生産物賠償責任保険(PL保険)とは?3つのメリットと注意点を解説!

法人向けの生産物賠償責任保険(PL保険)をご存知ですか?法人向けの生産物賠償責任保険は、製品の欠陥のせいで影響が出た場合に、製造した業者を賠償責任から守る法人保険です。他にも2つの注意点や「リコール・作業中」に対応する方法、加入すべき法人に関して解説します。

法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)とは?メリット・注意点は?

製造業や販売業、建設業の法人にとって、仕事に起因する事故や損害の発生は常に考えなければならない問題です。


法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)には、仕事に伴う事故や損害が起こった時に補償をしてくれるというメリットがありますが、補償対象外になるケースもあることをご存知でしたか?


どのような条件なら補償対象になり、どのような条件なら補償対象外になるのかがわからなければ、せっかく加入したのに必要な時に補償を受けられないということになりかねません。


そのため、まずは法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)の補償を受けられる条件や補償範囲についてしっかりと理解することから始めることをおすすめします。


そこで今回は、法人向け製造物賠償責任保険について 

  • 法人向け製造物賠償責任保険とはどのような保険なのか 
  • 万が一の事故や損害が生じた場合の法人向け製造物賠償責任保険の補償範囲 
  • 法人向け製造物賠償責任保険の2つのメリットと2つの注意点 
  • 「リコール・作業中」に対する補償 

以上を中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、法人向け製造物賠償責任保険に加入する前に自分の会社にとって最適であるのかどうか判断するのに役立つと思います。


ぜひ、最後までご覧ください。




法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)について解説!

法人向け生産物賠償責任保険とは「PL保険」とも呼ばれており、製品の欠陥や請け負う作業の結果、事故や損害が生じた場合に補償してくれる保険のことです。


「PL保険」の「PL」の部分は「Product liability」の略で、「PL法(製造物責任法)」に由来しています。


「PL法(製造物責任法)」とは製造物の欠陥によって損害が生じた場合、製造者の損害賠償責任などを定めた法律です。


PL法により製造者は厳しく責任を追及されることになりましたが、では法人向け生産物賠償責任保険に加入することでどのような補償が受けられるのでしょうか?


次から法人向け生産物賠償責任保険の補償の対象と範囲について具体的に見ていきます。

法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)は「製造物」に対する補償

補償の対象となる業務

法人向け生産物賠償責任保険が補償の対象となるのは、大きく分けると以下の2つになります。


  • 製造や販売をした商品・生産物によって生じた事故や損害 
  • 仕事が終了した後に仕事の結果として生じた事故や損害  


製造や販売をした商品・生産物によって生じた事故や損害とは、飲食店が出した食べ物で食中毒になってしまった場合や、機械が爆発を起こして怪我をしてしまった場合などです。


仕事が終了した後に仕事の結果として生じた事故や損害とは、看板の取り付け工事を行なった後に、取り付けに不備があったため看板が倒れてしまい、通行人がけがをしてしまった場合などです。


製造業者と販売者も補償対象 

法人向け生産物賠償責任保険では商品や生産物の製造業者だけでなく、販売業者も対象となります。


なぜかというと、「 PL法(製造物責任法) 」では、商品や製造物によって損害や事故が発生した場合、製造業者と販売業者の両方の責任が問われるからです。


不動産とサービスは対象外

法人向け生産物賠償責任保険は不動産とサービスは対象外となっています。


法人向け生産物賠償責任保険が対象となるのは「製造・生産した有形物」ですが、サービスは有形物(形のある物体)ではなく、また不動産は製造・生産されたものはないからです。


対象とならないサービス業として以下のような業種が考えられます。 


  • 学習塾 
  • 介護施設 
  • 宿泊施設 
  • 広告代理店 

法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)で補償できる5つの範囲

法人向け生産物賠償責任保険で保障される範囲は以下の5つです。


  • 損害賠償金 
  • 裁判にかかった費用 
  • 損害防止費用 
  • 緊急措置費用 
  • 保険会社に協力した際にかかった費用  


以下ではそれぞれの保障範囲について順番に解説していきます。


損害賠償金 

損害賠償金とは、自社が生産した生産物や商品によって損害を被ってしまった人に対して支払うお金のことで、被害者側が訴訟を起こすことで裁判上請求されるものですが、法人向け生産物賠償責任保険では示談金も補償されるのが特徴です。


