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雇用慣行賠償責任保険とは?企業が加入しておくべき理由も解説します

労働者を雇用する企業は、従業員からのパワハラやセクハラ、不当解雇などで訴えられるリスクを常に抱えています。従業員によって損害賠償を請求されたときの費用を補填するのがこの「雇用慣行賠償責任保険」です。現代では社会問題となっているので必須の保険なので必読です。

雇用慣行賠償責任保険とは?補償内容を確認!

会社を経営するにあたり、円滑な職場環境を整えてもハラスメント行為や差別などは常に付きまとう頭が痛くなる問題です。


実際、部下のほんの小さなミスや同僚の些細な意見の食い違いから不当な行為に発展することも少なくありません。


また、会社の慣習としてサービス残業が横行していたり、会社側の意見には逆らえない環境があったりすると従業員からの不満不平が出るのは当たり前ですし、法令の面から見ても即時対策を練らなければいけない問題です。


会社側でいくら社内改善を進めたとしても、人と人同士が職場環境を作っていきますので従業員から不当行為について会社が訴えられることも考えられます。


いくら会社に落ち度がなかったとしても対応の仕方を間違えると風評被害をこうむり、会社の売り上げに影響を与えるだけでなく、社会的信用も失ってしまう可能性があります。


雇用慣行賠償責任保険とは、不当行為で従業員から訴えられた場合の賠償金や費用を補償してくれる保険になります。


そこで本記事では雇用慣行賠償責任保険について

  • 雇用慣行賠償責任保険の補償内容
  • 雇用慣行賠償責任保険の必要性
  • 不当解雇や残業代未払いによる実際の判例
  • 雇用慣行賠償責任保険の免責事項

以上を中心に解説していきます。


この記事を読めば、雇用慣行賠償責任保険への理解が深まり、保険の必要性や不当行為に及ばないための対策なども理解できるでしょう。


ぜひ最後までご覧ください。



雇用慣行賠償責任保険の補償内容は?

雇用慣行賠償責任保険とは従業員からセクハラやパワハラなどのハラスメント行為や、年齢や性別からくる差別行為、不当な評価による強制的な配置転換など、いわゆる不当行為が原因で会社が損害賠償を請求された場合に、その費用を補償する保険になります。


また、対象となるのは正社員だけではなくパートやアルバイト、派遣社員など全ての雇用形態が対象となる保険で、不当行為が原因の様々なパターンに対応できるのが強みといえます。
 


まとめますと

  • 不当行為が原因の損害賠償請求に対応
  • 様々な雇用形態からの訴えにも対応
  • 損害賠償金以外にも争訟にかかる費用も対象

となります。


順を追って詳しく解説してまいりますのでご覧下さい。

従業員からの損害賠償を請求されたときの費用を補償

職場での上司から部下への恫喝などによるパワハラ、異性からの言葉によるセクハラ、性別による給与や労働条件の差別的な扱いといった不当行為による訴えを会社が受け、損害賠償を請求された際の費用を補償するのが雇用慣行賠償責任保険となります。

費用、というと幅が広く聞こえてイメージが湧かないような気がしますが、実際に損害賠償金の他、裁判にかかった弁護士費用や調査費用なども幅広く対象となるため、まさしく不当行為による訴えに備える保険といえるでしょう。

雇用慣行賠償責任保険が適用される不当行為とは

不当行為の訴えに対して補償するのが雇用慣行賠償責任保険なのですが、この場合の不当行為というのは従業員が会社側から精神的な苦痛を受けたり、差別を受けたり、不当に解雇を受けたりすることを指します。


