医療保険とはそもそも何?医療保険についてわかりやすく解説します!

民間の医療保険とは、万が一の病気やケガによる入院・治療を保障するための保険商品です。公的医療保険とは異なり現金給付が基本です。公的医療保険を補完する意味で、民間の医療保険の加入を検討するべきですが、医療の現状に見合った保険選びを行うことが大切です。

医療保険とは何かをわかりやすく徹底解説!

ご自分は家族の大黒柱としてバリバリ働いており、大きなケガも病気も今のところ経験は無いという方々が多いことでしょう。


しかし、将来ずっとこのまま元気でいられる保証はどこにもありません。健康な皆さんでも、まさかの病気やケガによって手術や入院をすることは十分考えられます。 


そのため、事前に民間の医療保険に加入することを検討してみるべきでしょう。そこで今回は、医療保険の特徴とは何か?医療保険の保険内容とは?そして、公的医療保険との関係について説明します。




医療保険と生命保険の違いは?

医療保険とは、被保険者の病気やケガによる入院・治療を保障するための保険商品です。一方、生命保険とは、被保険者が死亡または高度障害状態になった場合に保険金が下りる保険商品です。

医療保険と生命保険の比較は下表を参考にして下さい。


保険商品医療保険生命保険
保険内容病気やケガによる入院・治療の金銭的保障
死亡または高度障害状態になった場合の保険金支払い
受給対象者保険加入者(被保険者)本人
保険加入者(被保険者)の家族等
加入を検討する際の目安・保険加入者(被保険者)本人の病気の不安
・入院、治療を受ける際に貯蓄が十分でない
・配偶者や子供等、家族を扶養している
・万が一の時、家族に資産をのこしたい
その他死亡した場合、生命保険のような死亡保障の特約を付加できる。入院・治療を保障する医療特約を付加できる。

民間医療保険と公的医療保険(国民健康保険)とは?

公的医療保険とは、主に事業所の従業員が加入する「健康保険」と、従業員以外の自営業者、無職者が加入する「国民健康保険」があります。医療機関で治療等を受けた際に、医療費の3割を自己負担するだけで足りる医療保障制度です。 

しかし、患者自身が、手術・入院で休職した場合の収入の減少は、公的医療保険で賄うことはできませんし、入院の際に必要になる食事代や差額ベッド代、治療の際に大きな効果が期待できる先進医療に関しては保障の適用外になります。 


休職の際の収入の減少や、治療・入院に必要ではあるものの、公的医療保険の対象外となるサービスを保障する役割が、保険会社の医療保険にあるといえます。


民間医療保険と公的医療保険を比較すると下表の通りです。


医療保険民間医療保険公的医療保険
給付内容現金給付
現物給付
原則、3割自己負担
保険料の支払保険会社
健康保険→各健康保険組合
国民健康保険→市区町村
保障範囲保険会社所定の条件によるが、給付金等の使途は自由保険診療に限定
先進医療先進医療特約の付加により保障可能保障対象外

医療保険に加入する目的は?

日本の公的医療保険は世界に類を見ないほど優れた保険制度ですが、前述したように保障されないサービスもあります。

医療保険に加入する目的は、公的医療保険を補完し、保険加入者の金銭的負担を可能な限り抑えることにあります。


その金銭的サポートとして頼りになる主な給付金等は下表のとおりです。


給付内容
入院給付金入院した場合に日額〇〇〇〇円として受け取れる給付金です。主に日額5,000円~15,000円程度が保障プランとして設定されています。この給付金は、公的医療保険の対象外である差額ベッド代に使用しても、働けない期間の当面の生活費用としてご家庭で使用することも自由です。
手術給付金手術した場合に日額として受け取れる給付金です。概ね入院日額の10倍~20倍の金額が設定されています。
通院給付金通院で治療を受けた際に受け取れる給付金です。こちらも日額〇〇〇〇円として受け取れますが、入院給付金よりも金額が低めに設定されている場合が多く、主に3,000円~5,000円程度が設定されています。
特約がんをはじめとした三大疾病、保険診療に該当しない先進医療や、女性特有の疾病、死亡保障を特約として付加し、保障範囲を拡大させることができます。

