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事業承継税制で納税を延ばせる?使用するための4つの条件を解説!

事業承継をする際に、多額の税金がかかってしまいます。そこで、おすすめなのが事業承継税制の利用です。これを利用することで事業承継をする際の支払を延ばすことができます。しかし、事業承継税制を利用するには4つの条件や変更点があるので詳しくご説明します。

事業承継税制とは?使用するための4つの条件は?

そろそろ息子・娘に事業承継したいと考えている経営者にとって、税金というのは悩ましい問題です。


親族に会社を譲るだけなのに、多額の贈与税や相続税を支払わなければならないというのは納得いきませんよね。


事業承継税制を活用すれば、贈与税・相続税の納税を猶予してもらうことができます


最近では税制改正によって適用要件が緩和されたことから、事業承継税制を活用する中小企業は増えてきています。


事業承継税制の内容や適用するための4つの条件について理解し、会社の事業承継を無理なく進めていきましょう。


この記事では事業承継税制について

  • 事業承継税制の仕組み
  • 事業承継税制の4つの条件
  • 平成30年度税制改正の変更点

の3つのポイントについて解説します。


この記事を読み終わる頃には、事業承継税制の内容が理解でき、息子・娘への事業承継に向けて具体的な行動を起こせるようになるでしょう。


事業承継を考える経営者の方も、事業を引き継ぐ後継者の方もぜひ最後までご覧ください。


事業承継税制とは「納税が猶予される」

まず、事業承継税制の仕組みについてわかりやすく解説します。


事業承継税制は一見非常に複雑に思えますが、制度の意味や成り立ちを知れば、適用するための条件も理解しやすくなります。 


一つずつ確認していきましょう。 

メリットは「大幅な節税」

事業承継とは、代表取締役への就任と株式の取得の両方を満たすことで実現します。


代表取締役への就任は、役員の変更登記をすれば完了するため、ほとんど手間はかかりません。


問題になるのは株式の取得です。


株式は財産なので、たとえ承継予定の息子・娘に対して贈与・相続した場合でも、通常は贈与税や相続税が課税されてしまうのです。


このことから、日本の中小企業ではなかなか事業承継が進まなかったり、贈与税や相続税の納税が負担となり会社を継続できないといった事態が発生しました。


このことが問題視され、平成21年度税制改正で事業承継税制が創設されました。


事業承継税制とは、一定の要件を満たせば、本来株式を贈与・相続した場合に発生する贈与税・相続税の納税が猶予される制度です。


猶予というといずれ払わなければならないという意味合いに思えますが、実際には半永久的に猶予されるため、免除に近い形だと思って差し支えありません。


つまり、事業承継税制を適用することは、贈与税・相続税の大幅な節税になるのです。

デメリットは「納税猶予が取り消される可能性も」

成功すればメリットの大きい事業承継税制ですが、猶予を取り消されるリスクがあるというデメリットもあります。


事業承継税制を適用して贈与税・相続税の猶予を受けたとしても、下記に示したような要件を維持できなければ猶予が取り消され、相続税を一括で納付しなければなりません。


また、猶予を受けた期間に相当する利子税も支払わなければならないため、猶予が取り消されないようくれぐれも注意しましょう。


<猶予を受けられる条件>

  • 解散せず会社が存続していること
  • 後継者が会社の代表取締役・筆頭株主であること
  • 従業員数が事業承継後5年間の平均で事業承継前の人数の8割以上であること

他にも、大会社に移行した場合や組織変更・減資等を行った場合も猶予が取り消されることがあります。


また、会社が資産管理会社に該当した場合も猶予は取り消されます。


資産管理会社というと難しく聞こえますが、通常通り事業実態があれば事業承継税制の適用に問題はありません。


資産管理会社とは、事業のために使用していない不動産や国債、ゴルフ会員権や宝石などの特定資産が、法人が保有する資産の70%以上の会社とされています。


また、3年以上商品販売やサービス提供をしている会社や、親族以外の従業員が5人以上いる会社は、資産管理会社には該当しないとされています。


会社の事業実態がなくなったのにも関わらず事業承継税制の適用のためだけに無理やり会社を継続しているような場合を取り締まるための制度なので、通常はあまり気にする必要はないでしょう。 

事業承継税制を使用するには4つの条件がある

さて、ここまで事業承継税制の仕組みや猶予が取り消される場合について解説しました。


続いては、事業承継税制の適用を受けるための4つの条件について、具体的に説明します。


一つずつ確認していきましょう。

①先代経営者・後継者が「会社の代表・筆頭株主」

事業承継税制は、親族内承継をスムーズに進めることを目的として創設されています。


代表取締役であり筆頭株主である先代経営者から、後継者への株式の移動に関して、贈与税・相続税の納税を猶予する制度です。


そのため、先代経営者・後継者がどちらも「会社の代表」であり「筆頭株主」であることが事業承継税制を適用できる条件です。


相続で株式を取得した親族であっても、会社の代表でなければ、経営をする意思がないということなので、事業承継税制の対象にはなりません。


また、第三者が株式のほとんどを取得して筆頭株主となり、親族である息子・娘は一部の株式だけを取得したという場合も、事業承継したといえる状況ではないため対象外とされます。

