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外貨建て保険

外貨建て保険の基礎知識(利回り・元本割れリスク)を徹底解説!

外貨建て保険(ドル建て保険)と言えば、円建てに比べて運用利回りがよく、投資信託と比較して、個人年金や学資などの積立保険として利用されるケースが多いです。一方、為替相場の変動で元本割れするリスクがあります。トラブルの多い商品なのでデメリットをよく理解しましょう。

外貨建て保険(ドル建て保険)の全知識を解説!

大きな資金の運用先や老後の資産形成、貯蓄方法として度々おすすめされる外貨建て保険。


銀行の投資相談コーナーのパンフレットやポスターなど、外貨建て(ドル建て)商品の広告を目にする機会が多くなってきましたよね。


外貨建て保険は高金利な運用性や為替差益のメリット、節税対策などを理由に、非常に人気の高い貯蓄性保険商品です。


一方で、外貨建てと聞くと「為替や保険の仕組みが難しくてわからない」「元本割れのリスクやデメリットは本当に無いの?」のように不安が生じることでしょう。


そこで、こちらのページでは外貨建て保険について

  • 外貨建て保険の基本4種類
  • 外貨建て保険のメリット
  • 外貨建て保険の利回り、実質利回り
  • 外貨建て保険のデメリット、元本割れリスク
  • 外貨建て保険の税金
  • 外貨建て保険の運用通過、円豪ドル相場
以上、6つのポイントをわかりやすく解説します。


外貨建て保険はメリット・デメリットを理解して正しく運用すれば、資産形成の頼もしい味方となります。

外貨建て保険(ドル建て保険)とは?資産運用の商品?

外貨建て保険とは、保険料の支払いや死亡・満期保険金、解約返戻金の受取りを外貨で行う保険のことです。


外貨建て(ドル建て)保険には、目的によって

  • 外貨建て(ドル建て)終身保険
  • 外貨建て個人年金保険
  • 外貨建て養老保険
  • 外貨建て学資保険
などのタイプがあります。


上記の保険種類を見ると、その全てが掛け捨てでない貯蓄型生命保険であることに気が付くと思います。


実は、外貨建て保険は「保険」と呼ばれるものの、外貨の高金利を活用した資産運用が目的で加入するユーザーが多く、金融商品に近い性質を持ちます。

外貨建て保険の種類:終身保険

外貨建て終身保険は、被保険者に対する一生涯の死亡保障・高度障害保障が解約まで続き、支払い保険料が外貨建てで運用される保険商品です。


保険料の支払い方法は主に、

  • 月払いタイプ
  • 一時払いタイプ
の2種類があります。

特に、外貨建て一時払い終身保険は相続対策(節税、財産分与、納税資金)に活用するメリットが大きく、高齢者層に非常に人気な商品のようです

外貨建て保険の種類:個人年金保険・養老保険

外貨建て個人年金保険・養老保険は、支払い保険料の積立金部分を外貨で運用し、積立金を外貨によって年金・一時金形式で受け取る保険です。

養老保険は満期保険金相当の死亡・高度障害保障がありますが、個人年金は死亡保障が積立て金と同額相当と、手薄いことが多いので注意しましょう。

保険料支払い方法には、月払・半年払・年払タイプや、保険契約時に一括で保険料を支払う一時払いタイプなどがあります。

こちら2つの外貨建て保険は、老後の資金、資産形成の目的で加入するユーザーが多いようです。

ちなみに、満期保険金や年金の受取りタイミングを操作するために、据置機能のある商品を選ぶと為替リスクの軽減に役立ちます

外貨建て保険の種類:学資保険

学資保険とは、子供の入学・進学時に祝金や満期保険金を受取れ、親の万が一の場合は保険料の支払いが免除される、貯蓄型生命保険の一種です。


また、子供の死亡・医療保障があるタイプの学資保険もありますが、特約を付帯しすぎると貯蓄性が減少するので注意しましょう。


外貨建ての学資保険は、子供の教育費を外貨の金利で効率よく準備したい人向きですが、為替リスクのケアのために余剰資産などで加入することをおすすめします

外貨建て保険の主なメリットとは?

