家が全焼した場合、火災保険で損害額はいくら補償される?全額補償?

もし火災によって家が全焼した場合、全焼の基準をクリアしていれば保険金を全額受け取ることが出来ます。ここでは全額の基準やもらえる保険金額の評価方法、家財の補償額について解説します。この記事を読んで、万が一の火災に備えた火災保険の加入や保険料見直しをしましょう。

全焼になった場合に火災保険の支払額・保険金はいくら?

火災保険金を請求する際、「全焼」でなければ保険金が全額支払われないということを耳にしたことはありませんか? 


火災によって建物が損害を受けた場合に保険金が支払われるとありがたいですが、全焼となると条件が厳しいと感じてしまいますよね。 


しかし、全焼といっても、完全に燃え尽くしている必要があるわけではないのです。 


全焼となる明確な基準が設けられていますので、いざという時のためにしっかり理解しておきたいものです。 


ここでは、 

  • 全焼となる定義や補償額の仕組みについて 
  • 家財の評価額の基準について 
  • 火災保険の加入をおすすめする理由 

以上のことを中心に解説していきます。 


この記事を読んでいただければ、火災保険で全焼と認められる基準や補償額などについてお分かりいただけると思います。 


ぜひ最後までご覧ください。

 

火災保険で全焼の場合は保険金額全額が補償される!

火災保険の補償を考える上で、「全焼になるのはどのような状態をいうのか」を理解しておくのは大切なことです。 


そこで、まずは全焼の定義や補償額が決定される仕組みについて確認するととともに、万が一全焼になってしまった場合に十分な補償を受けるための補償の契約形態についてご説明していきます。



  

火災保険における全焼の定義や基準とは?

火災事故の被害状況は、保険会社の調査担当者と外部の調査業者が共同で調査にあたります。 


その結果、「全焼」と判定された場合、保険金が全額支払われます。 


では、全焼と判断される基準とはどのようなものなのでしょうか。 


一般的には、次の事項のいずれかに当てはまれば全焼と判断されます。 


  • 建物が全焼した 
  • 再構築に必要な金額が保険金額を上回る 
  • 延べ面積の80%以上が焼失または流出した 
  • 損害額が保険金額の80%を超える  


また、全焼までの被害が出ていない場合は、「半焼」や「一部損」と判断されることになります。 


例えば、被害が半焼程度の場合、保険金額も半分しか下りないと勘違いされることが多いですが、被害は半焼程度であっても修復に必要な費用は補償されます。 


仮に、保険金3,000万円の火災保険に入っていて半焼の火災事故が起きた場合、被害額が1,700万円になるケースでは、1,700万円が支払われることになります。
 


一部損の場合も、建物全体の3割程度の被害であったとしても、3割の保険金しかもらえないのではなく、実際の損害に応じた保険金が支払われます。

 

注意!火災保険の支払額・補償金は契約形態によって決まる!

火災保険の補償金・保険金は、どのような契約形態をとっているかによっても異なります。 


通常、火災保険加入時には、建物の価値に見合った補償額で加入することになります。 


例えば、2,000万円の価値のある建物であれば2,000万円の補償で加入します。 


しかし中には、2,000万円の建物に2,500万円の補償を付けるなど、建物の価値以上の補償を付けているケースがあります。 


この場合、仮に火災事故に遭った場合でも、保険金は全焼で2,000万円までしか支払われないため、保険料をムダに掛けていることになります。 


この状態を「超過保険」といいます。 


逆に、2,000万円の建物に1,500万円の補償しか付けなかった場合は、いざという時の補償を充分に受けられない可能性があります。 


この状態を「一部保険」といいます。 


火災保険は全部保険に設定するべき

ご説明しましたように、超過保険では保険料をムダに支払うことになりますし、一部保険では全焼時などに充分な補償を受けることができません。 


したがって、火災保険の補償額を考える上では「全部保険」に加入することが大切です。 


全部保険とは、保険金額が保険の対象となる建物の価値と同じになるものをいい、万が一火災事故が起きた場合には、損害額に応じて保険金が支払われます。 


火災で全焼になるような事故が起きた場合に備えて、建物の価値と同額の補償を付けられるよう全部保険に設定しておきましょう。

 

実際のところ火災保険の保険料の相場ってどれくらい?

