生命保険がいらない人と必要性の高い人をわかりやすく解説
生命保険(死亡保険)がいらない人はだれ?生命保険が必要な人はどんな人?死亡保険に加入するかはあなたに必要性がフィットしているか理解することが大切です。このページでは、生命保険が不要な人・死亡保険が必要な人とその必要性を解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
目次
- そもそも生命保険(死亡保険)とは?加入の目的は何?
- 生命保険の加入率
- 生命保険は保障だけでなく、金融資産としての側面も
- 生命保険(死亡保険)がいらない・不要な人は?
- 天涯孤独な人
- 十分な貯蓄がある人
- 生命保険(死亡保険)の必要性が高い人は?
- 必要な人①独身者:終身保険で最低限の保障をしよう
- 必要な人②既婚者の場合は自分にあった保障をつけよう
- 働けなくなった時のリスクが怖い人は収入保障保険も検討しよう
- 必要な人③高齢の両親がいる人
- 生命保険(死亡保険)は本当に不要?加入しない場合どうなる?
- 生命保険(死亡保険)は何歳から入るべき?
- 傷病手当金・遺族年金があるから生命保険はいらないんじゃないの?
- 生命保険の必要額はどれくらい?
- 老後でも生命保険(死亡保険)は必要?老後資金と保険料のバランス
- 50代以降、子供が独立したら死亡保障は減らしてもよい
- 相続対策に便利な終身保険
- まとめ:生命保険(死亡保険)があなたに必要か見極めよう
そもそも生命保険(死亡保険)とは?加入の目的は何?
生命保険の加入率
生命保険ついては、加入率はどのくらいなのでしょうか。
生命保険は多くの日本人が加入しています。
生命保険に関する全国実態調査によると、平成30年の生命保険の世帯加入率は88.7%となっています。
参考:生命保険センター
つまり、約9割の世帯が加入しているのです。
それほど多くの方が生命保険の必要性を感じていると言う裏返しとも言えるでしょう。
生命保険は保障だけでなく、金融資産としての側面も
生命保険の第一の目的は、契約者が死亡した場合に残された家族が生活に困窮しないように生命保険で保障することです。
しかし、一方で金融資産としての面もあることをご存知でしたでしょうか。
ここで、生命保険で保障できる内容を確認していきましょう。
- 金融資産として金利を目的とした資産運用
- 教育資金として貯蓄を兼ねた保障
- 契約者が死亡した場合に遺族への保障
- 契約者が病気や障害を負った場合に生活費の保障
- 介護のリスクを備えた保障
- 終身保険や養老保険を目的とした高齢者になってから必要な保障
このように、生命保険は死亡保障だけを目的とした保障ではありません。
貯蓄や金利を目的として月々の支払いを金融資産として運用を目的に加入する場合もあります。
貯蓄をしながら、万が一の際に保障をしてもらえる保険と考えれば、生命保険に必要性を感じる人は多いでしょう。
生命保険(死亡保険)がいらない・不要な人は?
国民の約9割が加入する生命保険ですが不要な人はいるのでしょうか。
約9割が生命保険に加入しているということは、逆に言うと1割の人は生命保険に加入していないのです。
もしかしたら、その1割は入らなくていいと考えて加入していないのかもしれませんので、
これから、生命保険に入らなくてもいい人を考えてみましょう。
天涯孤独な人
天涯孤独な人というのは、扶養家族はおらず、全く身寄りがいない人のことです。
そして、将来的にも結婚することはなく家族を持つことはなく、ずっと一人で生活していく人のことです。
なかなかこのような人はいませんが、こういう方の場合は亡くなっても困る人がいないため生命保険は不要です。
十分な貯蓄がある人
十分な貯蓄がある人というのは、
扶養家族がいたとしても、残された家族がこれまで通りの生活を続けられるほど貯蓄のある方
のことです。
このような方は生命保険に頼らなくても、ご自身の資産で家族の生活をまかなえるため、生命保険は不要です。
生命保険(死亡保険)の必要性が高い人は?
