出産費用は確定申告で戻ってくる! 医療費控除について徹底解説!

出産費用は基本的に医療費控除の対象で、確定申告が必要です。申請はいつまでにすれば良くて、出産費用の医療費控除の還付金はいくらもらえるのでしょうか。この記事を読めば医療費控除の仕組みや申請方法、もらえる金額の計算方法が分かります。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

出産費用は医療費控除の対象なので確定申告が必要

出産費用が医療費控除の対象になるということをご存知でしょうか?


妊娠や出産には思っているよりお金がかかってしまい、家計に大きな負担となってしまいますが医療費控除が受けられれば助かりますよね。


医療費控除に含まれる出産費用には、検診や分娩代、助産師による指導などにかかった費用があてはまります。不妊治療や産後の一か月検診についても医療費控除に含まれるのですが、含まれるものと含まれないものの区別が難しいものです。


そこでこの記事では、

  • 医療費控除ってなに?
  • 医療費控除にできる出産費用って?
  • 出産費用を確定申告した場合、還付金はどれくらいになる?
  • 手続きはいつまでなら可能?
以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読むことで、出産の予定がある方に医療費控除とは何なのか、出産費用を申請すればどれくらい還付されるのかなどについて理解できるでしょう。


ぜひ、最後まで読んでください。

医療費控除って何?手続きのやり方は?

まずは医療費控除について解説していきますが、そもそも控除について知らない方が多いかと思います。控除にはさまざまな種類のものが存在します。

皆さんが支払っている税金は、所得の金額すべてにかかっているものではありません。所得の中から一定の控除を行った金額に税金が必要となっているのです。つまり、控除を行うことで支払う税金が少なくなるということがわかります。

住宅ローン控除や医療費控除も、その中の一つです。医療費控除とは、ある一定の金額以上のお金を病院に支払った際、確定申告を行うと税金が軽減されたり、還付金として返還される仕組みです。

病院での医療費のほかにも、通院のためのタクシー代や市販薬も対象となります。もちろん、出産費用についても医療費控除の対象となり、妊娠や出産にかかった費用を一部還付金として返ってきます。

医療費控除とは払った所得税の一部が戻ってくる制度

医療費控除の解説通り、出産費用として支払った金額を確定申告で申請すると還付金として返還されます。しかしこれは、出産費用として支払ったすべての金額が返ってくるのではなく、所得税の一部が返ってくる制度です。


会社で確定申告を行っているサラリーマンの方にはなじみがないかもしれませんが、確定申告を行うことで大きな負担になる医療費を軽減できるのではないでしょうか。


確定申告で医療費控除申請を行うことで、受けられるメリットはこちらです。

  • 医療費を支払った分、所得から控除されるので、所得税や住民税が軽減する
  • 高額な医療費が一部ではあるものの、返還される
所得税の場合、年末調整ですでに納税が住んでいる方もいると思いますが、あとから還付金として返金されます。住民税については、所得税とは勝手が違うため還付されることはないですが、安くなることには変わりありません。

医療費控除の申請期間はいつまで?【申請方法】

医療費控除の申請期間は、5年後まで可能です。翌年の3月15日までに行わなくてはいけない、という印象がありますが還付申告であれば、それ以降でも問題ありません。


しかし、基本的には翌年の2月中旬から3月中旬まで行います。この約1か月の間に確定申告を行っておけば、申告の1か月~1か月半後に振り込みが完了します。


確定申告と聞くと、「よくわからない」「めんどくさそう」というイメージが先行してしまいますが、還付申告だけなのでそこまでめんどくささはありません。


大まかな申請方法はこちらです。

  1. 1年間の医療費の領収書をまとめておく
  2. 医療費の明細書を作る
  3. 源泉徴収票をもとに、申告書Aを作る
  4. 税務署に提出する
一番大変なのは、医療費の明細書を作るという項目です。こちらは、健康保険組合などが発行している医療費のお知らせを見ると、医療費がすべて記載されているので移すだけで済みますよ。

毎年届いているかと思いますので、もし届いたら保管しておくことをおすすめします。2018年以降の確定申告では領収書の添付は行わなくてもいいことになっています。しかし5年間自宅で保管する必要があるので、捨てないようにしてくださいね。

医療費控除の申請に必要な書類は?【必要書類】

確定申告に必要な書類は、会社からもらっておくものと自分で準備しておくものがあります。医療費申請を行うために必要な書類を紹介していきたいと思います。


書類はこちらの5種類が必要です。

  • 源泉徴収票
  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書A
  • マイナンバー確認書類
  • 本人確認書類(運転免許書など)
源泉徴収票は、年末調整が終わった時点で会社からもらうことができます。共働きの場合は夫婦の源泉徴収票が必要です。確定申告時に一緒に提出しなくてはいけません

確定申告書A様式は、国税庁のHPから印刷できます。最近では会計ソフトもたくさんありますので、そちらを活用してもいいでしょう。

医療費控除の明細書は、病院や薬局などに分けて小計しておくと便利です。健康保険組合が発行している医療費のお知らせがあれば、その内容をそのまま書き写せるので便利です。

その他にも、確定申告後の還付金返済に利用する通帳や印鑑を一緒に準備しておくとスムーズだと思います。これらの書類をあらかじめ準備しておくと、確定申告しやすくなります。

