更新日:2024/03/07
中古車販売事業に必要な保険とは?整備ミスなどのリスク対策について
中古車販売事業には、自動車の整備ミスや労働災害などの事故に関するリスクなどがあります。このような中古車販売特有のリスクに対応するために、自動車管理賠償責任保険や、販売用自動車保険特約などの法人保険に加入することをおすすめします。
目次を使って気になるところから読みましょう!
中古車販売事業を取り巻くリスク
中古車販売業を取り巻くリスク
中古車販売事業は、2023年7月にビッグモーターの保険金不正受給の影響で、一時的に業界への信用や売り上げは減少することが考えられます。そのため事業を継続していくために、今あるリスクだけでなく今後起こる可能性があるリスクにも対策しておくべきといえます。
そこでこちらの記事では中古車販売事業におけるリスクと、そのリスク対策について解説していきます。
まずは上記の図をご覧ください。これはリスクマップと言います。リスクの発生頻度とリスクが事業にどれくらい影響を与えるのかという2つの軸で構成され、それぞれのリスクが示されています。
事業をしていきにあたって沢山リスクがありますが、こちらの記事では以下の3つのリスクについて詳しく解説していきます。
- 販売後のトラブル
- 従業員の労働災害
- 火災や爆発のトラブル
①販売後のトラブル
まず最初は販売後のトラブルに関するリスクについて解説していきます。中古車販売事業において販売後のトラブルになるリスクの発生頻度については、中程度ですが、リスクが経営に与える影響は非常に高いと言えます。
中古車販売事業では、点検や整備を丁寧に行っていた場合でも整備ミス等で販売後に自動車が故障したりする可能性があります。そうなった場合、販売した企業へ損害賠償が請求される可能性もあります。
そのようなリスクによって事業が継続できなくなる可能性もあるため、リスクが起こった場合の対策として保険に加入しておくことをおすすめします。
②従業員の労働災害
続いては従業員の労働災害に関するリスクについて解説していきます。こちらのリスクの発生頻度は中程度で、リスクが経営に与える影響は比較的低いリスクと言えます。
中古車販売業では自動車を販売する前に買い取った自動車を点検・整備することがあります。その際に従業員が指を挟んだりすることによりケガを負ってしまうリスクの事をここでは指します。
大切な従業員を守るためにも労働災害が起こったときに適切な補償をできるように対策しておく必要があるでしょう。
③火災や爆発のトラブル
最後は火災や爆発に関するリスクについて解説していきいます。こちらのリスクの発生頻度は低くなっていますが、一度発生すると事業の経営が難しくなるほど大きな影響を与えるリスクと言えます。
店舗を持って、商品を販売する中古車販売事業において火災や爆発は、事故が起きないように事前の対策を徹底している企業が大半だと思います。しかし完全にリスクを無くすことはできません。
つまり事故が起こったときのことを想定して、保険に加入しておくことで安心して事業活動を行うことができるでしょう。
中古車販売事業で実際にあった損害事例
ここからは中古車販売事業で実際に起こった事故や損害事例を紹介していきます。
具体的な事例を見ることでご自身が経営する事業においてどのようなリスクがあり、対策が漏れている部分がないか発見できる可能性もあるのでぜひ最後までご覧ください。
今回紹介する事例は以下になります。
- 事故車の告知に関する事例
- 自動車修理の際の損害賠償の事例
事例1:事故車の告知に関する事例
まず最初に紹介する事例は、販売した中古車が事故車であることを告知していなかった事例です。
こちらの事例は中古車販売店で購入した自動車を運転していた購入者が、ハンドルが取られることに気づき近くの修理工場で点検をしてもらうと、販売時に告知が無かった修復歴のある自動車と発覚しました。
法律で明示されている告知義務に違反していたため、契約の取り消しはもちろん、詐欺による取消しにより契約の効力をなくすことができます。
販売側の責任としては、修復歴車であることをユーザー側に明示していなかったため、次のような対処を取る必要があります。
- 走行機能に異常がある車両は、正常に運転できる状態に修復する必要がある
- 走行機能に異常がない車両については、商品価値の補償もしくは現契約の解除後新しい車両の提供
事例2:自動車修理の際の損害賠償の事例
続いて紹介する事例は、自動車修理の際に損害賠償が発生した事例です。こちらの事例は車両点検と部品の交換の際に起こった事例です。
原告は、自動車の板金や塗装を行っている自営業者に、車両と新品の部品を持ち込み、車両点検と部品の交換を頼みました。
