火災保険の免責事項とは?免責金額の設定方法と相場を紹介

火災保険には免責事項が存在します。重過失による損害や経年劣化による損害、地震・津波・噴火による損害は免責事項になります。また、免責金額を設定しておくことにより、保険料が安くなる一方、免責金額を0円にすると損害時の自己負担額が減るので、免責金額の相場を把握することも大切です。

火災保険の免責事項って?免責金額の設定方法と相場も紹介

保険にはあらかじめ保険金の支払われ対象外となる場合が決められている「免責事項」と

保険金を受け取る場合に一定額の金額を自己負担する「免責金額」というものがあります。


火災保険についても、これらと同様に免責事項や免責金額がありますが内容について詳しく知らない人も多いと思います。


この記事では、
  • 火災保険の主な免責事項
  • 火災保険の免責金額
  • 火災保険の免責金額の設定の仕方
について詳しく解説していきます。

火災保険への加入を検討している人はもちろん、既に加入済みの方にも是非理解しておくべき内容ですので是非最後までご覧ください。


火災保険の主な免責事項

最初に説明したように、火災保険にも免責事項があります。


主な免責事項は以下の6つです。

  1. 重大な過失・故意な損害・法令違反
  2. 建物の経年劣化に伴う損害
  3. 戦争・紛争・騒乱による損害
  4. 保険料支払いの前に起きた事故
  5. 地震・津波・噴火による損害
  6. 核燃料物質・核燃料物質などの原子力災害による損害

 

ここでは、この6つの免責事項についてそれぞれ詳しく説明していきます。


後々、知らなかったということがないようにしっかりと確認しておきましょう。

免責事項①重大な過失・故意な損害・法令違反

1つ目は重大な過失または故意による損害、法令違反による損害は火災保険会社の免責事項についてです。


重大な過失とは、結果の予見が極めて容易なのにそれを回避しないで事故を起こしてしまったような場合です。


たとえば、油鍋を火にかけたままその場を長く離れ発火、火災に及べば、重大な過失になる可能性があります。


また、石油ストーブの火を消さないで、灯油を給油していて引火、火事に至った場合も重大な過失と見なされる可能性が大きいです。


放火などは故意によるものでもあり、法令違反によるものでもありますので、保険会社の免責事項であるというだけではなく、刑罰に処せられます。

免責事項②建物の経年劣化に伴う損害

2つ目は建物の経年劣化によって生じた損害です。


経年劣化による損害には、

  • 自然の消耗
  • 変色
  • 変質錆び
  • かび腐食
  • 剥離ひび
  • ネズミ食い
  • 虫食い

などがあります。


経年劣化によって壊れたものを、地震、台風、風災などによって壊れたと保険金を申請する話を耳にしますが、これは保険金詐欺となるため注意しましょう。

免責事項③戦争・紛争・騒乱による損害

3つ目は、戦争・紛争・騒乱による損害です。


一度戦争が起こると損害は著しいです。そのような被害を保険会社によって賄うのは厳しいですし、そもそも保険会社も存続できない可能性も十分にあります。    


今日の日本では考えにくいですが、戦争、内乱その他これらに類する事変または暴動による場合は保険会社の免責事項になります。



免責事項④保険料支払いの前に起きた事故

4つ目は保険料支払いの前に起きた事故です。


保険料の支払い方法は、主に口座振替とクレジット払いがあり、それぞれ保険会社によって支払い期日が決まっています。


その支払期日を過ぎて支払いができなかったときは、支払猶予期間として1か月支払期限が延期されます。


保険会社によって違いはありますが、この支払猶予期間を過ぎても保険料の支払いがなかったときには、支払期日を過ぎて起きた事故に対して保険金が支払われません。


また、保険会社によっては契約時に直接保険料を払い込む方法があり、この場合初回保険料を払い込む前に起きた事故には、保険期間開始後であっても保険金が支払われません

免責事項⑤地震・津波・噴火による損害

5つ目は、地震・津波・噴火による損害です。


実は、これらの自然災害が要因で起きた損害については火災保険では補償されません。この免責事項は意外と気づいていない人も多いので要注意です。


中には、一定の条件のみ保険金を受け取れる場合もありますが、地震等への備えにはセットで「地震保険」へ加入する必要があります。


東日本大震災以降、特に地震保険へ加入する人が増えています。


日本は地震大国と呼ばれ、年中どこかしらで地震が発生しています。いつ大きな地震が起きるかは100%の予測は難しいですが今後の地震リスクが高い地域の人は特にも、地震への備えをしておくと安心です。

免責事項⑥核燃料物質(使用済み含む)が原因の損害

6つ目は、主に原発事故による損害のことになります。その他、核燃料やそれらから出た放射能の汚染物質の輸送中の事故による損害もこれに含まれます。


東日本大震災の際の福島原発の事故は記憶に新しいと思いますが、原子力災害による損害は補償の対象外となります。


この理由は、原子力事故は過去にあまり事例がないことから頻度も少ないうえに被害も予測しがたいためとされています。

火災保険の免責金額を設定するメリットって?

