保険金を年金で受け取る際にかかる税金を徹底解説!

収入保障保険の保険金を年金形式で受け取る場合や、個人年金保険の保険金を受け取る場合には相続税や所得税が課されます。また、相続税や贈与税と所得税の2重課税問題など複雑な問題もありますので、この記事を読んでしっかり理解しましょう。

保険金を年金形式で受け取る際にかかる税金を解説!

最近では生命保険の死亡保険金を一時金ではなく、年金形式で受け取る方も増えていると思います。


しかし、実際に一時金で受け取った場合と年金形式で受け取った場合のどちらが良いのかいまいちわかりませんよね?


実は、受け取る方法が違うだけで、受けとれる金額や税金の種類が変わるのです。


そこで、この記事では「保険金を一時金・年金形式で受け取った場合の違い」について、

  • 年金受給権とは何か?その評価方法は? 
  • 一時金で受け取る場合と年金形式で受け取る場合の違いは?
  • 収入保障保険は2重に課税されてしまうのか?
  • 個人年金保険にはどんな税金が課せられるのか?

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、年金形式で保険金を受け取る場合の複雑な仕組みを理解するのに役立つと思いますので、是非最後までご覧ください。


年金受給権とその評価方法は?

生命保険契約による年金を受け取る権利のことを「年金受給権」と言いますが、年金は将来に渡ってお金を受け取るため、一時金を受け取る場合とは異なる評価方法が用意されています。

年金受給権の評価方法は、次のいずれかのうち一番多い金額が評価額となります。
  1. 解約返戻金の金額
  2. 年金に代えて一時金の給付を受けられる場合は一時金の金額
  3. 予定利率等をもとに算出した金額
将来受け取る金額を予想して評価するのではなく、現在の価値で評価すると考えると分かりやすいと思います。

相続税と所得税?収入保障保険に課される税

収入保障保険は死亡保険の一種で、契約時に定めた保険期間中に被保険者が亡くなった時、期間満了まで毎月一定額が年金形式で受け取れる保険のことを指しますが、実は保険金を一括で受け取ることができます。


ただし、一時金で保険金を受け取る場合と、年金形式で保険金を受け取る場合では、課せられる税金が異なるので注意が必要です。


年金形式で受け取った場合と一括で受け取った場合、それぞれの場合でどのような税金が課せられるのかを見ていきましょう。

死亡保険金を一時金で受け取る場合の税

収入保障保険で死亡保険金を一時金で受け取った場合は、年金形式で受け取るよりも受け取れる総額は少なくなってしまいます。

本来であれば、まだ支払っていない保険金部分を保険会社が運用して運用益を出すのですが、一括で支払った場合は、見込まれる運用益分を差し引いて支払うため少なくなってしまいます。

また、収入保障保険の死亡保険金を一時金で受け取った場合は契約形態によって課税される税金の種類が異なります。

契約形態ごとに課税される税金は下記の通りです。

■契約者=被保険者(例:契約者=夫、被保険者=夫、受取人=妻または子)の場合
相続税(「500万円×法定相続人の人数」が非課税)。

■契約者=受取人(例:契約者=夫、被保険者=妻、受取人=夫)の場合
所得税・住民税
死亡年金の一時金から払込保険料(保険金を貰うためにかかった費用)を引いた分が「一時所得」となり、さらにそこから特別控除50万円を引いた残りの半分が他の所得と合算されます。

■契約者≠被保険者≠受取人(例:契約者=夫、被保険者=妻、受取人=子)の場合
贈与税(110万円の基礎控除あり)。

死亡保険金を年金形式で受け取る場合の税

一方で、死亡保険金を年金で受け取る場合は少しややこしく、「被保険者が亡くなった時(相続税)」と「毎月の年金を受け取るとき(所得税)」の2段階に分けて考えなければなりません。

相続税が課せられる部分

被保険者が亡くなった際に、年金受給権の評価額に対して、相続税が課税されます。(契約形態が契約者≠被保険者≠受取人の場合は贈与税が課税されます)

