
更新日:2023/04/18
中小企業の経営において加入すべき保険と事業を取り巻くリスクとは?

中小企業はサイバー攻撃の標的にされやすいなど様々なリスクを抱えています。そのようなリスクを軽減するためにも、中小企業を経営している方は、保険の加入をおすすめします。また、専門家にリスクや保険に関する相談を希望する方は、「マネーキャリア」をご利用ください。
内容をまとめると
- 中小企業には衛生管理やサイバー攻撃に関する経営リスクに取り巻かれている
- リスクを回避・軽減するためには保険に加入する必要がある
- 保険や事業のリスクに関する相談は、「マネーキャリア」がおすすめ
- 中小企業の事業継続が厳しい事業などを対象にした「事業再構築補助金」という制度がある
目次を使って気になるところから読みましょう!
中小企業を取り巻くリスクについて
中小企業を取り巻くリスクマップ

こちらの記事ではまず、中小企業の経営を取り巻くリスクとはどのようなものがあるのかを解説していきます。記事後半では、中小企業を取り巻くリスクを回避・軽減するための保険の紹介をしていくので最後までご覧ください。
上記に掲載しているマップはリスクマップと言います。事業が抱えるリスクを可視化してマップにしているものです。リスクが発生する頻度とリスクが経営にどのくらい影響を与えるのかの2つの軸で構成されています。事象を経営リスク、社会的経済リスク、自然災害事故リスクの3つのカテゴリに分類しています。
こちらの記事では、中小企業を取り巻く以下の3つのリスクについて詳しく解説していきます。
- 食中毒・衛生管理(発生頻度・高、リスク・中)
- 地震・自然災害(発生頻度・低、リスク・大)
- 個人情報の漏洩(発生頻度・低、リスク・中)
①食中毒・衛生管理(発生頻度・高、リスク・中)
まず最初は、食中毒や衛生管理に関するリスクです。こちらのリスクの発生頻度は比較的高い上に、リスクが経営に与える影響も中程度あるリスクになります。こちらのリスクが起こると考えられる業界は、製造業、生産業、飲食業などでよく起こると考えられます。
食中毒は身近な病気であり、2021年度では国内で合計717件の食中毒が発生しました。うち患者数は11,080人であり、死者数は2人となっています。死者が出ている点からも分かるように、食中毒はときに命を脅かすケースもある病気です。
集団の食中毒感染が起こった場合に、損害賠償責任が生じることがあります。このような事故が起こった場合の損害金は多額になることが多いため、保険に加入しておかなければ適切な対応することが厳しいと思われます。この後に事例で詳しく見ていきます。
②地震・自然災害(発生頻度・低、リスク・大)
次は、地震や自然災害に関するリスクの解説をします。こちらのリスクは、発生頻度は低いのですが、経営に多大な影響を与える重大なリスクの一つです。中小企業に限らず、地震や自然災害は企業にとって最悪なリスクの一つです。
災害大国の日本において、地震や台風などの対策は、他の国と比べるとレベルが高い対策になっているかと思います。しかし災害が起こったときに事業の立て直しを素早く行ったり、適切な対応を取るためには補償が必要になってきます。
また自然災害には、感染症も含まれます。2019年から流行した新型コロナウイルスにより、企業の倒産や、売上や利益の大幅な低下など経済に大きな影響を与えました。このような感染症のリスクに関しても適切な対応をしなければ、中小企業の経営に大きな影響を与えることになります。
③個人情報の漏洩(発生頻度・低、リスク・中)
中小企業で実際に起きた損害事例
それではここから、中小企業で実際に起こった事故・損害事例を紹介していきます。こちらの記事で紹介する事例は以下の3つです。
- 火災や自然災害による事例
- サイバー攻撃に関する事例
- 食中毒や衛生管理に関する事例
事例1:火災や自然災害による事例
事例2:サイバー攻撃に関する事例
次は、サイバー攻撃に関する事例を紹介します。一つ目は、従業員数が10名程度の健康食品の会社での事例です。
こちらの事例では、外部サーバーに不正プログラムが仕掛けられ、顧客のクレジットカードや名前といった情報が漏洩する事件が起こりました。これによりサイトは閉鎖し、現在も復旧の目処は立っていないそうです。
また、群馬県ではサプライチェーン攻撃が発生しています。サイバー攻撃を受けたことで、顧客データが外部に漏洩し、複数のメールアドレスからマルウェアが仕込まれたメールが送信されました。
被害総額は1億円にまで被害が拡大する可能性もあるので見過ごすことができない事故や損害の一つです。
事例3:食中毒や衛生管理に関する事例
最後は食中毒や衛生管理に関する事例を紹介していきます。ここでも2つの事例を紹介します。
- 製造・販売した製品による賠償事故
- デパートの水道元栓を閉め忘れにより水浸しにした事例
中小企業を取り巻くリスクを回避・軽減する保険
次は、中小企業を取り巻くリスクを回避・軽減するための保険を紹介します。今回紹介する保険は以下の3つです。
- 法人向けの火災保険
- PL保険(生産物責任保険)
- サイバー保険
①法人向けの火災保険
最初は法人向けの火災保険の解説をしていきます。法人は商売道具でもある自社の商品や製品等を所有していますので、これらとともに建物や設備、什器備品などが法人の火災保険の補償の対象となり、火災を含めた自然災害などのあらゆる災害に対して幅広くカバーしてもらうことができます。
ただし法人の火災保険の基本補償では損害内容によって補償対象外となることもありますので、加入する前には保険会社に必ず確認しておきましょう。
保険料については業種や事業の規模などにより異なるのでここでは一例を紹介しておきます。
年間保険料 | |
---|---|
事務所 | 約32,610円 |
小売店 | 約50,480円 |
飲食店 | 約80,690円 |
法事向けの火災保険について詳しく知りたい方は、以下からご覧ください。

