健康保険証の色と種類の意味を徹底解説!色でマウントが取れる…?

世の中には、健康保険証の色で年収や職業などを判断する人がいます。しかし実際のところ、その判断は正しいのでしょうか?この記事では、健康保険証の色と種類の関係や、保険証の色が表す意味、保険者番号から分かることについて、詳しく説明します。



▼この記事を読んで欲しい人
  • 保険証にどのような色があるのか知りたい人
  • 職業ごとの保険証の色が知りたい人
  • 保険証の種類が知りたい人

▼この記事を読んで分かること
  • 職業や勤め先によってある程度は保険証の色が決まっている
  • しかし自治体から発行されているものなどは地域や年によって種類が豊富なので、見分けることは難しい


内容をまとめると

  • 健康保険証の色分けや種類は、保険者によって決められている
  • 健康保険証の色を見て、使用者の職業や年収は特定できない
  • 健康保険証の保険証番号を見ると、大まかな職業は判別できる
  • 保険やお金に関する悩みがあればマネーキャリアの無料FP相談がおすすめ
  • マネーキャリアは顧客満足度93%だから安心して利用できる!

健康保険証の種類と色を一覧で紹介

健康保険証の色は各健康保険組合ごとにある程度決められているので、健康保険証を見れば持ち主の所属する健康保険組合や職業を想像することが可能です。


しかし自治体から発行されているものなどは地域や年によって種類が豊富なので、見分けることは難しくなってきます。


種類と色の関係は、以下のようになっています。

保険証の色加入している人主に利用される健康保険制度
青・水色・オレンジ中小企業で働く従業員やその家族協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)
赤・ピンク主に大企業とそのグループ会社で働く従業員と、その家族組合管掌健康保険
黄色公務員とその家族共済組合
灰色・緑・ピンク・赤・紫自営業の方や会社を退職した方等国民健康保険法による退職者医療
紫・黄色・緑75歳以上の後期高齢者または、65歳~75歳未満で一定の障害があり障害認定を受けた方後期高齢者医療制度


次項以降で、各色ごとにどのような健康保険組合が利用しているのか、当該健康保険組合にはどのような職業の人が所属しているのかを紹介します。


ぜひ自分の健康保険証を見ながらご覧ください。

保険証の色①:青・水色・オレンジ

  (全国健康保険協会協会けんぽの健康保険証(被保険者証)のイメージ)


主に協会けんぽと呼ばれる全国健康保険協会管掌健康保険が、青色や水色・オレンジ色の健康保険証を発行しています。


元々政府によって運営されていた健康保険組合ですが、平成20年に民営化し、現在は協会けんぽ(全国健康保険協会)として運営されています。加入者は、全国約207万社の中小企業で働く従業員やその家族となり、協会けんぽは保険制度適用者の約3割を占める大きな健康保険組合です。


政府により運営されていた時代はオレンジ色の健康保険証でしたが、平成20年の協会けんぽ設立に伴い、水色の健康保険証に切替えが行われています。どちらの色でも協会けんぽ加入者だと分かりますが、オレンジ色の健康保険証を所有している場合は、より長く当該健康保険組合に加入しているのだと判断できます。

保険証の色②:赤・ピンクなど

   (日本マクドナルド健康保険組合保険証とは)


組合保険と呼ばれる組合管掌健康保険に加入している場合に、赤やピンクの健康保険証が発行されることが多いようです。


組合保険は、700人以上の従業員を抱える企業、もしくは合計で3000人以上の従業員がいる複数企業が独自の健康保険組合を運営しています。主に大企業とそのグループ会社で働く従業員と、その家族で構成されています。


例にあげた日本マクドナルドでは2020年12月31日現在2,194名の従業員がおり、独自の日本マクドナルド健康保険組合を立ち上げています。マクドナルドの従業員やその家族はこちらの保険証を持ちます。


2018年時点で、1,389の健康保険組合がありますが、統一の健康保険証を使用しているわけではなく、それぞれ独自の健康保険証を発行しています。赤やピンクが多いといわれていますが、黄色や水色など様々な色の健康保険証が発行されているので、あくまでも目安として考えるのがいいでしょう。

保険証の色③:黄色

  (国家公務員共済組合連合会組合(保険者)番号の確認方法)


