認知症保険おすすめ人気比較ランキング!割高になりがちな保険の選び方もわかりやすく解説
認知症保険おすすめ人気比較ランキングをまとめます。高齢だからという理由で割高になりがちな保険の選び方もプロが解説します。また認知症保険の加入基準や保険会社への告知ポイントも合わせて解説していきます。認知症保険の加入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
認知症保険に関する絶対に知っておくべき基礎知識
まずは多くの方におすすめできる認知症保険を紹介してきましたが、加入する前に必ず覚えておきたいのが、認知症保険の基本的な知識です。
実は認知症保険と一口にいっても、
- 治療保障タイプ:認知症の診断・治療に伴い保険金を給付
- 損害補償タイプ:認知症が原因の損害に伴い保険金を給付
このようなタイプに分かれており、各々のニーズに合わせて選択する必要があります。
そこで次からは、
- 認知症保険の保障内容
- 認知症保険のメリット
これらの基本的な点を説明していきます。
認知症保険とは?認知症保険の主な保障内容
認知症保険とは、民間の保険会社が販売する多種多様な保険商品のなかでも、「認知症」という病気への保障に特化した保険です。
主に、被保険者が一定等級以上の認知症と診断確定された場合に保険金が支払われますが、認知症患者が事故を起こしたり、他人に対して損害を与えた場合などに保険金が支払われるタイプの認知症保険もあります。
保険紹介の部分でも少し触れましたが、単純に「認知症」といっても症状は様々であり、
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 血管性認知症
- 前頭葉側頭型認知症
主に上記の認知症と診断された場合に、保険金給付の対象となります。
基本的に日常生活には支障をきたしていないような軽度の認知症(MCI)では保証対象外となりますが、特約を付帯することで軽度でも保障対象となったり、そもそもメインの保障に含まれている場合もあります。
認知症保険に加入するメリット
そもそも、なぜ認知症に「保険」で備える必要があるのか、それは
- 認知症になると月々の医療費が平均で4万円ほどかかる
- 認知症患者が介護施設に入院した場合の費用が高額になる
このような理由が挙げられます。
現段階の医療では根本的な予防・治療には至っていない認知症だからこそ誰でも発症する可能性があり、いざ認知症の治療が必要になると月々の治療費が最低でも数万円必要になります。
また、認知症の症状が進むと介護施設への入居が必要になるケースが多いですが、実際のところ個室利用契約での利用料は1カ月あたり「15~20万円」以上になることもあり、患者を支える家族にとっては大きな負担となる金額です。
もし保険に加入していれば、ギリギリ賄えると思える治療費だけでなく、確実に高額になる見込みの介護費用にも備えられるため、家族の身体的または精神的な負担も軽減できるというメリットがあります。
また認知症保険は、
- 保険金をすぐに受け取ることで出費をカバーできる
- 高齢になってからも加入できる
- 保障内容をそれぞれの状況に応じてカスタマイズできる
このような認知症保険特有のメリットも享受できます。
統計データから見る認知症保険に加入する必要性
認知症保険のメリットについて取り上げましたが、実際のところまだまだ認知症保険の知名度は低く、周りの誰も加入していないと感じる方は少なくないでしょうから、そこまで必要性を実感できないという方も多いでしょう。
保険の必要性について実感するためには、やはり実際のデータから、認知症にはどれだけのリスクがあるかを知ることが大切です。
そこで次からは、
- 高齢者の認知症割合
- 要介護状態の原因TOP3
- 認知症となった家族の治療費用
これらのデータを見ていきましょう。
①高齢者の認知症の割合
厚生労働省の統計によると、認知症患者数の推移は以下のようになっています。
年 | 各年齢の認知症有病率 一定の場合 | 各年齢の認知症有病率 上昇する場合 |
---|---|---|
平成27年 | 517万人(15.7%) | 525万人(16.0%) |
令和2年 | 602万人(17.2%) | 631万人(18.0%) |
令和7年 | 675万人(19.0%) | 730万人(20.6%) |
令和12年 | 744万人(20.8%) | 830万人(23.2%) |
これらの数値はあくまで将来の推測推計ですが、2025年には認知症の有病者数が約700万人に達すると予測されており、これは人口のおよそ20%となります。