ここでは代表的な不当行為を紹介させていただきます。


パワーハラスメント

職場での地位や人間関係など他社に対しての優位性を利用し、精神的肉体的苦痛を与える行為をさします。


例えば、部下の失敗に対し執拗に暴言を吐いたり、職場の仲間を孤立させるなどの行為がパワーハラスメントにあたります。


セクシャルハラスメント

一方的に性的な要求をしたり、性的な発言などの性的嫌がらせをさします。


スキンシップとしてした行為でもあっても相手に不快な思いをさせた場合はセクシャルハラスメントに該当する場合があります。


世代、性別による意識の差が大きく近年問題として取り上げられることも多い不当行為といえます。


雇用上の差別

人種や性別、身体的特徴など仕事には関係ない要因で不当な扱いを受けることをさします。


出生地や家族構成など、本当に些細な要因で差別を受けることも多々あります。


不当解雇

強制的な解雇や会社の就労規則に反するような退職の強要などがこれにあたります。


契約社員の一方的な契約解除も不当解雇に該当します。


そのほか誹謗中傷や名誉棄損なども不当行為にあたり、従業員から訴えられた場合、雇用慣行賠償責任保険が適用となります。

対象となるのは正社員だけではなく全ての雇用形態

雇用慣行賠償責任保険では正社員からの訴えだけが対象ではなくアルバイトやパートなど会社の業務に関わる全ての雇用形態からの訴えが対象となります。


もちろん契約社員や派遣社員なども対象に含まれており、上司から部下への不当行為のみならず一般社員からパートや契約社員への不当行為に対する訴えも雇用慣行賠償責任保険でまかなうことが出来る範疇になります。

雇用慣行賠償責任保険で補償される保険金の種類を解説

雇用慣行賠償責任保険で補償される保険金は主に下記の2種類となります。


損害賠償金

従業員から損害賠償責任を求められた際の賠償金や和解時の和解金などをさします。


争訟費用

争訟とは訴えに対して争うとこをさし、それにかかる費用、つまり弁護士費用や報酬金、調査費用などのことをさします。



雇用慣行賠償責任保険という言葉から裁判による損害賠償を命じられた場合の保険に聞こえますが保険内容によっては実際は和解や示談、調停時の賠償金も含まれます。


また、裁判等にかかる弁護士費用や調査費用なども含まれる場合がありますので雇用慣行賠償責任保険を検討する際は保険内容を精査する必要があります。


雇用慣行賠償責任保険の保険料を紹介

雇用慣行賠償責任保険の保険料は保険会社、業種、売り上げ、補償額によってバラツキはありますがおおよそ目安として支払限度額5,000万に対し年間保険料は20万円前後になります。


また、雇用慣行賠償責任保険は単独の加入も可能ですが、「損害賠償責任保険の特約」として加入する場合が多い保険となります。


実際、職種によって必要となる損害賠償内容は変わりますので特約としての加入を雇用慣行賠償責任保険とあわせての検討をしていく必要があります。

雇用慣行賠償責任保険へ加入を検討すべき業者(法人)とは?

職場というものは人と人同士が物理的、精神的にコミュニケーションを必要とする場ですので意見、思想、立場などの微妙なズレから溝が生じ、結果パワハラや差別などの不当行為に陥りやすい環境にあると言えます。

不当行為は業種、会社規模に関わらず付きまとう問題ではありますので雇用慣行賠償責任保険への加入の必要性や不当行為がおこなわれやすい職場環境などを詳しく解説していきます。

どの業種でも必要性は高い

ハラスメント行為や差別などの不当行為が起こる原因は業種や規模よりも職場自体の環境に起因しています。


人間には一人一人個性がありますので性格や容姿が違って当たり前ですし、家庭環境や職場での立場も一人一人違います。


職場は人が集まって出来上がっていくものなのでどんな業種であっても不当行為がおきる可能性はあると言えるでしょう。


また1,000人の企業であれ5人の企業であれ、個の違いから不当行為に発展する可能性は大いにあります。


業種的にパワハラはありえない、会社規模が小さいから仲良くやっている、などということはあくまでイメージであり一人一人の個がぶつかり合う職場内ではいつどんな原因で不当行為が起きるかは分からないものです。


ですので業種や規模に関わらず不当行為が起きることは十分に考えられるということを念頭に置いておかなければなりません。

ハラスメントなどトラブルが起こりやすい環境とは

平成28年度の厚生労働省による「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」では「過去3年間にパワーハラスメントを受けたことがあ
」と回答した者が平成24年度には25.3%だったのに対し32.5%にのぼることが明らかにされ、年々相談件数が増えている結果となりました。