各種共済組合は黄色の健康保険証(組合員証)を発行しています。


共済保険は主に公務員が加入する社会保険組合で、大きく分けると以下の種類があります。

共済組合加入者
国家公務員共済組合官公庁やその関連組織に属する国家公務員と、その家族
地方公務員共済組合都道府県庁や市町村役所などに勤める地方公務員と、その家族
警察共済組合警察官など警察組織で働く人と、その家族
公立学校共済組合 公立学校で働く教員と、その家族
日本私立学校振興・共済事業団私立学校で働く教員と、その家族


組合保険や、国民健康保険で黄色の健康保険証を発行しているところもありますが、黄色の健康保険証を所有している場合は、公務員である可能性が高いです。

保険証の色④:灰色・緑・ピンク・赤・紫など


   (高松市国民健康保険被保険者証の交付)


   (田辺市国保の保険証について)


  (防府市被保険者証の更新・交付について)


国民健康保険でよく使用されている色です。国民健康保険は、地方自治体によって運営される主に自営業の方や会社を退職した方が加入する健康保険と、医師や弁護士、理容師、土木建築業従業者など、同じ職業に就く従業員を組合員とする独自の健康保険組合があります。


健康保険組合や地方自治体ごとに、独自の健康保険証を発行しているので様々な色があります。


画像でみるだけでも

  • 高松市→ピンク色
  • 田辺市→オレンジ色
  • 防府市→紫色
などたくさんの色があることがわかります。

また、年によって変わったりもするため、全国には灰色、緑色、赤色以外にも、白色や黄緑色などもあるようです。

保険証の色⑤:紫・黄色・緑など


   (大阪府後期高齢者医療広域連合被保険者証)



   (兵庫県後期高齢者医療広域連合被保険者証被保険者証)


後期高齢者医療制度の健康保険証で利用されるようです。


後期高齢者医療制度は、75歳以上の後期高齢者または、65歳~75歳未満で一定の障害があり障害認定を受けた方が対象となる健康保険制度で、各地方自治体により運営されています。


後期高齢者医療者健康保険証も、全国で統一されたものではなく、地方自治体がそれぞれデザインを選定しているので、紫・黄色・緑以外にも様々な色の健康保険証が発行されています。また、カードタイプや紙タイプなど、種類も様々です。

3種類の保険証【社会保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度】

保険証には大きく分けて

  1. 社会保険
  2. 国民健康保険
  3. 後期高齢者医療制度
の3種類があります。それそれについて解説します。

①社会保険

社会保険には

  • 主に中小企業の方が加入する協会けんぽ
  • 大きな企業やグループで組織された健康保険組合
  • 公務員が主に加入する共済組合
の3つがあります。

働いている企業や団体によって異なり、その家族も一緒に加入しています。

②国民健康保険

国民健康保険は主に自営業の方や無職の方が加入します。


会社を辞めてフリーになった場合や自営業になった場合は役所で加入の手続きが必要です。


都道府県の各市町村が運営していることがほとんどで、保険料は世帯単位で加入者数・年齢・収入などによって異なります。


国民健康保険の保険料がどのように決まるのか、また、安くする方法があるのかどうかはこちらの記事も参考にしてみてください。

③後期高齢者医療制度

後期高齢者医療制は75歳以上、また65歳~75歳のなかで一定の障害などを持つ人が加入する制度です。


2008年からスタートした制度です。 75歳になった時点で切り替えが行われるため、自分でする手続きは不要です。


他の保険とは違い、医療費の負担割合は3割から1割に軽減されます。(※一定の収入がある場合を除く)     

健康保険証の色の違いは年収や職業のランクを表すものではない

健康保険証の色と、それぞれの色を主に利用している健康保険組合を紹介しましたが、色の違いで、健康保険証の持ち主の職業や年収、職業ランクは判断できません。まして、マウントを取って自身の優位性をアピールしたり、他人を下に見たりするためのものでもありません。


次項以降で健康保険証の色が持ち主の職業・年収などの属性と関係がないことを解説します。色の違いは、あくまでも参考程度に覚えておくのが良いでしょう。

色が違う意味は保険者によってさまざま

健康保険証の色は、保険者(健康保険証を発行している健康保険組合)が独自で決定しています。健康保険組合によっては、更新のために手続きの分かりやすさのために、健康保険証の色を変更していたり、種類によって色を変えている場合もあります。


