経年劣化による建物や家財への被害が起きた!火災保険は適用される?

経年劣化による建物や家財への被害が起きた場合、火災保険は適用されるのでしょうか。実は、経年劣化による被害では修理費用としての火災保険金はおりないことになっています。今回の記事では、経年劣化はもちろん、それ以外の火災保険がおりないケースについても解説します。

経年劣化が原因の建物・家財の被害は火災保険が適用される?

この記事をご覧のあなたは、火災保険における「経年劣化」の扱いについて調べておられることでしょう。


火災保険はその名の通り住宅の「万が一」に備えるための保険ですが、中には補償対象だと思っていたのに保険金が下りなかった、と嘆いている方もいます。


その原因の一つが「経年劣化」であり、建築してから年月が経ったことによる劣化が、あ火災保険の補償外となってしまった、という方もおられるでしょう。


そこで今回は、

  • 経年劣化は火災保険で補償されるもの?
  • 火災保険で補償の対象外となるケースとは?
  • 原因が判別しにくいケースとは?
  • もし火災保険が適用になったらいくら受け取れる?
以上の点を取り上げていきます。

この記事をご覧いただければ、火災保険における「経年劣化」の扱いについて理解することができ、火災保険の適用になるケースもあるので「あきらめる必要はない」ことを理解していただけるでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

経年劣化や自然劣化が原因の場合は火災保険は適用されない!



まず、火災保険における大原則を覚えておく必要があるでしょう。


それが、「経年劣化は火災保険では補償されない」という点です。


火災保険はそもそも、文字通り「火災」のような偶発的に発生した家屋の損壊において、その修理費や家財道具の費用等を補償してくれるものです。


火災保険は火災以外にも、

  • 風災・雪災:風や雪による家屋の損壊
  • 水災:豪雨や台風、地震を原因とした津波による被害
  • 落雷:雷が落ちたことによる家屋や家財の損壊
  • 水漏れ:第三者を原因とする屋根や天井からの水漏れ被害
  • 破裂・爆発:燃料やガス漏れを原因とする破裂や爆発の被害
  • 盗難:盗まれた家財や割られた窓ガラス、壊された鍵等の被害
このような事例において保険金を受け取ることができ、一見すると補償範囲はとても広いように見えます。

しかし、やはりこのどれも偶発的に発生するものを対象としており、経年劣化のような「いつかは起こり得る事象」は対象としていないことが分かります。

たとえば屋根の一部が崩落してきた等の事象が発生した場合、それが雨や台風などを原因としたものであれば補償を受けられますが、単純に経年劣化で屋根が崩落してきた場合は火災保険の補償外となります。

この点については、火災保険にこれから加入を考えている方の中にも誤解している方が少なくないので、加入前にしっかりと把握しておくべきです。

経年劣化以外に火災保険が適用されないケースって?

住宅の経年劣化は、火災保険の対象外となるという点を取り上げました。


では、経年劣化以外にも火災保険で補償が適用されないケースがあるのでしょうか。


実は、いくつか存在します。


これから、その「火災保険が適用されない」可能性の高い、具体例を紹介していきます。

被害を受けて3年以上が経ってから保険会社に連絡した場合

まずは、家屋が何らかの被害を受けてから「3年以上が経過」した後に、保険会社に連絡した場合です。


これは、火災保険における「請求期限」が関係しています。


火災保険以外のどのような保険でも共通していることなのですが、補償の対象となるような事象が発生した際に、すぐに保険会社に連絡することが鉄則です。


もしすぐに保険会社に連絡せずそのまま年月が経過してしまうと、保険会社における事実関係の確認が難しくなってしまうため、補償が適用されない場合があります。


保険会社で申請期限を決めている場合がありますが、そもそも大前提として期限が保険法により定められています。


これは火災保険においても同様であり、法律で決められている請求権利の「3年」を過ぎてしまうと、理由にかかわらず保険金の請求ができなくなってしまいます。

改修工事ミスなどが原因の場合

次に補償の適用外となる原因として、施工会社による改修工事ミスによる損壊が挙げられます。


これは一見「第三者からの被害」のため、火災保険で補償してくれるように思えるかもしれませんが、実は保険の分野が異なります。


これはいわゆる「工事保険」の対象となるものであり、施工を行った会社が加入していれば、被害の度合いに応じた補償が住宅の持ち主に対して行われることとなります。


経年劣化と同様に、偶発的な事象ではなく「起こるべくして起こったもの」と言えるかもしれません。


ですから、これは火災保険では補償を受けられませんが、原因となった施工会社が加入している保険より補償を受けられる可能性が高い、という点を覚えておきましょう。

原因が台風や風災なのか経年劣化なのか区別がつきにくいケース

どのような保険でもそうですが、補償の対象となる範囲とならない範囲とで、線引が難しい場合が多々あります。


特に火災保険ではそのような場合が多く、補償の対象となる事象を原因としたものであることが証明できない場合、補償の対象外となる可能性があります。


では次から、具体的にどのような場合において「微妙なケース」となってしまうのかを紹介していきます。

屋根が損傷した場合

最初の事例は、何らかの原因で屋根が損傷した、という場合です。


火災保険が適用できるかどうかの見極めにおいて、この「何らかの原因」の部分が非常に重要です。


なぜなら、

  • 風災や落雷等による屋根の損傷の場合→火災保険で補償される
  • 経年劣化「だけ」を原因とした屋根の損傷の場合→火災保険で補償されない
このように「補償される」条件だけははっきりしているからです。