医療保険が必要になるのは何歳から?不要論もある

こちらでは、医療保険が不要な場合と医療保険が必要な場合を説明します。

○医療保険が不要な場合


医療保険の不要論は現在でも根強く存在しています。その理由は次の通りです。


①高額療養費制度の存在


高額療養費制度とは、患者が1ヶ月間にかかった費用を自己負担限度額までに抑える公的な制度です。


この制度は保険者(健康保険→各健康保険組合、国民健康保険→市区町村)に事後申請をすれば余分に払った費用は戻ってきますが、事前申請も利用することができます。


この事前申請とは「限度額適用認定証」による申請を指します。この申請手続きをすると、どんなに高額な治療費がかかっても、その1ヶ月間に負担する上限額までの費用を支払うだけで良いことになります。


ただし、高額療養費制度の対象は、公的医療保険が適用される入院費・治療費に限ります。


②健康保険組合の手厚い保障


企業が独自に設立した健康保険組合に加入している場合は、手厚い保障が期待できます。健康保険組合によっては従業員のために手厚い保障が約束されている所もあり、傷病手当金が非常に充実している場合や、前述した差額ベッド代まで金銭的にサポートしてくれるケースもあります。


企業に勤務している方々は、まずご自分が加入している健康保険の内容を確認し、保障が十分であると感じた場合は、無理に民間の医療保険へ加入する必要はありません。


○医療保険が必要な場合


医療保険が必要となる場合の理由は次の通りです。


①自営業者等の場合や公的保険に不安がある場合


自営業者・自由業者等は国民健康保険に加入します。この場合には保険診療の範囲内で原則3割自己負担が適用されます。差額ベッド代全額や、入院時の食費1食460円分が自己負担となることで、入院費が支払えるかどうか不安な方は医療保険に加入するべきです。


また、健康保険組合に加入しているサラリーマンでも、組合から手厚い保障が受けられない場合には、ご自分で医療保険に加入し備える必要があります。


②年齢別の加入の必要性


[20~30代前半]


若い方々、特に単身者の場合は、若く体力もあり医療保険は必要ないと思われるでしょうが、国民健康保険に加入している方や、事業所に勤務している方で加入している健康保険の保障内容に不安を感じる場合は、安い医療保険でも良いので加入することをおすすめします。


病気はともかく、ご自分の不注意でなくても不運なケガを負ってしまう場合があります。その場合に、入院給付金や手術給付金が最低限受け取れる医療保険で、当面の備えとしておくことも良い方法です。


また、安い医療保険は毎月の支払保険料が1,000円以下の商品も多く、保障内容は高い医療保険からみて決して劣ったものとはいえません。


[30後半~40代]


そろそろ所帯を持ち、子の進学費用などいろいろ考えなければいけない時期と言えます。ただし、この世代は発症すると深刻な事態になる、がん・心筋梗塞・脳卒中の「三大疾病」リスクの上昇を意識しなければいけません。


そのため、医療保険へ三大疾病を保障する特約を付加することや、あらたにがん保険に加入する等の備えを検討してみましょう。


[50代]


子も独立し、会社員の方なら重要なポストに就いている頃かもしれません。一方で、「三大疾病」のリスクが懸念される年齢になります。


医療保険でも、亡くなるまで手厚い保障が受けられる「終身タイプ」へ加入することをおすすめします。

実はわかりやすい医療保険の種類

医療保険商品は生命保険会社から数多く販売されていますが、医療保険のタイプはそんなに多くありません。


以下では、医療保険のタイプについて説明します。

医療保険制度の主契約の保障内容とは?

医療保険のタイプは大きく分ければ次の2種類となります。

○掛け捨て型医療保険

掛け捨て型とは、医療保険を解約した場合にお金が戻ってこない商品のことです。毎月の保険料の支払額が比較的安く、現在、人気の高い商品のほとんどがこちらのタイプです。このタイプには更に終身型と定期型があります。


○貯蓄型医療保険

貯蓄型とは、医療保険を解約した場合にお金が戻ってくる商品のことです。「積立型」とも呼ばれています。ただし、保険各社とも毎月の保険料の支払額を高く設定していること、短期間で解約する場合には戻るお金が少ないという特徴があります。こちらのタイプには主に終身型があります。


なお、保険期間で分ければ次の2種類となります。


○終身型医療保険

終身型とは、加入すれば一生保険料が変わらず、保険加入者が亡くなるか、解約するまで保障が継続する商品です。掛け捨て型および貯蓄型双方から販売されています。


○定期型医療保険

定期型とは、保険期間が定められており、その期間内であれば保障が約束された商品です。保険期間が定められているため、毎月の保険料は非常に安いことが多いですが、契約を更新すれば保険料が上がります。掛け捨て型で主に販売されていますが、貯蓄型で販売されているのは法人向けがほとんどです。


医療保険制度の特約を簡単に解説

民間の医療保険の特徴として、特約を付加することで保障範囲を拡大できることがあります。ただし、特約を単独で契約することはできず、主契約と同時に契約または主契約に追加するという形で契約します。


以下では、主に販売されている特約を説明します。

入院給付金の支払限度日数は何日が最適かを解説!