そのうちミスに対する過度な叱責など精神的な攻撃は55.8%と半数以上を占め、飲み会や会議などに一人だけ参加させないなど人間関係の切り離しが30.6%とこの2つで全体の8割を超えています。

(厚生労働省:職場のパワーハラスメントに関する実態調査


またパワーハラスメントが起こりやすい環境として

  • 残業が多い/休みが取り難い⇒38.8%
  • 上司と部下のコミュニケーショ ンが少ない⇒35.9%
  • 失敗が許されない/失敗への許容度が低い⇒25.8%

という結果が出ております。


残業や休みの取得しやすさなどの会社の風土に加え、コミュニケーションや失敗へのフォローなど職場の雰囲気によってパワーハラスメントが引き起こされやすいということがいえます。

企業のハラスメントや過労に対しての対策

「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると予防・解決に向けた取り組みを実施している企業は全体の52.2%であり、平成24年度の調査比べても割合が増えている結果となりました。


 またパワーハラスメントに限らず、従業員向けの相談窓口を設置している企業は73.4%であり、こちらも平成24年度から増加傾向にあり、各企業でパワーハラスメントに対する関心が年々高まっているといえます。


調査からも相談窓口の設置が対策としての効果が高いという結果が出たことから、常日頃から不満やストレスを吐き出せる場所、相談できる場所があることが不当行為への大きな抑止力へつながるといえるでしょう。

不当解雇や残業代の不払いで実際に起こった判例

ハラスメントが起こりやすい環境や対策などを紹介させていただきましたが、ここでは実際に不当解雇や残業代の不払いで起こった判例を挙げますのでご覧ください。


不当解雇によるケース〉


とあるゲーム機メーカーで働いていたAさんは仕事での成績が振るわず、それが原因として解雇されてしまいました。


しかし仕事上の成績が振るわなかったのは企業側の指導方法に問題があったためだとし、解雇されたことに不服を申し立て裁判を起こすこととなります。


結果裁判で解雇の無効判決が言い渡される結果となりました。


〈残業代の不払いによるケース〉


ある販売会社に勤めるBさんは1年半以上に渡りほぼ毎日6時間ほどの時間外労働をしており、休日出勤を繰り返していた。


しかし会社側で出勤簿を管理しておらず、これら残業代は全て不払いの状態だった。


これによりBさんは残業代支払いの裁判を起こし、結果会社側の管理義務が怠っていたとして未払い金を支払うことになりました。



雇用慣行賠償責任保険の免責についても把握しておこう

不当行為からの訴えに対して幅広く対応可能な雇用慣行賠償責任保険にも免責事項があります。


例えば、

  • 会社側が法令違反を認識しながらおこなった行為
  • 遡及日(保険適用日)より前の損害賠償
  • 会社の事業縮小、破産、民事再生に起因する損害賠償
などは免責事項として扱われます。

まとめ:雇用慣行賠償責任保険に加入してトラブルに対処しよう

雇用慣行賠償責任保険についていかがでしたでしょうか?


まとめますと

  • 雇用慣行賠償責任保険は不当行為からの訴えに対する保険
  • パワハラ、セクハラ、不当解雇などが不当行為にあたり正社員以外にも適用となる保険
  • 補償される保険金は損害賠償金と争訟費用
  • 雇用慣行賠償責任保険は業種関わらず必要性は高い
  • 雇用慣行賠償責任保険にも免責事項がある
になります。

日頃の職場でのコミュニケーションや会社としての対応などで従業員のストレス、不満は軽減されますがふとしたことをきっかけにハラスメント行為や差別が生まれ、結果気づかないうちに従業員を苦しめ、会社側が訴えられることもあります。

「まさかうちの会社が」と嘆いていても遅い話になりますし、風評被害も受けることになりかねません。

風通しの良い職場環境を作りつつ、いざというときのために雇用慣行賠償責任保険を検討しておきましょう。

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