②PL保険(生産物責任保険)
2つ目はPL保険です。正式名称は生産物責任保険と言い、企業が製造・販売する生産物や工事が結果で起こった事故において、損害賠償を負う必要が発生した場合にそれを補償してくれる法人向け保険です。
PL保険は、製造業だけでなく販売業や工事業でも加入することは可能です。なぜなら補償範囲に販売した商品や施工結果により起こった事故や損害による賠償責任も補償することができるからです。
PL保険に加入することで企業の信用も担保されるため、新規の取引獲得にもつながる可能性がある保険でもあります。こちらのPL保険も別の記事で詳しく解説しているの気になる方はそちらをご覧ください。

③サイバー保険
最後は、サイバー保険の解説をしていきます。先ほどもご覧になったように中小企業はサイバー攻撃のリスクが高いとされています。そのためこちらのサイバー保険の加入は必須になってくるでしょう。
まずサイバー保険とは、サイバーリスクが原因で発生した各種損害費用を補償したり、事故後の対応費用や見舞金などを補償する保険です。
サイバー攻撃をされ、被害が出ると損害賠償責任が生じるだけでなく、事故後の対策としてのコンサルティング費用など莫大な費用が発生します。この費用を保険に加入せずに支払うことは困難とされています。
そのため、中小企業の経営者の方々には加入を検討することをおすすめします。サイバー保険について詳しく知った上で加入したいという方は、以下の記事をご覧ください。

中小企業のための事業再構築補助金とは?
ここからは中小企業のための事業再構築補助金の解説をしていきます。事業再構築補助金とは、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することを目的としている補助金です。
補助事業対象者は、日本国内に本社を有する中小企業者等及び中堅企業等に限ります。必須申請要件は通常枠、大規模賃金引上枠、回復・再生応援枠の3枠あります。通常枠の条件は以下になります。
- 売上が減っている
- 新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組む
- 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
- 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること
- 補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること
- 2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020 年又は2019 年同月比で30%以上減少していること
- 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受け再生計画等を策定していること
まとめ~中小企業を取り巻くリスクと保険について~
こちらの記事では、中小企業を取り巻くリスクと損害保険について解説していきました。今回の記事のまとめは以下になります。
- 中小企業には衛生管理やサイバー攻撃に関する経営リスクに取り巻かれている
- リスクを回避・軽減するためには保険に加入する必要がある
- 保険や事業のリスクに関する相談は、「マネーキャリア」がおすすめ
- 中小企業の事業継続が厳しい事業などを対象にした「事業再構築補助金」という制度がある