個人年金保険の選び方を専門家が解説【知っておきたい】
個人年金保険には様々な種類があり、どの個人年金保険を選ぶべきか迷う方が多いはずです。また、様々な特約やメリットやデメリットをしっかりと比較することが重要です。このカテゴリでは個人年金保険の選び方について、種類・特約・手数料・払い方・受取方を中心に解説します。
目次
- 個人年金保険の選び方を解説!保険タイプや運用方法の選び方も
- 個人年金保険の選び方概要!チェックすべきおすすめポイントを紹介
- 個人年金保険の選び方、難しいと思ったら保険のプロに相談
- 個人年金保険の選び方①年金の受取期間
- 終身年金
- 有期年金
- 確定年金
- 保険のプロと年金受取額を決めよう
- 個人年金保険の選び方②積立利率が固定か変動か
- 個人年金保険の積立利率とは?
- 積立利率が固定されている個人年金保険
- 積立利率が変動する個人年金保険
- 保険のプロに無料相談
- 個人年金保険の選び方③年金の受取額が定額か変額か
- 定額型の個人年金保険
- 変額型の個人年金保険
- リスクとリターンを考えて個人年金保険を選ぶべき
- 個人年金保険の選び方④積み立てる通貨が円か外貨か
- 個人年金保険の選び方⑤保険料の支払方法、一括払いか月払いか
- 個人年金保険の一括払いとは?一時払いと前期前納払いがある
- 個人年金保険の月払いとは?一括払いとどっちがいい?
- 個人年金保険の保険料の払込期間の長さについての注意点
- 家計や貯蓄の状況からプロが判断!無料の保険相談を使おう
- 個人年金保険の選び方⑥手数料の金額
- 個人年金保険の選び方⑦年金の受取方式
- 実際に個人年金保険に加入した方の選び方
- 「30代既婚子供1人」の例
- 「40代独身女性」の例
- 「50代既婚子供1人独立1人学生」の例
- ライフプランに合った個人年金保険をプロと一緒に選ぼう
- 個人年金保険の特約についても確認しよう!
- 【参考】iDeCoや投資信託とも比較して選ぼう
- まとめ:個人年金保険の選び方のポイント
個人年金保険の選び方を解説!保険タイプや運用方法の選び方も
近年、年金の支給開始年齢の引き上げが議論されており、老後の生活への不安から、個人年金保険に加入する人が増加しています。
しかし、個人年金保険といっても、商品の種類はたくさんあるので、どの個人年金保険を選んだら良いのかお困りの方も多いと思います。
個人年金保険には、大きく分けると終身年金タイプ、有期年金タイプ、確定年金タイプの3種類があり、種類ごとに選び方を知ることが大切です。
実際、個人年金保険は長期間の保険となるので、見直しをすることが難しく、加入時にそれぞれの種類をよく比較することが大変重要になってきます。
そこでこのページでは、ほけんROOMの記事を中心に個人年金保険の選び方やそれぞれの比較について詳しく解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください。
個人年金保険の選び方概要!チェックすべきおすすめポイントを紹介
この記事ではまず、個人年金保険を選ぶ際にチェックしたいポイントを解説します。
選び方のポイントは全部で以下の7つです。
- 年金の受取期間
- 積立利率が固定か変動か
- 年金の受取額が定額か変額か
- 積み立てる通貨が円か外貨か
- 保険料の支払方法、一括払いか月払いか
- 手数料の金額
- 年金の受取方式
個人年金保険の選び方、難しいと思ったら保険のプロに相談
- 「選び方の概要は分かったけれど、検討中の個人年金保険が本当に自分にあっているか分からない」
- 「大切な老後の資金だからプロに相談して決めたい」
という方も多いと思います。
