更新日:2023/09/21
キッチンカーを始める方におすすめの保険とは?事例から徹底解説!
キッチンカーの運営では、食中毒や施設が起因で運営場所、消費者に損害を与えるリスクがあります。そのためキッチンカーの運営では自動車保険だけでなく、PL保険などの営業を取り巻くリスクに対する保険の加入が必要と言えます。なお個人事業主でも法人保険の加入は可能です。
内容をまとめると
- キッチンカーを開業・運営する場合、食中毒や火災などの経営に大きな影響を与えるリスクがある
- 実際にキッチンカーで提供していた飲食物により、複数名が食中毒を発症し行政処分が下った事例がある
- 上記のようなリスクに対応するためにPL保険や施設賠償責任保険に加入することがおすすめ
- 個人事業主であっても法人保険に加入することは可能
- 法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ
目次を使って気になるところから読みましょう!
- キッチンカーの運営を取り巻くリスク
- ①食中毒や衛生管理に関するリスク
- ②自動車事故に関するリスク
- ③火災や爆発に関するリスク
- キッチンカーの運営で実際にあった損害事例
- 事例1:キッチンカーで販売していた飲食物による食中毒
- 事例2:キッチンカーで火災が発生した事例
- キッチンカーの開業におすすめの法人保険4選!
- ①PL保険(生産物賠償責任保険)
- ②施設賠償責任保険
- ③自動車保険
- ④動産総合保険
- 【参考】キッチンカーが自動車保険に加入する際は保険料が高額になりやすい
- ①移動だけでなく、調理を行うため
- ②セカンドカー割引が適応されないこと
- ③運転者の条件を指定することができない
- 個人事業主として法人保険に加入する方法とは?
- まとめ:キッチンカー運営におすすめの法人保険
目次
キッチンカーの運営を取り巻くリスク
キッチンカーの運営を取り巻くリスク
キッチンカーを開業する場合自動車の事故以外にも様々なリスクがあることをご存じですか?こちらの記事ではキッチンカーを運営する上で起こると考えられるリスクと、その対策について詳しく解説していきます。
まずは上記の図をご覧ください。上記の図はリスクマップと言います。リスクの発生頻度と、リスクが事業にどれくらい影響を与えるのかという2つの軸で構成され、それぞれのリスクが示されています。
そこで今回は以下の3つのリスクについて詳しく解説していきます。
- 食中毒や衛生管理に関するリスク
- 自動車事故に関するリスク
- 火災や爆発に関するリスク
①食中毒や衛生管理に関するリスク
まず最初は食中毒や衛生管理に関するリスクについて解説していきます。キッチンカーではお客様に飲食物を提供する事業のため、食中毒に関するリスクは他の事業と比べて高いと言えます。
リスクマップをご覧いただくと、リスクの発生頻度は比較的高い上にリスクが経営に与える影響も比較的高いと言えます。
食中毒が発覚した場合、集団で訴訟を起こされる場合があり、裁判の判決で損害賠償責任があるとなった場合事業を継続することが難しくなるほど大きなリスクであると言えます。
そのため事前に食中毒が起こらないように対策を取っておくと共に、事故が起こった後の費用を補償するための保険に加入しておくことをおすすめします。
②自動車事故に関するリスク
続いては自動車の事故に関するリスクです。キッチンカーで事業を行う際に車を自作して、事業を行っている方もいるでしょう。そうすると車の耐久力が本来よりも低下する可能性があるため事故に遭った際に危険度が増します。
こちらのリスクの発生頻度は中程度で、リスクが経営に与える影響も中程度と言えるでしょう。だからと言って見逃すことができるリスクではありません。
最悪の場合死亡するリスクがあるため事前に対策をしておく必要があるリスクです。
③火災や爆発に関するリスク
最後は火災や爆発に関するリスクです。こちらのリスクの発生頻度は比較的低いのですが、一度こちらのリスクが起こった場合経営に大きな影響を与えると考えられます。
キッチンカーでは狭い空間で火を使った調理をするため、気付かないうちに衣服に着火してしまい火災に発展する恐れなどがあります。
衣服に着火した場合物損だけでなく、人命にも関わる危険性があるため非常に危険なリスクの一つと言えます。そうならないように防火対策を徹底することは必須ですが、もしも起こった場合に、いち早く復帰して事業を再開できるような対策も必要であると言えます。
キッチンカーの運営で実際にあった損害事例