ポイントは、これらの推計は重症患者だけでなく軽症の患者、いわゆる「経度認知障害(MCI)」である人も含まれているという点です。
たとえ正常化する見込みがある発病者であっても、発病してその後重篤化するリスクだけを見ればこれだけ高いのです。
また高齢者のみにフォーカスした統計では、2012年時点での認知症有病率は次のとおりです。
年代 | 全体 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
65~69歳 | 1.5% | 1.5% | 1.6% |
70~74歳 | 3.6% | 3.4% | 3.8% |
75~79歳 | 10.4% | 9.6% | 11.0% |
80~84歳 | 22.4% | 20.0% | 24.0% |
85~89歳 | 35.6% | 35.6% | 48.5% |
90歳~ | 64.2% | 42.4% | 71.8% |
とりわけ80、90歳女性の発病率は非常に高くなっており、男女での脳のつくりの違いがひとつの原因とされています。
②要介護状態の原因TOP3
内閣府の統計によると、要介護状態となる原因のTOP3(統計上「その他・不明・不詳」を除く)は次のようになっています。
順位 | 総数 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
1位 | その他・不明 (24.9%) | その他・不明 (33.2%) | その他・不明 (20.7%) |
2位 | 認知症 (18.7%) | 脳血管疾患 (23.0%) | 認知症 (20.5%) |
3位 | 脳血管疾患 (15.1%) | 認知症 (15.2%) | 衰弱 (15.4%) |
4位 | 衰弱 (13.8%) | 衰弱 (10.6%) | 骨折・転倒 (15.2%) |
このデータを見てみると、女性の要介護状態の原因でもっとも多いのが「認知症」となっており、女性での確率は20.5%とかなり高く、男性の場合も15%となっています。
脳卒中や衰弱よりも認知症のリスクが高いことは、保険で備えることの必要性を示すものです。
③家族が認知症になったときにかかる費用
すでに紹介したとおり、認知症患者の治療には、
- 1カ月あたりの医療費:平均4万円程度
- 1カ月あたりの介護施設利用料:約15~20万円
平均的にこれだけの費用がかかります。
家族が認知症になったとき、選択されるのは在宅介護または遠距離介護で家族が介護するか、または介護施設に入居させるか、という選択肢があります。
前者は費用を抑えられますが家族の負担が大きくなるため、本人が介護施設の利用を希望することは少なくありません。
介護施設の利用は最低でも10万円以上かかり家計が圧迫されるため、認知症保険によって備えることには大きなメリットがあります。
認知症保険の損をしないための選び方
ここまでは認知症保険の特徴を紹介してきましたが、保険はそれぞれ異なった特徴があるため、自らに合った保険を選ぶ必要があります。
そこで次からは、損をしない保険の選び方について、
- 給付金を受け取るタイミング
- 加入する条件
- 認知症以外の保障内容
これらのポイントを取り上げていきます。
①給付金(保険金)を受け取れるタイミング
まず最初のポイントとして挙げられるのが、給付金(保険金)を受け取るタイミングです。
最初に3つほど紹介した保険それぞれにおいて共通していたのが、保険金を受け取るタイミングを、
- 年金受け取り:国民年金のように1カ月ごとに受け取れる
- 一時金受け取り:まとまったお金を一度に受け取れる
基本的にはこの2種類から選択できるという点です。
受け取れる総額で多いのは年金受取となりますが、一時金は所得控除等の税制優遇を受けられます。
また年金受取は終身受け取りが可能ですが、一時金は一括で受け取れる分、使い方をきちんと計画しておく必要があります。
受け取れる金額だけを考えて最終的に損をしてしまわないためには、それぞれの受け取り方におけるメリット・デメリットを考えて選ぶ必要があります。
②加入条件
次のポイントは、加入条件です。
どのような保険でも申込時に審査が行われ、その審査に通ってはじめて保障を受けることができます。
認知症保険でも同様に、加入者が告知を行いその情報に基づいて審査を行います。
どのような告知を行う必要があるのかというと、
- 認知症、または認知症の疑いがあると医師から診断されたことがあるか?
- 日常生活において他人の介護を必要とするか?
- 40歳以上で、要介護・要支援認定を受けたことがあるか?
- 過去に所定の病気やケガが原因で入院・手術を行ったことがあるか?