②会社が「中小企業」

中小企業の範囲は、中小企業基本法によって次のように定められています。


まずは自分の会社が中小起業に該当するかどうかを確認しましょう。

  • 製造業・建設業・運輸業で資本金が3億円以下もしくは従業員が300人以下
  • 卸売業で資本金が1億円以下もしくは従業員が100人以下
  • サービス業で資本金が5000万円以下もしくは従業員が100人以下
  • 小売業で資本金が5000万円以下もしくは従業員が50人以下

詳しい要件は中小企業庁のホームページでも確認することができます。 

③5年間、後継者が「代表・筆頭株主」で雇用の8割を保持

事業承継税制を適用したあと、5年間は後継者が会社の代表であり筆頭株主であるという立場を維持しなければなりません。


事業承継税制を適用するためだけに後継者が一時的に代表・筆頭株主となり、その後第三者にすぐに代表権や株式を譲渡するといった事態を防ぐためにこの条件が作られています。


また、事業承継前の従業員数の8割を維持している必要があります。


極端に事業を縮小することなく、事業承継前と同じ状態で事業を継続することが、事業承継税制を適用するための条件といえます。


以前は8割を維持しているかどうかが1年ごとに判定されるため、従業員数の少ない会社では事業承継税制が適用できませんでした。


しかし、平成27年度税制改正で5年間の平均で8割以上かどうかが判定されるようになったため、事業承継税制を適用しやすくなったといえます。

④相続してから8か月以内に都道府県知事の認定が必要

相続税の申告期限は、相続の開始を知った日から10か月以内です。


事業承継税制を適用する場合、8か月以内都道府県知事に事業承継税制の適用について申請する必要がるため、忘れず手続きをしましょう。


申請書は中小企業庁のホームページからワード形式でダウンロードすることができます。


被相続人や会社の資産状況に関して細かく記載する必要があるため、税理士などの専門家のアドバイスを受けるか、中小企業庁に問い合わせて記載するようにしましょう。

平成30年度の事業承継税制の改正の変更点を解説

平成21年に創設されたものの利用者が少なく、平成27年の改正から徐々に利用され始めた事業承継税制。


政府はさらに事業承継税制の利用を促進するため、平成30年に大幅な改正を行いました。


まず最も大きいのは、これまで猶予を受けられる相続税は80%が限度だったところ、100%まで拡充されたことです。


要件を満たしてきちんと事業承継税制を適用すれば、相続税の全額が猶予されることとなったのです。


また、納税猶予を受けられる後継者はこれまで1人だったところ、3人に拡大されました。


さらに「事業承継前の従業員数の8割以上を維持」という要件が事業承継税制の適用の妨げになっているとして、この要件についても見直されました。


事業承継後、従業員数が事業承継前の8割未満になってしまった場合でも、経営状況の悪化など理由を報告すれば、納税猶予が取り消されないこととなったのです。


猶予される相続税額や適用要件が大幅に緩和されたことによって、今後さらに事業承継税制の活用は広がっていくことでしょう。

【参考】法人保険を活用して事業承継対策する方法

事業承継を間近に控えている場合、少しでも会社に資金を残しておきたいですよね。事業承継の際には、どうしてもコストが発生します。


経営者への退職金の支払いはもちろん、離職するスタッフがいる場合はスタッフへの退職金の支払いも発生します。


また、細かいところでは取引先や顧客への挨拶などにもお金がかかります。


後継者が引き継いだあとスムーズに事業を継続していくためにも、資金は少しでも会社に残しておくようにしましょう。


会社に資金を残す方法として、法人保険を活用する方法があります。


支払った保険料の全額もしくは一部を損金にできる法人保険を活用すれば、法人の帳簿外に資金を積み立てながら、効果的に節税することができます。


数年先に事業承継を控えている経営者の中には、数年で何ができるんだと思われる方もいるかもしれません。


しかし、法人保険を活用した節税対策は、法人税を毎年軽減してくれるため、たとえ数年でも大きな効果を生みます


法人税を節税しながら保険料を払い込み、退職のタイミングで保険を解約し、解約返戻金を受け取りましょう。


事業承継まで間がない場合は、解約返戻金の返戻率がすぐに高い水準に達する逓増定期保険がおすすめです。


受け取った解約返戻金は、後継者が使うために会社に残しておくこともできますし、経営者の退職金の原資とすることも可能です


決算が終わると税額が確定してしまうので、事業承継を間近に控えている方こそ、早めに検討するようにしましょう。

まとめ:事業承継税制を利用して、余裕のある事業承継をしよう

事業承継税制の仕組みや適用を受けるための4つの条件、平成30年の改正内容について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、

  • 事業承継税制は後継者に株式を贈与・相続したときに贈与税・相続税が猶予される制度
  • 事業承継税制を適用するためには条件を満たす必要がある
  • 事業承継税制を適用して納税猶予を受けたあとも事業を継続し条件を満たし続けなければ猶予は取り消される
  • 平成30年の改正によって事業承継税制は緩和され利用しやすくなった

です。


一見複雑に見えるためつい利用するのをためらってしまう事業承継税制ですが、政府が中小企業の親族内承継を後押しするために創設した税制です。


納税猶予とはいえ、うまく活用できれば実質納税は免除されるため、かなり太っ腹な制度だといえるでしょう。


息子・娘に事業承継する予定の中小企業の経営者には、ぜひ活用することをおすすめします。 


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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