外貨建て保険を円建ての保険商品や投資信託などの金融商品と比較した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。


外貨建て保険のメリットについて

  1. 円建て保険との積立金の運用利回り(金利)の比較
  2. 死亡保障の付帯
  3. 生命保険料控除により所得税・住民税を低減できる
以上の3点を解説していきます。

メリット①:円建てと比較して高い運用利回り

日銀がデフレの脱却に向けマイナス政策金利による金融緩和を実施し、市場の活性化を達成した一方で、金融機関は利ざやで稼ぎ辛い状況に陥りました。


それに伴い、保険料を国債などで運用している保険会社も運用実績が落ち込み、円建て保険の予定利率は0.25~0.5%で停滞しております。


一方で、外貨建て保険は保険料(外貨)を外国債により運用するので、選定通貨国(主に米ドル、豪ドルなど)の金利の影響を受け、積立利率が2~4%の場合がほとんどです


もちろん積立利率は保険会社によって異なりますが、仮に最低保証利率だったとしても平均2.5%程あり、円建て保険と比較しても歴然の差でしょう。

メリット②:死亡保障が付帯されている

外貨建て保険を外貨建て投資信託(MMF)などと比較した場合、「運用効率が悪くメリットが無い」という主張を耳にしたことはありませんか?

しかし、外貨建て保険はあくまでも「保険」であり、そもそも投資性金融商品である投資信託やFXなどと比較することは前提条件が異なるため不適切です。

外貨建て保険の加入は、死亡保険金や受取時の税制面の優遇、生命保険料控除など、リスクヘッジと保険メリットの活用を考慮して検討しましょう。

メリット③:生命保険料控除の対象である

生命保険料控除とは、支払い保険料に応じて所得金額が控除され課税所得が圧縮し、所得税と住民税が減少する制度のことです。

生命保険料控除の控除区分は
  1. 一般生命保険料控除
  2. 介護医療保険料控除
  3. 個人年金保険料控除
の3つがあります。

外貨建て保険も生命保険料控除によって所得控除を受けられるので、年末調整や確定申告で控除の申請をしましょう。

また、外貨建て個人年金保険の場合は、個人年金保険料税制適格特約を付帯していないと個人年金保険料控除の対象になりませんので注意しましょう。

外貨建て保険の平均的な利率・利回りは?

前述ですが、外貨建て保険の積立利率は保険会社や商品にもよりますが、2~4%程度で推移しております。

また、外貨建て保険では積立利率の最低保証をしており、最低保証利率の平均は1.5~3%程度です。

さらに、積立利率は契約期間で固定ではなく、毎月月初に指定通貨国の経済状況を反映、更改される保険(積立利率変動型)がほとんどです。

これにより外貨のインフレリスクも、ある程度は対策できるようです。

外貨建て保険は一時払いがおすすめ

円建て保険と比較して平均1.75~3.5%も積立利率が高い外貨建て保険ですが、保険料の支払いを一時払いにし、運用効率をさらに高められることをご存知でしたか?


保険料を契約期間の初めにまとめて支払うことで、契約期間中に運用できる積立金額が増加し、より高い利差益を期待できます


また、運用実績の期待値も上がるので保険料も割引されます


一方で、月払いなど保険料を分割払いすることで、為替リスクを平準化するドルコスト平均法という手法も存在します。


円高・円安のタイミング次第で、支払い方法を切り替えるのも賢い選択かもしれません。

外貨建て保険には為替手数料・運用手数料がある

外貨建て保険で気を付けるべき手数料は

  1. 為替手数料
  2. 運用手数料
の2つがあります。


為替手数料とは円貨と外貨の変換時における両替手数料のことで、運用手数料とは運営費率、保証費率、その他費用(付加保険料)のことです。


実は、積立利率は保険料全体に適用されるものではなく、これら手数料を差し引いた積立金に適用されます


したがって、外貨建て保険での実際の運用益は、表示されている積立利率より低い、実質利回りによって計算する必要があります。


この問題に関しては、生命保険会社間で積立利率の定義が曖昧でユーザーの誤解を招くとして、金融庁の調査、指導があった経緯もあるようです。


金融庁の発表では、保障内容や条件によっては0.75%も実質利回りが低い商品もあったようです。

【重要】外貨建て保険のデメリット:元本割れリスク

外貨建て保険には商品設計上、安全性や流動性の面でデメリット、元本割れの危険性があります。


安全性、流動性面のデメリット

  • 為替相場の変動による含み損、元本割れリスク
  • 早期解約による元本割れリスク
の2点を解説していきます。

為替差損(円高ドル安)による元本割れリスクとは?