所得税が課せられる部分

翌年から支払われる年金については、受け取った段階で雑所得として所得税が課税されます。(契約形態に関わらず、年金を受け取ったことに対して所得税が課税されます)


相続税と所得税は二重に課税されることはなく、相続税は一括で受け取った場合の金額に課税され、所得税は一括で受け取れるお金(元金)を元に運用して捻出した運用益の部分に対して、課税されます。

具体例でもみていくと、課税対象額は下記の通りとなります。

【試算条件】収入保障保険
被保険者:30歳・男性/年金月額:20万円/保険期間:60歳まで/保険加入してから10年経過、40歳でなくなった場合 

①年金を一括で受け取った場合の金額:45,013,200円 ⇒相続税が課せられる部分

②年金で受け取った場合の総額:48,000,000円

②-①=2,986,800円
⇒所得税が課税される部分

参考:相続税と所得税の2重課税では?

年金形式で受け取った場合に、相続税に加えて所得税が課せられるなんて、2重で課税されていると思われるかもしれませんが、そうではありません。

まず、年金受取開始の1年目は相続税が課せられているので、2重課税とならないように所得税は2年目から課税がスタートされます。

また、2年目に所得税が課税される対象額は、受取年金累計額から年金受給権評価額を差し引いた額となり、さらにそこから支払った保険料の一部を必要経費として差し引くことができます。

つまり、相続税が課税されていない運用益に対して、必要経費を差し引いた残りの金額が所得税の対象になると考えてもらえればと思います。

所得税はすべての所得を合算して計算されるので一概には言えませんが、収入保障保険の所得税だけで考えると、心配するような額にはならないはずです。 

個人年金保険の保険金を受け取る場合にかかる税

ここまでは、収入保障保険について解説してきましたが、もう1つの年金受給権が発生するパターンである個人年金保険についても、どのような税金が課税されるのか確認していきましょう。

個人年金保険は、保険料払込期間中に保険料を支払い、一定の時期から年金が受け取れる保険のことを指します。 

 収入保障保険の課税パターンよりは簡単な仕組みになっています。

年金を受け取る際に課される税金

個人年金保険で契約者と保険金受取人が同一の場合は、年金を受け取る際に所得税が課税されます。

所得税の課税対象は、1年間で受け取る年金の総額から必要経費(保険料)を差し引いた金額になります。

必要経費の求め方は下記の通りです。

1年間で受け取った年金の総額×(払込保険料の合計÷年金の見込総支給額)


※「年金の見込総支給額」は年金の種類によって以下のように異なります。
  • 終身年金の場合:年金年額×余命年数
  • 確定年金の場合:年金年額×支給期間
  • 保証期間付終身年金の場合:年金年額×(余命年数か保証期間年数のいずれか長い年数)
  • 有期年金の場合:年金年額×(支給期間か余命年数のいずれか短い年数)

個人年金保険の受給権取得で相続税はかかる?

既に個人年金保険の年金が発生している状態で、年金受取人が亡くなった場合、その後も保険会社からの年金の支払いが継続する場合は、年金受給権は相続人に引き継がれ、相続税が課税されます。

例えば、10年間の確定年金(10年間は年金が支払われることが確定されているタイプ)の場合で、年金を3年間受け取った時点で、年金受取人がなくなったとすると、残り7年の年金受給権に対して、相続人に相続税が課せられます。

まとめ

保険金を年金型式で受け取った場合の税金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? 

今回のこの記事のポイントは、
  • 年金受給権を得た場合は、あくまで現在の価値(年金受給評価額)で評価がされる。
  • 収入保障保険は一括で受け取った場合は相続税、年金型式で受け取った場合は相続税と所得税が課税される。
  • 個人年金保険で年金を受け取った際は所得税が課税される。
です。

平成22年9月以前は、収入保障保険の保険金を年金で受け取った場合、年金として受け取った金額の総額(年金収入額ー払込済み保険料)の全額が所得税の課税対象とされ、相続税と2重で課税されていましたが、現在ではそのようなことはありません。

ただし、どのような場合に何の税金が課税されるかは知っておいて損はないと思います。

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