ただし、怪我や病気になって入院した被害者に対する見舞金は補償の対象ではありません。


裁判にかかった費用 

自社が生産・販売した商品で損害が生じた時、被害者から訴訟を起こされてしまうことがあります。

訴訟をすることになると、弁護士の報酬だけでなく、代理人に対する日当なども訴訟費用としてかかってしまいます。


このような訴訟費用も補償の対象となっています。


損害防止費用 

損害や事故が発生したら、再び同じことが起こらないように防止しなければなりません。

損害や事故の際発生防止のため、建物を工事し直したり設備を改修するとなると、多くのお金が必要となります。

このような損害防止費用も補償の対象になっています。


緊急措置費用 

財産や他人の身体に損害が生じたときに、緊急措置を行うことで被害の拡大を防いだり、大きな被害を食い止めることができる場合があります。

法人向け生産物賠償責任保険では、損害や事故が発生した時の応急手当や護送といった緊急措置費用も補償の対象になっています。

保険会社に協力した際にかかった費用 

損害や事故が生じた時に、保険会社が損害や事故の調査のための協力や、損害の拡大防止のための措置を要求することがあります。


このような保険会社に協力するために必要となった費用も補償の対象になっています。

法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)の2つのメリット

では法人向け生産物賠償責任保険にはどのようなメリットがあるのでしょうか?


ここからは法人向け生産物賠償責任保険のメリットとして、以下の2つを順番に解説していきます。


  • 補償の対象となる業種の範囲が広い 
  • 補償の対象となる経済的負担の範囲が広い

【メリット1】製造業・建築業・販売業など加入対象が幅広い

法人向け生産物賠償責任保険に加入できる業種は幅が広いため、多様な業種において発生しうるリスクに備えることができる


以下の業務に従事している法人であれば加入することができます。

  • 製造業 
  • 販売業
  • 建設業 
  • 飲食業  


これまで説明してきたように、単に製造業や販売業といった有形物を販売する業種だけが加入できるわけではありません。


飲食業であれば提供した食事を食べた客が食中毒になってしまうリスクがあり、建設業であれば工事の不備で事故が起きてしまうリスクがあります。


PL法(製造物責任法)では、製造物の欠陥の原因が部分製造事業者が担当した部品に由来している場合、部分製造事業者も責任を負うことになっているので、部分製造事業者も加入できます

【メリット2】保険金で発生した事故に対応できる

法人向け生産物賠償責任保険のメリットとしてもう1つ挙げられるのは、補償の対象となる経済的リスクの幅が広いということです。


製造物によって生じた事故や損害だけでなく、事故の予防や、損害発生時の緊急措置、事故後の謝罪会見など、幅広い対応が必要になります。


法人向け生産物賠償責任保険では、このような場合にも保険金を受けることができるのです。

法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)の2つの注意点

法人向け生産物賠償責任保険の補償の対象は幅広いですが、あらゆる事故や損害を無条件に補償してくれるわけではないので、よく注意しましょう。


ここからは法人向け生産物賠償責任保険で注意すべきこととして次の2点ついて解説します。


  • 故意・重過失・危険物を扱っている場合 
  • 自己負担はゼロにはならない

【注意点1】故意・重過失・危険物は補償対象外になる

法人向け生産物賠償責任保険では、以下の3つの場合は補償対象外となります。


  • 故意に欠陥品を製造した場合や重過失があった場合 
  • 放射性物質・爆発物などの危険物を扱っていた場合  
  • 製造会社が故意に欠陥品を製造した場合


故意でなくても重過失があった場合は補償対象外です。


重過失とは、単なる過失とは異なり「人として当然払うべき注意を甚だしく欠くこと」です。


例えば、ガスが充満した部屋で、ガスが充満していることを知っているのに火をつけて爆発事故が起きてしまった場合は重過失であるとされるでしょう。


また、放射性物質・爆発物など、最初から事故や損害のリスクが大きい危険物を扱っていた場合も補償の対象外となります

【注意点2】自己負担がゼロになることはない

法人向け生産物賠償責任保険では、「免責金額」が定められており、自己負担がゼロになることはありません。


免責金額とは、事故や損害が生じた時に、保険金で補償されず自己負担する金額のことです。


例えば、損害額が5,000万円だったとしても、免責金額が500万円であれば、保険金を受け取れるのは4,500万円までで、500万円は自己負担しなければなりません。


