取引信用保険とは?デメリットやファクタリングとの違いを解説!

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取引信用保険とは取引先の売掛債権の回収ができず、連鎖的な倒産を防ぐための法人保険です。加入しているだけで、信用力の強化がされ事業の拡大まで行うことができます。この保険は「ファクタリング」と混同されやすい保険なので一度保険の見直しをすることをおすすめします。

内容をまとめると

  • 取引信用保険とは、連鎖的な倒産のリスクを回避するための保険
  • 取引信用保険に加入していることで信用力強化ができ、事業拡大にも繋がる
  • ファクタリングとの違いは、ファクタリングは資金調達のための方法であり、取引信用保険はリスク回避のための保険である
  • 取引信用保険の保険料の相場は、支払限度額の2~4%あたり 
  • 「マネーキャリア」で取引信用保険に加入するべきかどうか相談することがおすすめ

取引信用保険とは?:連鎖的な倒産を防ぐための法人保険


取引信用保険は、法人向けの重要な損害保険の一種です。中でも中小企業の経営者にとって特に役立つものです。この法人保険は、企業が取引先からの支払いのリスクに備えるために利用されます


まず取引信用保険とは、取引先が債務不履行や支払い遅延により企業が倒産した場合に、保険契約者に保険金の支払いを保証する役割を果たします。具体的には、取引先が支払い不能になった場合、保険会社は契約者に代わって未払いの請求金額を補償します。


この後詳しく解説していきますが、取引信用保険のメリットはいくつかあります。まず、取引先が破産や経済的な困難に直面した場合でも、契約者は支払いを確保できる点です。


また、取引信用保険は新規取引先との取引を安心して開始できるようにします。信用保険会社は、取引先の信用力や経済的な安定性を評価し、リスクを最小限に抑えるための情報を提供します。


取引信用保険について詳しい内容を解説していく前に法人向けの損害保険についてよく理解できていないという方は「法人向けの損害保険について」から記事をご覧いただくか、専門家に詳しく聞くことをおすすめします。


専門家に聞くことを希望する方は、「マネーキャリア」をおすすめします。「マネーキャリア」では取引信用保険を含めた法人保険や、事業のリスク対策に詳しい専門家が、相談に乗ってくれるサービスです。気になる方は以下からお申し込みください。


それでは取引信用保険の解説に戻っていきます。

取引信用保険のメリット

取引信用保険のメリットについては、以下の3点が考えられます。

  • 損害時に補償をしてくれる
  • 信用力の強化
  • 取引額の拡大

【損害時に補償をしてくれる】

取引先が倒産したとしても、取引信用保険に加入していれば売掛債権を補填することが可能です。そうすることで連鎖的な倒産を防ぐことが可能になります。

また、こちらの保険に加入していることで、売掛債権の回収に労力を注ぐ必要がなくなるので、他の業務に注力できるというメリットもあります。

【信用力の強化】

取引信用保険に加入する際、取引先に対して保険会社の調査が入ります。加入後も保険会社は取引先の調査をし続けるため、経営状態に変化があった場合でも保険会社から情報提供を受け、早期に対策することも可能となります。

また自社に関しても、取引信用保険を契約していると金融機関から信頼を受け、企業の資金調達に良い影響を与えるケースもあります。

【取引額の拡大】

取引信用保険に加入することで、今までリスクヘッジのために取引を断念していた先や、信用力が読めず取引額を低くしてやりとりしていた先などの実情を明確化できるため、自信をもって取引先を拡大・選定することが可能です。

取引信用保険のデメリット

ここからは取引信用保険のデメリットを解説していきます。取引信用保険のデメリットは以下が考えられます。

  • 加入前に保険会社の調査が入ること
  • 取引先を特定できないこと
  • 保険商品のため資産化に対応していない

【加入前に保険会社の調査が入ること】

この後に紹介しますが、取引信用保険に加入するにはいくつかステップがあります。そのステップの中に保険会社の調査が含まれています。

調査が入ることで、保険金が希望額に達しない場合や割高になる可能性があります。また倒産リスクや破産リスクが高い取引先においての補填する事は不可能です。

【取引先を特定することができない】

取引信用保険に加入するには、補償の対象を決める必要があります。しかし特定の1社のみなどを補償対象にすることは出来ません

補償対象についてもこの後に紹介するので最後までご覧ください。

【保険商品のため資産化に対応していない】

取引信用保険はあくまでも保険商品であるため、ファクタリングのように売掛債権の資金化には対応してくれません

しかし最近では、保険が付保された売掛債権を、安価で買取ってくれるファクタリング会社も出てきたため、専門家に相談するか、保険会社に問い合わせることをおすすめします。

取引信用保険の補償対象になる実際の事例


ここからは実際に取引信用保険が補償を利用したことにより、事業に良い影響をもたらした事例を紹介していきます。


今回紹介する事例は以下の3つです。

  • 半導体部品卸売業が貸倒れ損失を軽減した事例
  • 日用雑貨品販売がコストカットに成功した事例
  • 食品卸売業が取引信用保険のメリットを実際に活用した事例

