落雷による被害は火災保険で補償される?補償範囲と請求方法を紹介

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落雷による建物(エアコン・給油機)や家財(家電製品・電化製品)の被害は火災保険で補償されます。実は、落雷による火災保険の保険金請求は、公的証明書が発行されないため代替書類がいるをご存知ですか?さらに、パソコンが故障・破損した場合はデータやソフトウェアが補償対象外なので注意が必要です。

落雷による被害は火災保険で補償される?

落雷は1年間の間に多くて100万回も超える年もあると観測されています。

特に5月あたりから10月までの間は頻繁に落雷が発生しています。


もちろん直撃してしまたら一溜まりもなありませんよね。

もし落雷の被害にあってしまったら補償はされるのでしょうか?と疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。


結論から申しますと、落雷によって被害を受けた場合は火災保険で補償されます。

今回は落雷により被害を受けてしまった場合の火災保険の補償内容と請求方法をまとめて行きたいと思います。

  • 落雷被害は火災保険の補償範囲
  • 落雷被害で火災保険の保険金はいくらもらえるか
  • 落雷被害で火災保険を利用する際の注意点
これらを順に説明していきます。

ぜひ最後までご覧ください。


落雷被害は火災保険の補償範囲

それでは落雷の被害を受けた場合、どこまでが補償範囲なのでしょうか?

  • 落雷が原因で火事が起きた場合
  • 落雷が家に直接落ち、アンテナ線を通じてテレビが壊れた場合
  • 落雷した時にコンセントに過電流が流れエアコンや冷蔵庫などが壊れた場合
このような場合は火災保険が適用され補償対象となります。
また火災保険の加入内容により補償範囲に入らない場合があります。
基本的に火災保険は建物と家財とで別れているためです。
次にその内容について詳しく解説して行きます。

火災保険の補償対象は建物+家財

火災保険に加入時には必ず以下の3つのタイプがあります。

  • 建物のみ補償
  • 家財のみ補償
  • 建物+家財どちらも補償
この選択はご自身の居住環境に合わせて考えましょう。
建物のみを選択した場合は、もし家財が被害を受けても補償されません。
逆も同様に家財のみを選択した場合、もし建物が被害を受けても補償されません。
なので建物と家財のどちらも火災保険に入っていた方が良いでしょう。
建物の補償対象は屋根や窓、太陽光パネルなどの建物から動かせない電化製品などは建物の補償。
家財の補償対象は家具、家電製品、衣類や自転車、原付自動車などがあります。

たとえ直接、家に落雷が起きなくても落雷の被害を受けてしまう場合もあります。
例えば家の近くの電柱に雷が落ちた時に過剰な電流が流れ電線を伝わり家の中の電化製品にまで達してしまいます。
そうなると冷蔵庫などの電化製品が故障したり誤作動を起こしたりしてしまいます。

注意:落雷被害でも火災保険の補償が受けられない場合

ですが落雷の被害を受けても火災保険の補償が受けられない場合もあるので注意しましょう。

・自然または摩擦などで劣化した場合(経年劣化)

火災保険では経年劣化によって被害を受けた場合は補償対象にはなりません。
雷が落ちた時に瞬間的に高い電圧が流れてしまう(雷サージ)現象は、経年劣化や一般的な故障と見分けがつきにくい為です。
もし電化製品が使えなくなった時には近隣で落雷が起きていないかチェックするといいでしょう。
落雷の情報は気象庁のホームページから確認することができます。

・事故が起こってから保険金請求まで3年以上たった場合

落雷の被害を受けて3年経つと補償が受けられなくなってしまいます。

これは保険法で決められていることです。

ですが保険会社によっては3年でないところもありますので直接保険会社に確認するといいでしょう。

また被害を受けて速やかに連絡しましょう。

落雷被害で火災保険の保険金はいくらもらえる?

では実際に被害に遭った場合に保険金はいくらもらえるのか解説していきます。


契約時に決めた保険金を限度として損害保険金が支払われます。

そしてさらに損害保険金から免責金額を差し引いた額が最終的に支払われる額となります。

免責金額とは契約時に決めた自己負担額のことを言います。

損害保険金=損害額ー免責金額


また火事が発生した場合には焼損の割合で支給額が決まります。

  • 全損…契約している保険金全額
  • 大半損…契約している保険金の60%
  • 小半損…契約している保険金の30%
  • 一部損…契約している保険金の5%


他にも地方自治体から”災害見舞金”を受け取ることもできます。
住んでいる地域の市役所や区役所で手続きをすれば2万円〜10万円の見舞金が支給されます。
合わせてするとご自身の負担が減りますね。