火災保険の保険料は建物の種類や構造、市場価値など、様々な要素を総合的に考慮して決まります。


例えば、一戸建てで建物に1,500万円、家財に500万円の補償を1年間つけるとします。

新築の保険料の相場は、鉄骨造(T構造)だと9,500〜20,000円ほど、木造(H構造)だと15,000〜40,000円ほどになります。


中古の場合、鉄骨造(T構造)だと9,500〜25,000円ほど、木造(H構造)だと15,000〜55,000円程度です。


耐火性能に優れている方が保険料は安くなります。


マンションの場合は、新築と中古で多少の差はありますが、どちらも10,000円以内に収まることが多いです。

全損・全焼後は火災保険との契約が切れる

火災などの事故で建物が全焼してしまった場合、「全損」と判断され全額の保険金を受け取ると、その火災保険は契約終了となります。 


したがって、それ以降は新たに火災保険に加入する必要があります。 


また、全損とはならず保険金の支払いが一部だった場合は、契約はそのまま継続されます。 


しかし、「補償額が少なくなってしまうのでは?」という心配がでてきますが、一部保険金支払い後も契約通りの補償が適用されますので心配ありません。 


仮に、3,000万円の補償額で一部保険金が1,000万円支払われた場合でも、それ以降の損害時に最高2,000万円までとなることはありません。 


全焼でも保険金が支払われない場合もあるので注意!

火災保険に加入していても、家が全焼したときに必ず保険金がもらえるとは限りません。


ある条件を満たしてしまうと、全焼でも保険金が支払われないという悲惨なことになってしまいます。


それはどのような条件なのか、以下に解説します。

全焼により火災保険の証明書が燃えた場合

火災による事故で建物が全焼してしまうと、当然家財なども燃えてしまうため、火災保険の証明書も一緒に燃えてしまうことが考えられます。 


火災保険の証明書が焼失してしまったら、保険金の請求ができるのか心配になりますが、問題なく請求できますので安心してください。 


保険証書が焼失してしまっても、契約者本人とわかる身分証明書があれば対応してもらえます。 


火災保険金の請求においては、証明書があるかどうかよりも、これまできちんと保険料を支払ってきたかどうかが重要になりますので、保険料をおさめてさえいれば保険金の受け取りに影響はありません。 


なお、今後の対策として、耐火構造の金庫を購入し、その中に保険証書や通帳などの大切なものを保管しておくといいでしょう。 


火事に対して故意・重大な過失があった場合

契約者や被保険者が、故意に火を放つことによって全焼させた場合には、保険金は支払われません。


また、故意でなくても、重大な過失が認められた場合にも保険金はおりません。


例えば、ガスコンロの火をつけたまま長時間放置して火事になった場合、重大な過失と判断されることがあります。


火災になる恐れが容易に想定でき、未然に防ぐこともできたのに、それを怠ったというケースです。

火災保険の保険金を3年以上請求せずに経過した場合

現実的にはあまり起きないケースですが、火災から3年以上、保険金を請求しなかった場合にも、保険金は支払われません


なお、これは全焼に限らず、半焼や一部損の場合も同様です。


火災発生から3年経過すると時効となり、保険金を受け取る権利がなくなってしまいます。


万が一そうならないように、一つの知識として覚えておきましょう。

火災保険で家財も補償!補償額・保険金はどのくらい?