医療費控除制度で妊娠・出産の費用はいくら返ってくる?【計算方法】

実際に出産費用を医療費控除申請したとき、還付金はいくらになるのでしょうか。出産費用のうち、医療費控除に含めることができるのは以下の通りです。

  • 妊娠後の検診や検査費用
  • 出産で入院する際のタクシー代
  • 入院中の病院食
(参考:国税庁

その他にも、分娩費用(自然分娩無痛分娩・帝王切開全て含む)や助産師による産後ケアなども出産費用として医療費控除に含めることができるようです。

ここではいろいろなパターンから、還付金いくら受け取ることができるのか見ていきましょう。計算式も合わせて解説するので、出産費用として使ったお金を計算式に当てはめてみてくださいね。

パターン1:出産費用が70万円、自然分娩の場合

還付金を計算するために、まずは医療費控除の対象となる金額を出す必要があります。まずは、下の計算式に当てはめて計算していきましょう。

支払った医療費の合計(出産費用)ー保険金で補填される金額ー10万円

こちらの保険金とは、出産一時金も含まれます。出産一時金は、基本的に一人42万円うけとることができます。自然分娩なので特に出産費用に特に追加料金はなしと考えましょう。では、計算式に当てはめていきます。

70万円ー42万円ー10万円=18万円

18万円が医療控除額となります。さらにこの金額に、所得税率をかけなくてはいけません。所得税率は所得に合わせて上がっていくのですが、今回は課税所得195万円以下の場合で計算します。

18万円×5%=9,000円

出産費用70万円、自然分娩、課税所得195万円以下の場合の還付金は9,000円ということがわかりました。確定申告をすると9,000円が返ってくるということがわかります。


所得税率についてはこちらの表を参考にしてください。

課税所得金額所得税率
195万円以下5%
195万円以上330万円以下10%
330万円以上695万円以下20%
695万円以上900万円以下23%
900万円以上1,800万円以下33%
1,800万円以上4,000万円以下40%
4,000万円以上45%
所得に合わせて所得税率も上がっていきます。つまり、税金を多く支払っていればいるほど還付金が多くなるということです。

パターン2:出産費用が65万円、帝王切開で更に10万円掛かったが保険が5万円降りた場合

先ほどパターンと同じように別のパターンも計算してみましょう。出産費用65万円、帝王切開で10万円、保険が5万円降りた場合の還付金はどれくらいになるでしょうか。計算式に当てはめると、以下のような形になります。

(出産費用65万円+帝王切開10万円)ー(出産一時金42万円+帝王切開の保険5万円)ー10万円=18万円

今回は、課税所得400万円の家庭の場合で計算してみます。課税所得400万円の場合の税率は20%です。先ほど出した18万円に20%をかけます。

18万円×20%=36,000円

所得税を多く支払っていればいるほど、還付金は高額になることがわかります。このパターンの場合の還付金は、36,000円です。確定申告を行うとこれだけのお金が返ってくることがわかりました。

参考:医療費控除の手続きは過去5年以内の費用なら可能

確定申告で医療費控除の手続きを行うのは、過去5年以内であれば申告することが可能です。すでに確定申告を済ませている場合でも、あとで思い出した時に申告できるのは助かりますね。


出産や妊娠、そして初めての子育てになるとどうしても医療費控除まで手が回らなくなります。出産時に医療費控除の話を聞く機会もないので、申告できなかったという方もいるでしょう。


医療費控除の手続き自体は過去5年までさかのぼることができるので、出産や育児が落ち着いてからでも問題ありません。領収書は必要になりますが、忙しい時期に無理に申告しなくてもいいのは安心できますね。


過去の医療費をすべて申告することができるので、出産費用だけでなく一度医療費の見直しをしてみるといいかもしれません。


また、医療費控除の手続きは所得税を多く支払っているほど、還付金が多くなります。そのため、出産費用の医療控除手続きは同一世帯の所得が一番多い人が確定申告するといいでしょう。

まとめ:高額な出産費用を抑えるためにも医療費控除を利用しましょう

今回は、出産費用は医療費控除の対象になることについて解説しましたがいかがだったでしょうか?出産時はびっくりするほどお金がかかってきますので、できるだけ負担を抑えるため医療費控除の利用はとても助かりますね。


この記事のポイントは、

  • 医療費控除とは、10万円をこえる医療費を支払った場合に確定申告をすると還付金として一部が返ってくる制度
  • 出産費用も医療費控除の対象なので、領収書は必ず取っておこう
  • 出産費用の場合、出産一時金と10万円を引いた金額が対象金額になる
  • 過去5年分までなら遡って申告できるので忘れてしまっても問題ない
でした。

出産費用が医療費控除の対象になるのは、ほとんどの方が知らなかったのではないでしょうか。確定申告と聞くと小難しい印象がありましたが、控除申請だけであればそこまで難しさはないでしょう。

出産時だけでなく、病院に入院・通院した際10万円を超える額を支払ったのであれば、ぜひ確定申告してみてくださいね。

ほけんROOMでは、他にもお金にまつわる記事を多数掲載しておりますのでぜひ読んでみてください。

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