それでは詳しく解説していきます。

半導体部品卸売業が貸倒れ損失を軽減した事例

まずは、半導体部品卸売業での事例を紹介します。こちらの事例では、実際に保険に加入後半年以内に貸し倒れ損害が発生しました。


損害額は、約1,000万円だったそうです。損害発生後、2か月以内に保険金(約900万円)を保険契約通り受け取りました。


この事例では損害補償ができただけでなく、社内で保険の導入評価が高まり、営業部門と与信管理部門のコミュニケーションが良くなったというメリットもありました。


参考:取引信用保険の活用事例

日用雑貨品販売がコストカットに成功した事例

続いては、日用雑貨品販売業の事例を紹介します。こちらの事例は、ファクタリングに加入していたのですが、ファクタリング会社から突然保証売り切りを通告してくるケースが頻発しました。それにより代替え手段を模索する一環で取引信用保険で導入をすることを決定した事例です。


導入後のメリットとして、ファクタリングと異なり、包括的に取引先をカバーすることで、人的な管理負担が軽減されたことや、コスト的にも包括契約でありながら、取引信用保険によりコスト軽減がなされたことなどがあります。


また、結果として、売上、利益ともに前年比105%を達成することもできたそうです。


参考:取引信用保険の活用事例

食品卸売業が取引信用保険のメリットを実際に活用した事例

こちらは、取引信用保険を導入したことにより売上が拡大した事例を紹介します。業務拡大途上であり、限られた人的資源で、効果的な与信管理~債権保全を行うために「取引信用保険」の導入を管理本部が決定しました。


これにより、導入から10年で売上を6倍に伸ばしました。その間に貸倒れ損害にも数件遭遇しましたが、取引信用保険に加入していたため保険金支払いで対応することができました。


このように取引信用保険を導入したことにより管理体制が整ったので、社内の評価向上にも役立ったそうです。


参考:取引信用保険の活用事例

取引信用保険の基本的な補償対象や適用範囲とは?


ここからは、取引信用保険の基本的な補償対象と適応範囲や特約について解説していきます。

まずは、取引信用保険の補償対象について説明します。取引信用保険の補償対象は、継続的な売買取引契約で発生する売掛債権です。しかし、リース契約、賃貸借契約などについては補償対象外となります。

また、子会社、関連会社、官庁との取引についても取引信用保険で補償することは出来ません。

続いて保険の適応範囲についてです。保険の適応範囲は、全取引先となり、個別に選別して保険を掛けることは出来ません。しかし、一定のまとまりを対象とすることは可能です。例えば、「自社のある事業部の継続的取引先」といった固まりで保険を適応することは可能です。

取引信用保険の特約やオプション

ここでは、取引信用保険の特約やオプションを紹介します。取引信用保険の特約やオプションは以下になります。

  • BCP特約
  • 裁量与信特約
  • 早期資金化サービス
  • モニタリング情報の提供
  • ポートフォリオ分析シートの提供
ここから一つ一つ詳しく解説していきます。

【BCP特約】

BCP特約とは、取引先から入金遅延等があった際に資金繰りを
サポートする特約です。こちらの特約とセットで取引信用保険に加入しておくことで、入金遅延が発生した時点で保険金の支払い対象となります。

【裁量与信特約】

少額取引先や新規取引先を無記名で包括的にカバーする特約をセットすることができます。

【早期資金化サービス】

取引信用保険が付保された売掛債権を所定の債権買取業者が買取ることで、お取引先からの入金期日よりも前に資金化できるサービスです。

【モニタリング情報の提供】

補償対象となるお取引先に関して、信用力の動向をデイリーで管理し、信用力低下に関わる情報や、合併・被合併情報などを提供してくれます。

【ポートフォリオ分析シートの提供】

補償対象となるお取引先全体に関して、保険事故発生のシミュレーション結果をご提供します。加えて、信用力上位および下位のお取引先を明示し提供するオプションになります。

取引信用保険の保険料の相場は?


法人で契約する保険は企業により保険料が異なります。取引信用保険についても同じです。取引信用保険の保険料率の相場は、支払限度額の2~4%あたりがおおよその目安となります。そこから年間の保険料が決定されます。


注意点としては、保険料率は入先や取扱保険会社、経済情勢取引先の信用状況、取引先件数など、様々な要因で保険料率は変わってきます。


そのため相場の保険料は分からないということが結論になるかと思われます。しかし、加入前におおよその保険料は知っておきたいと思うので、そんな方は、「マネーキャリア」をご利用ください。


「マネーキャリア」とは、法人保険や事業のリスク対策に詳しい専門家が些細なことでも相談に乗ってくれるサービスです。保険料についても相談することができるので気軽にご相談ください。

取引信用保険に加入する際の手続きと条件


ここでは、取引信用保険に加入する際の手続きと条件を紹介します。取引信用保険に加入する際の手続きは、各保険会社に問い合わせることで手続きを行うことができます。


問い合わせる前に自社に取引間以外にどのようなリスクがあるのかを知ることが大切です。実際に損害が発生し、補償が必要なのにも関わらず補償範囲外のため補償漏れとなり、自己負担で費用を支払わなければいけないというケースがあります。