車両が返却された後に交換した部品に擦り傷があることや、破損している箇所があるだことに気づきました。また当車両を走行している際に、交換した部品から異音がすることも発覚し、取り付けミスの疑いがあることが分かりました。
そこで原告は、傷の修復ができないことや車両の価値が下がったことなどを理由に損害賠償請求をすることとなりました。
こちらの裁判は初め、簡易裁判所で行われていましたが、被告の反論を含めて論争が複雑であったため地方裁判所に移送されました。
しかし移送された後に被告が一定の金額を支払うことで和解するという結果になりました。
参考:自動車修理の損害賠償請求
中古車販売事業が加入すべき法人保険
ここからは中古車販売事業で起こると考えられるリスクの対策として、加入すべき法人保険を紹介します。
早速今回紹介する保険は以下になります。
- 自動車管理賠償責任保険
- 販売用自動車保険特約
- 労働災害総合保険
①自動車管理賠償責任保険
まずは自動車管理賠償責任保険について解説していきます。自動車管理賠償責任保険とは、お客様から預かった自動車に事故が起こった際の損害費用を補償する保険です。
中古車販売事業では、お客様から車を預かり車検や、部品の交換を行うこともあると思います。そんな時に発生した損害費用をこちらの保険で補償することができます。
こちらの自動車管理賠償責任保険の補償内容は以下になります。
- 損害賠償費用
- 損害防止費用
- 緊急措置費用
- 裁判などにかかる費用
- 補償対象外となっている修理内容
- 会社役員など企業関係者の車両
②販売用自動車保険特約
続いては販売用自動車保険特約について解説していきます。販売用自動車保険特約とは、自動車販売事業者のあらゆるリスクを補償する特約です。
こちらの特約では以下の補償が適応されます。
- 対人補償
- 対物補償
- 車両補償
- 搭乗者傷害補償
- 総従業員が100名以内の新車ディーラー
- 販売業務従事者数が12名以内の一般の自動車販売業者
③労働災害総合保険
最後は労働災害総合保険について解説していきます。労働災害総合保険とは、法定外補償保険と使用者賠償責任保険の2つの保険を組み合わせ、政府労災で足りない費用を補償することができる法人保険です。
まず労働災害総合保険の元になっている2つの保険について解説します。1つ目の法定外補償保険とは、政府労災認定を受けた従業員に対して、政府労災の上乗せとして保険金が支給される法人保険です。
また2つ目の使用者賠償責任保険とは、従業員が業務中にケガ等をした際に、政府労災認定を受けた場合の法人が支払う損害費用を補償する保険です。
これら2つの保険を組み合わせることで労働災害総合保険として提供されています。そのためどちらかの保険のみに加入することも可能です。
こちらの労働災害総合保険については以下の記事で詳しく解説しているので、気になる方はそちらをご覧ください。
法人保険の加入方法とは?
ここまで中古車販売事業を取り巻くリスクとその対策ができる法人保険の紹介をしてきました。法人保険の加入方法は、法人保険を取り扱っている保険代理店や保険会社に問い合わせることで保険に加入することができます。
こちらの記事の読者の方々の中で、獣医を既にしている方やこれから始める方が、個人事業主として事業をしている方も多くいると思います。個人事業主であっても法人保険の加入は可能です。
しかし保険会社に問い合わせて、保険に加入する前に自分が経営する中古車販売事業において具体的にどのようなリスクがあるのかを知りたい方もいると思います。
そんな方々には法人保険やリスク対策に詳しい専門家に相談できる「マネーキャリア」をおすすめします。
「マネーキャリア」では毎月約30社の法人の経営者の方や開業予定の方々などが法人保険の加入や事業のリスク対策についてお問い合わせをいただいています。また相談した方の98.6%が満足していただいているので安心してご相談いただけます。
気になる方は以下から相談をお申し込みください。
まとめ:中古車販売事業に必要な法人保険
ここまで、中古車販売事業を取り巻くリスクと、それらのリスクに適切に対応するための法人保険の紹介をしてきましたがいかがだったでしょう。
以下が今回の記事の簡単なまとめです。
- 中古車販売事業には、販売後のトラブルや従業員の労災などのリスクがある
- 実際に起こった事故では、取り付けミスによって損害賠償請求をされた事例がある
- 上記のようなリスクの対策として中古車販売事業は、自動車管理賠償責任保険や労働災害総合保険に加入しておくべき
- 個人事業主であっても法人保険に加入することは可能
- 保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