数十年お金を積み立てて老後資産を作っていくので、やはり慎重に検討したいですよね。
そのような場合はぜひ以下のボタンから保険のプロに無料保険相談の予約をしてみてくださいね。
個人年金保険の選び方①年金の受取期間
まず一つ目のポイントである「年金の受取期間」について解説します。
一口に個人年金保険といっても、年金の受取期間によって以下の3つに分類することができます。
- 終身年金
- 有期年金
- 確定年金
終身年金
終身年金は年金受取開始後、被保険者が死亡するまで、生涯にわたり年金を受取れます。
長生きするほど受取年金額は多くなり、一生涯の保障を確保できることがメリットです。
一方で、早期に亡くなると年金受取額が払込保険料を下回り(元本割れ)、損になる可能性があります。
ただし、多くの商品は10年間などの保証期間が設定されていて、保障期間中に被保険者が亡くなった場合、残りの保障期間の未払い年金を遺族が一括して受け取れます。
長生きできないことで受取年金額が少なることを懸念したり、遺族にお金を遺したい人は保証期間付き終身年金を選ぶと良いでしょう。
ただ、終身保険の保険料は割高であり、確定年金の保険料に比べると、2~3倍高くなることがあります。
保険料の支払いに余裕があり、生涯にわたる年金を確保することで、ゆとりある老後生活を送りたい人は終身保険に向いているでしょう。
有期年金
有期年金は契約時に定めた年金受取期間中(5年・10年・15年など)、被保険者が生きている間に限り、年金を受け取れます。
年金受取期間を過ぎて生き続けると、年金の支給は終了します。また、年金受取期間中に死亡すると、その時点でも支給は終了します。
早期に死亡すると、年金受取額が払込保険料を下回る可能性がありますが、保証期間が設定されているタイプを選ぶと、保証期間内に被保険者が死亡した場合、遺族は残りの保障期間の未払い分を一括で受取れます。
有期年金の保険料は終身年金よりも割安なので、保険料を抑えながら一定期間だけ年金を受け取りたい人に向いています。
例えば、60歳から5年間を年金受取期間にして、退職から公的年金支給までのつなぎとして活用する人も多いです。
確定年金
確定年金は有期年金と同様、年金受取期間(5年・10年・15年など)が定められていますが、受取期間中は被保険者の生死にかかわらず、年金を受け取れる点が有期年金と異なります。
万が一、年金受取期間に被保険者が死亡した場合は、遺族が残存期間に対応する年金または一時金を受け取ります。
確定年金は被保険者の生死にかかわらず、決まった金額を受け取れるので、早くに死亡したとしても、受取年金額が払込保険料を下回ることはありません。
そのため、年金額の元本割れを避けて、遺族にお金を遺したい人に向いています。
また、保険料は終身年金よりも割安なため、若い年齢でも無理なく老後の資産形成を始められます。
年金受取期間を公的年金支給までのつなぎとしたり、公的年金に上乗せする形で受け取り、老後生活を充実させるのも良いでしょう。
保険のプロと年金受取額を決めよう
年金の受取額は個人年金保険の保障を決める上でもっとも重要な要素です。
一人で決めるのが不安という方は保険のプロと相談してから決めるようにしましょう。
下のボタンから保険のプロへの面談予約が1分で完了するので、ぜひご利用ください。
個人年金保険の選び方②積立利率が固定か変動か
続いて2つ目のポイントは、「積立利率が固定か変動か」です。
そもそも積立利率って?固定と変動の違いは?と疑問に思う方が多いでしょう。
ここでは、
- そもそも個人年金保険の積立利率とは?
- 積立利率が固定されている個人年金保険
- 積立利率が変動する個人年金保険
個人年金保険の積立利率とは?
