更新日:2024/03/01
事業活動総合保険とは?保険料や火災保険との違いなど徹底解説!
事業活動総合保険とは、一つの保険で建物などの物損補償、休業補償、オプション契約での損害賠償補償ができる法人向けの損害保険です。こちらの記事では事業活動総合保険の補償内容、保険料、火災保険の違いなどを分かりやすく解説しています。
内容をまとめると
- 事業活動総合保険とは、1契約であらゆるリスクを補償してくれる優れもの
- 基本的には、財産の補償、休業の補償からなるが、オプションは保険会社によって様々であり、賠償責任補償や労災補償も付帯できるものがある
- 事業活動総合保険と火災保険の違いは①火災保険以外の補償をつけられるかどうか②輸送中の事故が補償されるかどうか
- 事業活動総合保険は、法人保険だが、個人事業主でも加入が可能
- 自分の事業に必要な補償を確認したい場合は、「マネーキャリア」の無料オンライン相談がおすすめ
目次を使って気になるところから読みましょう!
事業活動総合保険とは?
事業活動総合保険は、事業活動を取り巻くあらゆるリスクを、たった1契約でまとめて加入できるというものです。
店舗や工場などを保有している事業主の方、これから事業を始めようとしている方にとって、保険の管理は抜け漏れがあったり、煩雑になりがちです。
よくある以下のような保険の悩み、皆さん当てはまりますでしょうか。
- リスクがあるのはわかるが、何に加入すれば良いのかわからない
- すすめられるまま、いくつか加入しているものの、契約の更新タイミングがバラバラで管理が大変になっている
- 補償の抜け漏れやダブりがないか心配
1契約でまとめて加入することで、毎年の更新手続きが簡素化され、管理の手間が省けるのはメリットですね。
また、まとめて加入することでセット割引がきくこともありますので、保険料が節約できることもありますよ。
そんな事業活動総合保険について、こちらの記事では以下について解説していきます。
- 事業活動総合保険の補償内容(保険会社別の比較)
- 事業活動総合保険が活用できる事例
- 事業活動総合保険の保険料
- 事業活動総合保険の加入方法
- 事業活動総合保険のよくある質問
事業活動で起こるリスクは、業種、所有している財産でも変わってきます。ご自身の事業で起こるリスクは何か、考えるのって難しいですよね。また、抜け漏れもあったら怖いです。
そんなときは、専門性の高い保険のプロに相談するのがおすすめです。
相談満足度98.6%を誇る、「マネーキャリア」であれば、オンラインで無料で相談することができるので、時間のない中でも気軽に相談ができ、便利です。
事業活動総合保険の補償内容
事業活動総合保険は、以下のような補償で構成されています。
- 建物などに損害が生じた際の補償(火災保険)
- 休業補償
- オプション契約による補償範囲の拡大
いわゆる法人向けの火災保険だけでなく、万が一休業した場合でもあると安心な休業補償、そのほかにもオプションで、労災保険の上乗せ補償や、賠償責任に関する補償も付帯することができます。
特にオプション契約は保険会社によっても特徴があり、内容も異なりますので、比較してご紹介させていただきますね。
保険会社ごとの保障内容については以下の記事詳しく解説しているので、気になる方はそちらをご覧ください。
補償内容①:建物などに損害が生じた際の補償
事業活動総合保険の代表的な補償といえば、建物などに損害が生じた際の補償、いわゆる火災保険です。
国内で所有している大切な財産すべてを包括して補償することができる点がポイントです。一般的な、法人向けの火災保険との違いについては後段で解説していますので、ご覧くださいね。
主に以下のような事故が発生した際に補償されます。
- 火災、落雷、破裂、爆発
- 風災、雹災(ひょうさい)、雪災
- 給排水設備事故による水濡れ
- 騒擾(そうじょう)、労働争議等による損害
- 車両、航空機等の衝突による損害
- 建物外部からの物体の衝突等による損害
- 水災による損害
- 盗難
- 電気的、機械的事故による損害
- その他偶然な破損事故等による損害
- 地震・津波・噴火による損害(オプション)
このように、所有している財産に起こりうる、あらゆるリスクをカバーしてくれます。
補償の対象は、国内の建物のほか、建物内にある設備什器(せつびじゅうき)や、建物外にある屋外設備装置、また、商品製品なども補償してくれます。