ここまでは、生命保険の必要性を知るためのシミュレーションをご覧いただきました。
とはいえ、その人のライフスタイルによって生命保険の必要性は大きく異なります。
独身者と既婚者の違いはもちろんのこと、子供の有無や片働き・共働きということによっても生命保険の優先度は変わってきます。
なぜなら生命保険の中でも死亡保険は、自分のためではなく「残された家族が困らないため」にあるからです。
あなたに経済的に依存する人が多く、かかる予定金額が高いほど、死亡保険金の必要性は高くなるでしょう。
しかし、いずれの場合でも生命保険には加入しておいた方が良いのです。
ここからは生命保険の必要性を、独身者の場合と既婚者の場合に分けて説明していきます。
必要な人①独身者:終身保険で最低限の保障をしよう
「独身者に死亡保障はいらない」という意見もあります。
確かに独身者には扶養する家族がいないため、比較的死亡保険への優先度は低いといえます。
しかし、独身者の万が一のときに、お金がまったく不要というわけではありません。
両親や親族へ負担をかけないよう、最低限の保障(200~300万円程度)を葬儀などの費用として確保しておきましょう。
ローンなどの負債がある場合は、その分も死亡保障への上乗せが必要となります。
もし現在、特別な理由なく掛け捨て型生命保険に加入しているなら、解約を考えても良いでしょう。
独身者には大きな死亡保障がある定期保険よりも、貯蓄性が高く保険料がずっと変わらない積立型終身保険をおすすめします。
必要な人②既婚者の場合は自分にあった保障をつけよう
既婚者の場合は「子供がいる世帯」「共働き世帯」「専業主婦世帯」で、生命保険の必要性や加入時の注意点は異なります。
それぞれのケースについて解説していきます。
子供がいる既婚者の場合:家族を経済的に支える
先ほどシミュレーションした通り、子供がいる場合は生活費だけでなく教育費を中心とした養育にかかる費用が必要です。
特に子供がまだ小さい場合や複数人いるときには、それらを考慮して死亡保険金額を設定しておきましょう。
共働き世帯では?生命保険の必要性
共働き夫婦の場合、特に子供がいるなら両方が生命保険に加入しておくべきです。
どちらかに万が一のことがあれば収入が大幅に減り、それまでと同じレベルの生活を送ることが難しくなります。
ただし夫婦の収入に大きな差があるなら、死亡保障額もそれに合わせて設定することが必要です。
共働き世帯ではない場合は?専業主婦は加入するべき?
働けなくなった時のリスクが怖い人は収入保障保険も検討しよう
生命保険は死亡保障ばかりに目がいきますが、がんなどで長期間働けなくなった場合にも備えることができる収入保障保険というものがあります。
この収入保障保険というのは、重い病気や怪我などで長期間働けないときに収入保障されるものです。
公的な保障で医療費を少なくする高度療養費制度や収入減を保障する傷害手当がありますが、いずれも生活を支えるためには不十分です。
収入減を補填するために生命保険の収入保障保険があります。
これは掛け捨ての保険のため比較的安価ではありますが、毎月の収入のように保険金を受け取れるので生活保障にはとても役立ちます。
ただ、この収入保障保険は保険期間の満了日までしか受け取れません。
そのため収入減の分の保障はできますが、まとまった額をもらえるわけではないので、貯蓄には向きませんし、教育費などにまわせるものではないので注意が必要です。
また、通常の収入のように所得税が課税されることも気をつけましょう。
必要な人③高齢の両親がいる人
ご高齢の両親がいる場合、経済的に支えが必要になる場合があります。
高齢家庭は貯蓄をしっかりされている場合もありますが、健康状態や家庭のそれぞれの事情によりご両親の生活の面倒を見る場合もあるでしょう。
自分の家族の生活はなんとかなっても、ご両親の生活までを支えるとなると、夫婦の保障を増やして、ご両親の生活を援助できるくらいの保険をかけておくことも検討しなければなりません。
貯蓄と保障を兼ねるために、終身保険や養老保険を検討してみることもいいでしょう。
死亡保障を保険の主たる目的を子供だったものを両親へと変えることで、保険を見直すこともできます。
安心して長生きしてもらうためには、保険を生活にあわせたものに変えておき、万が一に困る人がいないよう生命保険で備えをしていくことが重要です。
生命保険(死亡保険)は本当に不要?加入しない場合どうなる?