入院給付金の支払限度日数は、契約の際に設定しますが、保障プランによって30日型・60日型・120型・360日型と様々です。

厚生労働省が発表している「平成28年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によれば、病院の平均在院(入院)日数は、病院全病床で28.5日となっており、一見すれば30日型で十分のように思われます。


ただし、精神疾患での入院は平均269.9日と非常に長期にわたります。ご自分で精神疾患のリスクが高いと自覚されている場合には、360日型を選ぶなど長期化に備えた契約も考慮しておきましょう。

先進医療特約と三大疾病特約はよく知らないと勘違いしてしまいます!

先進医療とは、高度な医療技術の中で厚生労働大臣が認めた医療のことです。先進医療分は全額自己負担になってしまいますが、医療保険の主契約に先進医療特約を追加することで金銭的サポートが得られます。例えば、がんを治療する重粒子線治療や陽子線治療等を受ける場合に活用できる特約です。


一方、三大疾病特約とは、がん・心筋梗塞・脳卒中という三大疾病になった場合、入院給付金の日額が支払限度日数無制限になることや、手術給付金も無制限に受けられる特約です。


先進医療特約は文字通り先進医療に該当する治療の保障を目的とし、三大疾病特約は三大疾病になったら、入院・手術をしたことで受け取る給付金を制限しない保障内容となります。


付加できる特約は非常に多いため、ご自分が主契約に追加したい特約の内容を、十分吟味する必要があります。

健康祝金特約で健康な人がとくをする!?

健康祝金特約とは、健康であればお祝金がもらえる特約のことです。ご自分が健康に気を付けていて一定の期間になれば数万円が受け取れるサービスです。


得をするかどうかは、やはり保険商品にもよります。受け取れる金額や、3年毎・5年毎という期間も各社によって様々です。


健康であり続けることは理想ですが、この特約を付加して得をするかどうか、保険料の支払額や支払方法をよく検討して加入する必要があります。

入院日数の短期化・通院期間の長期化に備えるのが今のトレンド

前述した厚生労働省が発表している「平成28年(2016)医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によれば、病院の平均在院(入院)日数は、次のように年々減少傾向にあります。

  • 全病床 :(平成27年度)29.1日→(平成28年度)28.5日
  • 一般病床:(平成27年度)16.5日→(平成28年度)16.2日
  • 精神病床:(平成27年度)274.7日→(平成28年度)269.9日
  • 感染症病床:(平成27年度)8.2日→(平成28年度)7.8日
  • 療養病床:(平成27年度)158.2日→(平成28年度)152.2日
  • 結核病床:(平成27年度)67.3日→(平成28年度)66.3日

入院期間の短期化の背景は厚生労働省の方針にある

前述した入院日数の短期化は、医療技術の進歩の成果でもありますが、一方で、厚生労働省の方針によって短期化が促進されている面もあります。

厚生労働省の方針「医療費適正化の総合的な推進」によれば、医療費の伸びが過大とならないよう、入院日数を短縮し、在宅医療の推進を図ることが明記されています。

医療の進歩に伴い、医療保険の見直しが必須な時代

入院日数の短期化は、医療の進歩により実現された面もありますが、だからといって退院前に患者の全てが完治したわけではなく、通院による治療継続へシフトしつつあることを示しています。


通院治療を行う患者の中には、通院が長期化する場合も想定されます。このような治療方針の変化で、入院給付金をメインにした医療保険よりも、通院保障を重視した医療保険に注目が集まっていくことでしょう。


医療の進歩や治療方針の変化に対応するため、既に加入している医療保険の見直しを必要とする時代が近づいてきています。

まとめ

医療保険について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


民間の医療保険は公的医療保険を補完する方法の一つですが、医療の現状に見合った保険選びを行いたいものです。

医療保険の必要性や不要論については、以下の記事で説明していますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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