また、どの事故を補償するか、何を補償対象とするかは、プランによって選択できますので、自社にあった補償内容にカスタマイズすることができます。
想定される事故例をいくつかご紹介します。
- 隣の店舗が出火し、自社の店舗の建物だけでなく、設備什器も焼失した
- 豪雨により、工場が浸水。工場内の商品製品が汚損した
- エレベーターの受配電盤がショートし、故障した
店舗や工場、事務所などを所有しているのであれば必ず加入しておく必要がある補償ですね。
補償内容②:休業補償
休業補償とは、火災や自然災害といった事故により、店舗や工場などが休業しなければならなくなった場合に、休業損失などを補償してくれるものです。
休業しても企業が負担する費用には以下のものがあげられます。
- 光熱費、家賃などの固定費
- 従業員に対する人件費
- 建物の復旧期間中に営業を継続していくための代替事務所などの費用
収入がない状態で、これらの固定費や人件費、営業継続費用などを払うことはかなりの負担になります。ましてや、復旧までに長く時間がかかる場合は、なおさら苦しい状態になります。
休業補償があれば、こういった費用が発生しても補てんしてくれるので安心です。
お支払いする保険金は、売上減少高にあらかじめ設定した補償割合(粗利益率以下に設定)をかけて支払われるものや、補償日額×休業日数で支払われるものなど、保険会社によって異なりますので内容を確認してくださいね。
火災保険には加入しているけれど、休業補償には加入していない、という事業主の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
火災保険と休業補償はセットで加入しておくべき保険といえますね。
補償内容③:オプション契約による補償範囲の拡大
事業活動総合保険と一口に言っても、実は、保険会社によって様々なオプションがあります。
保険会社別に特徴的なオプションを比較してご紹介させていただきます。
東京海上日動火災保険(超ビジネス保険)
超ビジネス保険は、幅広い賠償責任補償と、労災上乗せ保険をセットすることができる点が特徴的です。
賠償責任補償では、最近話題の製品のリコールに関する補償や、サイバーリスクに関する補償もあり内容が充実しています。
休業補償では、直接仕入れ先および納品先物件補償特約を付帯することができます。
例えば、以下のような事故が想定されます。
- 直接仕入れ先である部品工場の火災によって部品の供給がストップし、自社の工場の製造ラインも停止しなければならなくなった
加入した補償の数によってセット割引が適用される点も嬉しいポイントです。
損保ジャパン(ビジネスマスター・プラス)
ビジネスマスター・プラスでは、商取引に関する補償と、労災に関する補償が充実している点が特徴的な保険です。
商取引に関する補償は、取引先の倒産による貸倒れや、売掛金の回収不能による損害を補償してくれるものです。
例えば、以下のような事故が想定されます。
- 取引先が仮差押命令を受け、売掛金が回収不能になった
労災に関する補償では、最近話題のセクハラやパワハラ、マタハラで企業が訴えられた場合に補償される雇用慣行賠償も特約で付帯できますので、労災に関するあらゆる補償が付帯でき、安心です。
あいおいニッセイ同和損保(タフビズ事業活動総合保険)
タフビズ事業活動総合保険では、事業者用類焼損害特約が付帯できる点と、休業補償が充実している点が特徴的です。
事業者用類焼損害特約は、自社で発生した火災が近隣の建物に燃え移ってしまい、類焼先の保険が不足した場合に、最大で1億円まで補償してくれるものです。
個人向けの火災保険にもよくあるこの特約ですが、企業の場合はより、近隣の店舗や住宅に迷惑をかけた際には評判などが気になるところですよね。今後の関係性も踏まえてお支払いできたら助かりますね。
また休業補償では、通常、修復までの期間の損失を補てんしてくれるものですが、こちらの保険では、営業再開後の臨時費用も補償してくれる営業再開時臨時費用保険金が保険金に含まれています。
例えば以下のような場合に有用です。
- 営業再開したものの、盛り返すために広告費用などが必要になった
いかがでしょうか。保険会社によっても様々な特徴があることがわかりました。
自社のリスクにあった補償をカスタマイズすることが大切ですね。
事業活動総合保険が活用できる事例とできない事例