外貨建て保険は、保険金や満期金、返戻金の受取り時に為替相場が円高ドル安に振れると元本割れの可能性があります。


例えば、保険料支払い時に1ドル100円の為替相場だったものが、受取り時に1ドル80円になった場合、円貨ベースでは含み損を負うことになります。


外貨建て保険は、外貨ベースでの元本保証がされているだけであり、為替レートの変動による円貨ベースでの元本割れリスクは十分に考えられます。

早期解約の場合も元本割れのリスクがある

外貨建て保険は、外貨ベースでは元本保証されているのですが、早期解約(中途解約)を行なった場合、外貨ベースでも元本割れのリスクがあります。

外貨建て保険は基本的には長期的な運用を前提に商品設計されており、また、米国など主要の運用通貨国の金利が上昇傾向なことも元本割れリスクに拍車をかけております。

金利の上昇により積立金が減少する理由としては、ほとんどの外貨建て保険に付帯されている市場調整価格(MVA)機能が挙げられます。

外貨建て保険では保険料(外貨)を外国債で運用しますので、金利が上昇すると相対的に債券の価値が下落します。

中途解約の場合は、金利上昇による債券の売却損益を保険契約者が負うことになります。

この金利上昇による債券価値の低下リスクを軽減するには、やはり長期的な運用によるリスク平準化を狙うしかないようです。

さらに早期解約の場合は、生命保険の諸費用や運用手数料などを積立金から一定率で控除する、解約控除も元本割れの原因となります。

銀行の説明不十分でトラブル・苦情が発生している

2007年に銀行窓口による保険の販売が解禁されて以降、銀行員による保険販売時の説明不足が問題となってきました


そして、外貨建て保険の銀行窓販についても

  • 近年の低金利政策による融資の収益性の低下
  • 生命保険会社が外貨建て保険を主力商品として販売強化を押し進めたこと

などを背景に、トラブル苦情が多発しております。


金融庁はこの事態に対して、2018年12月より生命保険協会と協力して様々な対策の検討、実行を始めました。


外貨建て保険は、元本割れリスクのある投資性商品ということをしっかり理解して、他の金融商品と比較検討するようにしましょう。

外貨建て保険の解約と返戻金受け取り時の税金

外貨建て保険を解約した場合は解約返戻金が受取れ、保険契約者と返戻金受取り人の関係によって異なった課税をされます


例:夫A、妻Bの場合

保険契約者返戻金受取人課税種類
AA所得税
BB所得税
AB贈与税
BA贈与税

*為替差益・為替差損を含めた金額に総合課税されます。


所得税の場合は、一時金、年金など受取り方式の違いで、一時所得(+住民税)雑所得と課税方式が変化します。


所得税が課税される契約形態で、一時払いタイプの保険を5年以内に解約した場合、解約返戻金が金融類似商品とみなされ源泉分離課税となる場合にも注意しましょう。


また外貨建て保険と円建て保険の課税方式における相違点は、受取り外貨を円貨換算して課税計算する点です。


円貨換算レートはTTMやTTBを使用しますが、金融機関によって異なる対顧客電信売買レートを使用する可能性がありますので注意しましょう。

豪ドルの外貨建て保険が人気なの?円豪ドル相場の目安は?

外貨建て保険で運用する通貨は指定でき、豪ドルは米ドル・ユーロなどと同じく、多くの商品で採用されております。


オーストラリアは、天然資源の産出国、人口増加などの要因により、ここ26年間継続的に経済成長を遂げています。


したがって、豪ドルは先進国通貨に分類されており、政策金利も1.50%と高く、信用格付けのランクも高い人気の通貨となっております。


現在の円豪ドルの為替相場は、75~80円/1AUDで推移しており、外貨建て保険の指定通貨としても比較的採用しやすいでしょう。

まとめ:外貨建て保険のデメリットを理解して検討しよう

このページでは、外貨建て保険の基礎知識について

  • 外貨建て保険の4種類(終身・個人年金・養老・学資)
  • 外貨建て保険のメリット3種類
  • 外貨建て保険の利回り、実質利回り、積立利率
  • 外貨建て保険のデメリット、元本割れリスク、銀行窓販トラブル
  • 外貨建て保険の税金、外貨の変換レート
  • 外貨建て保険の円豪ドル相場、オーストラリアの成長性
を解説してきました。

外貨建て保険は外貨ベースの資産は確実に増やせる一方、為替リスクや早期解約の危険性が伴います。

外貨建て保険の検討は、ライフプラン、どんな目的で加入するのかを明確にして、長期的な目線で資産形成することを念頭に行いましょう。

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