火災保険では、建物自体に補償を付けることが大前提となりますが、家の中のもの、つまり家財にも補償を付けておくといざという時に安心です。 


しかし、家の中のもの全ての価値がどのくらいあるのかを見積もるのは、かなりの時間を要します。 


そこで、家財の補償をどのくらい付ければいいのかが簡単に分かる方法や、高価な家財の補償の付け方などをご紹介していきます。

 

金額は簡易評価が基準となる

家財の保険金額を決める場合にも、建物と同様に、「今その家財を新しく購入するとしたときの価格」を設定することになります。 


その額を求める方法として、「簡易評価」と「積算評価」という2つの方法があります。


  • 簡易評価:各保険会社は、総務省の「家計調査」を基に、世帯主、年齢、家族構成に基づいた家財金額の目安を設定しています。
    例えば、富士火災の家財簡易評価表によると、世帯主35歳で家族4人の場合、家財の評価額は1,200万円と設定されています。  

  • 積算評価:自宅にあるすべての家財をひとつひとつ正確に価格を求めて合計する方法です。

    ご自身で求めるのも、また保険会社に依頼するのも非常に時間がかかります。 


簡易評価と積算評価の2つの方法の内容からも分かるとおり、積算評価は時間がかかるため、実際は簡易評価が基準になることがほとんどです。 

 

大事な家財は明記物件として記載が必要

家財の補償は家の中のものを対象としていますが、実は「高額なもの」については補償対象外となるため注意が必要です。 


原則的に、価格が30万円を超える以下のものについては補償対象外となります。 


  • 宝石、貴金属 
  • 腕時計 
  • 骨董品、掛け軸 
  • 絵画 
  • 古文書 
  • 証書や帳簿など 


したがって、100万円の腕時計や60万円の骨董品などは補償の対象からは外れることになります。 


それらの高価なものについては、「明記物件」として契約し補償を付けることになります。 


明記物件の上限は、一般的に1組100万円となっていますが、特約を付ければ100万円~300万円まで上げることができます。

 

万が一のために、火災保険の加入のすすめ!万全な補償を!

住宅を購入した場合には、火災保険への加入が必須となりますが、私たちの生活を守るものとして大変重要な保険となっています。 


例えば、隣家からの延焼で自宅が火事になってしまった時にも補償されますし、火災以外にも落雷や風災などの被害もカバーしてもらえます。 


大切なマイホームに充分な補償を付けるためにも、ぜひ火災保険の加入をしておきましょう。

 

火災保険は「やられ損」への補償として助かる保険

火災保険に加入する必要性のひとつに、隣家からの延焼による被害を補償するということがあります。 


例えば、隣家が火災になり、その火が延焼しご自身の自宅や近所の家も火事になったとします。 


一般的には、火事を出した隣家がすべての損害を補償するべきと思われるでしょう。


しかし、実は「失火責任法」という法律により、たとえ火事を出したとしても、それが故意や重大な過失からではない限り、賠償責任を負わなくてもいいとされています。 


つまり、隣家の延焼により自宅が火災になったら、それは自分でなんとかしなければならないということです。 


このような、「やられ損」の場合に、火災保険が大変役に立ちます。 


火災保険の火災以外に補償される範囲はどこまで?

火災保険という名前から、火災保険で補償されるのは火災のみと思う方もいらっしゃると思いますが、実は火災の他にも、落雷、破裂・爆発による損害、風災・ひょう災・雪災などの補償もカバーしています。 


さらに、特約を付けることによって、盗難、水濡れ、破損・汚損などを補償することもできます。 


保険会社によって、基本となる補償と特約でカバーする補償が異なることがありますので、備えておきたい補償が含まれているかしっかり確認しましょう。 


まとめ:火災保険の全焼の場合は、保険金限度額まで補償される!

火災保険の全焼となる定義や補償額などについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか? 


今回のこの記事のポイントは、 


  • 全焼と判断されるためには明確な基準が設けられており、満たさない場合は半焼や一部損となる
  • 超過保険や一部保険には十分に注意し、全部保険に加入するのがおすすめ
  • 故意または重大な過失により火災になったり、保険金を請求せずに3年経過した場合は、保険金は支払われない
  • 家財の評価は簡易評価により求めるのが主流
  • 30万円を超える高価なものは、明記物件として契約する


です。 


火災保険で全焼と認められるには基準をクリアする必要がありますが、仮に満たせなかったとしても、損害に応じた補償はカバーされます。 


安心して毎日の生活を送れるように、忘れずに火災保険に加入しましょう。 


なお、ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

   

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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