たとえば、屋根が損傷した日の直近で、豪雨や台風などが発生している場合、屋根の損傷がそれらの原因とよるものだと判断されれば、補償の対象となる可能性は高くなります。


しかし、そういった災害が何も発生していないのに屋根が損傷している場合、経年劣化と認められて補償を受けることは難しくなるでしょう。


ただし、風災や落雷による被害が直近ではなくても過去に発生している場合、それが直接的な原因となって屋根の損傷が発生したということが証明されれば、補償の対象となる可能性があります。

雨漏りが発生した場合

次のケースは、「雨漏り」被害です。


雨漏り被害は、特に経年劣化が起こりやすい木造建築住宅で発生しやすいとされていますが、そもそも雨漏りの原因も多種多様です。


主に雨漏りが発生する原因としては、

  • 豪雨や台風、激しい雨が断続的に降ったことによる浸水
  • 過去に地震が発生して、住宅の一部が損傷したことにより発生した雨漏り
  • 雹が降ったり、落雷で屋根に穴が開いたことによる雨漏り
主にこのような原因が挙げられます。

一見するとこれらの代表的な原因によってしか雨漏りは起きないように思えますが、実はそうではありません。

雨漏りが発生する他の原因として、

  • 施工した段階で住宅の構造に欠陥があり、普通の雨で雨漏りが起きた
  • 経年劣化によって、屋根の一部に隙間が開いていた
このよう原因も考えられます。

後者の理由の場合、火災保険は適用にはなりません。

同じ「雨漏り」という被害であっても、その原因によって補償されるかどうかが全く異なる点には注意が必要です。

火災保険が適用される場合の保険金額はいくら受け取れる?

ここまでは、火災保険の補償は適用範囲が広いものの、偶発的に発生した原因ではない場合、保険金が支払われない場合もある、という点を紹介しました。


では、もし火災保険が適用できるとなった場合、どのくらいの補償金額が保険会社より支払われるのでしょうか。


火災保険の補償金額は、

  • 損害額ー免責額=補償金額

主にこの計算式によって決められます。


ここで言う「免責額」とは、保険会社が補償を免除される金額のことであり、いわば火災契約者の自己負担となる部分のことを指します。


たとえば住宅の一部が損傷し、損害額合計が50万円だったとします。


契約時に免責額(自己負担額)を10万円にしていれば、50万円から10万円を差し引いて、40万円が損害金額として支払われることになります。


自己負担額は0円にすることも可能ですが、自己負担額を設定している場合よりも保険料が高くなります。


逆に言えば自己負担額を高めに設定することで、保険料を抑えることも可能なのです。

被害を受けてから保険金請求までの手順

保険において最も重要と言えるのが、事故が起きてからの対応です。


これが遅れると、本来は補償の範囲内であるにも関わらず、事実関係の確認ができずに保険金が支払われなくなる場合もあります。


事故が発生してから、迅速に行動することが求められます。


では具体的に、どのような手順で火災保険の保険金を請求すれば良いのでしょうか。

まずは保険会社に連絡をする

最初の手順として挙げられるのは、迅速な「保険会社への連絡」です。


これが重要な理由は、前述したように火災保険の補償は請求期限があり、事故発生から3年が経過すると請求ができなくなるからです。


事実確認が迅速に行われるためにも、事故が起きたら何よりもまずは火災保険の保険会社に連絡する、ということを優先しましょう。


有事にすぐ連絡ができるように、分かりやすい場所に保険会社の電話番号を控えておくのも良いかもしれません。

保険会社に必要書類を不備なく提出する

火災保険は、ただ有事の際に電話連絡するだけでは補償そのものを受けることはできません。


保険会社に対して保険金の請求をするために、それぞれの保険会社が定めている保険金の請求書類が必要となります。


それらの書類は、事故直後に保険会社に連絡することにより、保険会社から送付されてきます。


送付されてきた保険金の請求書類には、

  • 請求日
  • 被保険者の個人情報
  • 契約している他の保険
  • 保険金の振込口座
これら等の記入欄が設けられており、書類に全て記入して返送することで正式に保険金の請求を行うことができます。

書類に不備があると手続きに時間がかかってしまうため、不備なく記入するようにしましょう。

注意:悪徳な保険会社には気を付けて!経年劣化でも申請できる?

火災保険に関して、注意しておきたい点が一つあります。


それが、火災保険を利用した悪徳業者です。


すでに何度も強調したように、火災保険においては偶発的でない自然の破損、いわゆる「経年劣化」は補償の対象外となります。


しかし、悪徳業者はあたかも「経年劣化でも補償できる」等の文句で、不要な工事をさせられたりする場合があります。


また、受け取れると思っていた保険金が受け取れなかった、というトラブルが実際に発生しています。


ですから、「経年劣化も補償」や「保険金の申請手続きも全部任せて」などの言葉で巧みに勧誘してくる業者は避けましょう。


すでに実績があり多くの人が利用している優良の会社を選ぶようにして、保険法で決められていることを超えてくるような提案をする勧誘は断りましょう。

まとめ:経年劣化に注意!火災保険の適用条件を確認しておこう!

今回は、火災保険における経年劣化の扱いについて様々な角度から取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 経年劣化による住宅の損壊は火災保険で補償の対象外である
  • 改修工事が原因の損壊や、事故発生から3年以上経過していても補償されない
  • 屋根の損傷や雨漏りなどは、原因を特定しづらいことが多い
  • 火災保険は損害額から免責額(自己負担額)を差し引いた額が受け取れる
以上の点です。

火災保険にこれから加入を考えている方にとって、具体的に「加入されると何が補償され、何が補償されないのか」を把握しておくことはとても大切です。

住宅に住み続けるのと同じ期間だけ、火災保険とも付き合うこととなりますから、支払う保険料のことも含め、ベストな保険の選択ができるように準備しておきましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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