個人年金保険を扱う保険会社は、将来の年金支払いのために契約者から預かった保険料の一部を積立金として積み立てています。
積立利率とは、積立金に対して適用される金利のことです。
保険料は契約の締結・維持に必要な費用が差し引かれた額が積み立てられ、積立金からは死亡・高度障害保障などの費用が差し引かれています。
したがって、積立金は積立利率で複利運用されるわけではなく、積立利率は実質利回り(一時払保険料に対する将来の受取年金額の年換算利回り)を示すものでもありません。
個人年金保険の積立利率は固定のタイプと変動のタイプがあり、変動の場合は一般的に最低利率が保証されています。
積立利率が固定されている個人年金保険
契約時の積立利率(保険料のうち積立金に適用される利率)がずっと変わらないことを「積立利率固定型」と言います。
保険料の払込期間中に市場の金利が変わっても、受取年金額が変わらないので、将来の資金計画を立てやすいのがメリットです。
また、積立利率固定型の保険料は変動型よりも割安で、積立利率が高い時に加入すると、安い保険料で年金額を多く受け取れるので有利になります。
老後の資産形成を計画的に準備したい人には向いているでしょう。
一方、積立利率固定型はインフレリスクに弱いというデメリットがあります。
インフレになると物価が上昇し、相対的にお金の価値が下がるため、受け取れる年金額の価値も下がってしまいます。
また、契約当初よりも市場金利が上昇したとしても、運用利率は固定されたままのため、金利上昇の恩恵は受けられません。
積立利率が変動する個人年金保険
積立利率が一定期間ごとに見直され、変動する可能性があるものを「積立利率変動型」と言います。
市場金利を反映するため、経済情勢が良好で金利が上がると積立利率も上昇し、将来の年金額が多くなります。
また、ある程度のインフレリスクにも対応できることもメリットです。
一方で、市場金利が下がると積立利率も下がり、当初の予想よりも年金額が少なくなる可能性があります。
ただし、最低利率が保証されている商品であれば、大きな元本割れのリスクを避けられるでしょう。
積立利率変動型は市場金利および積立利率の上昇により年金額が多くなることが期待できる分、保険料は固定型よりも割高です。
しかし、市場全体の金利は長く低水準が続いているため、積立利率は固定型でも変動型でも、あまり高くないのが実情です。
将来の市場金利の動きは予測できませんが、安定性を保ちつつ、少しでも年金額を増やしたい人は積立利率変動型が向いているでしょう。
保険のプロに無料相談
積立利率という聞きなれない言葉ですが、個人年金保険を選ぶうえで非常に重要になってきます。
個人年金保険に少しでも加入したいと考えている方は、ぜひ下のボタンから保険のプロに相談してみましょう。
個人年金保険の選び方③年金の受取額が定額か変額か
3つ目のポイントは、年金の受取額が定額か変額かです。
この年金の受取額ですが、先ほど解説した積立利率とも大きくかかわってくる部分です。
ここでは定額と変額とは何か、そのメリット・デメリットは何かを解説しますので、自分がどちらが向いているのか考えながら読んでみてくださいね。
定額型の個人年金保険
定額個人年金保険は契約時に保険会社が定めた予定利率で運用され、将来の受取年金額が確定しています。
保険会社の運用状況が悪かったとしても、将来の年金額が減ることはありません。
また、年金額は確定もしくは最低保証されているため、途中解約したり、保険会社が破綻したりしない限り、元本割れの可能性も少ないのがメリットです。
老後の資産形成を安定的に行い、株や投資信託などリスクのある商品を保有したくない人には向いているでしょう。
ただし、契約時に定められた予定利率で運用されると、インフレリスクに対応できず、将来物価が上がった際に、年金額が目減りしてしまう可能性があります。
また、予定利率の低い時期に契約した場合、予定利率が高い時期と比較すると、保険料が割高になる点にも注意が必要です。
変額型の個人年金保険
変額個人年金保険は、事前に定められた投資信託などの運用商品の中から契約者自身が選択し、保険料を運用していきます。
運用にはまとまった資金が必要なため、保険料の払込方法は契約時に一括で支払う「一時払」が多いです。
将来の年金額は、運用成績が良ければ払込保険料よりも多くなることが期待できます。
また、投資先のファンドを変更する時は税金がかからないため、複利の効果を活かしつつ
、柔軟な長期投資ができるメリットもあります。
一方で、定額年金のように受け取れる年金額の最低保証がないため、運用成績が悪ければ元本割れになる可能性があります。
変額年金は株価・金利・為替などの変動による投資リスクがあり、自己責任で積極的に年金額を増やすことを目的としているため、ハイリスク・ハイリターンな商品と言えます。
保険料を一時払いで払える余裕資金があり、株や投資信託などの投資に慣れている人は変額年金に向いているでしょう。