そのようなことを防ぐためにもまず自社にどのようなリスクがあるのかを理解した上で保険会社に問い合わせることをおすすめします。


ただどこに相談すればいいのか分からないという方が多いと思います。保険の相談を希望する方のは、「マネーキャリア」をおすすめします。「マネーキャリア」とは、法人保険や事業のリスク対策に関する専門家と無料で相談ができるサービスです。


「マネーキャリア」を利用した98.6%の方が、サービスに満足してくれています。一度だけでなくご自身が納得のいくまで何度も無料で相談することができるのでぜひご利用ください。

ここでは簡単に取引信用保険に加入するステップを紹介!

ここでは簡単に、取引信用保険に加入するまでのステップを紹介します。以下が加入するまでのステップになります。

  1. 取引先の選定
  2. 取引情報の告知
  3. 保険会社の調査・審査
  4. 支払い条件の決定


取引信用保険に加入するために最初にすることは、どの取引先を補償するかを選びます。1番最初のステップが大事になります。選び方は、2パターンあります。


  • 包括的にすべての取引先を補償する
  • あるカテゴリだけまとめて補償する


取引しているすべての企業を包括的に補償することを選択した場合は、すべての企業が補償対象となりますが、必要な企業のみ選択することも可能です。


その後のステップとしては、取引先の債権額などを記入して保険会社に提出します。そして保険会社の審査が通れば、もしもの事が起こったときに保険金が支払われるようになります。

取引信用保険に加入する際の注意点


ここでは、取引信用保険に加入する際の注意点を紹介します。加入前に注意点を知っておくと本当にこの保険が自身が経営している事業に必要なのかを確認することができます。


注意点は以下になります。

  • 取引先の指定ができない
  • 保険会社の調査次第で保険金が決まる

取引先を指定できない点についてですが、取引信用保険は、基本的に取引している企業を包括的に補償するもしくは、カテゴリをしていして補償する場合の2つに分けられます。

つまり、1つの企業のみを補償するという選択はこの保険ではできません。

2つ目の保険会社の調査次第で保険金が決まるという注意点について解説します。取引信用保険に加入するには、加入する前に保険会社からの調査を受けなければなりません。

審査の結果次第では、補償額が希望に届かなったり、保険料が割高になったりすることがあります。また倒産リスクや破産リスクが高い取引先においての補填する事は不可能です。

取引信用保険とファクタリングの違い


最後は、よく勘違いされやすい、ファクタリングと取引信用保険の違いを解説したいと思います。


ファクタリングとは、「債権買取り」という意味で、資金調達方法の1つです。つまり売掛の債権譲渡をすることで資金を調達するということです。


ファクタリング業者に売掛債権を譲渡することで、本来の決済日よりも早めに現金を受け取ることができます。


ファクタリングについては、売掛債権ごとに取引先を選択することができます。このように早期に資金調達ができる、取引先を選択できるというメリットがありますが、デメリットもあります。


デメリットの1つ目は、信用力の低下に繋がる可能性です。ファクタリングに加入した場合、ファクタリング実行時に取引先にファクタリングに加入したことを知られる場合があります。これにより、取引先に不信感を与える可能性があります。


デメリットの2つ目は、手数料が割高な点です。早期に現金を受け取ることができるのでその際に、発生する手数料は高くなります。

まとめ~取引信用保険の保険料やファクタリングとの違い~


いかがだったでしょうか?取引信用保険の概要やどのようなリスクに備えることができるのか理解は出来ましたか?以下が今回のまとめになります。


  • 取引信用保険とは、売掛債権の回収ができず連鎖的な倒産を防ぐための保険
  • 取引信用保険に加入していることで信用力強化ができ、事業拡大にも繋がる
  • 取引信用保険の保険料の相場は、支払限度額の2~4%あたり
  • ファクタリングとの違いは、ファクタリングは資金調達のための方法であり、取引信用保険はリスク回避のための保険である

ここまで記事を読んでいただいた方々は、取引信用保険の概要や自社を取り巻くリスクと関係があるかどうか理解ができたと思います。

しかし、問い合わせをする前に、法人保険やお金に詳しい方と相談してみたい方や、合わせて保険の見直しをしたい方がいるかと思います。

そんな方々のために法人保険の専門家が無料で相談に乗ってくれるサービス「マネーキャリア」を紹介します。

「マネーキャリア」とは、サービスの相談満足度93%を超えている優良サービスです。自社にどのようなリスクがあるのか、取引信用保険に加入するべきかなど、どんな相談にも保険に詳しい専門家が相談に乗ってくれます。

また取引信用保険の加入を検討するタイミングで、既に加入しているその他の法人保険の見直しをすることもおすすめです。保険料を今よりも抑えることができる可能性があるので、そのような相談も「マネーキャリア」でご相談ください。

気になる方はぜひご利用ください。また、保険ROOMでは、法人保険に関する記事を他にも公開しているので別の記事も合わせてご覧ください。

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