つまり、健康保険証の色は全国で統一した基準があるわけではなく、保険者の都合で変更できるものであるので、使用者である被保険者にとって、大きな意味がない分かるでしょう。

保険者が変われば保険証の色も変わる

保険者によって色を独自で決めているのは前述のとおりですが、使用者の事情により色が変わることも多くあります。


例えば、転職や引っ越しに伴い健康保険組合が変わるケースでは、元々加入していた健康保険組合にて資格喪失手続きを行い、新しい健康保険組合で加入手続きを行います。新しい健康保険組合の健康保険証が、元の健康保険証を違う色を使っているケースは考えられます。


また、1年ごとや、2~3年に1回など健康保険証の更新都度、色を変えている場合もあるようです。

保険証の色の違いに意味はない

利用者にとって、健康保険証の色の違いに意味がないことを説明しました。


補足として、健康保険証にはカードタイプと、紙タイプの2種類があります。紙タイプに比べると、カードタイプの使用者は大手企業に勤めていたり、保険料の納付額が多いのでは?と感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、これも保険者ごとにどちらのタイプにするかを決めているので、利用者にとっては意味がありません。


あくまでも保険者(健康保険組合)別に、独自の健康保険証を発行しているので、色や種類だけを見て、使用者の職業や年収などは判断できません。

保険者番号で保険者のおおよその種類がわかる

保険者番号でどの健康保険組合に加入しているのかが分かる場合もあります。


保険者番号とは、健康保険証の下部に印字されている8桁(国民健康保険の場合は、6桁)の数字です。保険者番号は、厚生労働省によって付与ルールが決められているので、この番号を見ると、ある程度の勤務先や、保険の種類(国民健康保険か、社会保険か)が分かります。


8桁の保険証番号の場合、前2桁は法別番号と呼ばれる番号で、以下表のように割り振られています。

法別番号社会保険制度主な加入者
01協会けんぽ(全国健康保険協会)中小企業の従業員
02船員保険船員
03または04日雇特例被保険者の保険日雇い労働者
06組合管掌健康保険大手企業やそのグループ会社の従業員
07自衛官等の療養の給付自衛官
31国家公務員共済組合国家公務員
32地方公務員共済組合地方公務員
33警察共済組合警察官
34公立学校共済組合、
日本私立学校振興・共済事業団 
教職員
39後期高齢者医療制度75歳以上の高齢者
63特定健康保険組合老齢年金の受給資格がある人など


保険証番号を見ると、大まかな職業は判別できるといえるでしょう。なかなか他の人の健康保険証を見る機会はないですが、ぜひ参考にしてみてください。

提出書類上での保険証の種類の書き方

提出書類で健康保険証の情報について書かなければいけない時の項目ごとの書き方について紹介します。


  • 保険証の種別→保険証左上に記載
  • 保険証の名称→保険証下部の「保険者名称」を書く
  • 記号・番号→保険証上部に記載


保険証の種別は

  • 「健康保険被保険者証」→「健康保険」または通称の「社会保険」
  • 「〇〇共済組合組合員証」→「共済組合」
  • 「国民健康保険被保険者証」→「国民保険」や「国民健康保険」
のように通常でも大丈夫です。

心配な場合は正式名称で書くと良いでしょう。

健康保険証の色の違いについてのまとめ

いかがでしたか?健康保険証の色の違いについて紹介しました。


この記事のポイントは、

  • 健康保険証の色分けや種類は、保険者によって決められている
  • 健康保険証の色を見て、使用者の職業や年収は特定できない
  • 健康保険証の保険証番号を見ると、大まかな職業は判別できる

でした。


健康保険証の色は保険者ごとに独自の色を使っているので、あまり意味がないことを覚えておきましょう。また、更新タイミングや、転職・引っ越しなどによっても、思っている以上にコロコロと色が変わります。


健康保険証の色で、人と比較したり区別したりするのではなく、こんな色もあるんだな、次に自分の健康保険証はどんな色になるのかなと楽しみにする程度にしておきましょう。

ランキング