免責とは「責任を負わない」という意味合いです。


そして免責金額とは、損害が発生したときに、修理費を保険金として受け取るのではなく、一定の自己負担額を差し引いて残りを受け取るという条件になります。


修理代が数万円程度と少ない場合では、保険会社の事務処理にかかる経費の方が大きくなってしまう場合もあります。


そのため保険会社にとって負担が大きくなってしまうので、一定額以内は被保険者に自己負担してもらい、はみ出た部分の保険料を支払うことでバランスをとります。


免責金額を設定するメリットは保険会社だけではなく、被保険者にもあります。


ここでは、火災保険で免責金額を設定するメリットについて説明します。


また、参考として免責金額の設定方法とフランチャイズ免責についても紹介しますので是非参考にしてみて下さいね。

火災保険の免責金額の設定で保険料が安くなる

例えば、免責金額を10万円に設定すると、10万円以下の損害額に対しては保険金が支払われず、10万円を超えたときに10万円を差し引いた額が支払われます。


免責金額をいくらに設定するかで、当然保険料の額も違ってきます。


火災保険の免責金額を0円、5万円、10万円に設定したとき、保険料がどのくらい変わるをソニー損保の場合で調べてみました。


例として、東京都の延べ床面積140㎡の一戸建て鉄骨造で築19年の建物に、4000万円の保険金を設定して5年契約、保険料は年払いとします。


風災・ひょう災・雪災、水災、水濡れ・外部からの物体の飛来・衝突などによる損害、盗難の特約も付けます。


この時の免責金額と年間保険料との関係は下の表のとおりです。

免責金額年間保険料
0円23,720円
5万円21,458円
10万円19,809円

この場合、免責金額0円5万円のときの保険料は約10%2,262円の差があり、免責金額5万円10万円のときの保険料は約8%1,649円の差があります。

参考①:火災保険の免責金額の設定方法

火災保険の免責金額は保険会社によって違いますが、免責金額0円から、1万円3万円5万円10万円くらいが一般的で、保険会社が設定している金額の中から契約者が選択して決めます。


また、前述したように、免責金額を多くすれば保険料は安くなり、免責金額を少なくすれば保険料は高くなります。


保険料をどうしても安くしたいという場合は、免責金額の設定の仕方で解決するのも一つの方法です。


また、台風が良く通過する地域で窓ガラスが割れたり床下浸水が起きたりすることが比較的頻繁に起きるのであれば、免責金額を0円にするのが合理的です。


加入している特約にもよりますが、不注意により家財を壊したり建物に損害を与えたりすることが良くあるときにも免責金額は設けない方が良いでしょう。


よって、免責金額の大きさは、保険料とのバランス少額損害発生頻度を考慮して決めましょう。

参考②火災保険のフランチャイズ免責とは

フランチャイズ免責とは、ある特定の損害においてだけ、損害額が決められた額以上であれば保険金が支払われるという方法です。


この特定の損害は、ほとんどが「風災・ひょう災・雪災」になります。例えば、このフランチャイズ免責を15万円に設定していた場合に台風により20万円の損害を請け負った場合には20万円の保険金を受け取ることが出来ます。


しかし、損害額が10万円だった場合には保険の支払いはありません。これがフランチャイズ免責ですが、2010年にの火災保険が改革された以降、この方式を採用している保険会社はほとんどないようです。


その変わりに、「共通免責」という方式を採用し、火災保険の補償範囲内であればどの事項においても共通の「免責金額」が設定できるようになっているところがほとんどです。

火災保険の免責金額の相場って?免責金額を保険会社ごとに紹介

火災保険の免責金額は、0円から一般的には20万円程度の間で設定することが出来ますがが保険会社によって設定できる金額には違いがあります。


相場としては、0円から10万円となっています。


免責金額は、損害を受けた場合にどれくらいであれば手出し出来るかをきちんと考えたうえで設定する必要があります。


ここでは、「三井住友海上」「損保ジャパン」「東京海上日動」の3社の免責金額のプランを紹介します。


<大手3社の免責金額>

  • 三井住友海上…0円・1万円・3万円・5万円・10万円
  • 損保ジャパン…0円・1万円・3万円・5万円・10万円
  • 東京海上日動…0円・5千円・3万円・5万円


このようにほぼ同じような金額設定となっています。補償内容によって免責金額を設定することが出来る場合もありますので詳しくは各保険会社へ確認してみて下さいね。


まとめ:火災保険の免責事項を把握しておきましょう

ここまで火災保険の免責事項と免責金額について解説しましたがいかがでしたか。


今回の記事のポイントをまとめると、火災保険の免責事項を主に次の6つであることです。

  1. 重大な過失・故意な損害・法令違反
  2. 建物の経年劣化に伴う損害
  3. 戦争・紛争・騒乱による損害
  4. 保険料支払いの前に起きた事故
  5. 地震・津波・噴火による損害
  6. 核燃料物質(使用済み含む)が原因の損害

そして、免責金額については
  • 免責金額を設定することで保険料が安くなるというメリットがある
  • 免責金額の相場は0円から10万円だが設定金額は保険会社により異なる

ということがポイントです。


火災保険では免責事項と免責金額そして補償内容をしっかり把握したうえで、契約内容を決めることが重要です。万が一のことがあった時に知らなかったとなることのないように契約する前にきちんと確認しておきましょう。


ほけんROOMでは、他にも税金に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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