リスクとリターンを考えて個人年金保険を選ぶべき
ハイリスクハイリターンな変額型とローリスクローリターンな定額型ですが、ご自身で自分はどちらがいいか迷ってしまいますよね。
迷っている方はぜひ保険のプロに相談してみてくださいね。
個人年金保険の選び方④積み立てる通貨が円か外貨か
円建て年金保険は保険料の払込、運用、年金の受け取りを円で行うのに対し、外貨建て年金保険は米ドル・ユーロ・豪ドルなどの外貨で行います。
外貨建て年金保険は円建てよりも金利水準が高く、高い利回りで運用できるため、解約返戻率が高い、保険料が割安などのメリットを享受できます。
ただし、外貨建ては為替変動リスクがあり、為替相場により保険料や年金額が上下する点には注意が必要です。
年金の受け取り時、円安では年金額が多くなりますが、円高では年金額が少なくなり、元本割れになる可能性もあります。
また、保険料の払込や年金の受け取りの際は、通貨の交換が必要になり、その都度為替手数料がかかります。
外貨建て年金保険に向いているのは、余裕資産があり、分散投資で外貨の資産も保有したい人や年金を外貨で受取り、外国で外貨を使いたい人などです。
一般的に、年金の運用期間は数十年と長く、数十年先の為替相場を予測するのは困難です。
将来も日本に住み、為替変動リスクが心配な人は、円建ての年金保険を選ぶのが良いでしょう。
外貨建ては利率もよいですが、変額型同様リスクもあります。
資産を運用したことがないという方にはハードルが高いかもしれません。
そういった方は保険のプロに相談して疑問や不安を解決してみるのはいかがでしょうか。
ぜひ以下のボタンから無料の保険相談予約をしてみてくさいね。
個人年金保険の選び方⑤保険料の支払方法、一括払いか月払いか
個人年金保険を選ぶなら、支払い方法を一括払いにするのか、月払いにするのかを考えることも大切です。
一括払いは、契約時に全期間の保険料を支払う方法で、月払いは、毎月一定額の保険料を支払う方法です。
いずれもトータルで支払う保険料は変わりませんが、どちらの支払い方法にもメリットとデメリットがあります。
そこで、次からは一括払いと月払いのメリットとデメリットについて解説していきます。
個人年金保険の一括払いとは?一時払いと前期前納払いがある
個人年金保険の一括払いとは、契約時に全保険期間の保険料を一括で支払う方法です。
契約時にまとまったお金が必要になりますが、割引率が高く、保険料が安くなるというメリットがあります。
一括払いには、以下の2つの支払い方法があります。
- 一時払い
- 全期前納払い
一時払いとは全保険期間の保険料を、契約時に支払う方法です。
個人年金保険の支払い方法では、最も割引率が高く、保険料が安くなります。
全期前納払いは、契約時に全保険期間の保険料を一括して支払うという点では一時払いと同じです。
しかし、全期前納払いでは、一括して支払った保険料を保険会社が一旦預かってから、毎月、または毎年の保険料に充当していきます。

個人年金保険の月払いとは?一括払いとどっちがいい?
個人年金保険の月払いとは、一括ではなく、毎月保険料を支払っていく方法です。
一括払いと比較した時に、月払いのメリットは以下の3つです。
- 毎月の保険料が生命保険料控除の対象となる
- 途中契約すると、それ以降の保険料を支払わなくて済む
- 一時払いよりインフレリスクに強い
生命保険料控除は月払いしか対象にならないので、特に重要なメリットです。
月払いでは、10年以上の期間払込み、さらに60歳以降に10年確定年金で年金を受給する契約をすると、個人年金保険料控除の対象となります。
一括払いと比較した時に、月払いのデメリットは以下の3つです。
- 一時払いの方が返戻率が高い
- 中途解約すると、返戻率が悪く、元本割れのリスクがある
- 月払いでは加入できない個人年金保険もある
なかでも重要なのは、一時払いの方が返戻率が高く、保険料の割引率が高いことです。
そのため、月払いよりは一括払いよりも、保険料は高く、解約したときの解約返戻金も少なくなってしまいます。

個人年金保険の保険料の払込期間の長さについての注意点
個人年金保険では、保険料の払込期間が設定されています。
個人年金保険とは老後に年金を受け取ることを前提としているので、払込期間は長くなります。
払込期間が長いということは、メリットでもデメリットでもあります。
短期的に利益を上げる運用方法だと元本割れをするリスクが大きいですが、個人年金保険は長期的に堅実に運用を行うので、元本割れのリスクは小さいです。
その一方で、払込期間が長いということは、その間に経済的な事情が悪化し、払込が難しくなることも生じます。
そのような場合には、途中で解約しなければならなくなるため、注意が必要です。
家計や貯蓄の状況からプロが判断!無料の保険相談を使おう
保険料は一括で支払った方がお得というものの、自分の場合どのようにしたらいいか迷っているという方はいらっしゃいませんか。