落雷被害で火災保険の保険金がもらえた事例

実際に落雷で被害に遭われた方々を例としてご紹介します。

栃木県在住 男性 M.Aさん 建物が全焼のケース

建物が全焼してしまったのでMさんが受け取れる金額は契約している保険金全額(1500万円)が支給されるということになります。
合わせて家財も消失してしまいましたが家財保険に入っていた為、こちらも支給されました。
Mさんは免責金は500万なので結果的には1000万円を受け取ることができました。
損害保険金額1000万円=損害額1500万円ー免責金額500万円

福岡県在住 女性 T.Sさん 家財であるエアコンが故障のケース

家の近くの電柱に雷が落ち、その影響で雷サードが起きてしまいエアコンが壊れてしまいました。
修理代(損害額)10万円で免責金額が5万円でしたので損害保険金額は5万円となりました。
損害保険金額5万円=損害額10万円ー免責金額5万円

参考:日本での落雷被害と火災保険の利用数

日本での月別落雷被害報告数(2005年〜2017年)

1月2月3月4月5月6月
発生件数50弱約2550弱約60約70約120
7月8月9月10月11月12月
約350約460約160約40約70約110

このように決して少ないとは言えない被害の数がわかります。

また7月8月は特に多くの被害が出ていますね。

発生地域は太平洋側の方が日本海側の地域よりも多く約65%の割合の落雷が太平洋側で起きています。

太平洋側の中でも栃木県が多く観測されています。

日本海側では石川県が冬の時期に多くの落雷が観測されてます。

なので火災保険には加入はしておいたほうが安心できるでしょう。


では次に落雷による被害の保険支払い件数を見て行きましょう。

2011年度〜2015年度

年度2011年度2012年度2013年度2014年度2015年度
保険金支払件数16428件31223件30842件26423件16408件

年によってバラツキがありますが毎年多くの落雷で保険金が支払われていますね。


落雷被害による火災保険の保険金請求方法とは

実際に落雷の被害を受けた場合保険金の請求方法を説明していきます。

  1. 保険会社に連絡をします。
  2. 保険金請求に必要な書類が保管会社より送付されます。
  3. 保険金請求に必要な書類を記入し保険会社に提出します。
  4. 保険金の支払いがされる。
という流れになります。
保険金請求に必要な書類とは以下のものになります。
  • 保険金請求書(各保険会社指定の用紙) 
  • 落雷の事実がわかる証明書(公的機関による落雷証明はありません) 
  • 被害の程度がわかる写真や画像データ 
  • 修理業者などからの修理見積書や報告書
この他にも被害が大きかった場合には印鑑証明書や建物登記簿謄本などが必要となる時もあります。

通常、自然災害の被害を受けた場合には罹災証明書という公的機関による証明書が発行されます。
ですが落雷では罹災証明書が発行されません。
次で詳しくお話ししていきたいと思います。

注意:公的機関で落雷証明書は発行されない

罹災証明書は自然災害によって被害を受けた場合に発行される証明書ですが落雷では台風や豪雨とは異なる為発行はされません。

ですが保険会社に落雷の事実を証明する書類を提出しなければいけません。

以下の書類が証明書として使えますので参考にしてください。

  • 気象庁や各地の気象台が提供する観測情報 
  • 電力会社の雷による停電証明書 
  • 電力会社などのホームページで提供されている落雷情報のページのコピー 
  • 新聞記事
落雷の証明書は電力会社によって金額は違いますが8000円から10000円が相場のようです。
ですがお金をかけずに電力会社のホームページや気象庁による観測データを取得できれば問題ありません。
またいくつか用意すると信憑性も上がるでしょう。

落雷被害で火災保険を利用する際の注意点

もし避雷針があっても雷による被害に遭う場合があることは頭に入れておいた方が良いでしょう。

本来、落雷の被害に遭わないために設置されていますが雷サージによる電化製品の故障や破損を招きます。もちろん避雷針が設置されていれば建物へ直撃は防げます。

他にも注意したいのが

  • 火災保険で選択する保険の対象の確認をして起きましょう
  • 分譲マンションでは専有部分と共有部分で保険が分かれることを認識しましょう
建物設備にはエアコンや備え付けの家具まで建物補償の対象になります。
自分で建物に含まれるか、家財に含まれるか判断できない場合は直接保険会社に問い合わせましょう。
またマンションの共用部分の被害はマンションの管理組合に連絡をしましょう。
防犯カメラなどは共用部分ですね。