ここからは先ほど紹介した、事業活動総合保険の補償が適応できる事例に加えて、適応できない事例を紹介します。
実際に起きた事故を見ることで、自社でも事業活動総合保険を、活用すべきかどうかが見えてくると言えます。
それでは補償内容ごとに事例を紹介します。
- 建物や設備等が補償に関する事例
- 休業補償を適応することができない事例
①建物や設備等が補償に関する事例
まずは建物や設備等が補償に関する事例を紹介します。こちらで紹介する事例は、2023年9月11日に福島県郡山市の自動車整備工場で起こった火災の事例です。
火事があった詳しい場所は、郡山市大平町にある自動車整備工場で、「工場の中が燃えている」と工場内にいる関係者から通報がありました。
この火事により、工場は全焼しました。また、火は発生から2時間後に消し止められましたが、工場内にいた経営者の男性がやけどを負うケガをしました。
参考:郡山市の自動車工場で火事
仮にこちらの工場で事業活動総合保険に加入していた場合、建物である工場が全焼しているため、補償を適応することができると言えます。
しかし経営者のケガについては、事業活動総合保険で補償することができないので、別の保険で費用等を補償する必要があります。
②休業補償を適応することができない事例
続いては、休業補償を適応することができない事例について紹介します。
ここで紹介する事例は、台風10号の影響で、店舗を休業した事例です。2023年9月6日~2023年9月7日まで台風10号の影響により、西友は九州全域の店舗を臨時休業しました。またネットスーパーの配送についてもこの期間は、中止することになりました。
こちらの事例は台風により臨時休業し、休業損失が出てしまいました、台風の影響で設備等の損害などの被害は発生していません。
そのためこちらの事例で、事業活動総合保険の補償を適応するには、台風の影響で店舗の窓ガラスが破損するなどの損害が発生し、その結果、休業とする必要があります。
事業活動総合保険の保険料
- 物件の所在地や構造級別などの建物の情報
- 業種
- 売上高
業種 | 加入内容 | 年間保険料例 |
---|---|---|
飲食業の場合 (売上高1億円) | 建物(東京都/2,000万円) 商品製品(1,000万円) 休業(最長6か月) 賠償責任 (施設、生産物、借家賠、サイバー情報漏洩など) 労災(使用者賠償) | 約33万円 |
小売店の場合 (売上高1億円) | 建物(東京都/2,000万円) 設備什器(500万円) 休業(最長6か月) 賠償責任 (施設、生産物、借家賠、サイバー情報漏洩など) 労災(使用者賠償) | 約22万円 |
食料品製造業の場合 (売上高1億円) | 建物(東京都/2,000万円) 設備什器(1,000万円) 休業(補償割合40%、最長6か月) 賠償責任 (施設、生産物、借家賠、リコール、サイバー情報漏洩など) 労災(使用者賠償) | 約32万円 |
事業活動総合保険の加入方法
事業活動総合保険とは、財産に関する補償と、休業に関する補償をベースとして様々なオプションが付帯できる法人保険である、ということをご紹介しました。
事業活動を行う上で、1契約で様々な補償がまとめられることは、管理上でもメリットがありますし、漏れダブりも防げて一石二鳥ですよね!
加入するには、お近くの保険代理店に相談するか、保険会社に問い合わせることで加入ができます。
しかしながら、各保険会社によっても付帯できる補償やオプションが異なりましたね。
ご自身の事業において、どんなリスクがあるか、必要な補償は何か、まずは確認することが重要です。
「マネーキャリア」であれば、法人保険に詳しいプロのFPと、無料のオンラン相談が納得いくまで何度でも受けられますのでおすすめです。
毎月30社以上の経営者の方や個人事業主の方々が相談しており、相談した方々の98.6%が満足したと回答しています。企業の情報についても徹底して管理しているので安心して相談していただけます。
気になる方は以下から相談のお申し込みをしてください。
事業活動総合保険においてよくある質問
加入してみたいけど、もう少し事業活動総合保険を知りたい…という方もいらっしゃるかと思います。
他の保険とも比較されている方や個人事業主の方からは、以下のような質問をいただきます。
- 事業活動総合保険と火災保険との違いとは?
- 個人事業主でも事業活動総合保険の加入は可能?