生命保険に加入しなかった場合、将来的に家計はどうなるのでしょうか。
まずは、生命保険に「加入した場合」と「加入しなかった場合」の家計を、以下の条件でシミュレーションしていきましょう。
- 夫死亡時に妻35歳・長女7歳・長男5歳
- 生命保険(保険金額3,000万円)に加入している場合、貯蓄は200万円
- 生命保険未加入の場合、保険料がないため貯蓄は300万円
- 長女・長男ともに小中学校は公立、高校と大学(文系)は私立
- 妻は年収100万円のパート
- 月の生活費は20万円
生命保険に加入していた場合
妻の年齢 | 35 | 36 | 37 | 41 | 47 | 53 | 65 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
長女の年齢 | 7 | 8 | 9 | 13 | 19 | 25 | 37 |
長男の年齢 | 5 | 6 | 7 | 11 | 17 | 23 | 35 |
行事 | 長女小学校 入学 | 長男小学校 入学 | 長女中学校 入学 | 長女大学入学 | 長男就職 | ||
保険金 | 30,000,000 | ||||||
遺族年金 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,570,000 | 560,000 | 1,340,000 |
児童手当 | 240000 | 240000 | 240000 | 240000 | |||
児童扶養手当 | 52,000 | 52,000 | 52,000 | 52,000 | 42,000 | ||
妻の収入 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 |
収入合計 | 33,082,000 | 3,082,000 | 3,082,000 | 3,082,000 | 2,612,000 | 1,560,000 | 2,340,000 |
生活費全般 | 2,400,000 | 2,400,000 | 2,400,000 | 2,400,000 | 2,400,000 | 1,680,000 | 1,680,000 |
教育費 | 322,000 | 322,000 | 624,000 | 804000 | 2495000 | 0 | |
残金 | 32,360,000 | 32,720,000 | 32,778,000 | 32,830,000 | 27,632,600 | 13,589,600 | 10,179,600 |
生命保険に加入していなかった場合
妻の年齢 | 35 | 36 | 37 | 41 | 47 | 53 | 65 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
長女の年齢 | 7 | 8 | 9 | 13 | 19 | 25 | 37 |
長男の年齢 | 5 | 6 | 7 | 11 | 17 | 23 | 35 |
行事 | 長女小学校 入学 | 長男小学校 入学 | 長女中学校 入学 | 長女大学入学 | 長男就職 | ||
保険金 | 0 | ||||||
遺族年金 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 | 1,790,000 |
児童手当 | 240000 | 240000 | 240000 | 240000 | |||
児童扶養手当 | 52,000 | 52,000 | 52,000 | 52,000 | 42,000 | ||
妻の収入 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 | 1,000,000 |
収入合計 | 3,082,000 | 3,082,000 | 3,082,000 | 3,082,000 | 2,612,000 | 1,560,000 | 2,340,000 |
生活費全般 | 2,400,000 | 2,400,000 | 2,400,000 | 2,400,000 | 2,400,000 | 1,680,000 | 1,680,000 |
教育費 | 322,000 | 322,000 | 624,000 | 804000 | 2495000 | 0 | |
残金 | 3,360,000 | 3,720,000 | 3,778,000 | 3,830,000 | -1,367,400 | -15,410,400 | -18,820,400 |
死亡保険金を受け取ったケースでは、妻65歳時点で1,000万円以上を残しています。
しかし死亡保険金がない場合は、約1,900万円のマイナスとなってしまいます。
万が一のときでも同水準の生活を続けるためには、生命保険が不可欠であるといえます。
生命保険(死亡保険)は何歳から入るべき?
生命保険に加入するべき時期は、生命保険の種類によって考え方が変わってきます。
たとえば60歳払込済の貯蓄型終身保険なら、20歳で加入した場合には50歳加入に比べて月額保険料を4分の1以下とすることができます。
払込総額も2割ほど安くなるため、なるべく早いうちに始めるのがお得です。
更新型定期保険の場合、保険料は更新ごとに上がっていきます。
たとえば20歳から60歳まで10年更新型の商品に加入し続けたなら、なんと払込保険料総額の半分近くは50歳からの10年間の保険料ということになってしまいます。
定期保険の加入時期に正解はありませんが、長期間加入するのではなくライフステージごとに見直しを行う必要があるといえます。
傷病手当金・遺族年金があるから生命保険はいらないんじゃないの?
生命保険が必要か不必要かを考える際に、生命保険はどのような時に必要なのか考えてみましょう。
一家の大黒柱に万が一のことがおこった時のために、傷病手当金や遺族年金などの公的年金があります。
傷病手当金とは、病気や怪我で長期間働けなくなったときに、最長1年6ヶ月にわたって給与の約3分の2が支給される制度です。
これによって、十分ではないかもしれませんが、ある程度の生活費を確保することができます。
遺族年金とは、世帯主が亡くなった場合、一般的に世帯主がサラリーマンで子供が2人いると、月額で15万円程度支給されます。
これらの公的保障により、もともとの生活レベルではないにせよ、生きていくだけの保障は受けられます。
しかしながら、足りない分の金額はなんらかで補わなければなりませんが、例えば小さい子供がいる場合では思うように働くことはできません。
公的保障の不足分は生命保険に加入し、保障を補う必要があるのです。
生命保険の必要額はどれくらい?