ここからはキッチンカーの運営で実際にあった事故や損害事例を紹介していきます。
具体的な事例を見ることでご自身が経営する事業においてどのようなリスクがあり、対策が漏れている部分がないか発見できる可能性もあるのでぜひ最後までご覧ください。
今回紹介する事例は以下になります。
- キッチンカーで販売していた飲食物による食中毒
- キッチンカーで火災が発生した事例
事例1:キッチンカーで販売していた飲食物による食中毒
まずはキッチンカーで販売していた飲食物により、第三者の食中毒が発覚した事例を紹介します。
こちらの事例は、2021年8月28日にキッチンカーで販売していた飲食物により5名が食中毒を発症しました。また後日調査が行われ、食中毒の発症者5名のうち4名と、当日に飲食物を提供していた従業員3名のうち2名から黄色ブドウ球菌が発見され、こちらのキッチンカーにより食中毒が発生したことが分かりました。
この事故によりキッチンカーを運営していた事業は3日間の行政処分となりました。
この事故から分かるように食中毒は単独で起こることが考えずらく、一人の発症が発覚すると複数名発症すると考えて間違いないと思います。
また今回の事例では行政処分が下り、本来運営できていた期間であったにも関わらず、事業を休業せざる終えない状況となり経営に影響を与えていることも分かると思います。
事例2:キッチンカーで火災が発生した事例
続いてはキッチンカーで火災が発生した事例を紹介します。こちらの事例は2022年5月12日に、沖縄の名護市にある高級リゾートホテルで発生した火災の事例です。
事故の概要は、リゾートホテル内にあるプールサイドで、飲食物を提供するキッチンカーを設置してました。そのキッチンカーでは油を使用する調理器具フライヤーを設置しており、そのフライヤーから出火し、キッチンカーは全焼しました。
この事故によるけが人はありませんでしたが、消防車が4台出動する事態となりました。出火の原因は、キッチンカーを運営していたスタッフが油を熱したままキッチンカーを離れてしまい、その間に出火したことだそうです。
この事例ではケガ人が出ませんでしたが、火災が建物まで及んでいた場合、被害はさらに大きくなっていたと思われます。
キッチンカーの開業におすすめの法人保険4選!
ここからはキッチンカーにおけるリスクの対策として加入すべき法人保険を4つ厳選して紹介します。
早速今回紹介する保険は以下になります。
- PL保険(生産物賠償責任保険)
- 施設賠償責任保険
- 自動車保険
- 動産総合保険
①PL保険(生産物賠償責任保険)
まず最初はPL保険(生産物責任保険)について解説していきます。PL保険とは、事業を運営している方々が、製造または販売する商品が原因で、消費者や第三者に事故や損害を与えた場合に発生する損害賠償責任を補償する法人保険です。
PL保険の補償内容は以下です。
- 損害賠償金
- 損害防止費用
- 権利保全行使費用
- 緊急措置費用
- 協力費用
- 争訟費用
- 不良完成品損害補償特約
- 不良製造品損害補償特約
- 食中毒・特定感染症利益補償特約
②施設賠償責任保険
続いては施設賠償責任保険について解説していきます。施設賠償責任保険とは、施設の安全性の維持や管理の不備や構造上の欠陥、施設の用法に伴う仕事の遂行によって対人・対物が関係する事故に対する賠償責任を補償するための法人保険です。
施設賠償責任保険が適応される事例は以下になります。
- 立て掛けていた看板が転倒し並んでいたお客様にケガを負わせた
- 使用していた油がキッチンカーから漏れ出て出店場所を汚してしまった など
- 損害賠償金
- 裁判に関する費用
- 損害防止軽減費用
- 緊急措置費用
- 協力費用
③自動車保険
3つ目は自動車保険について解説します。こちらで紹介する自動車保険は加入が任意となっている保険です。
先ほども記述したようにキッチンカーを自作して事業を運営する方もいると思います。そんなキッチンカーは「8ナンバー」と言われる特殊用途車種に分類されます。
ここで注意が必要なのですが、8ナンバーで車両を登録すると一般の自動車保険に加入することはできません。そのため専用の自動車保険に加入する必要があります。
以下が8ナンバー登録をしているキッチンカーで自動車保険に加入した場合の保険料です。
契約内容 | |
---|---|
車種 | 特殊用途車両 |
ノンフリート等級 | 6S等級 |
記名被保険者 | 個人 |
対人賠償保険 | 無制限 |
対物賠償保険 | 無制限 |
対物超過修理費用特約 | あり |
人身傷害保険 | 5,000万円 |