免責金額の変更はご自身ですることもできますが、免責金額を低く設定すると自己負担額も低くなるので、保険料は高くなります。


逆に免責金額を高く設定すると、保険料は安くなります。


契約時に免責金額がいくらになっているのかしっかり確認しておくようにしましょう。

「リコール・作業中」に対しての補償はどうすればいい?

これまで解説してきたのは製造物や商品、請負仕事の結果によって生じた損害や事故で、リコールや作業中に起きた事故については触れていません。


リコールとは商品に欠陥があった場合、市場に出回った商品を回収することですが、リコールは補償の対象となるのでしょうか?


また、仕事が終わった後に生じた損害や事故ではなく、仕事の作業中に起きた損害や事故については補償の対象となるのでしょうか?


ここからは「リコール」と「作業中の事故や損害」の2つについて解説します。

「リコール」に対しては特約でカバーしよう

商品に重大な欠陥があった場合、製造業者は市場に回った商品を回収・修理しなければならなくなる場合があります。


市場に出回った商品を回収・修理することを「リコール」と呼びますが、日本全国の市場に出回った大量の商品を回収するだけでも多額の費用がかかってしまいます。


リコールは原則的には補償の対象とはなりませんが、保険会社によっては「リコール特約」をつけることができます。


「リコール特約」では以下の4つの費用を補償してくれます。 


  • 回収費用 
  • 検査費用 
  • 修理費用 
  • 交換費用

「作業中」の補償に対しては他の保険にも加入するのがおすすめ

法人向け生産物賠償責任保険は仕事が終わった後に発生した事故や損害を補償するものなので、作業中に生じた事故や損害は補償の対象にはなりません。


しかし、作業中に生じた事故や損害については、法人向け生産物賠償責任保険とは別に、補償してくれる保険があります。


機材や資材に生じてしまった損害については以下の3つの保険で補償を受けることができます。


  • 建設工事保険 
  • 組立保険 
  • 土木工事保険 


作業員の身体に被害が生じてしまった場合は、業務災害補償保険で補償を受けることができます。


他人の身体や財産に損害が生じてしまった場合は、損害賠償責任保険(請負業者損害賠償責任保険等)によって補償を受けることができます。


これらの保険と法人向け生産物賠償責任保険を組み合わせることで、作業中の事故や損害と、仕事が終わった後の事故や損害の両方の補償を受けることができます。

加入すべき法人は「製造業者・流通業者」

法人向け生産物賠償責任保険に加入すべき法人は、製造業流通業を営んでいる法人です。


製造物に関しては、扱っている商品にもよりますが、欠陥のある製造物を扱ったことによる怪我や事故のリスクが常に存在します。


また、製造業者から消費者の元に運ぶ流通業者も、流通の過程で生じる事故や損害を防ぐため、法人向け生産物賠償責任保険に加入することをおすすめします。


流通業者とは以下の4業者のことです。 


  • 小売業者 
  • 卸売店 
  • 運送業者 
  • 倉庫業者 

まとめ:法人向け生産物賠償責任保険(PL保険)のメリットと注意点

法人向け生産物賠償責任保険のメリットや注意点について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは 

  • 法人向け生産物賠償責任保険は補償の対象範囲が幅広い。 
  • 製造業者だけでなく販売業者などの流通業者も加入できる。
  • 故意や重過失など補償対象外となる条件があるので注意。
  • 自己負担がゼロにはならないので免責金額の確認が必要。
  • リコールや作業中の事故や損害については特約や別の保険と組み合わせる。

でした。


商品や製造物の欠陥によって損害や事故が発生すると、被害者との訴訟にまで発展してしまう場合も少なくありません。


そうなると経済的にも時間的にも大きなコストがかかってしまうので、可能な限りそのようなコストを小さくすることが大切です。


法人向け生産物賠償責任保険なら経済的なコストについて幅広く補償してくれるので、何かあった時のために加入しておくことをおすすめします。


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