実際生命保険に加入するとなると、保障して欲しい額を決めて、それに併せて毎月の支払額を決めるということになります。
それでは、生命保険の必要額はいくらになるのでしょうか。
- 生命保険の必要額は
- 現在の収入
- 家族構成
- 持ち家かどうか
- 子供がいるか
- 子供がいるとすればどのくらいの教育費をかけるか
などいろいろな要素がかかわってきます。
いろいろな保障をつければ、当然保険金額は上がりますし、万が一のことがなければ、掛け捨ての保険をかけていれば、損をすることも出てきます。
生命保険の必要額は、各家庭の状況によるので、なかなか一概に言える物ではありません。
生命保険の生涯の支払い額は大変高額なものです。ファイナンシャルプランナーなどの保険のプロに相談し、個々の状況にあわせた保険を一緒に考えて加入した方が間違いありません。
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老後でも生命保険(死亡保険)は必要?老後資金と保険料のバランス
ここまでは独身の場合と既婚の場合の生命保険の必要性や、加入すべき時期についてお伝えしてきました。
ところで、老後にも死亡保障は必要なのでしょうか?
不要という意見もありますが、葬祭費用や配偶者の生活費を考えればある程度の死亡保障は確保しておきたいところです。
遺族年金だけで、生活に十分な額が賄えるとはいえません。
定期保険の保険料は年齢が上がるごとに割高になるため、むしろ老後資金を減らしていく原因にもなりかねないのです。
そういった理由から、退職が近くなる50代あたりから死亡保険を「貯蓄型終身保険」に絞る人が多いのです。
そこで、ここからは老後資金と保険料のバランスを考えた保障の選択方法について説明していきます。
50代以降、子供が独立したら死亡保障は減らしてもよい
死亡保障は、自分に万が一のことがあった後の家族の生活を経済的に保障するものです。
子供が小さいうちは今後の養育費を考慮する必要がありますが、子供が独立したら死亡保障の必要性はかなり低くなります。
たとえば先ほどのシミュレーションを見ると、長女7歳~長男22歳までの17年間の支出総額は6,625万8,400円です。
対して、長男独立後からの12年間の支出総額は2,016万円と3分の1以下になります。
人生において、子供の養育費はもっとも高いコストがかかるのです。
子供が独立した後は配偶者の生活のみを心配したら良いのですから、必要な死亡保険金額はぐっと減るはずです。
配偶者の老後にかかる費用をシミュレーションし、無駄な保障は削っておくことをおすすめします。
相続対策に便利な終身保険
貯蓄型の終身保険は、相続税対策にも役立ちます。
遺族が受け取る死亡保険金は正式には「財産」ではありませんが「みなし相続財産」とされ、相続税の対象となります。
ただし、死亡保険金には法定相続人1人あたり500万円の非課税枠が設けられています。
つまり法定相続人が2人なら1,000万円、3人なら1,500万円が非課税となります。
これが預貯金なら全額課税対象ですが、生命保険という形で貯蓄しておくだけで相続税を減らすことが可能となるのです。
なお、配偶者にはもともと「法定相続分」または「1億6,000万円」のどちらか多い金額までは相続税がかかりません。
よって終身保険は、子供に遺産相続させる部分について有効な節税手段となります。
まとめ:生命保険(死亡保険)があなたに必要か見極めよう
生命保険の必要性についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 生命保険はライフステージや既婚・独身などの違いによって必要性が異なる
- とはいえ、どの立場であっても生命保険は必要である
- 遺族の生活にかかる費用をシミュレーションし、保険金額を設定する
以上のことでした。
しかし、いつどのように生命保険を選ぶべきかを自力で判断するのはなかなか難しいかもしれません。
そんなときは、 ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみてもよいでしょう。
公平な目で、あなたに合った生命保険の選び方を提案してくれることと思います。
ほけんROOMでも、無料の保険相談サービス「マネーキャリア相談」を開設しております。
「保険についてもっと知りたい」「専門家に直接相談したい」という方は、ぜひ一度利用してみてはいかがでしょうか?
そもそも生命保険とは、どういったものなのでしょうか。
契約者が死亡した場合に遺族に保険が支払われる保険です。
ということは、契約者が死亡した場合に生活に困る人がいる場合には必要な保険ということになります。
契約者の方に配偶者がいれば、それに該当しますし、子供がいる場合にも生命保険は必要です。