無料保険相談では、自分の収入、支出、家族構成、貯蓄などを踏まえ、プロから的確なアドバイスを受けることができます。
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個人年金保険の選び方⑥手数料の金額
個人年金保険を利用するには、保険会社に手数料を支払わなければなりません。
個人年金保険の手数料は保険会社によって異なり、手数料が安ければそれだけお得です。
そのため、手数料を比較した上で安いところを選ぶ人は多く、手数料は個人年金保険の人気を左右する要素でもあるのです。
個人年金保険にかかる手数料として、外貨建て年金を利用するときの為替手数料や、運用期間中の運用手数料などがあります。
これらの手数料は掛け金の数%と定められていることが多く、金額で言えば数百円程度です。
しかし、数十年といった長期間運用するなら、数百円程度の手数料でも積み重なることで大きな額になります。
そのため、個人年金保険を選ぶなら手数料を比較することも重要なのです。

個人年金保険の選び方⑦年金の受取方式
個人年金保険の一括受取方式を選択すると、税務上は一時所得として処理されます。
一時所得として受け取る場合の税金の計算式は、「総収入額」から「収入を得るために支出した金額」を差し引き、そこから特別控除額(50万円)をさらに差し引いて算出します。
実際に課税される際は、その知事所得の金額の1/2を、他の給与所得等と合算して課税額を算出します。
個人年金保険では、受取額が「総収入額」、掛け金総額が「収入を得るために支出した金額」に当たります。
個人年金保険を受け取る場合、一括受け取り方式だけでなく、年金方式もあります。
年金方式とは、一括で受け取るのではなく、毎月一定の額を受け取る方式です。
年金方式はまとまった金額を受け取れませんが、その代わりに一括受取方式よりも受け取り総額が多額になる傾向があります。
そのため、トータルで多くの年金を受け取りたい場合は年金方式、一度にまとまったお金が欲しい場合は一括受取方式を選びましょう。

実際に個人年金保険に加入した方の選び方
ここでは、マネーキャリア相談を通して実際に個人年金保険に加入した方が、どのように個人年金保険を選んだのかを紹介します。
- 30代既婚子供1人の場合
- 40代独身女性の場合
- 50代既婚子供1人独立1人学生の例
「30代既婚子供1人」の例
30代既婚で子供が1人いる場合、夫が確定年金に加入するのがおすすめです。
年金受取期間を60歳から10年間にすると、退職から公的年金支給開始までのつなぎにもなります。
確定年金の保険料は割安なため、無理なく払込が続けられる上に、個人年金生命保険料控除の対象にもなるので、節税もできます。
年金受取期間、夫に万が一のことがあれば、妻が残存期間の年金または一時金を受け取れるため、保険料が無駄になることはありません。
子供をもう一人と考えていて、40代で第二子が生まれた場合、年金受取期間に教育費のピークが重なる可能性があります。
その際は、年金の受取方法を一括で受け取る方法に変更できるタイプを選んでおけば、そのお金を教育費に充てることが可能です。
「40代独身女性」の例
40代独身女性の場合、老後に安心して生活でき、長生きリスクにも対応できる終身年金を選ぶのがおすすめです。
契約時に定めた年齢から亡くなるまで年金を受け取れるため、一生涯の保障を確保できます。
万が一、早い時期に亡くなると、そこで年金の支給は終了し、元本割れになる可能性がありますが、長生きすると受け取れる年金額は多くなり得になります。
独身で遺族にお金を遺す必要がなければ、自分の老後生活だけをしっかり守ってくれる終身年金はメリットが大きいでしょう。
なお、契約後のライフプランや健康状態などにあわせて、年金種類や受け取り方を変更できるタイプを選んでおくと安心です。
例えば、結婚した場合、終身年金を夫婦年金に変更するのも良いでしょう。
夫婦年金は夫婦2人が被保険者になり、両方もしくは片方が生きている限り、年金を受取れます。
「50代既婚子供1人独立1人学生」の例
50代既婚で子供2人(社会人+学生)の場合、夫が確定年金または保証期間付き有期保険に加入するのがおすすめです。
年金受取期間を65歳から10年間にすると、公的年金の上乗せとして年金額が増えて、ゆとりある老後生活を送れるでしょう。
独立した子供が結婚したり、孫が生まれたら、住宅取得の資金援助をしたり、3世代の旅行を楽しむことも可能です。
年金受取期間中、確定年金は生死に関わらず年金を受取れますが、有期年金は生存のみ受取れます。
ただし、保証期間付きを選べば、その期間に死亡した場合、遺族が年金を受取れるので、大きく損をすることはありません。
ライフプランに合った個人年金保険をプロと一緒に選ぼう
このように、ライフプランに合った選び方をしなければ、せっかくの老後資金を効率的に選ぶことができません。
自分の家計の状況を加味して、プロに総合的に判断してもらいましょう。
個人年金保険の特約についても確認しよう!
