方が安くなるから」と地震保険の加入を先延ばしにしてしまうのは避けましょう。


加入するまでの期間に万一のことが起きてしまった際、火災保険で補償を受けることができなくなってしまうというリスクもあります。


そのリスク対策として最短の1年契約にしておき、再度の値下げ以降、長期契約に加入し直します。


そうすれば、補償のない期間がでることもなく、長い期間を値下げした保険料で継続することができます。

火災保険の必要ない補償・特約を外す

火災保険では、火災の他に風災・雪災・水災等が補償されます。火災保険の中には、火災以外の災害補償をあらかじめ外せる商品もあります。


その場合、例えば雪があまり降らない地域に住む方々なら雪災は不要ですし、高台に住む人なら洪水をはじめとした水災は不要です。


この様な明らかに不要な補償や特約等は、最初から付帯しない方が無難です。契約更新時に、余計な補償を外せる場合があるので、定期に補償内容の見直しも行ってみましょう。

免責金額を設定する

「免責金額」とは、被害が出ても設定した金額以下の損害額なら、保険金が支払われない制度を指します。


例えば、ご自分が火災保険へ加入し20万円の免責金額を設定した場合、家屋に80万円分の損害が発生したならば、次のように保険金が下ります。

損害額80万円-免責金額20万円=実際の受取額60万円

この免責金額を高く設定すれば、その分火災保険料は減額されます。ただし、あまりに高く設定すると、万一の事態が起きて少しでも保険金を受け取りたい時、十分なサポートが得られなくなるおそれもあります。


できるだけ保険料が安い保険会社で火災保険に加入する

前述した通り損害保険料率算出機構参考純率の引き上げに合わせ、火災保険料を値上げするのは、各損害保険会社の判断次第です。


とするならば、損害保険会社の中には、保険料を以前と同額で据え置いたり、企業努力で保険料の上げ幅を抑えたりしている会社も存在するはずです。


このように保険料の負担軽減を図っている保険会社の商品へ、保険見直しをすることも賢い方法です。そのため、加入中の火災保険と他社の火災保険を定期に比較してみましょう。

まとめ:火災保険の値上げ前に保険を見直そう

今回は火災保険の保険料金値上げについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?


今回のポイントは、

  • 火災保険の値上がり前に加入するなら2021年秋まで
  • 地震保険は地域によって値下げされている場合もあるので、きちんと自身の地域を確認してタイミングを見る
  • 補償内容も含めての保険見直しをする
以上の3つになります。


現在加入している方も、見直しのとても良いきっかけになるのではないでしょうか?


自然災害が増加してきている今、補償内容も含めた保険見直しをおすすめします。地震保険は、地域で加入するべきタイミングが異なるのできちんと把握しておきましょう。


ほけんROOMでは保険に関する様々な情報をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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