エアコンや給油機は建物に分類される

建物に分類されるのか家財に分類されるのか間違えやすいものをまとめていきます。

以下のものは全て建物に分類されます。

  • エアコン
  • ビルトインタイプの空調設備
  • 照明設備
  • ビルトインタイプのIHクッキングヒーター 
  • ビルトインタイプの食器洗浄機 
  • ビルトインタイプのオーブンレンジ 
  • 給湯器 
  • アンテナ ー
  • 太陽光ソーラーシステム
  • 据え付けの食器棚
  • 室内の防犯カメラ
もし家財だけの火災ほ保険に加入している場合はこれらの補償は受けられません。
マンションなどの賃貸住宅の場合は建物に取り付けている設備のうち、自分が所有するものは家財して取り扱われます。

パソコンの故障・損害は要注意!バックアップを取っておこう

落雷によってパソコンが故障や損害を受けた場合は火災保険の対象になります。

ちなみにパソコンは家財の補償対象となります。

ですが消失されたデータなどは補償の対象外です

なので日頃からバックアップや別のメディアなどにもアップロードを頻繁に行っておくといいでしょう。

大切な写真やデータが消えてしまうのはたまらなく悲しいですよね。

本当に落雷によるデータの消失の可能性は十分に考えられます!

主に落雷から雷サードによる過電流による故障が多いです。


その他にも保険会社によりますがデスクトップ型パソコンは補償対象になってもノート型パソコンは対象外というところもあります。

ノートパソコンを使用している方はご自身の火災保険を確認しておきましょう。

落雷被害の修理を装おう悪徳詐欺に注意

落雷被害の修理を装う悪徳詐欺業者もいるので気をつけてください!

主な手口を3つご紹介します。

  • 火災保険が適用されない事例で、あなたにウソをつかせる。
  • 保険金で工事するなら、ココも…など不要な工事を進めてくる。
  • 工事したけど保険金が下りない。
一番多いのは最初の業者があなたにウソをつかせる手口です。
あなたにウソをつかせ保険おりるからと工事を進めてくる業者に注意してください。
次に必要無いところまで工事を進めてくる業者ですが、保険金があるから安く感じてしまいついでにやっておこうかなという気持ちもわかります。
ですがそれにつけ込まれてしまうと最終的に高額を請求される可能性があるので、不必要な工事はしないようにしましょう。

落雷被害による火災保険の保険金額をお見積もり


おすすめの保険会社、東京海上と三井住友海上を紹介していきます。


東京海上の火災保険のトータルアシスト住まいの保険は、住居や家財を様々なリスクからお守ってくれ日常生活においても安心できる保険です。

付帯サービスがとても充実しています!

事故防止アシストや介護アシストが無料でついています。

オプションで緊急助かるアシストや住まいのサイバーアシストなどをつけてさらに安心できます。

お見積もり例 一戸建てT構造(耐火構造)

建物14300円+家財11130円+オプション1900円=27,330円/1年


三井住友海上のGK 住まいの保険は補償内容がシンプルでわかりやすくまとめられています。

またお客様のニーズにあったオプションも選択できるのが特徴です。

またGK 住まいの保険を充実させた保険がGK 住まいの保険グランドです。

お見積もり例 一戸建てH構造(木造構造)

地震保険込みの場合100290円/1年

地震保険無しの場合56790円/1年


上記の保険会社以外にも火災保険に加入できる団体があります。

それが全労済などの非営利団体です。

全労済では様々な保険を扱っており火災保険ももちろん含まれます。

お見積もり例 一戸建てT構造(耐火構造)

住まいる共済クイック見積もり 61200円/1年


参考:落雷被害を補償してくれる保険は火災保険の他にある?

雷は建物や大地だけではなく人に直接落ちることもあります。

落雷を受けた70%の方はなんと亡くなっています。

その場合は火災保険の他に対象となる保険が2つありますのでご紹介していきます。

  • 生命保険の死亡保険
  • 災害死亡保険
死亡した場合は落雷死は災害事故として生命保険の対象になります。
また損害保険の傷害保険も対象となります。
死亡180日以後ですと補償が受けられませんので注意してください。
保険が適用されるかは医師の診断書が必要となります。
その診断書に雷が要因と明記されていなければ補償が受けられません。

まとめ:落雷被害は火災保険で補償しよう

いかがだったでしょうか。

今回は落雷による火災保険の補償内容をまとめていきました。

ポイントとなるのは

  • 落雷被害は火災保険が適用される。
  • 損害保険金の計算方法。
  • 建物と家財の把握をしましょう。
  • 落雷による死亡事故は災害事故として生命保険が適応される。
ということで落雷の被害に備えて火災保険の加入、保険の見直しをしてみませんか?

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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