個人年金保険を契約する際に、「個人年金保険料税制適格特約」を付加することで、所得控除を受けることができます。
所得税や住民税には、保険に加入していると、所得から一定額の控除を受けることができる仕組みがあります。
「生命保険料控除」と呼ばれ、以下の3つがあります。
一般生命保険料控除
介護保険料控除
個人年金保険料控除
「個人年金保険料税制適格特約」を付加すると、「個人年金保険料控除」を受けることができるのです。
ただし、「個人年金保険料税制適格特約」を付加するには、以下の4つの条件を満たしている必要があります。
- 受取人が契約者本人か配偶者であること
- 保険料の払い込み期間が10年以上であること
- 年金受取開始日が60歳以上であること
- 年金の受取期間が10年以上であること。
「個人年金保険料税制適格特約」を付加すると、年金の受取人や契約内容の変更ができなくなるので注意しましょう。
また、個人年金保険を解約することはできても、「個人年金保険料税制適格特約」だけを解約することはできないので、これも注意しましょう。

【参考】iDeCoや投資信託とも比較して選ぼう
老後の資産運用をしたいなら、個人年金保険だけでなく、iDeCoや投資信託と比較して選ぶようにしましょう。
iDeCoは運用期間が提示する複数の運用方法の中から、自分で運用方法を選びます。
iDeCoは掛け金が全額所得控除され、運用中の利益が非課税になるなど、税制上の優遇があります。
しかし、 iDeCoは60歳になるまで解約することができないというデメリットがあります。
その点、個人年金保険ではiDeCoほど充実した税制優遇はありませんが、解約はいつでも自由にすることができます。
投資信託は、運用の専門家が株式や債券などに投資し、運用を行う方法です。
投資信託では運用実績が良ければ大きな資金を作ることができますが、その反面、運用実績が悪いと元本割れしてしまうリスクもあります。
その点、個人年金保険では、円建てなら元本割れのリスクはありませんが、その代わり大きなリターンも期待できません。
大きな資産があり、リスクを承知の上で大きなリターンを偉いと思うなら投資信託、コツコツ地道に積み立てたいなら個人年金保険を選びましょう。

まとめ:個人年金保険の選び方のポイント
個人年金保険の選び方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事のポイントは
- 個人年金保険には終身年金タイプ、有期年金タイプ、確定年金タイプがあり、それぞれメリットとデメリットがある
- 個人年金保険料税制適格特約があるかどうかで適用される控除が異なる
- 個人年金保険は税金対策ができるメリットがあるが、インフレリスクや金利が低いなどのデメリットがある
- 一括払いだと返戻率が高くなり保険料も安くなるメリットがあり、月払いだと所得控除を受けられるというメリットがある
- 年金方式ではトータルで受け取れる年金が多く、一括受取方式では一度にまとまったお金を受け取ることができる
- 老後の資産運用をするならiDeCoや投資信託とも比較し、選ぶようにする
でした。
個人年金保険はリスクが少ないため、堅実に運用したい人に向いています。
公的年金とは異なり、一括受取なら一度にまとまったお金を受け取れるので、老後にまとまったお金を使いたい計画がある人にもオススメです。
保険ROOMでは、他にも読んでおきたい個人年金保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
目次を使って気になるところから読みましょう!