車両保険 | 一般補償 350万円 (免責5~10万円) |
保険料 (保険期間1年/一時払) | 161,080円 |
※ある期間の時点の保険料のため異なることがあります。
参考:移動販売車の自動車保険
キッチンカーとして使用する目的で複数の車両をお持ちの方は保険料の割引もあります。法人としてキッチンカーの事業を運営する方は、法人向けの自動車保険もあるので気になる方は以下からご覧ください。
④動産総合保険
最後は動産総合保険について解説していきます。動産総合保険とは、事業活動で使用する什器、備品、商品などを補償する保険です。
こちらの動産総合保険では、以下の損害に対して補償が適応されます。
- 火災・水災・爆発・破裂
- 落雷・風・ひょう・雪害
- 盗難
- 破損
- 輸送する車両、船舶等の衝突・脱線・転覆・沈没・座礁
- 車両の衝突・接触
- 航空機の墜落・接触、航空機からの落下物
- 労働争議に伴う暴行
- 水濡
- 建物又は橋梁の崩壊
- 従業員の誤操作
キッチンカーでは食品を抱えていたり、調理器具などが動産に当たるため、こちらの保険で補償することができると言えます。
こちらの動産総合保険では、万が一の火災だけでなく、落雷による被害や盗難による被害も保証してくれるため、幅広いリスクに対して補償が適応される保険です。
相談総合保険について詳しい内容を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【参考】キッチンカーが自動車保険に加入する際は保険料が高額になりやすい
先ほどキッチンカーの開業、経営をする際におすすめの保険で自動車保険を紹介しました。保険料を算出し、記述しましたが高額だと感じた方もいるでしょう。
実はキッチンカーで自動車保険に加入する場合、保険料が高額になりやすいという特徴があります。
高額になると考えられる理由は以下です。
- 移動だけでなく、調理を行うため
- セカンドカー割引が適応されないこと
- 運転者の条件を指定することができない
①移動だけでなく、調理を行うため
自動車保険に加入する場合、自動車を利用する目的を申請しないといけません。例えば、「日常・レジャー」や「業務用」などがあります。
キッチンカーで自動車保険に加入する場合は、自動車内で調理し、お客様に飲食物を提供するため、「業務用」として申請することになります。
しかし「業務用」で自動車保険の申請を行うと、事故が発生するリスクが高いと判断されるため、保険料が高くなってしまいます。
だからと言って、「日常・レジャー」目的であると嘘をついて申請を行うと、もしものことがあった時に保険金を受け取ることができないので、加入する場合は保険料が高くなることを分かった上で加入するようにしましょう。
②セカンドカー割引が適応されないこと
続いての理由は、キッチンカーの場合、セカンドカー割引が適応されないことがあります。自家用車の場合、2台目で自動車保険に加入する場合、「セカンドカー」割引を適応することができます。
このセカンドカー割引を適応するためには以下の条件をクリアする必要があります。
- 1台目の車の自動車保険の等級が11等級以上であること
- 1台目と利用目的が同じであること
③運転者の条件を指定することができない
自動車保険に加入する際に、その自動車の運転手が誰なのか指定することが求められます。特定の人を指定すると、保険料は比較的割安になります。
しかしキッチンカーの場合、運転者を指定することができないため「全年齢補償」、「全運転者対象」の保険として自動的に設定されます。
そうすると誰でも運転できる車両となってしまうため、保険料が割高になってしまうのです。
個人事業主として法人保険に加入する方法とは?
キッチンカーを個人事業主として経営している方が法人保険に加入する方法については以下の記事で詳しく解説しているので気になる方は、以下からご覧ください。
まとめ:キッチンカー運営におすすめの法人保険
ここまで、キッチンカーの運営を取り巻くリスクと、それらのリスクに適切に対応するための法人保険の紹介をしてきましたがいかがだったでしょう。
以下が今回の記事の簡単なまとめです。
- キッチンカーを開業・運営する場合、食中毒や火災などの経営に大きな影響を与えるリスクがある
- 実際にキッチンカーで提供していた飲食物により、複数名が食中毒を発症し行政処分が下った事例がある
- 上記のようなリスクに対応するためにPL保険や施設賠償責任保険に加入することがおすすめ
- 法人保険や事業のリスク対策に関する相談は「マネーキャリア」がおすすめ