実際に保険会社が定める上記のような告知事項に正直に答える必要があります。
認知症保険においては上記の告知事項がいわば加入条件であり、基本的に今まで軽度でも認知症と診断された人の加入は難しくなります。
保険の種類によってはこの告知事項が緩和されている「引受基準緩和型」の保険もあるため、本人がどのような健康状態か、またどのような持病があるかによって、選ぶ保険を変える必要が出てくるでしょう。
③認知症以外に関する保障内容
最後のポイントは、認知症以外の保障内容がどうなっているか、という点です。
認知症保険のなかには、
- 生活習慣病骨折不慮の事故
こういった別の病気に備えられるなど、半ば医療保険としての性質を持ち合わせているタイプの認知症保険もあります。
ただし、総合的に備えられるタイプの認知症保険では、保障範囲が広い代わりに認知症診断時の保障が少なくなっている場合もあります。
ですから認知症と診断されたとき、そしてその後の介護も含めてピンポイントで備えたいのか、または認知症だけでなくその他の病気にも備えたいのか、という点をあらかじめはっきりさせておく必要があります。
認知症保険と介護保険は何が違う?
この記事をご覧になっている方の中には、認知症で要介護になったときに備えられるなら、公的な「介護保険」に加入していれば良いのではないか、と考える方もおられるでしょう。
40歳以上であれば加入が必須の介護保険は要介護認定の等級によって保障額が決まっていますが、それはあくまで介護における利用者の自己負担を軽減するものであり、「のちに要介護状態となりうる」認知症と診断されただけで保険金は支払われません。
さらに認知症保険では、
- 認知症診断後には終身で一定額を受け取れる
- 認知症診断された段階でまとまったお金を受け取れる
- 要介護状態が一定以上と認められれば保障される
このような公的介護保険にはないメリットがあります。
まさに認知症保険は介護保険で保障されない部分もカバーしてくれる保険だといえます。
【参考】知っておくべき公的介護サービス
ここまでは認知症保険について紹介してきましたが、民間の保険よりも前に誰もが最初に頼るのはやはり公的な介護サービスでしょう。
実際に要介護状態となったとき国からどのような支援を受けられるのか、最後に
- 居住サービス
- 施設サービス
- 予防給付サービス
これらの公的介護サービスについて紹介していきます。
①居住サービス
認知症などで常に介護が必要となった人(要介護者)は、居住サービスとして「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」を利用できます。
これは「介護保険法」によって定められた、主に要介護認定を受けた高齢者が居住するための施設であり、「要介護認定1~5」の人が利用できますが、原則新規で入居できるのは「要介護3~5」となっています。
どのようなサービスを受けられるのか、それは
- 食事の介助
- 入浴・排泄の介助
- その他着替えなど日常生活の介助
- 機能訓練や健康管理
このようなサービスであり、長期間での入居、いわゆる「終の住処」として利用されることも多い施設です。
平成25年には定員数が50万人を超えており現在も利用希望者は増加し続けています。
②施設サービス
1で紹介した居住サービスよりも、介護そのものやリハビリに重点を置いているのが「介護老人保健施設」です。
これも「介護保険法」によって定められた施設であり、主に「要介護認定1~5」の人が利用可能です。
介護老人保健施設で受けられるサービスとは
- 日常生活の世話
- 機能訓練・リハビリ
- その他医療サービス
このように一見「介護老人施設」と同じように見えます。
しかし実際は利用後に社会復帰、または自宅で生活できることを想定しており、数カ月または長期化しても1年以内には退所することとなります。
③予防給付サービス
「要介護認定」は生活をするために常時第三者のサポートを必要とする状態ですが、それよりも軽度な「要支援認定」でも受けられる公的サービスが、「予防給付」です。
予防給付とは、現状で介護を必要とはしていない方が可能な限り普通の生活を送れるように支援する仕組みです。
受けられるサービスは、
- 訪問サービス通所サービス短期入所サービス
主にこの3つに分類されます。
具体的にそれらがどのようなサービスなのか一例を挙げると、
- 介護予防訪問介護:ヘルパーの自宅訪問による生活・家事等の支援
- 介護予防訪問リハビリテーション:療法士の訪問による生活支援やリハビリ
- 介護予防通所介護:デイサービスセンター訪問での生活・機能訓練
- 介護予防短期入所療養介護:機能訓練のための介護老人保健施設等への訪問
- 介護予防特定施設入居者生活介護:老人ホーム等での機能訓練
上記のようなさまざまなサービスを、少ない自己負担で利用できます。
まとめ:認知症保険が必要と少しでも思ったらまずは保険のプロに相談!
今回は認知症保険について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
しかし、保険の必要性や選び方はそれぞれの個人・家庭で異なるため、自分にとって本当に認知症保険が必要なのか知りたい、と思われる方は、ぜひ「マネーキャリア」のような無料相談サービスを活用してはいかがでしょうか。