上記の事業活動総合保険のよくある質問について、解説させていただきます。
【参考①】事業活動総合保険と火災保険との違いとは?
事業活動総合保険が、法人向けの火災保険と異なる主な点が以下です。
- 事業活動総合保険は、多様な補償を1証券にまとめることができる
- 事業活動総合保険は、輸送中の商品製品も対象とすることができる
1.事業活動総合保険は、多様な補償を1証券にまとめることができる
こちらは上記でお伝えしてきたことなので、繰り返しになりますね。
別途、別契約で休業保険、賠償責任保険がありますので加入する必要があります。
一方、事業活動総合保険は、事業活動に関するあらゆるリスクを1契約でまとめることができる点が最大のポイントです。
これには2つの大きなメリットがあります。
- 更新管理が1度で済むので、管理の手間が省ける
- 抜け漏れやダブりなく加入することができる
事業活動をするには様々なリスクを抱えることになります。そのため、法人保険は補償内容も多岐に渡り、どの補償を選択すればよいのか悩みます。
多様な補償をまとめることができる事業活動総合保険であればそんな悩みも解決できそうです。
2.事業活動総合保険は、輸送中の商品製品も対象とすることができる
事業活動総合保険の火災補償と、法人向け火災保険について、補償対象となる事故に差はありません。基本的には、火災や自然災害などの偶然かつ突発な事故であれば補償対象になります。また、事故に伴って発生する費用保険金にもほとんど違いはありません。
しかしながら、対象とする範囲には少し違いがあります。
法人向けの火災保険であれば、所有している国内の物件や設備什器、商品製品を全てまとめて補償できる、包括契約という契約方式があります。
事業活動総合保険は、それに加え、輸送中の商品製品も対象とすることができる点がポイントです。
輸送中の事故といえば、通常は別途運送保険に加入する必要がありますよね。自社で商品製品を輸送している場合は必ず加入しておきたい補償です。
また、運送会社に輸送を依頼している場合であっても、契約の内容によっては、自然災害は免責となり補償されない場合がありますので注意が必要です。
輸送中の補償は、商品製品を抱える企業であれば必ず加入しておきたい補償になります。
事業活動総合保険で、輸送中の補償までできるのは、別途運送保険を手配する手間も省けて良いですね。
もちろん、輸送中を除く契約方式もありますので、輸送中の補償が不要という場合は外すこともできます。
保険会社によっては、通常の法人向け火災保険と同様に、輸送中が対象外の場合もありますので、ご注意くださいね。
【参考②】個人事業主でも事業活動総合保険の加入は可能?
事業活動総合保険は企業保険ですが、個人事業主であっても加入は可能です。
最近では個人で経営されている個人事業主も増えてきましたよね。
個人事業主は自由度が高いことはもちろんそうですが、そのぶん、事業で生じるあらゆるリスクに関する責任を、個人で負うことになります。
責任が重い分、必要な補償にもれなく加入しておきたいですよね。
事業活動総合保険であれば、たった1契約で、自分の事業にあった保険に加入することができます。
例えば、所有する物件がないとしても、賃貸している物件に対する借家人賠償は必要です。
また、業務遂行中の事故を補償する施設賠償責任補償、取引先の情報が漏れた場合に対応できる情報漏洩補償など、必要な補償を取捨選択して加入できるのも嬉しいですね。
ご自身の事業に必要な補償は何か、迷われた場合は「マネーキャリア」で保険のプロに相談してみてくださいね。
すでに複数の保険に加入していてまとめたい場合や、個人事業主としてこれから開業する予定の方なども気軽に相談できますので、活用してみてください!
まとめ:事業活動総合保険について
この記事では事業活動総合保険についてご紹介しました。ポイントをまとめます。
- 事業活動総合保険とは、1契約であらゆるリスクを補償してくれる優れもの
- 主に、財産の補償、休業の補償からなり、オプションで賠償責任補償や、労災事故に関する補償も付帯できる
- 事業活動総合保険と火災保険の違いは①火災保険以外の補償をつけられるかどうかということ②輸送中の事故が補償されるかどうかということ
- 事業活動総合保険は、法人保険だが、個人事業主でも加入が可能
- 自分の事業に必要な補償を確認したい場合は、「マネーキャリア」の無料オンライン相談がおすすめ